A1リーグ4位の早大は、残留をかけ同3位の日大、A2リーグ1位の専大、同2位の三建との入れ替え戦に臨む。早大と日大、専大と三建の対戦についてはそれぞれの所属リーグでの結果が採用される変則的な総当たり方式のため、A1リーグで日大に敗れた早大にとっては絶対に負けられない戦いだ。きょうの相手は専大。立ち上がりこそつまずいたものの徐々に持ち直し、嬉しい今季初勝利となった。
第1ピリオド、意表を突かれ先制を許すと、早大のシュートは立て続けに相手キーパーに抑えられる。「立ち上がりがすごく悪くて、良くない空気になりました」(戸張真寿主将、スポ3=埼玉・秀明英光)。完全に流れを逸し、攻守ともに専大ペース。戸張が3得点を挙げ奮闘するも、3-7とリードされる。
瀧川はケガからの復帰戦となった
今季未だ勝利がない悪い流れを引きずるような序盤を終え、第2ピリオド開始までのわずかな時間に全体で意見を交換。チームとしてやるべきことを再確認すると、一転攻勢に出た。カウンターを仕掛けると、桜井祐太(人1=東京・城北)が右サイド角度のないところから技ありのゴール。相手の退水(※)の好機にタイムアウトを取るとサインプレーが見事に決まり、徐々に早大本来の水球を取り戻し始めた。
その後は順調に点差を詰めた。第3ピリオド途中には深田隼輔(スポ2=鳥取中央育英)がポストプレーから豪快なシュートを決め、初めて同点に追いつく。ディフェンスでは途中出場となったGK高島丈司(社1=東京・明大中野)が好セーブを連発。「全体的に沈みぎみだったので、できるだけ声を出して盛り上げていこうと思いました」。声を張り上げ、最後尾からチームを盛り立てた。守りの要・センターバックの瀧川峻也(スポ2=京都・鳥羽)は腰のケガから復帰。久々の出場に「楽しかったというのが一番です」。まだ本調子ではないものの、守備面での統率力はさすがのものを見せた。失点も次第に減り、第4ピリオドの頭にはようやく逆転に成功する。最終的にスコアを18-15とし、辛くも勝利をあげた。
好守で存在感を見せた高島
中嶋孝行監督(平13年教卒=福岡工)が「課題は山積です」と振り返るように内容には不本意なところも多かったものの、ようやくつかんだ今季初勝利にとりあえずは安堵した様子。これをきっかけに良い流れを掴み、チームを立て直せるか。まずはあすの三建との試合に勝ち、残留を決めたいところだ。
※重大なファウルを犯した選手は、20秒間ディフェンスに参加できない。
(記事 森健悟、写真 谷田部友香)
結果
○早大 18-15 専大
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コメント
中嶋孝行監督(平13年教卒=福岡工)
――今シーズン初勝利となりました。試合を振り返っていかがですか
まずは、勝ててよかったというのはあります。でも課題は山積ですね。ディフェンスにしろオフェンスにしろ、ゲームコントロールにしろ、けっこう課題がでた試合でした。よく勝てたな、とも正直に思いますね。
――序盤に一気に点差を離されました。何が要因だったのでしょうか
きょうはメンバーのポジションを少しいじったりもしましたが、いつもと違う状況のときにできないというのは良くないですね。試合の中で常に状況は変わるわけですし。そういうところじゃないですかね。1ピリオド目が終わって私も交じっていろいろ言い合いましたが、逆にそういう意見を交わす時間があったのはとかったかなと思います。
――あすの試合に勝てばA1グループ残留が決まります。意気込みを
きょうよりあすのほうが良い試合ができるように頑張ります。
戸張真寿主将(スポ3=埼玉・秀明英光)
――きょうの試合を振り返って
立ち上がりがすごく悪くて、良くない空気になりました。そこが反省点です。
――後半に立ち直ったのはどのような要因がありましたか
相手チームに合わせてしまっていたので、自分たちのリズムを思い出すようにしました。自分たちのペースで先手を取っていけたのが良かったのかなと思います。
――この1週間はどのような練習をしていましたか
いつもと変わらないです。相手を意識するというよりは日々向上できるような練習、自分たちがうまくなるような練習をしました。
――チームとしては瀧川選手(峻也、スポ2=京都・鳥羽)が復帰しました
やっぱり彼はディフェンスの要なので。ディフェンスのシステムも彼が一番理解しているので、指示してもらえてすごいディフェンスがやりやすかったです。
――自身の出来はどうでしたか
最悪ですね…。ふがいなかったです。全然だったので、あしたはミスなく全てのシュートを決める勢いでいきたいと思います。
――あしたの試合へ向けて一言お願いします
先輩がいるチームなので、後輩が強くなっているというところを先輩たちにわかってもらえるように勝ちたいと思います。
瀧川峻也(スポ2=京都・鳥羽)
――今シーズン初勝利となりました。試合を振り返っていかがですか
入れ替え戦ということで、らいねんA1リーグで戦うためにもどうしても残留したいので、みんな気持ちは高めていました。第1ピリオドはうまくいかなくて雰囲気は悪かったですが、その後徐々に立て直して勝てたのでよかったですね。
――第1ピリオドにうまくいかなかったのは何が要因だったのでしょうか
ディフェンスが全て中途半端でしたね。アタックするのか下がるのかのメリハリと、連係ができていなかったから失点が多かったんだと思います。
――ご自身としては、復帰戦となりました。久しぶりの実戦はいかがでしたか
久々だったんですけど、楽しかったというのが一番ですね。何にせよよかったですね。
――完全復帰ということなのでしょうか
いいえ、徐々に練習にも復帰しつつあるのですが、まだ痛みが残るので、ちょっとずつというところですね。
――あすの試合に勝てばA1グループ残留が決まります。意気込みを
三建は体が大きくてベテランが多いチームなので、負けないように頑張ります。
高島丈司(社1=東京・明大中野)
――きょうは途中出場となりましたが、試合を振り返っていかがですか
立ち上がりがすごく悪くて、ディフェンスであまり統一ができていなかったです。最初に点をポンポンと入れられて、焦りが出てしまったのが立ち上がりの悪さの原因だと思います。2、3、4ピリオドは全員が声を出して立て直せたので良かったと思います。
――ビハインドの状況で出場されましたが、キーパーとしてどのようなプレーを心掛けましたか
全体的に沈みぎみだったので、できるだけ声を出して盛り上げていこうと思いました。
――後半チームが巻き返すことができた要因は何だと考えますか
攻めるときに早く攻めすぎなかったことと、ディフェンスで統一ができていたので、そこからのカウンターがうまくいったことだと思います。
――ディフェンスの要である滝川峻也選手(スポ2=京都・鳥羽)が復帰されましたね
まだ完全に治ったわけではないので、そこで今回峻也さんが出なければならない状況にチームがなってしまったので、本当は出ないほうがよかったです。あしたはみんなで(滝川の)穴を埋められるようにしていきたいと思います。
――新チーム初勝利となりましたがいかがですか
よかったです。
――あす勝てばA1リーグ残留となりますが、どのように戦っていきたいですか
ディフェンスの意識をしっかり持ちたいです。ディフェンスがきょねんはずっと下がりで、ことしからプレスし始めたのでその点でまだうまくいかない部分があるので、そこをちゃんと詰めていきたいと思います。
――あすへの意気込みをお願いします
出るかは分かりませんが頑張ります。