日体大に敗れ、決勝への道は絶たれる。

水球男子
TEAM 1P 2P 3P 4P
立命館大
早大 20
▽得点者
田中7、池水6、眞板3、山田(太)2、吉村1、土橋1
TEAM 1P 2P 3P 4P
日体大 22
早大
▽得点者
田中2、池水1、山田(太)1

 日本学生選手権(インカレ)は2日目を迎えた。初戦を快勝した早大は立命館大、そして絶対王者・日体大と対戦した。立命館大を相手に、早大は余力を残しつつ、大差で勝利を収め、いよいよ王者・日体大を迎え撃つ。意気込みも十分で臨んだ試合だったが、やはり王者のカベは高かった。序盤から点差を開かれると、主導権を完全に握られてしまい、4-22で完敗した。この結果を受けて早大は、3位決定戦で慶大と対戦することとなった。

 立命館大は今シーズン初めて対戦する相手だ。互いの力量を測るように静かな立ち上がりとなった。こう着状態がしばらく続いたが、田中要(スポ1=埼玉・秀明英光)の泳力と抜群のシュートセンスを武器に、早大は徐々に相手と点差を広げ始める。第2ピリオドを無失点に抑え、前半を10-2で折り返した。後半からは積極的に選手交替を行い、戦術の幅を広げる試みも見られた。終始早大のペースで試合は運び、20-7で立命館大を圧倒。トーナメントを順調に勝ち進む。

安定感のあるシュートを決める池水勇太主将(スポ4=鹿児島南)

 関東学生リーグ戦(リーグ戦)で黒星をつけられたままの日体大。強豪を打ち倒してインカレ優勝に弾みをつけたいところだったが、序盤に大量失点すると、試合は終始相手ペースで運ばれた。フィジカルや個々のスキル、連携の練度の差を痛感――。早大は4-22で日体大に完敗したものの、一対一で日体大の選手と張り合えるプレーヤーもおり、次の戦いにつながる経験を得られた。

団結して日体大からゴールを守る

 インカレ優勝、そして打倒日体大という目標は道半ばで敗れることとなったが、「選手たちは試合が終わった瞬間から、次の3位決定戦に向けて気持ちを切り替えた」と吉村祟(スポ3=大分商)は話してくれた。選手たちは既に前を向いて、決戦に備え始めている。対戦する慶大は、リーグ戦と早慶戦で勝利を収めている相手だけに、次も白星を挙げることを期待したい。負けられない戦いが、ここにはある。

(記事 上野真望、写真 井嶋梨砂子)

コメント

  

吉村崇(スポ3=大分商)

――この夏、インカレに向けてどこを強化しましたか

早慶戦が終わってから、沖縄の合宿に参加して高校生を相手に練習をしたんですけれども、ゲームメインの練習の中で、チームの連携の部分で息が合うように、試合で生かせるプレーを増やしていくこと。そして守備も攻撃も課題があったので、その課題をつぶして、ミスのないチームを目指しました。インカレ直前には、筑波大、明大、日大という強豪校と試合をして最終調整をしてきました。

――立命館大を相手には、余力を残したゲームメイクができたと思うのですが、いかがですか

チームがまず先取点を取れたこと、各ピリオド2失点以内という目標が立ち上がりからうまくできていました。1年生の田中の活躍であったり、眞板晃生(スポ2=東京・明大中野)や池水主将といった点取り屋の活躍があったからです。その裏側で、土橋玄(教1=埼玉・秀明英光)がしっかりと守ってくれているおかげで勝利につながりました。夏に鍛えてきたチームとしての部分が、試合で生きてきたんだと思います。固く一勝したと考えています。

――日体大戦を振り返って、どのように感じておられますか

正直言って、すごく強かったです。一対一の部分で、勝負していける選手も結構いたので、悔しいですけれども、次の試合のことを考えるといい勝負ができて、チームの中でも攻守の課題が新たに見つかりました。

――新たな課題について、詳しくお聞きしてもよろしいですか

オフェンスに関しては、点数は取れるんですけれども、取れなかったときのカバーリングですね。あとカウンター中のディフェンスも課題です。ただ攻めるだけではなくて、守備のことにも意識を向けた攻撃というのがあるので。それに加えて、守備の末端、たとえば相手がシュートを打つときのタイミングでの退水やフローターへの処理なんかができていないので、改善していきたいです。

――慶大との3位決定戦に向けた意気込みを最後にお願いします

絶対に勝たなければならない試合とはまさにこのことだと感じています。日体大に敗戦した瞬間から気持ちは全員切り替えています。明日絶対勝つという強い気持ちを持っています。厳しい試合になることを予想しているのですが、しっかりと早大らしい攻撃、守備、チーム力を発揮して、ベンチスタッフや保護者の方々の応援してくださる気持ちを胸に、今シーズンはインカレに向けて努力してきたので、3位というかたちに残るものを得たいと思います。