関東大学ジュニア選手権 １０月２０日 対明大Ｂ 明大・八幡山グラウンド
関東大学ジュニア選手権（ジュニア選手権）全勝を懸けた大一番、早大Ｂ対明大Ｂの一戦は昨日の強風の影響で会場が変更になり、明大・八幡山グラウンドで行われた。試合序盤から再三ピンチを迎えた早大Ｂだったが粘り強いディフェンスで明大Ｂのアタックミスを誘い、難を逃れる。先制を許したものの、立て続けに２トライを挙げて逆転に成功する。しかし、アンラッキーな形での失点もあり10ー21と11点をリードされて前半を折り返す。続く後半はオフロードパスを巧みに繋いだ早大Ｂが先に試合を動かした。明大Ｂにすぐさま１トライを返されるが、スクラムで優位に立った早大Ｂは34分に点数を追加し、24ー28と４点差にまで詰め寄る。しかし、試合終了間際に勝負を決定づけるトライを明大Ｂに献上し、ノーサイド。24ー35、負け知らずの早大Ｂについに土が付いた。
ディフェンスを抜き去るＷＴＢ西浦
早大Ｂのキックオフから始まった今試合。早大Ｂは慣れないグラウンドということもあり、良い立ち上がりを見せられない。反則や明大Ｂの好キックで10分までに３度、自陣22メートルライン内への侵入を許した。しかし、辛抱強いディフェンスで前進させず、アタックミスを誘ってピンチを脱した。13分、早大Ｂは敵陣でのスクラムでフリーキックの反則を得ると、大外に大きく展開。待望のトライチャンスに見えたが、浮いたパスを奪い取ったのは明大Ｂ。そのままインゴールまで80メートル以上を走り切られ、思わぬ形で先制点を献上した。15分、18分にはＷＴＢ西浦岳優（社１＝東福岡）やＳＨ糸瀬真周（スポ３＝福岡・修猷館）のアグレッシブなアタックで敵陣深くまで攻め込むが、ミスで流れをつかみ切ることができない。しかし21分、敵陣マイボールスクラムからの３次攻撃でＳＯ仲山倫平（法３＝ニュージーランド・ウェリントン・カレッジ）が相手のギャップを見逃さず前進すると、オフロードパスを受け取ったＦＬ多田陽道（商１＝東京・早実）がさらにゲイン。最後はライン際に走っていた西浦がトライを挙げた。続く30分、ゴール前でのラインアウトからＢＫラインに展開した早大ＢはＣＴＢ森田倫太朗（スポ２＝兵庫・報徳）の位置でゲイン。ディフェンスラインの出足を遅らせると、大きく飛ばしたパスを受け取った西浦がまたもインゴールを駆け抜け、スコアは10ー７。このまま早大Ｂペースになるかと思われたが、アンラッキーな形で２連続トライを奪われ、10ー21と11点ビハインドの状態でハーフタイムを迎えた。
フィジカルの強みを見せるＨＯ清水
迎えた後半、７分にＳＨ宮尾昌典（スポ４＝京都成章）が登場すると、早大Ｂアタックはさらに加速する。８分、ハイタックルの反則で敵陣深くまで前進した早大Ｂは明大Ｂの強烈なタックルに苦戦しつつもボールを継続。宮尾から早いテンポでパスを受けたＣＴＢ黒川和音（人３＝茨城・茗渓学園）からＨＯ清水健伸（スポ2＝東京・国学院久我山）、最後は森田がインゴール中央に飛び込んだ。このまま逆転の糸口をつかみたい早大Ｂだったが、明大Ｂの多彩なアタックに翻弄され、12分にキックパスから簡単にインゴールを明け渡してしまう。どうにか流れを変えたい早大Ｂが投入したカンフル剤はＰＲ前田麟太朗（スポ１＝神奈川・桐蔭学園）。20分、交代直後のスクラムで前田は明大Ｂスクラムを大きくプッシュし、コラプシングの反則を獲得。ＦＷ陣は一斉に雄叫びを上げ、ムードは早大Ｂへ。明大Ｂの統制されたディフェンスに攻め手を欠いていたが、32分、ＬＯ萩原武大（スポ３＝茨城・茗渓学園）のキックチャージではじけたボールを上手くキャッチしたＷＴＢ清透馬（商４＝茨城・茗溪学園）が前進。素早くアタックラインを完成させ、ボールを大きく展開した。逆サイドのライン際で待っていたＦＢ植木太一（人１＝神奈川・関東学院六浦）がディフェンスを引きずりながらインゴールを叩き割り、キックも成功。24ー28とついに明大Ｂを射程圏内に捉えた。試合は最終局面を迎え、会場も熱気を帯びる。しかし、38分、早大Ｂの希望を打ち破るように明大Ｂが決定的なトライを挙げると、その後の反撃もむなしくノーサイド。24ー35と早大Ｂは今季初めて敗戦を喫した。
後半からの出場で攻撃に違いを生み出したＳＨ宮尾
「本当に悔しい」と清水と仲山は口をそろえて振り返った。これまで様々な難所を乗り越えてきた早大Ｂだったが、最大の山場で白星を落とした。チャンスの場面で得点に結びつけられないといった早大Ｂらしくないプレーもあり点差を縮めることが叶わなかった。しかし、明大Ｂの強力なフィジカルにも引けを取らず、スクラムでもプレッシャーをかけたことは事実。これまで磨いてきたディフェンスではピンチを何度もはねのけ、最終盤まで勝負を決めさせない粘り強さを見せた。ジュニア選手権はこれで終わりではない。優勝を決めるプレーオフトーナメントへ向け、早大Ｂはさらに強くなることだろう。この敗戦を受けて一段と完成度を上げる早大Ｂから目が離せない。
（記事 村上結太、写真 安藤香穂）
コメント
ＳＨ宮尾昌典（スポ4＝京都成章）ゲームキャプテン
ーーチームとしてのコンセプトを教えてください
「Ｗｉｎ Ｔｈｅ Ｇａｍｅ」です。１位がかかってたのでとにかく勝てばいいという気持ちでやってました。
ーースコアをリードされている状況からの出場となりましたが、どんな思いで試合に出ましたか
ディフェンスを我慢すればアタックで取り切れる印象だったので割と気軽に出れたかなと思います。
ーー特にアタックで意識していた点はありますか、またそれはどれくらい達成できましたか
相手のディフェンスの穴が見えてたのでそこを突くようにはしてました。
ーー今日の敗戦を受け、チームとしてどんな課題が挙げられますか
ジュニア選手権はまだ続くので普段の練習から意識を高く持ってやることかなと思います。
ーー今後の意気込みをお願いします
ジュニア選手権も対抗戦も優勝します。
ＨＯ清水健伸（スポ２＝東京・国学院久我山）
ーー個人としてのコンセプトを教えてください
コンタクトの部分でしっかりと前に出ることです。
ーーＢチームとしては今季初の敗戦となりましたが、率直に今の感想をお願いします
本当に悔しいです。取り切れるところで取れなかったので、自分たちのミスが辛いかなという風に感じました。
ーーアタックでの接点を振り返って、できたこと、課題点を教えてください
ハンドリングは課題なのですが、しっかりと相手のスペースに対して走り込めたり、アタックでプレッシャーを出しながらトライを取れたりしたというところは収穫かなと思います。
ーーディフェンス面についてはいかがですか
しっかりとフットワークを使って相手のウィークポイントに入り込む、タックルで刺さるというところを意識してやって、そこは大きい相手にも通用したかなという風に感じました。
ーー今後の意気込みをお願いします
今日もノックオンが１回あったので、そこを０に抑えられるように、ミスに対してもっと厳しくなって、ハンドリングスキルやワークレートの部分もしっかり強化して次の試合に繋げたいと思います。
ＳＯ仲山倫平（法３＝ニュージーランド・ウェリントン・カレッジ）
ーー個人としてのコンセプトを教えてください
熱量と精度を持って80分間戦い続ける、ということを意識していました。
ーーＢチームとしては今季初の敗戦でしたが、率直な感想をお願いします
本当に悔しいです。取れるところを取り切れずに、アンラッキーなところで相手にボールを渡してトライを取られてしまった場面もあったので、勝ち切れなかったことで悔いが残る一戦です。
ーーゲームメイクで意識していたことはありますか
チームとしては「ゲインラインバトル」がテーマだったので、ボールを下げずにアタックラインをどんどん前に上げていくことを意識していました。また、エリアを確保していくことも意識していました。
ーー自身のプレーを振り返って、できたこと課題点を教えてください
前を見て自分から仕掛けてチャンスを作ることはできたかなと思うのですが、キックの面だったり凡ミスが目立ち、それらがゲームの結果を左右した一因かなと思うので、しっかり修正していきたいです。
ーー今後の意気込みをお願いします
まだ対抗戦もありますし、大学選手権にも繋がっていくので、まずは『赤黒』を目指して『荒ぶる』に貢献できるように頑張ります。
ＰＲ前田麟太朗（スポ１＝神奈川・桐蔭学園）
ーー個人としてのコンセプトを教えてください
今日は明大さんという強いチームと対戦できたので、リザーブからの出場でしたが、自分の持ち味であるスクラムで強さを発揮し、勝利に貢献することを意識していました。
ーー交代直後のスクラムで明大からペナルティーを取りましたが、自身のスクラムを振り返っていかがですか
今日の試合ではこれまで準備してきたスクラムを組むことができて、かつペナルティーも取ることができたので、素直に嬉しかったです。
ーー劣勢の状態でグラウンドに入りましたが、どんな思いで試合に臨みましたか
自分がセットプレーのところで力を出し、チームに勢いをつけて流れを変える意識を持っていました。
ーースクラムでも優位に立った後半でしたが、追い上げられなかった要因はなんだと思いますか
個人での一対一や、後半の部分でやり切らなければいけないところをチームとしてもやり切れなかったところだと思います。ここを次回の試合までには修正したいです。
ーー今後の意気込みをお願いします
まだ一回も赤黒を着れていないので、自分の強みを出して赤黒を着れるように頑張ります。
スコア
早大メンバー
関東大学ジュニア選手権星取表
