日大に我慢の勝利、上位リーグへ弾み

水球男子
TEAM 1P 2P 3P 4P
早大 11
日大
▽得点者
深田6、武田2、戸張2、深川

 関東学生リーグ戦(リーグ戦)、1次リーグ最終戦の相手は日大。点差は競りながらも終始優位に試合を進め、東日本リーグ戦で敗れた雪辱を果たした。ワセダは総当たりの1次リーグを6勝1敗の2位で終え、4位までの最終順位を決する上位リーグに進む。

 前半のワセダは、深川幹徳(スポ2=福岡工)が「決めなきゃ駄目なところを決められなかった」と指摘するように、決定力を欠いた。ペースを握り、好機を多く作り出すも点差を離せない。逆に日大はオフェンスファウルやシュートミスからのカウンター、退水(※1)からのパワープレイなど、いまひとつキレのないワセダのミスに乗じて加点。第2ピリオド終了間際、この日チームトップの6得点を挙げた深田隼輔(スポ3=鳥取中央育英)がゴール前で相手のマークを振り切ってシュートを叩き込み、6-5と辛うじて1点リードして後半へ折り返した。

最多得点を挙げチームをけん引した深田

 第3ピリオドで1点ずつ取り合った後、第4ピリオド、9-7と離したところで深川が永久退水(※2)。このピンチに失点し、2分20秒を残して1点差に。しかし、この窮地にもワセダは慌てなかった。「個人的には今大会の中では結構良かった」という武田望(スポ4=富山北部)が深田にアシスト、その後自らもミドルシュートを決め、勝負を決定付けた。

好調さを見せた武田

 「点を入れられ過ぎてしまった」と武田が振り返るなど、まだまだ満足のいく内容とは言えない一戦。しかし、ベストパフォーマンスを発揮できない中でも主導権を渡さず勝ち切ったことは、試合後半で大きく崩れた東日本リーグ戦からの成長と言える。次戦からの上位リーグでは、筑波大、日大、日体大と再戦する。厳しい戦いが予想されるが、その中で一層チームとして完成度を高めていきたいところだ。

※1重大なファウルを犯した選手は、20秒間ディフェンスに参加できない。

※2退水が累積3回となった選手は、残り時間出場できない。

(記事 森健悟、写真 伊藤なつ実)

★点取り屋の右サイド

 速攻主体のワセダでは、右サイドでボールを運びパスを供給し、左サイドでゴールを狙うのが定番の形。今季は主に武田と深川が右サイドを務め、得意の泳ぎで幾度も好機を作り出している。しかし深川は、昨季は左サイドを主戦場とし、リーグ戦で最も得点した1年生に送られる新人賞を獲得するなど高い得点能力を持つ選手。ポジションが変わっても「パスを出す立場になったので、起点を作って相手のタイミングで投げてやります」と自分の役割を理解し器用にアシストをこなすが、一方でリーグ戦の得点数は現時点でチーム3位の22、残り3試合ながら既に昨季の18を上回っている。チャンスメイクしながらも隙あらば得点を狙う、『点取り屋の右サイド』。一見セオリーとは矛盾するような存在が、今季のチームの推進力を生んでいる。

深川

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コメント

武田望(スポ4=富山北部)

――きょうの相手は東日本リーグ戦で敗れた日大でしたが、どのようなゲームプランで臨みましたか

東日本リーグ戦の時はコートが小さいプールだったんですけど、きょうは正式なコートでできるということで、とりあえず泳ぐことという作戦でやりました。

――内容的にはいかがでしたか

もう少し点差が離れてもおかしくない実力差なので駄目でした。

――具体的に良くなかったところはどのような点ですか

点を入れられ過ぎてしまったことです。(得点される)回数が多かったと思います。

――守備が悪かったということでしょうか

そうですね。

――個人的には2得点2アシストでしたが、自分自身のプレーについてはどう思われますか

個人的には今大会の中では結構良かったです。周りのチームメイトが調子の悪い時に僕が引っ張っていくかたちになったので良かったです。

――きょうの試合をもって全ての大学と戦いましたが、ここまでを全体的に振り返っていかがですか

基礎能力的には僕たちは上位の方に来ているので、あとは作戦とチームの統一がしっかりとできれば全部勝てるかなとは思います。

――これから上位4チームによる決勝リーグ戦がありますが、やはりライバルは日体大ですか

そうですね。負けないぞ、勝ってやるぞという気持ちでいきたいです。

――次の筑波大戦へ向けて意気込みをお願いします

1回勝っているとはいえ油断ができない相手なので、次も勝って筑波大には勝てるチームなんだぞと思い知らせたいです。

深田隼輔(スポ3=鳥取中央育英)

――きょうの試合を振り返って

前半で競ったりしたことは、僕らの理想とするかたちではなかったですね。

――日大が相手でしたが、特別意識したことはありましたか

特にやろうとしていたことはなくて、いつも通りのプレーをちゃんとしようと話していました。

――試合自体は接戦となりました

ちょっと審判に僕らが合わせることができなかったですね。笛に対応できなかったことが競った要因かなと思います。

――自身の出来は

いつも通りですけど、本当にたまたまです。(笑)

――これで1次リーグが終了しました。振り返ってみて大きかったと思う試合はありますか

筑波、日体、日大の3試合は大きかったですね。どれもいいチームだったので、試合ができて良かったです。

――ここまでで見えた課題は

僕らが課題としているディフェンスだったりとかをもう一度鍛えたいと思います。

――上位リーグへ向けて一言お願いします

一回勝っているということは忘れて、しっかり戦っていきたいと思います。

深川幹徳(スポ2=福岡工)
――相手は東日本リーグ戦で敗れている日大。どのような試合にしようと思って臨みましたか
(東日本リーグ戦のときは)負けはしたんですげど、いまより二人メンバーがいない状態だったので、そんなに問題はないと思っていました。後はファウルトラブル、退水がないようにしなきゃ駄目だなと思っていたんですけど、僕自身永久退水になってしまってチームでも多かったです。そういう点がもったいなかったですね。
――我慢の時間が長い試合となりました。全体を振り返っていかがですか
前半に点差がつかなかったのは、決めなきゃ駄目なところを決められなかったというのがあったので、そこが問題かなと思います。
――東日本リーグ戦で敗れてから、何か変えてきたことはありますか
ディフェンスですね。プレスを強くして、パスコースに被ってというところですね。
――カバーのときの意思の共有が上手くいかない時間帯がありました。上位リーグでも大事になってくるところではないでしょうか
うちはカウンターメインのチームで、カウンターが出てシュート圏内にいったとしても、カバーがないと撃てないんですよね。逆にカウンターを食らってしまうので。そこでカバーに入るともっと得点も多くなると思うし、逆に失点も減ると思うので、誰がカバーが遅いということじゃなくてもっとチームでカバーできるようにしたいです。
――ことしは右サイドに入っています。きょねんは左サイドに入ることが多かったですが、ご自身としてはどっちが得意なのですか
得意不得意でやっているつもりはないですけど、どっちかというと左ですね。やっぱり得点が少なくなったかなと思います。でも右で引っ張って、起点になってつなげることができるので。どっちでも得意ですけどね。
――右サイドに配置されている中で、求められていることは何だと思いますか
やっぱりリードブレイク、先行して一投目を右に出ることによってそこから起点になっていくので、そこから早い段階でつなげられるように意識しています。
――チームの中での役割も大きくなっていると思います。きょねんと意識は違いますか
そうですね。自分が引っ張っていかなきゃいけないので。ワセダは人数が少ないので、年上とかじゃなくて、メンバー全員で。
――入学直後、泳ぎが得意なのでそれを生かした選手になりたいと語ってくれました。いま改めてどのような選手になりたいですか
いま右サイドをやっているので、泳ぎからチームの得点を生むというか。いままでは左でパスを待っていたんですけど、パスを出す立場になったので、起点を作って相手のタイミングで投げてやる。そういうところですね。
――上位リーグに向けて、一言お願いします
倒すべきは日体大だと思っていて、日本一という目標の中で一番強敵なので、倒してインカレにつなげられるようにしたいです。