【連載】春季リーグ戦開幕前特集『再興』【第7回】熊田任洋

野球

 今年の早大は4年生が抜け、多くのポジションで世代交代が起きた。しかし、唯一昨年から人が変わっていないポジションがある。それが熊田任洋(スポ3=愛知・東邦)
の守る遊撃手だ。そんなチームの幹となる男のこの春に向けての思いを聞いた。

※この取材は3月25日にオンラインで行われたものです。

「去年よりは手応えがある」

攻守に活躍が期待される熊田

――新チームになってすぐ対談をさせてもらったと思うのですが、あそこから何かこの冬特別なトレーニングはされましたか

 特に特別なことはしていないです。

――オフに重点的に取り組んできたことはどういうところなのでしょうか

 自分の打撃とか守備とか時間があって見返すいいチャンスだったので、色々Youtubeとかで勉強したり、打っていく中で試行錯誤しながらやってきたという感じです。

――その成果というのはオープン戦の中で感じていますか

 去年よりは手応えはあるんじゃないかなと思います。

――現在のオープン戦の調子はご自身でどの様に感じていますか

 そんな悪くはないと思うのですが、まだ精度が低いかなと思います。

――その精度を高めていくことももちろん課題だと思いすが、それ以外の課題はなにかありますか

 チームが勝てていないのでなんとかしないとなって感じです。

――今内野陣では遊撃手の熊田選手以外は新しい布陣になっていますが、内野の雰囲気というのはどういった感じなのでしょうか。

 リーグ戦とか経験していない人が新しく入って、少し新鮮というかフレッシュな感じがあるなと思います。

――外野も4年生が抜け、陣容が下級生中心になったと思いますが、遊撃手というポジションは内外野を繋ぐ役割を求められますが、その辺りの連携はいかがでしょうか

 試合中でも、自分と中川さん(卓也、スポ4=大阪桐蔭)が中心になって外野に声を掛けたり、蛭間さん(拓哉、スポ4=埼玉・浦和学院)が横の2人にもそうですけど、自分達にも声をかけてくださるので、内外野の連携は良くできているのかと思います。

――オープン戦を見ていてまたポジショニングが1歩2歩下がったのかなと感じたのですが、そのあたりは何か変えていますか

 いや、特に意識はしてないですけど、自分の中ではこの深さで守ってもアウトになるという自信がついたのかなと思います。

「春は4割打ちたい」

持ち前の守備はもちろん、打撃面でも磨きをかけている

――今シーズンは1番を打つことが多いと思いますが、1番になってなにか自信の中で変化を感じていますか

 とにかく塁に出ることを意識してやっています。

――1番打者というのは塁に出た後もかなり仕事が多いと思うのですが、走塁にも力を入れたりというのは何かありますか

 打球判断とか盗塁とか去年、萌斗さん(鈴木萌斗、令4スポ卒=現明治安田生命)とか、占部さん(晃太郎、令4教卒)を中心に口うるさく言われてきたので、そこが今のチームではまだ浸透しきれていないので、自分を筆頭にやっていけたらなと思います。

――去年から打撃のフォーム的な部分でなにか変えたところはありますか

 フォームを変えた意識はないのですが、自然に自分の長所とか短所を考えていく中で、足をすり足にしたりとか、低い打球を意識する様にやっています。

――この春のリーグ戦の目標はどのあたりになるのでしょうか

 春は4割打ちたいなと思っています。

――3割をこえて、いきない4割というところに何か理由はあるのでしょうか

 今まで3割目指してだめだったので、目標を大きくしようという感じです。

――ベストナインへのこだわりは何かありますか

 六大学の中で1番の遊撃手というのがベストナインなので、そこで1番になりたいと自分は思っているので取りたいなとは思っています。

――試合に出ている3年生も多いと思いますし、ブルペンか救援で出てくる3年生も多いと思います。3年生の中で何か話し合いなどはされているのでしょうか

 新チーム始まった時と、年末の時にミーティングをしたんですけど、今回のチームは自分達3年生、2年生が中心になって、戦っているので、4年生2回やるつもりで思い切ってやっていこうという話はしました。

――ここからはリーグ戦の話移りたいと思います。同じ六大学の選手でライバルになると考えている選手はいますか

 遊撃手全員だと思います。

――打者目線でこの投手を意識しているなどはありますか

 立教の池田(陽佑、3年)ですかね。U18日本代表でも一緒で、去年立教にはコテンパンにやられたので、今度はやり返してやりたいなと思っています。

――流れに乗っていく中で初戦の法大との試合は重要になると思います。そのあたりはいかがでしょうか

 早大は初戦のカードが弱いので、初戦いい形で2つ取れればいい形でやっていけると思うので、初戦というはどんな形でも取りたいなと思っています。

――それでは、法大戦勝つためにはどういったことが必要ですか

 投手が抑えて、野手が打てば(笑)。まぁ、相手の勢いに飲まれずに自分達のペースで野球ができれば勝てるんじゃないかなと思っています。

――春のリーグ戦の意気込みを教えてください。

 去年優勝できなかったので今年の春はなんとかリーグ優勝、そして日本一になれるようにやっていきたいと思います。

――ありがとうございました!

(取材・編集 山本泰新)

◆熊田任洋(くまだ・とうよう)
2001(平13)年4月15日生まれ。174センチ、76キロ。愛知・東邦高出身。スポーツ科学部3年。内野手。右投左打。先日のプロ野球開幕戦では高校時代共に戦い、センバツ優勝を成し遂げた石川昂也選手(現中日ドラゴンズ)がスタメン出場。栄冠を勝ち取った仲間の活躍に刺激をもらっているそう。大学卒業後、プロに挑戦してみたいと語る熊田選手。同じ舞台に立てるようさらなるレベルアップを目指します!