投打のかみ合う好調ナイン 勝ち点奪取で優勝街道を突き進め/立大戦展望

野球

 東大との2連戦を連勝で飾り、天皇杯奪還に向けて最高の滑り出しを見せた早大。次の対戦相手は2年連続で春のリーグ戦において連敗を喫している立大。ゲームメイクができる投手陣や一発のある打線を擁しており、決して楽な戦いにはならないであろう。4季ぶりの悲願達成に向け、確実に勝ち切りたいところである。

2回戦で先発が予想される鹿田

 立大は法大戦では池田陽佑(4年)、沖政宗(3年)の両投手が先発をした。2人とも勝ち星を挙げることこそできなかったが3試合とも試合を作って接戦に持ち込んだ。そして、リーグ戦初登板を果たした小畠一心(2年)も3回と1/3を無失点に抑え、4奪三振と、上々のリーグ戦デビューを果たすなど、投手陣は盤石である。早大との一戦でも池田をはじめとした好投手陣が立ちはだかることが予想される。

 対する早大打線は、東大から2試合で23得点を挙げるなど、打撃陣が好調だ。東大2回戦では4回まで東大の松岡由機(4年)相手に無安打と打ちあぐねていたが、5回以降は毎回の14得点を挙げるなど、一度つながると流れを完全に引き寄せられる打線がある。熊田任洋副将(スポ4=愛知・東邦)印出太一(スポ3=愛知・中京大中京)らに加え、下位打線の小澤周平(スポ2=群馬・高崎健康福祉大高崎)山縣秀(商3=東京・早大学院)も好調であり、どこからでも得点につながる打線に注目だ。

4番を打つ印出

 一方で、立大打線は法大のエース・尾崎完太(4年)から本塁打を放った齋藤大智(3年)、菅谷真之介(3年)の1,2番に注目だ。2試合で長打を記録しており、当たっている両打者の出塁を防ぐことが、立大の打線を勢いづけることを阻止することにつながると言っても過言ではない。

 立大打線を早大自慢の鉄壁の投手陣が抑え込むことができるかもまた、このカードの注目すべき点であろう。立大1回線は、早大のエース・加藤孝太郎(人4=茨城・下妻一)が先発登板するだろう。六大学屈指の右腕は、東大戦でも雨で試合が延期になり、さらにスライド登板した試合も雷雨で試合が中断されるコンディションが良くない状態の中、1失点完投勝利と圧巻の投球を見せた。立大戦でも抜群の制球力と持ち前の安定感で、勝ち点獲得に王手をかけることができるかに期待がかかる。2回戦は、東大戦でリーグ戦先発初勝利を飾った鹿田泰生(商3=東京・早実)が予想される。その勢いのまま持ち前の角度を生かした直球を投げ込み、立大打線を翻弄(ほんろう)する様子が見られるかに期待がかかる。また、早大の鉄壁投手陣を語るのに盤石なリリーフ陣の存在も欠かせない。キレのある直球を投げ込む中森光希(文構3=大阪・明星)やオープン戦から安定感あるリリーフを続けている齋藤正貴(商4=千葉・佐倉)。そして、クローザーを務め、打者をねじ伏せる伊藤樹(スポ2=宮城・仙台育英)をはじめとしたブルペン陣がどのタイミングで登板し、試合の流れを早大に引き寄せるかも試合の見どころである。

好調の山縣

 東大相手に快勝を果たして勢いに乗っている早大と、接戦には敗れたものの、3試合とも粘りの試合を見せ勝ち点奪取に燃える立大の一戦。東大戦で既に投手陣、野手陣それぞれ、好調を維持できているのは証明済みだ。投打がかみ合い2連勝を果たした勢いのまま立大相手にも投打ともに隙のない試合運びを見せ、天皇杯奪還に向け、大きく前進したい。

(記事 橋本聖、写真 荒井結月、湊紗希)