投手陣が踏ん張れず大量失点 社会人対抗戦は大敗に終わる/明治安田生命戦

野球
TEAM
早 大
明治安田生命 X 12
(早)●齋藤正、鹿田、佐竹、伊藤大、伊藤樹―印出、栗田、篠原
◇(二塁打)茅野

  東京六大学春季リーグ戦(リーグ戦)の開幕まで残り数週間となった26日、各大学の仕上がりを見極める社会人対抗戦が神宮球場にて開催された。早大の相手は多数の六大学OBを要する強豪・明治安田生命。試合は初回、先発の齋藤正貴(商3=千葉・佐倉)が立ち上がりに捕まりまさかの3被弾。大量6点をリードされ主導権を握られる。反撃したい打線は3回、押し出しと蛭間拓哉副将(スポ4=埼玉・浦和学院)の2点適時打で3点を返す。しかし、後続の投手陣が踏ん張れず失点を重ね、大敗を喫した。

 今シーズン早大の神宮初戦の先発を任されたのは齋藤正。オープン戦で好投を続けている左腕に六大学OB達が襲い掛かる。先頭打者の早大OBの福岡高輝(令1卒)に左前安打を許すと、2つのバッテリーエラーで1死3塁とされ、打席には法大OBの3番羽根龍二に甘く入ったボールを完璧に捉えられ左超えの2ランを浴びる。後続をきり、これ以上の失点を防ぎたかったが1点を追加され、なおも2死1塁の状況で立大OBの伊藤智也に初球を捉えられこの回2本目の2ランを被弾。続く早大OBの鈴木萌斗(令3卒)にも2者連続となるソロを浴び初回に大量6点を相手に献上し、大きなビハインドを背負う。

苦しい先発となってしまった齋藤正

 反撃したい打線は1、2回ともに3者凡退で攻撃を終えるも3回、先頭の野村健太(スポ3=山梨学院)が中前安打で出塁。続く投手・齋藤正の打順のところで新1年生の代打前田健伸(商1=大阪桐蔭)が右前安打でチャンスを広げる。その後相手の失策もからみ、2死満塁とし、打席には3番中村将希が入る。ここで突然降り出した雨の影響で相手投手の制球が乱れ、冷静に四球を選び押し出しで1点を返す。なおもチャンスがつづき打席には主砲蛭間。2ボールからの3球目をとらえ、1、2塁間を破る2点適時打を放ち、3点差に追い上げる。

オープン戦苦しんでいた蛭間に適時打が飛び出したのは収穫か

 得点をあげた直後だけに無失点で流れを掴みたい早大であったが、齋藤正からマウンドを譲り受けた鹿田泰生(商2=東京・早実)がピンチを迎える。先頭打者に失策での出塁を許すと安打、四球で無死満塁とされ、打席にはこの日本塁打を放っている鈴木。ショートゴロと打ち取るもこの間に1点を失う。続く打者に右中間をやぶる2点適時3塁打を浴び、その後もさらに1点を追加され、この回4失点。序盤で10点を相手にとられる苦しい展開に。5回に茅野真太郎(教3=東京。早実)の適時2塁打で1点を返すも反撃はここまで、社会人の強豪相手に大敗という結果となった。

 浮き彫りとなったのは投手力の弱さだ。昨年の早大投手陣を支えた4年生の穴は大きく、この日も序盤から大量失点を重ね、大きなビハインドを背負っての試合を強いられた。一方で打線も8安打を放ち再三に渡り得点機を作ったものの後一本を出すことができなかった。攻守ともに課題の多く出た試合であったが、収穫もあった。ルーキー達の活躍である。安打を放った前田健、8回途中からマウンドに上がった伊藤樹(スポ1=宮城・仙台育英)など、初めての神宮の舞台で物おじせず戦う姿は頼もしく写った。収穫も課題もどちらも手に入れられたこの試合を糧に、より一層完成した姿をリーグ戦で見られることに期待したい。

(記事 山本泰新、写真 玉置理沙子)

コメント

蛭間拓哉(スポ4=埼玉・浦和学院)

――中川卓也主将(スポ4=大阪桐蔭)がいない中での試合となりましたが、チームの雰囲気はどのような感じですか

 すごくいい雰囲気でやれているので、そこまで変わりはないです。

――今日の試合を振り返っていかがでしょうか

 やっぱり今日は初回に6失点してしまい、なかなか守備からリズムを作って攻撃につなげることができない試合展開だったかなと思います。

――初回に6点を失ってからなかなか点差が縮まらない中、試合が進んでいったと思います。その中で試合間で円陣を組んでどのような話をされたのでしょうか

 打線はそこまで振れてないわけではないから、とにかく打線になろうということを意識しながらやっていたのですが、久々の神宮ということで少し固さがあったのかなと思います。

――タイムリーの話を伺います。1ボール1ストライクからの3球目を打った形だったと思います。今振り返ってみていかがでしょうか

 自分としては、あそこは単打ではなく長打をいけたかなと正直思うので、まだまだ調子がまだまだなので、もう少し2週間ぐらいで上げていきたいかなと思います。

――新1年生の前田(健伸)選手が安打を打ってチャンスを広げたと思いますが、前田選手の安打についてはいかがでしょうか

 すごいスイングが振れているので、1年生ですがすごく頼りになると思います。

――逆に投手陣は粘りきれない展開になって心配な感じだと思いますが、副将としてどのように見ていますか

 自分たち野手が投げれるわけではないので、投手の分を野手が打てるように練習していきたいと思います。

――開幕まで残り数週間ですが、どのようなところをチームとして潰していこうと思いますか。

 神宮を経験している人が少ないので、練習でどれだけ気持ちの準備や体の準備をできるかと思うので、準備を怠らずにやっていきたいなと思います。