ディフェンスが崩れ、専大にまさかの敗戦

水球男子
TEAM 1P 2P 3P 4P
早大 10
専大 15
▽得点者
深川3、岩井2、山田2、吉村2、眞板
   

 関東学生リーグ戦(リーグ戦)は2試合目を迎えたこの日、ワセダは専大と対戦した。前日のリーグ初戦を快勝し、連勝スタートで発進したいところだったが、第1ピリオドから流れに乗り切れない。相手の早いパス回しに苦戦するなど、前半を終えて6-8と2点のリードを奪われる展開に。試合後半、立て直しを図るも相手の攻撃を食い止めることができず、終わってみれば10-15で敗戦した。確実に勝利を収めたい一戦だっただけに、チームにとっても予想外の結果となってしまった。

 リーグ開幕戦の中大戦を18-9と白星で飾ったワセダ。この日も持ち味のカウンター攻撃で試合を優位に進めていきたかった。しかし、ゲーム序盤から主導権を握れない。深川幹徳主将(スポ4=福岡工)の先制点で勢い付くかに思えたが、桜井祐太(人4=東京・城北)らの退水(※1)から相次いで失点。4-4とリードを奪えず第1ピリオドを終えた。第2ピリオドになっても、専大ペースで進む。「相手の独特のオフェンスに対応できなかった」と吉村崇(スポ2=大分商)が振り返るように、中盤からの鋭いパスにディフェンス陣が苦戦。高島丈司(社4=東京・明大中野)が必死のセーブを見せる場面もあったが、4点を奪われ6-8と2点ビハインドのままゲーム後半を迎える。

力強いシュートを打つ深川主将

 反撃に転じたい第3ピリオド。相手陣内で退水を誘発し、決定的なチャンスが何度もあったが、それを生かしきれず。一方、第2ピリオドでの桜井に続き、眞板晃生(スポ1=東京・明大中野)も永久退水(※2)となってしまう。選手層の薄さが課題となっているチームなだけに、主力2人を欠くことでより劣勢に立たされてしまった。試合終盤では簡単なミスが見られるなど、プレーに精彩を欠く場面も。最終ピリオドでさらに突き放され、5点差でこの一戦を落とした。

ディフェンスに徹する選手たち

 試合序盤からの失点が積み重なり、最後までリードを奪い返せず敗戦。中嶋孝行監督(平13教卒=福岡工)は「ここのところ記録にないぐらい負けていなかったので、そういう意味で言うと、うちの実力が厳しい状況にある」と厳しく評価した。取りこぼしの許されない相手への敗戦なだけに、この結果はチームに重くのしかかるだろう。だが、「また勝利にこだわって試合に臨むことが大事」(吉村)と選手たちはすでに前を向いている。次戦以降の巻き返しに期待したい。

※1 重大なファウルを犯した選手は、20秒間ディフェンスに参加できない。

  

※2 退水が累積3回となった選手は、残り時間出場できない。

  

(記事 井口裕太、写真 井嶋梨砂子)

コメント

  

中嶋孝行監督(平13教卒=福岡工)

――きょうのチームのディフェンスはいかがでしたか

永退(永久退水)もありましたし、結果として15失点していますからそうなるとなかなか良いゲームにはならないなと思います。チームの選手層というところでも永久退水が2人になってしまって、やはり攻撃の起点はディフェンスから始まるのでそこで苦しいようだとうちの流れにはならないですね。

――専大に5点差で負けるというこの試合結果はどう捉えますか

点差よりも15失点しているということが残念ですね。負けについてもここのところ記録にないぐらい負けていなかったので、そういう意味で言うと、うちの実力が厳しい状況にあるのかなと思います。やはりそれが現実だと思いますが、ひとつふたつと順位を上げていくにはこういったところでつまずいているようでは厳しいですし、まだインカレ(日本学生選手権)じゃなくて良かったなというところです。

――今回、互いに退水が多く、荒れた雰囲気を感じる試合でしたがその点については

こういうゲームはきょうに限った話ではないので、この試合でも相手のアタックがきついという面もあると思いますが、そこでこちらが便乗してやり合っているようだと苦しいです。向こうがそれを狙っていることもあるかもしれませんから、そこは相手のペースにならないように、メンバーが少ない中で退水を極力減らして失点を減らしてこっちの流れにするといううちのスタイルを崩されないように、崩されそうな時にぐっと我慢できるチームにしていかないとならないです。最後ああいう形で退水になりましたけど、比較的我慢はできたかなと思います。

――きのうの中大戦では3年生以下で試合を運ぶ姿も見られましたが、下級生の動きはいかがでしょうか

まだどうしても自分が自分がというのが、あまりないかなと思います。4年生がいない中で俺が俺がというプレーが出来るかなと思いつつ見ていたんですが、ちょっと控え気味というか、「自分はいますけど誰かお願いします」というプレーが多いのかなと思います。そういった面でも、今スターティングメンバーもキーパー含め4年生入ってますけどチームとして底上げをしなきゃならないのかなと思います。もっと自己アピールを積極的にしてほしいですね。

――リーグ戦で上位を目指していくにあたって必要となるのはどのような点でしょうか

やはり失点が気になります。得点はそれなりにできると思うんです。1点取られれば逆転には2点必要になってくるので、例年の爆発力はないですから失点を抑えて、そこからいかにうちの流れにできるかというのが、特にきょうみたいなゲームには必要なのかなと思いますね。

吉村崇(スポ2=大分商)

――厳しい結果となりましたが、きょうの試合の感想をお願いします

決めるべきところを決められなかったのが課題です。対応力のなさもそうですね。

――対応力のなさに関して、この試合ではどのように出てしまったのでしょうか

ワセダのプールと違ってプールのコートも短くて、相手のプールでもあります。速いパス回しや相手の独特のオフェンスに対応できませんでした。

――相手独特のオフェンスとは何でしょうか

中盤から中に速いパスが入ってくるということです。

――失点も多かった印象を受けましたが、ディフェンス面での反省点はどのあたりですか

元々1対1で守るのがチームの決め事ではあったのですが、そこでやられたり、変に下がってきたりしてそこでもやられてしまった部分がありました。

――相手の退水に付け込めなかった部分もありました

そうですね。得点につながらなかったのが大きいですね。

――4ピリオド目は少し荒れた展開にも見えましたがいかがですか

いや、4ピリに限らずでしたけど、最初からそういうチームと分かっていたことですし、チーム全体で冷静になればそれほど荒れる試合にはならなかったと思いますね。

――次戦以降に修正していきたい点などはありますか

チーム全員が冷静になってまた勝利にこだわって試合に臨むことが大事だと思いますね。