新体制で白星スタートを決める

水球男子
TEAM 1P 2P 3P 4P
早大 19
明大
▽得点者
中安7、深川6、吉村3、池水3

 今シーズン初の公式戦となるジャパン・ウォーターポロリーグが開幕した。今大会は昨年までの東日本リーグ戦に代わる形で開催され、ワセダは2月から8月にかけて計10試合に出場する。新チームの力が試される初戦は明大との対戦。序盤から何度もシュートを打つ果敢な攻めで大量得点を奪い、終始試合を優位に運んだ。練習で力を入れたというディフェンスで相手の得点を阻み、点差をどんどん広げる。最終ピリオドでは連続失点を喫す場面もあったが、リードを守り切り、19-6の大差で白星を飾った。

 開始早々、ワセダは積極的な攻撃を仕掛ける。中安正巳(スポ1=静岡・磐田南)が先制点を奪うと、勢いそのままに池水勇太(スポ2=鹿児島南)と深川幹徳主将(スポ3=福岡工)が追加点を挙げ、試合の主導権を握った。第1ピリオド中盤、吉村崇(スポ1=大分商)の退水(※)から明大に得点のチャンスを与えるも、ゴールキーパーの高島丈司(社3=東京・明大中野)が好セーブを見せ、無失点で第2ピリオドへ。その後も着実に得点を重ね、10-1で試合を折り返した。

ディフェンスの活躍が光った

 前半の勢いを保ちたいワセダは、第3ピリオドでも連続得点を挙げる。一時、明大との点差は14点にまで広がりコールド勝ちも見える展開となった。しかし第4ピリオド中盤、明大の細かなパス回しに翻弄(ほんろう)され、連続で3失点を許す。その後は気持ちを切り替えて得点し、結果的に19-6と相手を圧倒して試合を終えたが、「後半になって集中力が切れたり、笛に対応できなくなったりしました」と岩井雄太郎(文構3=東京・城北)が振り返るように、今後の課題も見つかる一戦となった。

この試合7得点を挙げた中安

 ディフェンスやカウンターを意識した練習の成果を試合で存分に発揮し、勝利を手にしたワセダ。新体制のチームの滑り出しは上々だ。その一方で、「メンバーが代わるとチーム力が落ちてしまうことがある」と深川が指摘するように、目標である日本学生選手権(インカレ)優勝への道のりはまだ長い。今回の試合で感じた手応えを生かして、夢に大きく近付きたいところだ。

※重大なファウルを犯した選手は、20秒間ディフェンスに参加できない。

(記事 井嶋梨砂子、写真 千葉大輝)

コメント

深川幹徳(スポ3=福岡工)

――きょうの試合を振り返っていかがですか

相手は格下だったので、自分たちのやるべきことをやるという感じでした。本当はコールド勝ちになるかと思いましたが、そう上手くはいかない試合でした。

――得点に絡むプレーが多く見られましたが、どのようなことを心がけていましたか

オフェンスではなくディフェンスの練習を多くしていたので、個人的にも失点の原因となるところを作らないことを心がけていました。

――今回の試合での収穫はどのようなところですか

チームでやろうと決めていたことは出来ていたので、そこを今後レベルアップさせていきたいです。

――新体制で初の公式戦でしたが

作りたいと思っていたチームのプレーが出来ていたので、そういう点では10点中8点ぐらいだと思います。でも問題点は多すぎると思っていて、まずワセダの例年の問題としてチーム層の薄さがあります。永久退水などでメンバーが代わるとチーム力が落ちてしまうことがあるので、そういうところを変えていきたいと思っています。

――新しく開催された今大会ですが、この大会の位置づけは

メンバーが全部で10人しかおらず6対6のゲーム形式の練習ができないので、練習の一環として考えています。インカレに向けての段階的なトレーニングとして、一週間の練習の成果を出す場としています。

――これからの意気込みをお願いします

やはり目標は日本一になることで、そのためには絶対に日体大と戦わなければなりません。決勝の舞台に立つためにも打倒日体大と考えています。

岩井雄太郎(文構3=東京・城北)

――新体制初の公式戦となりましたが、きょうの試合内容はいかがでしたか

人数が少なかったですが、新チームになってからディフェンスやカウンターをメインにやってきて、前半はうまくそのかたちが出せたと思いますけど、後半になって集中力が切れたり、笛に対応できなくなったりしました。僕の不甲斐ない守備もあって最後はうまく締まらなかったという感じです。最後をしっかり詰めていかないといけないです。

――チームのディフェンスは見ていていかがですか

先ほどと似てしまいますが、1、2ピリ目は外周のプレスが当たれていたので、なかなか中にいいボールが入ってくることはなかったですが、後半笛が鳴ってしまうと、いいボールが入ってきてしまうので、そこは練習でもう一度修正しないといけないと思いました。

――新チームのかたちはどのようなものですか

きょねんやおととしと違ってタレントがいるわけではないので、全員でディフェンスをしてカウンターにいって早く攻めるという方法しか僕らにはできないので。

――下級生の活躍も目立ちました

中安(正巳、スポ1=静岡・磐田南)は僕と同じポジションですが、山田(太一、スポ1=埼玉・秀明英光)がケガをしてしまったので急きょあのポジションをやっています。本当に練習も熱心で、まだ足りないところもありますけど、一緒に頑張っていけたらと思います。

――シーズンオフに意識的に取り組まれていたことはありましたか

きょねんのインカレの週に骨折してしまって、一番大事なところで出られなかったので、まずはそのリハビリで時間がかかってしまいました。それからは基礎体力、筋力を取り戻しました。あとはセンターバックの瀧川さん(峻也、スポ4=京都・鳥羽)がいなくなってしまったので、少しでも近づけるようにビデオを見たりしていました。

――この時期に試合があることをどのように捉えていますか

きょねんは東日本リーグ戦に出ず、関東学生リーグが初めての試合になりました。結局、なかなかうまくいかなかったので早めに試合をやっていくと、試合の雰囲気に慣れていくことができるので、いいことかなと思います。

――このリーグ戦はどのような位置づけですか

あくまでも(目標は)インカレ優勝、日本選手権3位です。別に前日だから練習量を落としたり、ウェートトレーニングをやらないとかそういうことはせず、練習の一環で試合に臨むという感じです。内容を意識しています。

――次戦に向けて修正していきたい点はありますか

きょうの前半のような流れで、プレスしてカウンターといけば勝てると思います。あとはビデオを見て、自分自身のきょうの不甲斐ない守備を反省して、2週間やっていきたいです。

中安正巳(スポ1=静岡・磐田南)

――きょうの試合を振り返っていかがですか

練習でやってきたことを出すことが出来て、自分としては泳ぎの面でカウンターにいっぱいいけたので良かったと思います。

――新体制として初の公式戦でしたが意識したことはありましたか

新体制としてケガや就活で先輩がいない中、自分がワセダの一員として点を取れるようにと思っていました。

――常に得点を求められるポジションですが、試合に対する心持ちはいかがですか

センターポジションなので自分からどんどんボールを要求して、取りに行くことですね。積極性を忘れないようにしています。

――次回の試合に向けてお願いします

点をとって、自分たちのペースで進められるようにしたいと思います。