カテゴリー2へ降格。悔しい敗戦

ラグビー男子

 ついに迎えた関東大学ジュニア選手権(ジュニア選手権)の入れ替え戦。カテゴリー1残留のためにも絶対に負けられない早大Bは、流通経大Bとの一戦に臨んだ。立ち上がりからキックを有効に使い、敵陣に攻め込むも得点には及ばず、たびたび自陣でのプレーを強いられてしまう。ミスは後半も減らず、何度も自陣深くまで攻めこまれる。終盤、粘り強い守備から執念の反撃を見せたが、10-22で敗戦。カテゴリー2への降格が決まった。

 開始直後からキックで敵陣まで攻めこむ。しかし、パスをインターセプトされるとライン際をそのまま走りきられ、先制点を許してしまう。11分、敵陣でフェーズを重ね、相手のペナルティーを誘い、ゴール正面からのPGを選択。SO浅見晋吾(スポ4=神奈川・桐蔭学園)がこのPGを確実に決めた。勢いに乗りたいところだったが、パスミスからモールで押し込まれ、差が開く。それでもロック河野秀明(基理4=東京・早実)のキックチャージを皮切りにターンオーバーし、攻撃を展開。最後はNO・8山口和慶(スポ3=福岡=福岡)がインゴールをこじ開け、10-12と迫った。その後、キックで陣地を取ろうとするが、要所でのミスが響く。自陣での苦しいプレーを強いられ、精彩を欠いた早大Bは相手FWを止めることができない。さらにトライを許し、10-17で折り返した。

積極的なアタックが光った滝沢

 逆転したい後半。自陣5mライン付近まで攻めこまれるが、気迫のこもった守備で得点を許さない。ここでFB滝沢祐樹(基理4=福島)が突破しチャンスを生み出す。しかし、またしても要所でペナルティーを犯し、トライを決めきれない。じわじわと自陣へとラインを下げられると、モールで押し込まれ、10-22と再び離される。だが、このまま負けるわけにはいかない。自陣での相手ボールラインアウトでボールを奪うと、テンポよく攻撃を展開し、反撃を試みる。しかし、ここで非情にもノーサイド。10-22で敗北し、カテゴリー1に残留することはできなかった。

武器としているモールで苦戦した

 「すごく悔しい」フランカー寺川賢太ゲームキャプテン(スポ4=福岡)。きょうの一戦は、カテゴリー2との入れ替え戦であるとともに早大Bの今季最後の公式戦。選手の勝利への欲はなおさら強いものだった。前に出るスクラムや簡単にはトライを許さない守備など、随所に好プレーが見られたにも関わらず、ミスが自らの首を絞めてしまった。プレーの精度を高めることが早急の課題だろう。13日から全国大学選手権に臨む。きょうの悔しさを糧に、次は必ずや赤黒をまとって躍動してみせる。

(記事 本田理奈、写真 浅野純輝)

関東大学ジュニア選手権
早大B スコア 流通経大B
前半 後半 得点 前半 後半
10 17
10 合計 22
【得点】▽トライ 山口 ▽ゴール 浅見(1G、1PG)
※得点者は早大のみ記載
早大メンバー
背番号 名前 学部学年 出身校
石川 敬人 スポ4 茨城・茗溪学園
峨家 直也 商1 兵庫・報徳学園
  後半35分交代→17鷲野    
柴田 雄基 文2 愛知・千種
吉中 大典 スポ4 広島・崇徳
河野 秀明 創理4 東京・早実
◎寺川 賢太 スポ4 福岡
  後半37分交代→21田丸    
池本 翔一 スポ4 愛知・千種
  後半27分交代→20中庭    
山口 和慶 スポ3 福岡
吉岡 航太郎 スポ2 国学院栃木
10 浅見 晋吾 スポ4 神奈川・桐蔭学園
  後半0分交代→23広瀬    
11 鈴木 亮 教4 神奈川・桐蔭学園
12 鈴木 怜輔 政経4 東京・早大学院
13 矢野 健人 商3 東京・早実
14 門田 成朗 法4 埼玉・早大本庄
15 滝沢 祐樹 基理4 福島
リザーブ
16 石倉 庸平 スポ4 山梨・日川
17 鷲野 孝成 基理1 神奈川・桐蔭学園
18 渡瀬 完太 商4 東京・早大学院
19 中庭 悠 人4 茨城・水戸第一
20 近田 望 法4 東京・早大学院
21 田丸 暖 法4 埼玉・早大本庄
22 佐々木 尚 社1 神奈川・桐蔭学園
23 広瀬 泰斗 政経3 東京・早大学院
※◎はゲームキャプテン、監督は後藤禎和(平2社卒=東京・日比谷)
コメント

フランカー寺川賢太ゲームキャプテン(スポ4=福岡)

――いまの率直な気持ちを教えて下さい

入れ替え戦だったのに負けてしまって、すごく悔しいです。

――具体的な敗戦の原因はどういったところがあったのでしょうか

相手のプレッシャーももちろんあったんですけど、相手に負けたというより自分たちの甘いところが出て、自分たちに負けたと思います。ミスであったり、自分たちがやろうとしていたラグビーとはちがうプレーをしてしまって、自滅していって、それが負けにつながってしまったと思います。

――チームの雰囲気が下がってしまった際、ゲームキャプテンとしてどういったことを心がけていましたか

チャレンジしたらミスはつきものだと思うので、ミスしたことではなくて、ミスした後の態度であったりプレーに気を付けていました。声掛けたり、盛り上げようとしたんですけど、チームとしては自分たちのミスで落ち込んで、またミスをして落ち込んで、というワセダのBチームの悪いところが出てしまったのかな、と思います。

――この試合の反省点としてはそういったところだったのでしょうか

そうですね。もちろんプレーの精度が低くてミスしてしまったということもあるんですけど、それ以前に気持ちの部分が全然だめだったと思います。

――ご自身のプレーを振り返ってみていかがでしたか

最後までチームに貢献できるような動きができなかったのが個人的には悔しいです。

――前に出てタックルしている姿が印象的でした

流通経大BのFWが大きいということは分かっていたので、一人だけでいくのではなくて、必ず全員で前に出て、低くタックルにいくということを掲げてゲームに臨んだので、自分が先頭になってタックルいってやろうという気持ちがありました。その気持ちを少しは出せたと思うんですけど、トータルで見たらまだまだ足りないので、そういうタックルが毎回できるように磨いていきたいと思います。

――試合に入る前はどのような声をチームにかけたのでしょうか

ワセダのBチームとしてはラストのゲームになるので、今までやってきたことを悔いの残らないように全部出そう、絶対に勝ちにいこうということを話しました。

――試合後に後藤禎和監督(平2社卒=東京・日比谷)とはどんなお話をされていたのでしょうか

まずはすみませんでした、と。後藤監督からは、責任は全部持つ、と言われました。結果は(カテゴリー2への)降格ということだったので。Bチームはこれで終わりなんですけど、下向いてめそめそしている暇はないので、あさってから全国大学選手権も始まりますし、ぼくら自身も絶対に赤黒を着てやるという思いで、できることもたくさんあると思うので、残り少ないかもしれないんですけど、できることを全力でやっていこうということを話しました。

――今後に向けて意気込みをお願いします

ぼくはフランカーなんですけど、(Aチームの)フランカーの裏が一人空いています。残された試合はなくて見せ場は練習しかないと思うので、Aとの練習でAを圧倒する気持ちで、僕がBチームの先頭に立ってタックル刺さって、絶対に赤黒をもぎ取ってやりたいと思います。

プロップ柴田雄基(文2=愛知・千種)

――このの試合を振り返ってみていかがでしたか

前半の入りに、寺川さんから試合の入りを意識するように言われていたのですが、入りにあまりチーム全体として気合いが入っているという感じがなく、いつもよりも声も出ず、ズルズルいってしまった。後半の最後の方からは声も出るようになり、盛り返したという感じでした。ただ入りが悪かったという感じですね。課題というか、練習から寺川さんの言われていた入りの面での問題が解決せずに出てしまったと思います。

――スクラムはいかがでしたか

朝の雨の影響で多少は滑る部分はあったが、そこまで影響はなかったです。スクラムに関しては押せるという自信がありました。

――ラックサイドのディフェンスについてはいかがでしたか

練習では、皆が声を出して、周りにも熱が伝わるような非常に激しいプレーが出来ていたが、そのプレーへのこだわりが少なかったかなと思います。練習でやったことを上手く出せなかった試合だと思います。

――FWがタテに出るプレーが目立ちましたが、アタックについてはどういう考えだったのでしょうか

強いプレーを意識していました。もともとキックゲームということがゲームプランとしてはあって、そのあとの接点で、練習でやってきた強いプレーをしようという意識がありました。ハーフタイムにコーチにも(ラック)サイドで勝ってると言われていたのでこだわっていこうと思ってました。

――全国大学選手権に向けての意気込みをお願いします

負けたら終わってしまうので、今日のことを引きずることなく、天理大、朝日大、東海大と下を向かず、練習もまた月曜日から始まるので、鋭意ぶつかっていきたいです。

SH吉岡航太郎(スポ2=国学院栃木)

――きょうの試合を振り返っていかがですか

絶対に勝ちたかったのですが、自分の思うようなプレーができなくて、4年生に申し訳ないです。

――きょうのゲームプランはどのようなものだったのですか

当初雨の予報だったのでキックを多めにしようということで、晴れたのですがそのままのプランでいきました。

――エリアを取ることに関して、キックはいかがでしたか

SOへのキックにつながるパスが悪くて、蹴る人が蹴りにくかったというのはありました。

――SOとの連携は取れていましたか

きょうは1本パスミスがペナルティに繋がるということがあって、そこで連携が取れていないというのがありました。

――大学選手権への意気込みをお願いします

今の時点ではメンバー外なので、出れないなら出れないでサポートをして、出ることができたら本当に死に物狂いでやりたいです。

FB滝沢祐樹(基理4=福島)

――本日の試合を振りかえっていかがでしたか

入れ替え戦ということもありましたが、今までやってきたBチームの最後の試合ということで、勝敗どうこうよりも、自分たちが普段からやってきたことをどれだけ出しきれるかにしっかりフォーカスして練習もしてきたのですが、前半、BKのミスで自陣に釘付けになってしまい、我慢しきれず得点をゆるしてしまいました。もっとクレバーに敵陣でラグビーをしていこうということが徹底しきれず、負けにつながったと思います。

――4年生として臨んだ自身の意気込みはいかがでしたか

Bチームの試合ということもあるのですが、シーズンも佳境に入ってきて、今日の試合はAチームに残るためのセレクトションだと後藤監督もおっしゃっていたので、試合に勝つため、Aに残るため、全てを出しきろうと準備してきましたが、自分のミスでチームに迷惑をかけてしまったのが申し訳ないです。

――アタックに関してBKの展開攻撃が目立つ場面が少なかった印象でしたがどういう考えがあったのでしょうか

予報が雨と出ていたので、しっかり雨に備えてキックを中心に敵陣でプレーして、FWの接点での力強いプレーで活路を見出だしてこうと決めていました。しかし、実際は晴れていたので、相手がプレッシャーをかけてきた場面でもっと上手く外に展開すればゲインを奪える場面が後半の入りの部分を筆頭にあったのでチャレンジしても良かったのかなと思う面はあります。戦術自体ではしっかり全員で統一できていて、そのことは良かったかなと思います。

――風の強さといった天候状態が前後半で大きく変わり、FBとしては非常に難しい試合だったと思いますが、いかがでしたか

雨が降ると思っていましたが、結果としては晴れて、そういったコンディションの変化にしっかり対応できるようにとは思っていました。しかし、前半の風下が自陣だった時に、キックチェイス後に簡単に裏を取られてしまったりして自陣に釘付けになってしまったことは自分を含めてBKで改善すべき点だったと思います。

――キックカウンターの際の蹴り返すかランプレーで切り込んでいくかの判断の線引きはどのようになさってましたか

きょうはキックでエリアを押し上げようということがプランとしてあったので、蹴り返してエリアをとりあえずは獲得してFWを前へ押し上げていこうと考えていました。ただ、振り返ってみるとミスなどもあり、もっと積極的にBKで攻めていった方が良かった場面も多かったと思います。

――全国大学選手権に向けての意気込みをお願いします

12月に入り、チームも早明戦に負けて(全国)大学選手権に入っていくなかで、流通経大に勝って勢いをつけていこうと思っていましたが負けてしまったので、かといって、負けたから下を向いているわけにもいかないので、下を向かずに部員全員、Bチームから盛り上げて、Aチームの練習相手ということではなく、岡田組全員で最後まで諦めずに闘っていきたいと思っています。