日体大に善戦するも、力及ばず

水球男子
TEAM 1P 2P 3P 4P
日体大 12
早大
▽得点者
深川4、岩井、桜井、池水、眞板

 関東学生リーグ戦(リーグ戦)の1次リーグを2試合残し、1部上位リーグ進出の可能性が消滅したワセダ。6試合目となるこの日は日体大との対戦に臨んだ。日本学生選手権(インカレ)18連覇という記録を持つ王者相手に、ワセダは序盤からカウンターを仕掛け積極的に得点を狙っていく。第2ピリオドから相手の追い上げにあい、点差をつけられる場面もあったが、最後まで攻めの姿勢を貫き8-12で試合終了。「強い相手に対するゲーム展開としてはいいものができた」と岩井雄太郎(文構4=東京・城北)が振り返るように、負けてはしまったもののこれからの戦いに期待できるものとなった。

 開始1分半、深川幹徳主将(スポ4=福岡工)からのパスを受けた岩井がワンタッチで先制点を決めると、そこから桜井祐太(人4=東京・城北)らが次いで得点し、ワセダのペースで試合を運んでいく。「逆のポジションの人は帰って数的有利な状態で守れるように心がけた」(深川)。カウンターを持ち味とする日体大への対策もあり、相手にシュートをあまり打たせないまま3-1で第1ピリオドを終える。しかし、続く第2ピリオド、日体大は反撃に転じた。得意のカウンターを生かしてシュートチャンスを作ると、5得点を奪う猛攻を見せる。ワセダは中盤で逆転を許し、4-6で試合を折り返した。

日体大の攻撃を抑えたディフェンス

 後半に入っても相手は攻撃の手をゆるめない。第4ピリオド序盤で点差は6点にまで開き、試合の流れは完全に日体大のものになったかと思われた。しかし、ここでワセダは食い下がる。相手ディフェンスと揉みあいながらも眞板晃生(スポ1=東京・明大中野)がボールを押し込むと、深川がゴール横からシュートを決め、得点を重ねていく。ゴールキーパーの高島丈司(社4=東京・明大中野)が随所で好セーブを見せ、試合終盤は点を取り合う展開に持ち込んだ。最後には高島のパスを受けた池水勇太(スポ3=鹿児島南)が鋭くボールを沈め、8-12で試合終了。中盤には日体大が優位な形で試合を進める場面もあったが、ワセダは最後まで粘り強く戦い、強豪相手に健闘を見せた。

高島の好セーブが光った

 「いつも勝てなかった日体大にはすごく思い入れがあった」(深川)。インカレ優勝を目指すにあたって一番大きなカベになるのが日体大だ。苦戦を強いられたリーグ戦において、その流れを断ち切り日体大に力を尽くせたことは、高く評価されるべきだろう。しかし、「1対1の部分で多くの人が負けてしまっていた」(岩井)と、選手が今の実力に物足りなさを感じる部分もあった。インカレまでの3ヶ月間で乗り越えるべき課題も明らかになったこの試合。ワセダ復活の足音が聞こえはじめた。

(記事 井嶋梨砂子、写真 井口裕太)

コメント

  

深川幹徳主将(スポ4=福岡工)

――日体大への対応力を重視していた試合だと思いますが、その点はいかがでしたか

特徴的なマンツーマンディフェンスをやってくるチームで、カウンターが持ち味、そして日本で一番強いチームということで、カウンターをまず出させないということと、プレスのディフェンスの対応というのを考えていきました。

――プレスが強いチームの攻略はどのように行いましたか

水球の基本的な二等辺三角形のかたちでポジションを上げると前にボールを出せるという戦術で臨んだのが上手く決まって、退水もとれたし得点にもつながったと思います。

――最後まで相手に試合の主導権を渡さずに進めることができたのは、そのような点が生きたのでしょうか

そうした時にシュートミスとかをしてしまうとカウンターを出されてしまうので、逆のポジションの人は帰って数的有利な状態で守れるように心がけてやれたことが向こうのやりたいことをやらせなかったひとつのポイントかなと思います。

――リーグ戦では厳しい試合もありましたが、どのような切り替えがあったのでしょうか

僕が主将をやっていて、いつも勝てなかった日体大にはすごく思い入れがあって、日体に対する対応というのは考えていました。日体に対しては対応できましたが、逆に言えば他のチームに対しての戦術を疎かにしていたのもこういう結果につながっていたのかなと思います。

――今回の試合での収穫はどのようなところですか

どのチームに対しても分析を、どういう人間が核になって攻めてくるのか、どういう戦術でやってくるのかというのを、チーム全体に浸透させるようにもう少し主将としてやれれば良かったと思います。下位リーグに入ることになってしまいましたがやるしかないので、インカレにつながるようにできれば良いですね。

――来週には筑波大との対戦も控えていますが、意識していきたいところはありますか

全体的に卒が無いチームなんですが、泳ぎに関しては得意にしていないチームなので、泳げるチームである僕らの利点を生かしたいというのと、筑波が得意としているディフェンスからのカウンターをいかに防いで逆に僕らがカウンターを出せるかがポイントになってくると思います。一回負けている相手なのでリベンジする気持ちでいたいです。

岩井雄太郎(文構4=東京・城北)

――まずはきょうの結果についての感想をお願いします

きのう負けてしまって上位リーグに行けなくなってしまいましたけど、強い相手に対するゲーム展開としてはいいものができたかなと思います。

――優位に進めた1ピリオドを振り返ってみていかがですか

いつも僕らは立ち上がりが悪くて失点してしまうのですが、きょうは挑戦者の気持ちでいったというか、攻めの気持ちでいったのであのような結果になったかなと思います。

――ディフェンス面ではかなり下がって守っていた印象を受けました

日体大はカウンターが全てなので、少人数でカウンターを食らってしまうと点差が開いてしまうので。無理に攻めずにディフェンス、ディフェンスという意識でいました。

――相手のプレスが厳しい中、どのように対応しましたか

全員6人で攻めるのではなくて、前線の3人や少数で攻めて抜かれてくる人数を少なくすることを心がけました。ポイントポイントで点を取れば競れるのではないかと思いました。

――きょうの試合の中での収穫と課題は何でしょうか

収穫としては、強い相手でもゲーム展開的には競れたということです。課題はやはり1対1の部分で多くの人が負けてしまっていました。点が入ったのも結構ラッキーな部分があったので。個人能力を上げていかないとこの先厳しいなと思います。

――次の筑波大戦はどのような試合をしていきたいですか

残念ながら勝敗はあまり関係なくなってしまいましたけど、筑波大はライバルですし、絶対負けたくないです。チームカラーも似ているので、絶対に勝つというつもりでやっていきます。