【連載】秋季リーグ戦開幕前特集『復権』【第9回】吉納翼

野球

 いよいよ幕を開ける東京六大学秋季リーグ戦(リーグ戦)。5季ぶりの優勝をめざす早大のキーマンの一人としてあげられるのが今年からレギュラーに定着した吉納翼(スポ2=愛知・東邦)だ。春のリーグ戦では本塁打を放つも、確実性にかき思うような成績を残すことはできなかった。その悔しさを胸に戦う今季、その意気込みを聞いた。

※この取材は9月8日に行われたものです。

全然活躍できず悔しいシーズン

夏のオープン戦では終盤に向けて調子を上げてきた

――最近仲が良い選手はどなたかいらっしゃいますか

 最近寮に新しく同期の鹿田(泰生、商2=東京・早実)が入ってきて、部屋によく行って、鹿田の部屋にVRのゲームがあるのでそれで遊んでいます。

――試合前に聞く音楽はありますか

 KPOP系とかよく聞いています。

――最近のマイブームはありますか

 最近はティックトックとかをよく見るんですけど、ジャンボリミッキーをよく見ています。

――春季リーグ戦を振り返ってみていかがですか

 スタメンが固定されていた中で打率も一番低かったですし、あれだけいろんな人に期待されている中で不甲斐ない結果に終わって、チームとしても5位に終わってしまって、全然活躍できず悔しいシーズンでした。

――春季リーグ戦で印象に残っている試合はありますか

 明大3回戦で自分がリーグ戦初本塁打を打った試合です。

――この夏の練習はどのようなことを意識して取り組んでいましたか

 (春の)結果を見ても分かる通り全然打撃がダメで、今まで通り同じことをやってもダメだと思ったので何か変えなくてはということで、練習と試合の中でタイミングの取り方であったり、バットをどのように出せばいいのかということを考えたりしていました。

――夏季オープン戦ではほとんどの試合でスタメン出場でしたが、収穫はいかがでしたか

 結果どうこうというよりもこうしたらこうなるというような、1試合1試合で試合が終わった後の練習ですぐ改善したり、自分の中でもしっかり振り返りができていたのでこの点については良かったと思うのですが、そこに結果がついてくるにはまだまだ意識が足りていないのかなという課題もあります。

――松山でのオールスターにも参加されましたが、振り返って見てどうでしょう

 そのあたりくらいから夏取り組んできた打撃フォームが固定されてきて。安定した中でオールスターでも1本打つことができて自信もすごくなりました。他の大学の選手とも色々と野球だけではないコミュニケーションも取れて、すごい充実した二日間になりました。

――同じチームには明治大学や法政大学の選手もいましたが、交流の方はありましたか

 明治の上田希由翔(3年)さんは自分の高校の後輩が弟ということもあって上田さんの親御さんとも仲良くさせてもらっているので、打撃のこととかも色々聞いたり、次の日の休みは一緒に出かけたりはしてないんですけど、移動中も気軽に話しかけてくれたので、いい交流ができたと思います。

――もしなにか技術面や、意識、練習面で参考になった話がありましたら教えてください

 どの選手もみんなタイミングはしっかり意識しているという話だったので、改めてタイミングは大事だと自分の中で意識づけすることはできましたし、結果どうこうではなく他大の選手はしっかりバットを振れているなと見て感じたので、学ぶべき姿ではあるなと思いました。

頑張って自分が4年生を優勝させられるように

春の雪辱を果たせるか

――開幕に向けて調子はいかがですか

 ここ最近の練習でもだいぶ調子は上がってきているので、本当にやるだけだなという感じです。

――春本塁打が少なかったことを悔しがっていましたが、この秋はどれくらい本塁打を放ちたいですか

 目標は3本以上打ちたいなと思っているのですが、まずはチームが優勝できるために自分できることは何かを整理して1試合1試合戦っていくことが大事かなと思います。

――初めて1シーズンスタメンで戦ったわけですが、秋に向けて打撃タイトル獲得の思いなどは強まったのでしょうか

 春、首位打者を明治の宗山(塁、3年)がとったのを間近でみていて、悔しいですし、結果明治もチームとして優勝して勢いに乗っているので。タイトルをとった選手がチームに2、3人いれば絶対チームとしても結果を残せると思うので、その何人かに自分が入れるようにしていきたいと思います。

――リーグ戦で先程の本塁打の数も含めて目標とする数字がありましたら教えてください

 入学した当初は髙橋由伸選手のもつ24本を越すといったのですが、ちょっと厳しそうなのでまずは10本以上を目標にやっていきたいと思います。

――秋季リーグ戦に向けて重点的に行っている練習はありますか

 もちろん一つ一つ、守備でも打撃でもレベルの高いところを見てやっているんですけど、結局中川主将(卓也、スポ4=大阪桐蔭)も常に言っているようにアップやキャッチボールという基礎的な部分をしっかりやらないと上手くならないので、キャッチボールや素振りといった基本的なことを心がけてやっています。

――チームの雰囲気はいかがですか

 他の大学がどういう風なのかはわからないですけれども、自分達ははる5位だったというのは常々どこかしらのミーティングでは言っているので、そこを頭にいれつつも悪い雰囲気にはならずいい練習をできているのかなと思います。

――チーム内のご自身の役割はどのようなところだと考えていますか

 下級生ではありますが、スタメンとして試合に出る以上そういうことはいってられないので、逆に下級生であってもチームをまとめられるような全体への指示だったり、声かけを意識しています。

――4年生はラストシーズンとなりますが、吉納選手にとって4年生の皆さんはどのような存在ですか

 1年以上野球を一緒にやってきて、とても優しい方々ですし、自分のわがままもよく聞いてくださるので、本当にラストシーズンと考えると寂しいですけど、そんな先輩方と笑って終われるように、わがままを言いつつもサポートしてもらえるように頑張ります。

――初戦の法大戦で波に乗っていきたいところではありますが、準備は順調に進んでいますか

 練習の中でも早稲田は開幕戦が弱いとここ最近言われている中で、それをしっかりチーム一人一人が理解していると思います。逆に初戦をとれば優勝までチーム勢いに乗っていけると思うので、そこにしっかり目的をもってやっています。

――秋季リーグ戦ご自身の見てほしいポイントや注目ポイントはどこですか

 春とは違った積極性ある打撃というのを見てほしいです。春は甘い玉とか自分の打ちたいボールばかりを選んで打っていて、それで打率が下がった場面もあるので。そうじゃなくてどんな球が来ても自分の方が上なんだという堂々とした姿を見てほしいなと思います。

――最後に秋季リーグ戦への意気込みをお願いします

 4年生にとっては最後のシーズンとなるので、そこで自分がスタメンで出られるように開幕まで1日半ですけど、頑張って自分が4年生を優勝させられるようにプレーできたらと思います。

――ありがとうございました!

(取材・編集 藤田珠江、山本泰新)

◆吉納翼(よしのう・つばさ)
2002(平14)年8月16日生まれ。180センチ、84キロ。愛知・東邦高出身。スポーツ科学部2年。外野手。右投左打。夏休み中のオフはサウナに行くなどしてリフレッシュをした吉納選手。サウナで「整った」体と心を武器にリーグ戦でアーチをえがきます!