【連載】春季リーグ戦開幕前特集『勇往邁進(まいしん)』 【第11回】森田朝陽主将

野球

 最終回に登場するのは森田朝陽主将(社4=富山・高岡商)。主将でありチームで一番熱い男のこれまでの取り組みや、東京六大学春季リーグ戦(春季リーグ戦)優勝への強い思いなど、さまざまなことを伺った。

※この取材は4月6日にオンラインで行われたものです。

「公式戦になれば全部はねのけて必ず打って笑ってやろう」

浦添キャンプでの練習時のミーティングで話をする森田朝

――浦添キャンプでの思い出はありますか

 自分はあまり外に出てなかったんですけど、坂ダッシュの時はきつかったですし最後のじゃんけんは面白かったですね。

――1カ月にものぼるロサンゼルスから名古屋までの遠征を振り返っていかがですか

 1カ月通じて特にアメリカ中心に試合を行おうとしたときに雨ということが多くて、なかなか思うように試合ができなかったことはあるんですけど、その中でも限られた時間の中で本当に集中して練習を選手一人一人がやっていたと思いますし、課題も見つかりましたし、何よりも成長をしっかりすることができたなというふうにチームの一員として非常に実感できる1カ月だったと思います。

――普段と違う場所で寝食を共にするという生活でしたが、チームの団結力などは変わりましたか

 一人一人お互いをよく知れましたし、疲労が精神的にも肉体的にもきているとは思うんですけど最後の愛知での3日間が一番元気が良かったというか、「あー、このチームはいいチームだな」と非常に感じました。

――ここまでの試合を振り返っていかがですか

 収穫と課題が見えるオープン戦になっているかなと感じています。打撃面で個人個人で成長を感じている者もいると思いますし、チームとしてしっかり打線として機能して、最後勝ち切るっていうところをもう少し詰めていきたいなと考えています。

――投手陣では先発の加藤孝太郎選手(人4=茨城・下妻一)や中継ぎでは齋藤正貴(商4=千葉・佐倉)の調子がいいと思いますが

 本当に守っていて頼もしいと言いますか、その一言に尽きますね。

――オープン戦ではチームとしてどういった目的を持っていましたか

 打線のつながりという面に関して、打つ打たないだけに関わらず、自分がどうやって次のバッターにつなぐのかという点を常に意識してオープン戦は行っていました。

――直近の2試合(城西国際大戦、中央学院大戦)は劣勢の状態から追いついたり、逆転したりという試合ですが、その点はいかがですか

 後半の粘りということに関しては非常に自信になると言いますか、リーグ戦でもなかなか思うようにいかない試合はあると思いますので、その中で何とか食らいついて負けなかったっていうのは非常にチームとして自信になると思います。ただ、最後の2試合目(中央学院大戦)に関してはなんとか勝ち切れる試合だったなと感じるので、そこをこの2週間しっかり詰めていきたいと思います。

――チームとしてどのような成果がありましたか

 打線の面において金森コーチがいらっしゃってから、甘いボールをセンターから逆方向にっていうのを念頭に置いてバッティング練習や試合の打席に臨んでいるので、それが少しずつ形になっているのかなと感じています。

――逆に課題はどのようなものがありましたか

 最近はリーグ戦前ということもあって、みんな力が入ってできていたことができなくなっているということが最近の試合では出てきているので、ずっとうまくいくスポーツではないと思っているんですけど、そこの率というか、常に一定して自分たちのやりたいことをできるようにもう一回基本に立ち返ってやっていこうというふうにこの2週間考えています。

――森田選手個人として振り返っていかがですか

 しんどかったと言いますか、悔しい日々でした。

――打撃の徐々に調子が上がってきているように思いますが、どのような練習を続けていましたか

 金森さんがずっとそばにいて特打の時も自分一人毎日入れてくれて、呼んでくださって練習していたので、もう付いて行くという感じで、まだまだですけど少しずつ成果として出てきているのかなと考えています。

――浦添キャンプの時におっしゃっていた手で打ちにいってしまうという部分がまだという感じですか

 そこはだいぶ改善されてきているのかなと思います。あとはもうしっかりバットがボールの軌道に入っていく立ち方、バランス、足で振る、そこは少し良くなってきてはいると思います。

――主将としてプレーする重圧を感じることはありますか

 感じているとは思っていなかったんですけど、駄目だった時に「本当にこのままじゃいけない」っていう気持ちが去年よりも何倍も強いと言いますか、そういう面で結果が出ない日々は本当に苦しかったんですけど、もう公式戦になれば全部はねのけて必ず打って笑ってやろうと思います。

――森田朝選手を中心にすごく元気のいいチームだなと思うのですが、その点はいかがですか

 今年のチームの良さは明るく前向きなところだと思っていますし、そこはこの学年のいいところ、一人一人が自覚を持って前向きに明るく元気良くっていうのはリーグ戦でも必ず生きてくると思うので、そこはぜひ注目していただきたいなと思います。

――オープン戦では1番を打っていますが、1番を打つにあたって打席内ではどのような意識をしていますか

 1打席目にいかに出塁するかっていう所を常に考えています。まだまだ体現できていない部分が多いですけど、とにかく試合でいかに勢いづけて入れるかっていう役割だと思っていますので、リーグ戦ではとにかく出塁して、後ろにいいバッターがそろってますので1打席目に限らず何度も出塁したいと思います。

――蛭間拓哉選手(令5スポ卒=埼玉西武ライオンズ)の防具を使っていると思うのですが

 蛭間さんから「これあげるよ」っていうような感じでもらいました。

――もらった時の心境はどうでしたか

 とてもうれしかったです。

――遠征前の冬の期間はどのような練習を続けていましたか

 自分は去年は代打でシーズン出ることがほとんどだったんですけど、今年はずっと出場することを常に意識して、打撃の面だけでなくて送球面も課題においてしっかり守備の面でも不安なくリーグ戦に立てるように練習してきました。

――新チームになって金森栄治氏が打撃コーチに就任してからチームとして変わったことなどはありますか

 バッティングの意識であったり、甘いボールをセンターから逆方向にっていうのを練習から常に意識していますし、一打席一打席終わった後、金森さんが「ここはこうだったね」「ここはああした方がいいんじゃないか」っていうふうに声を掛けてくださいますし、金森さんは一人一人の結果を全部メモして試合後に全体の前で反省というか改善点をおっしゃってくださるので、本当に打撃の面に関して課題が明確になりますし、その課題を改善して次を迎えるという素晴らしい環境でやらせていただいていると思います。

「優勝できれば自分の結果はどうでもいい」

城西国際大戦で安打を放った森田朝

――続いてリーグ戦についての話に移ります。リーグ戦まで残り1週間ほどになりましたが、現在の心境を教えてください

 もう残り1週間全てをやり切ってやろうっていう感じです。もう思い残すことなくできることをすべてやって、後は思い切ってやるだけという気持ちでリーグ戦に臨めるようにしていきたいと思います。

――チームの雰囲気はいかがですか

 いいかたちで来ているとは思います。ただ一人一人やっぱり結果が出なくて不安になるっていう面が自分も含めて雰囲気として少し出てきてしまっているんですけど、そういう面を熊田(熊田任洋副将、スポ4=愛知・東邦)が「そのままじゃ駄目だぞ、俺らは優勝するんだから優勝するチームの練習をしよう」っていうふうに言ってくれて、本当にその通りだなと思います。そういう点においては自分たちで優勝するチームの練習をしようというふうにできているので、いいかたちできているんじゃないかなというふうに思います。/p>

――意識しているチームはやはり明大になりますか

 今は初戦の東大ですけど、11月からはずっと冬はとにかく明治に勝つためにっていうふうにやってきました。もうリーグ戦が始まってしまえば目の前の相手、目の前の試合、一球っていうことになってくると思います。

――最初のカードの東大戦ではどういった勝ち方をしていこうというのは何かありますか

 やっぱり初戦ということでなかなか思うようにいかないだろうなっていうのは感じています。ただ、相手がどこであれ自分たちができることをやる、自分たちが今何をすべきかっていうことを常に考えて自分たちの最善を尽くすことが重要だと思いますので、とにかくベストを尽くせるように1週間やっていきたいと思います。

――リーグ戦で期待してほしい選手はいますか

 篠原(篠原優、社4=東京・早大学院)ですね。

――理由はなどはありますか

 印出がいましてなかなかリーグ戦の出場機会はまだないと思うんですけど、代打で今本当に勝負強くチームを支えてくれる一人ですし、扇の要としていつも元気よく、グラウンドの雰囲気をつくってくれる選手なので、楽しみにしてほしいです。

――個人としての目標はありますか

 チームが優勝する、もうそれだけですね。このチームで優勝するためにベストを尽くして、優勝できれば自分の結果はどうでもいいです。

――優勝するに向けてどういった役割を担っていきたいですか

 1番バッターですので何とか出塁してっていう面が一番ですし、ベンチでも一番元気良くやってやろうと思っています。

――最後にリーグ戦への意気込みをお願いします

 もう残り1週間でリーグ戦が始まりますが、本当に一試合、目の前の一球に集中して、自分たちの力を一試合にすべて出し切って、必ず優勝したいと思います。

――ありがとうございました!

(取材・編集 田中駿祐、写真 荒井結月、田中駿祐)

質問に答える森田朝

◆森田朝陽(もりた・あさひ)(※写真右)

2001(平13)年8月23日生まれ。175センチ。77キロ。富山・高岡商高出身。社会科学部4年。外野手。右投左打。実は高所恐怖症だという森田朝選手。ロサンゼルス遠征で行ったドジャースタジアムの大きさに圧倒され、「高すぎてここからは見れない」と感じたそうです!