進化を遂げて礎が初の表彰台へ

フィギュアスケート

 日本全国のスケーターが集結し、ハイレベルな戦いを繰り広げる日本学生氷上競技選手権(インカレ)が開幕。この日は、男子Bクラスから礎良輔(基理3=東京・早大学院)、女子Bクラスから土橋美菜海(国教2=ドイツ・インターナショナルスクールオブデュッセルドルフ)が出場した。礎はプログラムを全体的にまとめ上げ3位、土橋は11位となった。

 前年度のインカレでは6位入賞、そして昨秋の東日本学生選手権(東日本インカレ)では3位と着実にレベルアップをしてきた礎。今大会では新しい衣装をまとい、気持ちを新たにして演技に臨んだ。前半にジャンプが乱れ、一度は立て直すも最後のジャンプでは転倒も見られた。しかしスピンやステップシークエンスを丁寧にこなし、加点材料とした。得点は東日本インカレに及ばず、56.65点に留まったものの、初のインカレ表彰台。礎は「このインカレで一区切りまとまったかなと思っています。」と振り返った。

フレッシュな衣装でキレのある滑りを見せた礎

 「守りに入らないで自分のできる限りのことをやるということが目標でした」と語る土橋。終始堂々とした演技を見せた。プログラムの最初、重点的に取り組んできたダブルアクセルを降り立つことに成功。また昨年から飛びたいと考えていたトリプルにも挑戦し、回転不足は取られてしまったが転倒はまぬがれた。さらに曲調にのったスピンやステップで華麗さを表現する。演技終了後にはほっとしたような表情を見せた。得点は53.49と昨年より7つ順位を上げ、次戦につながる結果となった。

攻めの姿勢で堂々と滑りきった土橋

 昨年から確実に成長した姿を見せたふたり。「今度こそダブルアクセルをクリーンで降りる」(礎)、「曲の中でアクセル2つと、トリプルをいれられるように頑張りたい」(土橋)と明確な目標を挙げ、早くも次の舞台を見据えている。この経験を糧にさらに羽ばたいていくことに期待が高まる。

(記事 加藤佑紀乃、写真 川浪康太郎)

見事、表彰台に上がった礎

結果

▽男子Bクラス

礎良輔 3位(56.65点)

▽女子Bクラス

土橋美菜海 11位(53.49点)

コメント

礎良輔(基理3=東京・早大学院)

――きょうの演技を振り返っていかがでしたか

東インカレほど点数が出なかったのですが、後半以外は全体的にまとまっていたかなと思います。スピンとジャンプ1個ずつが抜けてしまったことはもったいないかなと思っています。

――本大会に向けて、どのような練習を積まれてきましたか

先月、靴を変えてから少し調子が良くなってきて、ダブルアクセルが入るようになってきていて、この試合で何とかクリーンでダブルアクセルを降りたいなと思っていました。

――コンディションは東インカレと比べていかがでしたか

きょうの方がかなり調子は良かったです。直前の6分間練習の時にもジャンプが全て入ったので、いい感じだなと思って本番に臨めました。

――本大会の目標はありましたか

ダブルアクセルを降りることでした。

――新しい衣装でしたが、プログラムにも変更点はありましたか

プログラムは関カレの時から同じなのですけれども、先月くらいから衣装師の方に頼んで、最後の衣装ということで気合いを入れて作りました。

――大学最後の衣装ということでしょうか

はい。この大会と、来シーズンを通して使うものになります。

――前半にジャンプの乱れが乱れましたが、ジャンプ全体を通して出来はいかがでしたか

ちょくちょくミスは見られましたね。良くできた方ではなかったかなと思います。

――ジャンプ以外の部分の出来栄えはいかがでしたか

シットスピンと、コンビネーションスピンはレベル2と3と加点をもらえたのと、ステップシークエンスで加点をもらえたので点数を稼げたのかなと思っています。

――きょねんの6位よりも順位を上げ、表彰台に上りましたが、その点についてはいかがですか

とてもうれしいです!

――きょねん1年でどのような成長がありましたか

新しい曲になって今シーズン続けてきて、ちょっとずつ演技の細かい部分なども仕上げてきたので、このインカレで一区切りまとまったかなと思っています。

――来シーズンに向けて目標はありますか

今度こそ、ダブルアクセルをクリーンで降りて、ノーミスを目指して頑張りたいと思います。

――次の試合について教えてください

来年度の関カレに出場しようと思っています。

土橋美菜海(国教2=ドイツ・インターナショナルスクールオブデュッセルドルフ)

――今回のインカレはどのような思いで臨みましたか

今回のインカレは、元旦から練習していたとはいえ年明けなので気持ち的には難しい部分があったのですが、予選がなくて今回が本戦だったので、予選で落ちるなどの不安もなく攻めて守りに入らないで自分のできる限りのことをやるということが目標でした。

――初出場の昨年に比べて、試合前の緊張など変わった部分はありましたか

やはり本戦というだけあって、大きな試合なので緊張はしたのですが、どんな感じなのかということが分かっていたのは気持ち的にも楽でした。全国の選手と会えるという楽しみもあったので、今回はその部分が良かったかなと思います。

――演技中、チームメイトの声援は力になりましたか

そうですね。緊張しているところでの応援の声は毎回力になります。

――6分間練習ではダブルアクセルを何度も確認していましたが、重要視しているジャンプということでしょうか

アクセルは確実に飛びたいという気持ちと、あとはトリプルを入れていきたいと思っていたので、そっちまで練習がいくようにアクセルはしっかりやろうと練習時から思っていました。

――そのアクセルジャンプの手応えはいかがでしたか

一番最初のアクセルは決められてホッとしました。2個目はシングルになってしまったので後悔しているのですが、それも次の目標になったかなと思います。

――それ以外のジャンプについてはいかがですか

トリプルは回転は足りなかったかもしれないですが一応降り立つことはできたのでホッとしました。トリプル以外は確実に飛んでいきたいという気持ちがあったので、練習通りにできるように意識してやったのですが、シングルになってしまった部分もあって少し悔しいです。

――スピンやステップの出来はいかがでしたか

自分の中では全てのスピンを正確にできたと思います。ステップは後半の体力が残っていない部分でみんなが頑張れと声をかけてくれて笑顔でできたのでよかったです。

――今後の試合予定を教えてください

抽選なのでまだ確実ではないのですが、2月のバレンタインカップが次になるかなと思います。

――バレンタインカップを含め、今後の意気込みを聞かせてください

きょうの試合を生かして、また練習でもトリプルを正確にして、曲の中でアクセル2つとトリプルを入れられるように頑張りたいと思います。