激動の春シーズンがいよいよ終幕を迎えつつある。今季の締めくくりとなった実業団・学生対抗大会。学生と実業団から各競技３名ずつを選出しチームを構成して競い合う今大会に、早大からは中野直哉（スポ４＝長野吉田）、南野智美（スポ２＝山口・西京）、仲野春花（スポ２＝福岡・中村学園女）の３名が出場した。解散期間中で、難しいコンディションではあったものの、中野が１００メートル＋２００メートル＋３００メートル＋４００メートルリレーの３走として力走し実業団チームに見事勝利するなどの活躍を見せた。
（記事 平野紘揮）
★夏季練習に向けた走り
ラストスパートをする中野
「日本学生対校選手権（全カレ）では１位になってチームに貢献したいと思います」。このようにレース後に今後の意気込みを示したのは中野直哉（スポ４＝長野吉田）だ。中野は、今回４００メートル障害で得意なところを生かしつつも課題を残した。その課題というのは後半のハードリング。前回の日本選手権でも上がったものだ。今回もそこで歩幅が合わずに失速し、周囲の選手に追いつかれてしまう。しかし、その後は得意とする後半のスパートで追い上げ、見事３位入賞を果たした。また、南野智美（スポ２＝山口・西京）は女子４００メートル障害に出場し、夏季の練習前最後の大会を６位で終えた。これからは夏季集中練習の時期に突入する。選手たちはひと夏を超えてどのように成長してくるのか。全カレでの結果が楽しみだ。
（記事 朝賀祐菜、写真 杉野利恵）
★目標の優勝には届かず、悔しい結果に
１メートル７３を成功させる仲野春
静岡国際大会優勝、日本選手権３位入賞など今シーズン実績を残してきた仲野春花（スポ２＝福岡・中村学園女）。今回は学生代表として女子走高跳に出場した。「記録よりも優勝を狙いたい」と意気込んだ今試合。１メートル６５、１メートル７０を余裕のある跳躍で１回目でクリアした。しかし１メートル７３センチでは思うように足を合わせられず、バーを落としてしまう。失敗すれば優勝の可能性が消える３回目で意地を見せ、１メートル７６の試技へと進むが「跳躍が流れていた」と反省する失敗に終わり、悔しい３位となった。これからは秋に向けて「踏み切りがはまるような安定した助走ができるようにしたい」と語った仲野春。全カレでは１メートル８０超えの大ジャンプに期待したい。
（記事 杉野利恵、写真 大庭開）
★中野が学生チームの勝利に貢献！
レース後笑顔を見せた中野
今大会の最終種目となった男子１００メートル＋２００メートル＋３００メートル＋４００メートルリレー（メドレーリレー）。早大からは４００メートル障害で３位に入った中野が、学生チームの３走として出場した。所属チームが異なる選手たちによる急造チームで競うため、バトンワークが大きなカギを握った今回のレース。ミスで遅れる実業団チームとは対照的に、中野は１位に躍り出た２走の法大・大瀬戸一馬からスムーズにバトンを受け取り走り出す。普段の競技では走ることのない３００メートルという距離にも、しっかりと対応。実業団選手にじわじわと差を詰められたものの、得意の後半で粘りを見せ、１位を守ってアンカーへとつなげた。レースはそのまま学生チームが逃げ切り、見事に実業団チームに先着。重要な役割を担った中野の頑張りがチームに勝利をもたらした。
（記事 大庭開、写真 杉野利恵）
結果
▽男子１００メートル決勝
九鬼巧ＯＢ １０秒３３（＋２．６）（４位）
▽男子４００メートル障害決勝
中野直哉 ５０秒４１（３位）
▽男子１００メートル＋２００メートル＋３００メートル＋４００メートルリレー決勝
学生（高橋ー大瀬戸ー中野ー堀井） １分５０秒３５（１位）
実業団（馬場ー九鬼ＯＢー杉町ー木村） １分５１秒３７（２位）
▽女子１００メートル障害決勝
紫村仁美ＯＧ １３秒３９（＋１．１）（２位）
▽女子４００メートル障害決勝
南野智美 １分００秒５５（６位）
▽女子走高跳決勝
仲野春花 １メートル７３（３位）
コメント
中野直哉（スポ４＝長野吉田）
――今日のレースを振り返っていかがですか
今、大学の競走部の方が解散期間中で、たくさん練習ができていない中での試合だったんですけれども、少し体力の面で後半伸びない部分があったので、４００メートル障害の方は１０台目で足が合わなかったのですが、これを機にまた夏の練習が始まっていくと思うので、（体力を）作り直して日本学生対校選手権（全カレ）に向けて頑張っていきたいと思います。
――６月に行われた日本選手権では、７台目にミスがありましたが、何か意識した点はありましたか
その大会が終わってから、あまり練習をしていなくて、その中のレースで特に意識はしていなかったのですが、そこ（７台目）はしっかり流れて。ですが日本選手権に引き続いて１０台目はまだ課題が残るようなレースだったと思います。
――これからの夏の練習に向けての意気込みを教えてください
夏はもう一度作り直して、やった分だけ結果がついてくると思うので、しっかりチーム一丸となって４年生として引っ張っていけたら良いかなと思います。
――今後の大会と目標を教えてください
大会は全カレと国体なんですが、まず全カレがありますので、関カレ（関東学生対校選手権）に引き続き、１位になってチームに貢献したいと思います。
仲野春花（スポ２＝福岡・中村学園女）
――きょうはどのような目標を持って試合に挑まれましたか
きょうは記録よりも優勝をしたいなという気持ちを持って挑みました。このような結果で悔しいです。
――１メートル７３という記録についてはいかがですか
欲を言えば１メートル８０以上跳びたかったのですが、今は練習も部が解散中で調整も自分のできる範囲でやったなかでこの試合に臨んだので、しょうがない部分もあったとは思います。今後こういう場で勝ちきれる力をつけていきたいと思います。
――足が合っていない場面が見られましたが、いかがでしたか
最初はスピードが出過ぎないようにゆっくり踏み切りだけを意識しようと考えていました。最後は、流れているという風に言われてたので、思いっきりいこうと思いました。
――夏に向けて強化したいところがあれば教えてください
日本選手権が終わってから跳躍を振り返ると流れている部分が多くて、自分の持ち前はバネだと思っているので、踏み切りがはまるような安定した助走を、秋に向けてやっていきたいと思います。