第100回関東大学リーグ戦(入れ替え戦)11月7日 東京・エスフォルタアリーナ八王子
1部昇格を目指し、2戦先勝の入れ替え戦に挑んだBIG BEARS。ここまで山梨学院大と1勝ずつを分け合い、ついに運命のGAME3を迎えた。勝てば悲願の昇格、負ければ2部残留の大一番。早大は序盤からオフェンスが爆発し大きくリードするも、相手に逆転を許し前半を終えた。1点を追う後半、F三浦健一(スポ2=京都・洛南)を中心に大きく得点を伸ばし試合をひっくり返すと、そのまま相手を突き放し84-63で快勝。全25試合に及ぶリーグ戦を終え、見事1部昇格とインカレへの切符をつかみ取った。
多くの保護者・OBが見守るなか、両校の命運をかけた最後の戦いが幕を開けた。早大は立ち上がりから攻守共に絶好調。三浦、岩屋頼(スポ3=京都・洛南)のスリーポイントでいきなり10-0のランをつくる。外からのシュートで応戦する山梨学院大に対し、C石坂悠月副将(スポ4=東京・国学院久我山)らが粘り強いリバウンドからセカンドチャンスをつくり流れを渡さない。終盤にはG城戸賢心(スポ2=福岡第一)も華麗にスリーポイントを沈め、20-9で第1Qを終えた。このまま突き放したい早大だったが、早くも試練の時間が訪れる。相手の激しいディフェンスに苦戦し、ターンオーバーから次々と失点。G下山瑛司(スポ2=愛知・中部第一)がバスケットカウントをもぎ取りチームを鼓舞するも、1部残留へ闘志を燃やす山梨学院大の勢いを止められずじわじわと点差を縮められていった。終盤には相手エースにスリーポイントを射抜かれ、ついに逆転を許す。32-33、早大が1点のビハインドを背負い前半を終えた。
ボールを運ぶ石坂副将
迎えた勝負の後半、三浦が立ち上がりから連続得点し逆転に成功。早大に再度流れを呼び込む。ディフェンスでも連携の取れたハードワークを見せ、これまで何度も苦しめられた外からのシュートを封じ込めた。この日絶好調の三浦がまたもスリーポイントを沈めると、続けてG高田和幸(スポ3=京都・洛南)も得意の長距離砲から連続得点。点差を2桁にまで広げ、61-47で最終第4Qへ。早大は流れるようなパスワークからF堀陽稀(スポ3=京都・東山)を中心に得点を重ねていく。20点近くのリードを保ったまま残り1分を切ると、ここまでチームを支えてきたC松山雄亮(スポ4=京都・洛南)、G大柳慶悟(教4=東京・早実)、G飯島慶記主将(人4=茨城・下妻一)ら4年生がコートイン。ベンチへ戻った後輩たちに見守られながら、ついにその瞬間を迎えた。試合終了のブザーとあふれんばかりの歓声が、長く苦しい戦いを終えたBIG BEARSを包み込む。全員で追い求めてきた「1部昇格」をつかみ取り、部員たちは歓喜の輪をつくった。2部降格を突きつけられ、悔し涙を流した敗北から1年。その目に輝く涙は、うれし涙に変わった。
試合後、顔を覆う飯島主将に寄り添う大柳
「みんなに感謝しかない」。リーグ戦での役目を全うした飯島主将が真っ先に口にしたのは、ここまで苦楽をともにしてきた仲間たちへの熱い思いだった。計り知れないプレッシャーを背負いながらも、心を燃やしチームを見事なカムバックへと導いたキャプテン。「うまくいかない時期もあったけれど、チームが一つとなって立て直すことができた。チームみんなが頑張ってくれた」と仲間たちの健闘をたたえた。この日26得点の活躍で勝利の立役者となった三浦は、「去年の借りを返したい気持ちは誰よりも強かった」と気迫のプレーを振り返る。1年生ながらコートに立ち悔しさを味わった昨季の雪辱を胸に、コート内外からチームを鼓舞し続けた。そんな下級生たちを「1部というステージでプレーさせたい」と語ったのは、4年間ゴール下で戦い続けた石坂副将。プロを目指す選手も多い後輩たちへ向け、「来年以降につながる良い試合ができた」と最上級生としての確かな手応えを口にした。「まだまだ終わりじゃない」と見据えるは強豪ひしめくインカレの舞台。BIG BEARSは「1部に勝てるチームになる」というもう一つの目標を掲げ、2部優勝・1部復帰を勝ち取ったその実力を証明する。今季最後の挑戦に心躍らせる部員たちの表情は、自信と笑顔で満ちあふれていた。
喜びを爆発させるBIG BEARS
(記事 三浦佑亮 写真 権藤彩乃、石澤直幸、高津文音)
第100回関東大学リーグ戦 11月7日(VS山梨学院大)
1Q | 2Q | 3Q | 4Q | 合計 | |
早大 | 20 | 12 | 29 | 23 | 84 |
山梨学院大 | 7 | 24 | 14 | 16 | 63 |
◇早大スターティングメンバー◇
#0 G下山瑛司(スポ2=愛知・中部第一)
#3 G高田和幸(商3=京都・洛南)
#6 F三浦健一(スポ2=京都・洛南)
#18 G岩屋頼(スポ3=京都・洛南)
#77 C石坂悠月(スポ4=東京・国学院久我山)
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