TEAM | 1P | 2P | 3P | 計 | ||||||
日体大 | 6 | 10 | 4 | 20 | ||||||
早大 | 3 | 2 | 0 | 5 | ||||||
▽得点者 中村2、曳地、古谷、加納(恒) |
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ホームである所沢キャンパスにて開催された、関東学生リーグ戦(リーグ戦)第2節。初戦は筑波大を相手にミスが目立ち、思うようなディフェンスもできなかったと語った中、この日挑んだのは日体大だ。インカレでは脅威の25連勝を記録中の、大学水球界で長年トップに君臨する名門校である。第1ピリオド(P)では相手の退水(※)を誘うなどテクニカルなプレーも見られ、必死に食らいついた。3-6と点差をそこまで開けずに第2Pに突入できたものの、ここで7連続得点の集中砲撃にあう。ここからの回復は難しく、最後は第3Pでコールド負けを喫した。
GK加納凪人(スポ2=三重・四日市中央工)とディフェンス陣
激しいセンターボール争いを制したのは日体大。この流れでいきなり先制の2得点を決められる。だが2分、曵地孝太郎(スポ3=埼玉・秀明英光)がループシュートで得点。高く手を上げてのカットディフェンスに対し、それをすり抜けて相手GKの上を通す、技ありのゴールだった。ディフェンス陣も、失点を最小限に抑えるべく連携が光る。特にGK加納凪人(スポ2=三重・四日市中央工)は5分、日体大の正面からのシュートを跳ね返すと、再び投げ込まれてもまたセーブ。最後はポストに当てさせて攻撃を終わらせるなど、圧巻の集中力を見せた。そのカウンターで大きく受けたパスを右からループで入れ込んだのが、加納恒心(スポ1=東京・明大中野)。早大が理想とする一対一に持っていってからのゴールを、ルーキーながら体現していた。また7分には、ゴール前でボールを持った都田楓我主将(スポ4=鹿児島南)が3人のディフェンスに囲まれるも、水中のプレーで引き込み反則を取らせる。これでペナルティスローのチャンスが生まれ、中村大智(スポ3=埼玉・秀明英光)が決め込んだ。「相手のペースにならないようにできていた」(中村)と振り返る第1Pは、3-6と結果的にもまずまずの流れで、続く第2Pへ。
シュートを打つ加納(恒)
再開直後から日体大の圧のあるカウンターオフェンスが止まらない。円形でのダイナミックなパス回しによって、四方八方から決定力のあるシュートを飛ばされ、気が付けば7連続失点を許していた。一方の早大は、「もっと自分たちのオフェンスができればよかった」(曳地)と話すように、ボールがゴール前までは届くものの、相手ディフェンスの強度が高く、思うようなシュートに至らない展開が続いた。そんな中ようやく5分に、スピード感のある流れから中村が速攻でシュート。しかしこのピリオドは、6分の古谷典也(スポ2=東京・明大中野)によるペナルティシュート成功と合わせての2得点に留まり、5-16と苦しい状況で前半を終えた。第3Pに入ってもやはり流れは変えられない。攻撃のターンが来てもボールを潰され、一気に攻め込まれてしまう。最終的に日体大の4連続得点により15点差がついたため、コールドのアナウンスが鳴り響き試合終了。圧倒的な強さを見せつけられたゲームとなった。
ペナルティスローを決める古谷
力負けを感じざるを得ない今回の敗戦。「誰にでも通用するプレーをしなくてはならない」(中村)。試合後のインタビューでは、格上の相手とかこつけず、的確に自分達を省みる姿が印象的だった。この翌日、14日に行われる次戦は、大本命の早慶戦だ。昨年のリーグ戦、早慶対抗大会はともに慶大に軍配が上がったが、今シーズンの練習試合では早大が勝利した。リーグ戦逆襲に向け、伝統の一戦で初の勝ち星を付けたいところだ。
※重大なファウルを犯した選手は、20秒間ディフェンスに参加できない。
(記事、写真 中村凜々子)
コメント
中村大智(スポ3=埼玉・秀明英光)
――今日の試合全体を振り返って、個人面ではいかがでしたか
個人としては、相手が強かったので、通用する部分としない部分を確認しようと思っていたのですが、相手の戦力が思ったよりも上でした。同学年にも勝てたかと言ったら微妙な所だったので、反省して次はしっかり変えていきたいという感じです。
――第1ピリオドではオフェンスディフェンスともに、順調に見えました
最初は結構作戦通りで、相手のカウンターを防ぐために自分達がダラダラ水球をして、相手のペースにならないようにできていました。ですが自分たちの攻め気が出てきてしまい、カウンターを食らいすぎるようになってからは簡単に失点してしまったので、第2ピリオドは流れの中から得点が取れず、厳しい展開だったと思います。
――日体大の強さはズバリどこですか
個々人が強いので、ここで勝ててもここで負ける、という要素が強いです。誰にでも通用するプレーをしなくてはならないなと思います。
――最後に明日の早慶戦への意気込みをお願いします
今シーズンに入ってから、練習試合と六大学ともに勝っているので、しっかり勝ち切りたいと思います。
曵地孝太郎(スポ3=埼玉・秀明英光)
――チーム全体について、今日の試合を振り返るといかがですか
チームとしては、極力失点を少なくして、個人の力が出る一対一の部分を生かすために少ない人数で攻めること、そして各ピリオド1-0という目標を立て、チーム全体で守り接戦を制するというゲームを目指していました。ですが、1Pまではよかったのに対し2P目は反省点が多かったなと、このゲームを通して感じています。
――曳地選手は全体を俯瞰で見れるポジションですが、チームプレーに対してなにか課題などは感じましたか
相手が自分達を引き込むために、ディフェンスのシステムを(1Pと)変えてきていたので、それに対応できず、逆に向こうが得意とするカウンターからの失点が増えてしまったので、もっと自分たちのオフェンスができればよかったなと思います。
――2Pで7連続失点のシーンがありましたが、どのような状況でしたか
相手のディフェンスが、パスラインディフェンスという現日本代表も行っているシステムを使っていて、ボールキープをするのがいっぱいいっぱいになってしまいました。本当は、もっと仲間を助けて、エースである都田選手に集めることができればよかったと思っています。あとは、よりコート全体を使って、泳いでボールをもらうことをすれば、点数も取れてうまく守れたのかなと思います。
――最後に、次戦以降、リーグ戦全体への意気込みをお願いします
今のところ2回負けているのですが、残りの試合全力で勝ちに行って、上位リーグに残れるように頑張っていきたいと思います。