★東、応援を背に初試合に挑む
いつもマネージャーとして早大スケート部フィギュア部門を支えている東。今大会、自身が好きな『となりのトトロ』のオーケストラを使用したプログラムで初試合に挑んだ。リンクサイドでは早大の仲間から「大丈夫だから笑って」とアドバイスを受け、笑顔で銀盤の中心へ。「『トトロ』のメイちゃんをイメージした」という赤い衣装で演技を始める。序盤からジャンプを跳んでいくと、途中でバランスを崩したものもあったが、安井ゆり(政経3=東京・豊島岡女子)や谷川栞理(人1=岡山一宮)からアドバイスをもらったというサルコージャンプは着氷。初級を取ってから練習としたというスピンも回転し、無事演技を終えた。今後の目標は「年内に1級、4年間で3級まで取る」ことだという。フィギュアスケート観戦が好きだった少女が、フィギュアスケーター人生をスタートさせた。
初試合に挑んだ東
★安井、新プログラムを披露
安井は緑の衣装で登場した。今大会で使用するプログラムは2級を取った後に作ってもらった『Mitsudomoe』。きれいな曲を見応えがあるようにするために「スケーティングをすごい頑張ってきた」という。ジャンプではコンビネーションジャンプから単独に変更したものもあった。しかし、「何も考えずに跳んだらすごく上手くいった」とサルコー-ループのコンビネーションを成功させた。スピンは六分間練習で「全然入り込めなかった」という自身の状況を冷静に分析。当初の構成を変更し、シットスピンで演技をまとめる。また「アクセルを跳ぶような選手がいる中でどのように戦おうか」と自ら振りを考えるなど力を入れてきたステップでは、丁寧な動きで観客にアピールした。戦略を立て演技を上手くまとめたが、「もうちょっとできるのにというところが多い」と振り返った安井。悲願の東日本学生選手権(東インカレ)、そして日本学生氷上競技選手権(インカレ)出場を目指しさらに演技を磨いていく。
自ら磨いてきたプログラムを披露した
★谷川、インカレに向け着実な進化を見せる
日本学生氷上競技選手権(インカレ)出場を決めた東日本学生選手権から二週間。舞台を東大和スケートセンターから新横浜スケートセンターに移し、谷川は再び試合に臨んだ。冒頭の三連続ジャンプでは「東インカレよりサルコーが安定して降りられたので、スムーズにあとが続いたかな」と振り返るように、勢いのあるジャンプを決める。その後フリップでの転倒はあったが、その他はミス無くまとめた。ステップでは、笑顔を見せ、可愛らしい表現で魅了。スピンでは、ビールマンスピンを初めてプログラムに取り入れ、インカレへ向けて着実に成長する姿を見せた。今後は新人戦を経ていよいよインカレに挑む。「今より難しいジャンプを取り入れていきたい」と目標を語る。ルーキーイヤーをどのように終えるか注目だ。
(記事、写真 糸賀日向子)
※掲載が遅くなり、申し訳ありません
結果
▽初級女子
東真子 17位
▽2級女子
安井ゆり 10位
▽3・4級女子
谷川栞理 7位
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コメント
東真子(法1=埼玉・早大本庄)
――使用した曲について教えてください
『となりのトトロ』のオーケストラを使いました。
――選ばれた理由は
元々ジブリがすごい好きで、ジブリの中でも『となりのトトロ』と『魔女の宅急便』がすごい好きでした。『魔女の宅急便』は使われている方が多いので、個性が出るかなと思って(『となりのトトロ』を)選びました。
――フィギュアスケートの練習はいつから始めましたか
5月の半ば過ぎくらいから始めて、自分の靴を買ったのは本当に6月に入るか入らないかくらいです。
――試合は何回目ですか
試合は初めてだったので、すごく緊張しました。
――きょうポイントにしていたジャンプはありますか
最後のサルコージャンプがずっと跳べなくて、合宿の時に同期の谷川(栞理、=人1・岡山一宮)と、三年生の安井ゆり(政経3=東京・豊島岡女子)先輩にたくさん見ていただきました。だからその(ジャンプの)前におっとっととなったんですけど、それだけは絶対(跳びたい)と思ってやりました。
――合宿は早大の合宿ですか
いや、早大の合宿ではなくて、OGさんが企画してくださっている色んな大学の選手やOB・OGさんが集まる合宿で見ていただきました。
――スピンはいかがでしたか
初級のクラスで出場したんですけど、初級を取るための課題にはジャンプもスピンも無くて、初級を取ってから練習したので、正直回るかな?と思ったんですけど、なんとか回りはしたので良かったなと思います。
――衣装のイメージやこだわりはありますか
赤い衣装が着たいなと思っていました。その理由はトトロのメイちゃんのイメージと、オーケストラなので強い感じを出したかったので濃い赤の衣装を選びました。
――元々フィギュアスケートが好きということでしたが、滑る側となって感じたことはありますか
皆さんにとってフィギュアスケートというと、テレビで観ているイメージが大きいと思います。あの選手たちがやっていることって上手いからすごく簡単に見えるじゃないですか。でもあの一つ一つ、何なら前に滑ること、後ろに滑ること、それだけの難しさをやってみてさらに痛感しました。
――リングサイドに早大の選手がたくさんいましたが、いつも送り出す側だったのが今回は送り出される側でした。なにか感じたことはありますか
初めての経験だったので、リンクに上がる前にも皆が「大丈夫だから笑って。」と言ってくれました。応援って本当に力になるんだなと思いました。
――今後の目標をお願いします
まずは年内に1級を取るのを目標にしたいです。4年間では3級まで取りたいなと思っているので、その目標に向けて着実にステップアップできたらなと思います。
安井ゆり(政経3=東京・豊島岡女子)
――試合の感想をお願いします
結構この2、3日くらいでスピードを出してジャンプも跳べるようになったので、それを試合でも出せたらなと思っていました。でも六分間練習の時に何か跳べないな、となって結構セカンドジャンプを無くして単独にしたりして、なんとか観ている人にはミスが無かったようにまとまったとは思います。でも自分の中ではもうちょっとできるというところが多いです。スピンも一個キャメルからのコンビネーションを入れるつもりだったんですけど、ちょっと氷に弾かれそうだったのでシット(スピン)にしてなんとかまとめたみたいな感じです。
――プログラムは2級になって変更されましたか
はい。
――プログラムについて教えてください
7月に2級を取って、それで先生に作ってもらいました。すごくきれいな曲なので滑れないと見応えがないというかしらけてしまう感じです。私は元々エレメンツでスピンはできるんですけど滑らないという風に言われていたのでスケーティングをすごい頑張ってやりました。
――題名は何ですか
映画『バッテリー』の中のラストシーンである『Mitsudomoe』という曲です。
――2級で試合に出ることについてはいかがですか
3級をとるのがすごく難しいので、2級にはほぼ3級みたいな人がいます。アクセルを跳ぶような人がいる中で戦うんですけど、まだ私はアクセルを全然跳べません。だからどうやって戦おうかなというところと、観に来てくださる方に何を見せようかなと思った時に結構エレメンツは本番で失敗しがちでした。だからそれを練習するのも大事なんですけど、手の動きとか振り付けとかそういうところを良いなと思ってもらえるような演技にしたいなと思いました。ジャンプを失敗しても踊れていたねとか手の動き良かったとか振り付け良かったとか言ってもらえるようにしたいなという風に思っています。
――ジャンプの面はいかがでしたか
結構新横(新横浜スケートセンター)の氷って弾かれちゃうってよく言われるんです。実際その通りで、跳ぶ感じはするんですけど予測しない方向に行っちゃう感じでした。それを練習滑走の中では扱いきれなかったというところがあったんですけど、上手い人はそれでも全然跳べていたので、ようやくホームリンクの氷ではちゃんと跳べるようになってきたのでどんな氷でも跳べるように頑張りたいと思います。
――連続ジャンプが二つありましたが、いかがでしたか
連続(ジャンプ)は多分1個目がルッツから跳んだのかなと思います。跳び始めたころはフリップよりルッツのほうが得意だったし、ちゃんと跳べていたんですけど、今は跳べるようになったらエッジエラーとか付くようになってしまって、難しいなと感じています。スピードを出すと、スピードが出て怖いと思って飛べなくなっちゃったりエッジの傾きにまで意識が行かなかったりします。かつ2級で戦うとなるとループを皆付けてくるので、ループを付けないといけないので頑張んなきゃという感じです。サルコーループに関しては今回はその直前に壁にぶつかりそうになって、後輩によるとそこですごく吹っ切れた感があったみたいです。すごい何も考えずに跳んだらすごく上手くいったので、全部そういうふうに跳べたらいいなと思います。
――スピン、ステップはいかがですか
キャメル、シット、アップライトというコンビネーションスピンがまあまあできるようになっていたので、やりたかったんですけど六分間練習の時に全然入り込めなかったので、これを曲がかかった中でやるのは難しいかなと思いました。それでシットからのコンビネーションにしました。まあまとまったから良いかなという感じはあります。ステップはエレメンツがギリギリの綱渡りでやっている中で、失敗しない確率が一番高いです。トーステップというつま先で立つようなところはすごい苦手なんですけど、それを抜くとつまらなくなってしまうのでスピードを出してもそれができるように練習しました。それと、先生に内緒で手のふりを増やしたりとかして、いきなり朝練でやってまあ良いんじゃないみたいに言われたり。自分でも恐る恐るではありますが手の振りを増やしてステップが見応えのあるようなプログラムになっていればすごく嬉しいなと思っています。
――オリジナルジャージはいかがでしたか
きのうようやく届いて皆さんにも配ったんですけど、ぜひ練習で着ていきたいと思います。
――今後の目標をお願いします
本当はことしの東インカレ(東日本学生選手権)に出たかったんですけど、自分の技量が全然追いつきませんでした。心の中では目指していましたけど、出場できなかったという現状がありました。でも同期が東インカレを通過してインカレ(日本学生氷上競技選手権)に行ったり、東(インカレ)に出る資格を得たりして。できなくはなかったんだなと思うとすごいまだまだ頑張ろうと思ったりするので来年は絶対に東(インカレ)に出てインカレに出たいです。無理かもしれないですけど、年内に3級を取って、出来なかったとしても来年の東には間に合わせようと思っています。
谷川栞理(人1=岡山一宮)
――きょうの試合を終えて
きょうの試合ではフリップがちょっとコケてしまったんですけど、それ以外では大きな失敗をあまりしなかったので良かったと思います。
――三連続ジャンプはいかがでしたか
東インカレの時より安定してサルコーが降りられたので、スムーズにあとが続いたかなと思います。
――転倒がありましたがその後はどのように切り替えましたか
その転倒のことは何も考えずに自然と切り替えていました。
――スピンはいかがでしたか
スピンは最後のI字の回転がゆっくりで足りていたか分からないんですけど、初めてビールマンも入れることができたので、そこの部分ではスピンでは成長できたなかなと思います。
――この間の試合からどのように調整しましたか
なんかこの間の試合がすごい良かったって思ったんですけど、実際はあまり点数が出ていませんでした。問題だったのがやっぱりスピンとジャンプの回転不足だったので、まずはスピンをどれだけレベルが取れるのかというので先生と話し合って練習してきました。
――次の試合は
次の試合は、試合っていうのか分からないんですけど、新人戦があります。それ以外だとインカレです。
――インカレへの意気込みをお願いします
インカレではスピンの回転数をちゃんと規定通り回るのと、あとジャンプにダブル-ダブルとか今より難しいジャンプを取り入れていけたらいいかなと思います。
――オリジナルジャージが昨日届いてという話をうかがったのですが、いかがですか
きょう初めて着て、もう試合で着ていました。ほかの人たちも言っていたのが、すごい大きな試合に出るようなジャージだねと言っていたので、そこは良かったかなと思います。