白熱の投手戦は両者譲らず引き分け 勝ち点の行方は第4戦へ/法大3回戦

野球
TEAM 10 11 12
早 大
法 大
(早)加藤、田和、齋藤正―印出

 第2戦で今季初黒星を喫した早大は、法大との3回戦に臨んだ。加藤孝太郎(人4=茨城・下妻一) と法大・篠木健太郎(3年)の投げ合いとなったこの試合は、お互いに好機をつくりながらも得点することができない展開に。延長戦に突入するも、両校譲らず0ー0の引き分けに終わった。

先発した加藤

 初回、1死から中村将希(教4=佐賀・鳥栖)が二塁への内野安打で出塁。その後2つの四球で2死満塁の好機を迎える。しかし、野村健太(スポ4=山梨学院)は空振り三振に倒れ、先制することができない。初回以降は1人の走者も出すことができずに迎えた5回、先頭の小澤周平(スポ2=群馬・高崎健康福祉大高崎)が中前打を放つ。続く山縣秀(商3=東京・早大学院)がバスターを仕掛けると、犠打を警戒して前進していた三塁手の横を抜けて内野安打に。加藤の二ゴロで山縣が封殺され、1死一、三塁となる。ここで尾瀬雄大(スポ2=東京・帝京)は二ゴロ併殺に倒れ、好機をモノにできない。

粘って四球を勝ち取った吉納

 あと1本が遠い展開に暗雲が垂れ込める早大。しかし、その嫌な流れを断ち切るのはエース・加藤。中2日での登板となったが、序盤から変化球を多投して法大打線をかわしていく。5回終了時点で、3回以外はすべて打者3人で抑える好投を披露した。6回は1死から武川廉(3年)に死球を与えると、藤森康淳(1年)に内野安打を許し、一、二塁とされる。ここで内海壮太(3年)を三ゴロ併殺に打ち取り、ピンチを脱した。8回には武川の中前打と犠打で2死二塁となり、再び内海壮との勝負に。甘く入った変化球を捉えられた大飛球は左中間を襲うが、中堅手・尾瀬がフェンス手前で追いつき好捕。ここまで失策数0を誇る堅守にも助けられ、加藤は8回を無失点で投げ切った。

代打で安打を放った前田健

 加藤の熱投に応えたい打線だったが、剛腕・篠木から1点をもぎ取ることができない。7回には四球と犠打で1死二塁に。小澤が内野安打でつなぐと、すかさず盗塁を決めて二、三塁とする。続く山縣は空振り三振に終わり二死。ここで加藤自ら打席に立つも、三ゴロに倒れた。9回、1死から吉納翼(スポ3=愛知・東邦)が四球を選び、代打・前田健伸(商2=大阪桐蔭)の右前打で一、二塁の好機を迎える。しかし、ここから先が遠い早大。小澤は空振り三振、山縣は一飛で好機を逸した。9回から登板した田和廉(教2=東京・早実)は11回までのロングリリーフ。失点すればサヨナラ負けを喫する緊迫した場面での登板となったが、落ち着いたマウンドさばきでスコアボードに0を並べる。しかし、打線は10回まで登板した篠木、その後を受けた尾﨑完太(4年)を打ち崩すことができず。最終回は齋藤正貴(商4=千葉・佐倉)が締めて、勝負は第4戦に持ち越しとなった。

2回を無安打で抑えた田和

 あと1本が遠い展開となった早大。ただし、1死で走者を三塁に置く場面を二度つくるなど、1点をもぎ取る好機があったことは確かだろう。第4戦では今日登板のなかった法大・塙雄裕(4年)などの登板が予想され、得点を奪うことは容易ではない。好機で確実に得点することが試合の流れを左右する鍵となるはずだ。週末には明大戦を控えるが、まずは明日の試合で勝利し、法大から勝ち点を奪いたい。

(記事 矢彦沢壮真、写真 田中駿祐)

                黄字は打点付き

早大打者成績
打順 守備 名前 10 11 12
1 (中) 尾瀬雄大 4 0 0 .400 遊飛   左邪   二併     左飛   四球    
  島川叶夢 1 0 0 .250                       空三
  椎名丈 0 0 0                        
2 (左) 中村将希 4 1 0 .423 二安   右飛     遊ゴ   二ゴ        
  田和廉 1 0 0 .000                   投併    
  齋藤正貴 0 0 0                        
3 (遊) 熊田任洋 4 0 0 .407 四球   二直     中飛   遊飛     左飛  
4 (捕) 印出太一 5 1 0 .323 左飛     空三   遊ゴ     二ゴ   左安  
5 (右) 吉納翼 1 0 0 .231 四球     三邪     四球   四球   四球  
6 (一) 野村健太 2 0 0 .182 空三     見三     投犠          
  打一 前田健伸 2 1 0                 右安   見三  
7 (三) 小澤周平 5 2 0 .310   左飛     中安   遊安   空三   二ゴ  
8 (二) 山縣秀 4 0 0 .357   投ゴ     遊安   空三   一飛     遊飛
9 (投) 加藤孝太郎 3 0 0 .091   空三     二ゴ   三ゴ          
  松江一輝 2 0 0 .000                   空三   空三
早大投手成績
名前
加藤孝太郎 4 3 0 8 6 2 5 0 0 1.14
田和廉 3 0 0 3 0 2 2 0 0 0.00
齋藤正貴 6 0 0 1 1 0 0 0 0 0.00
 
東京六大学春季リーグ戦星取表
順位   明 大 早 大 法 大 慶 大 立 大 東 大 勝ち点 勝率
明 大   〇5-4
〇3-0
△0-0
〇5-1
●4-5
〇5-2
  〇3-2
〇6-3
.857
早 大   〇3-1
●6-9
△0-0
  〇8-2
〇11-3
〇9-1
〇14-1
.857
法 大 ●4-5
●0-3
●1-3
〇9-6
△0-0
〇10-0
●2-3
〇4-1
△1-1
〇2-1
〇4-3
  .556
慶 大 △0-0
●1-5
〇5-4
●2-5
  ●0-10
○3-2
●1-4
  〇11-3
〇3-0
.500
立 大   ●2-8
●3-11
△1-1
●1-2
●3-4
  △6-6
〇2-0
〇4-2
.333
東 大 ●2-3
●3-6
●1-9
●1-14
  ●3-11
●0-3
△6-6
●0-2
●2-4
.000
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コメント

加藤孝太郎(人4=茨木・下妻一)

――今日の試合を振り返っていかがですか

 今日は優勝するためには絶対に勝たないといけないゲームだったので、自分で絶対に勝つという気持ちで登板しました。

――8回を無失点で抑える好投でしたが、ご自身の投球を振り返っていかがですか

 相手に先制点を挙げたくなかったので、どうにかランナーを出しながらも粘って投球することができたのかなと思います。

――普段よりも変化球が多めの配球だったと思いますが、捕手の印出選手とはどのような話をしていましたか

 土曜日投げていて、土曜日よりは少しボールに勢いがないのは分かっていたので、そのうえで変化球主体というか、変化球も使いながらという投球をしていました。

――投手陣も今日は無失点で抑えました。

 自分が8回で降りたその後を田和と齋藤正貴がすごく良く粘ってくれたなと思います。

――次戦への意気込みをお願いします

 明日は本当に総力戦になると思うので、チーム全員で勝ちに行きたいと思います。