打線沈黙も、投手陣は収穫得る

野球
TEAM
早 大
日本通運
(早)●早川、徳山、西垣、藤井寛、柴田-小藤、岩本、中林

 東京六大学春季リーグ戦(春季リーグ戦)の舞台となる神宮球場。賜杯を争うまさにその場所で、早大ナインは日本通運との社会人対抗戦に臨んだ。先発の早川隆久(スポ2=千葉・木更津総合)をはじめとして持ち味を発揮した投手陣とは反対に、稲穂打線は相手の先発・生田目翼に対して5回1安打と大苦戦。社会人チームとの実力差が顕著に表れた敗戦となった。

持ち味は発揮したが、こん身の直球をバックスクリーンに運ばれた早川

 先発・早川は立ち上がりの1、2回をテンポよく抑え、キレのある直球と精度の高い変化球で3奪三振。しかし3回、先頭打者に低めの速球をバックスクリーンに運ばれ、先制を許してしまう。続く4回にも連続安打で追加点を献上し、さらに死球と犠打で1死二、三塁とされる。そして次打者が打ち上げた邪飛を、三塁手・福岡高輝(スポ3=埼玉・川越東)が後ろに下がって捕球したが、捕球体勢を見てすかさずスタートした三塁走者が生還。0―3とリードを広げられてしまった。5回には大型ルーキーの徳山壮磨(スポ1=大阪桐蔭)が早大加入後初めて神宮のマウンドへ。高校時代からのチームメートである岩本久重(スポ1=大阪桐蔭)とバッテリーを組み、三者凡退に抑える好投を見せた。その後も西垣雅矢(スポ1=兵庫・報徳学園)、藤井寛之(法3=福岡・東筑)がそれぞれ3人で抑えたが、8回、5番手の柴田迅(社2=東京・早大学院)が一塁に走者を背負うと、駄目押しの2点本塁打を浴び0―5。2本の本塁打で試合が決してしまった。

早大加入後初となった神宮のマウンドで躍動した徳山

 一方の打線は生田目の150キロ前後の速球とキレのある変化球に手も足も出ず、5回を終えて吉澤一翔(スポ2=大阪桐蔭)の左前打のみと、完璧に抑えられてしまう。唯一得点圏に走者を置くことができたのは7回。6回から登板した2番手投手から加藤雅樹(社3=東京・早実)が中前打を放ち出塁すると、死球で好機が広がる。しかし、6番・丸山壮史(スポ1=広島・広陵)が走者を送れず見逃し三振に倒れ2死。そして続く檜村篤史(スポ3=千葉・木更津総合)の守備妨害によりこの好機を逃してしまった。結局この試合で出た安打は、4本の単打のみ。社会人の投手陣を相手に力負けする結果となった。

 5失点とはなったものの、要所はきっちりと抑えた投手陣。しかし3回に捕逸で出塁されるなど、守備面でも細かいミスが目立っている。あと2週間とせまる春季リーグ戦。相手に好機を与えず、また自らの好機を逃さないためにも、これらの細かいミスの修正は必要不可欠だ。『守り勝つ』野球の体現へ、修正を急ぎたい。

(記事 村田華乃、写真 松澤勇人、岡田静穂)

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コメント

小藤翼(スポ3=東京・日大三)

――久々の先発マスクでしたが、どのような意気込みで試合に臨みましたか

ここ最近チームも勝てていなくて、とにかく勝ちがほしかったので、とりあえず初回をしっかりいい流れでいけたらいいなと思って試合に入りました。

――その初回はテンポよく切り抜けたと思いますが、その後の試合展開については振り返っていかがですか

結構相手のバッターが良く振れていて、守っていても怖さがあって。徐々に追い込まれてしまったなと自分と早川(隆久、スポ2=千葉・木更津総合)で感じていました。

――徐々に相手が早川投手の球に慣れてきたということでしょうか

そうですね。それで後半点数取られてしまったかなと思います。

――早川投手とはバッテリーを組む機会が多いと思いますが、小藤選手から見て早川投手の状態はいかがですか

状態は悪くないと思います。あとは配球の面だったり、ここぞという場面で投げ切れるかっていう問題だと思うので、調子自体は悪くはないですね。

――東京六大学春季リーグ戦(春季リーグ戦)でも早川投手の球を受けていくのでしょうか

多分そうだと思うんですけど、まだ分からないですね。

――きょうは盗塁阻止も記録しました。沖縄キャンプで課題に挙げていた『送球の安定』についてはどう感じていますか

ここ最近安定してきたのでこれを継続して、きょう投げた球を常に投げれるように、あと2週間くらい意識してやっていきたいと思います。

――同じく課題に挙げていた打撃の調子はいかがでしょうか

もうちょっとかな、という感じです。まだ当てにいってる部分があるので、もっと振り切れるように意識してやっていきたいです。

――正捕手争い真っ只中だと思いますが、春季リーグ戦開幕まであと2週間、どのようにアピールしていきたいですか

守りではとにかく失点を減らすということですね。きょうは守備でミスをしてしまったんですけど、ミスがないのを前提にして、バッティングではチャンスで打てるように、勝負強いところを見せていきたいです。

早川隆久(スポ2=千葉・木更津総合)

――久し振りの神宮球場での先発でしたが緊張はありましたか

緊張というのはあんまりないんですけど、社会人相手なので思い切ってやっていこうという気持ちで入ることができました。

――予定だと何回までを予定していましたか

4、5回目安で投げるというふうには言われてました。

――初回から三振を二つ奪いましたが、きょうの調子はいかがでしたか

悪くはないですけど、やっぱり(日本通運の)レベルが高いなというのは感じました。課題もたくさん見つかりましたし、(リーグ戦開幕まで)2週間、もう調整するだけかなと思います。

――神宮球場は球速表示も出ますが、気になりましたか

そうですね、アベレージ的にもだいぶいい感じに攻めれたので、そういう面では自分的にはだいぶいいかなというのはあります。

――変化球でもカウントが取れていましたが、出来はいかがでしたか

本当に出来はいい方だったんですけど、あっちが一枚上手だったのかなというのはあります。

――3回の本塁打を浴びた場面を振り返っていただけますか

あのホームランは投げ切れてましたし、それを持っていかれるということはやっぱりボールに勢いがないのかなというのも感じましたし、あそこで打ち取れるのが本当の真っすぐなのかなというのは感じました。

――4回は失点はしましたが、捕らえられた打球は少なかったと思います。あの回の投球を振り返っていかがですか

ヒットも二本ですし、その後もちゃんと抑えることができたので、そういう面では切り替えもしっかりできて良く抑えられたのかなというのはありますけど、やっぱりもうちょっと詰められるところがあったのでそこは詰めていかないとなというのはあります。

――先発投手としての手応えはつかめましたか

ゲームはつくれるのかなという感じはありますけど、野手がどう感じてるかというのが一つのポイントかなというのはあります。

徳山壮磨(スポ1=大阪桐蔭)

――今日の投球を振り返ってみていかがですか

自分としては二回目の神宮のマウンドに立たせてもらって、オープン戦とはいえ、神宮独特の雰囲気の中で1イニングを自分の思うようなピッチングができたので、すごくいい経験ができたと思っています。

ーー久しぶりの神宮でのマウンドは特別な思いがありましたか

神宮を見たときに、この春自分がここで活躍しなければいけないなっていう思いもありましたし、活躍するためにそこのマウンドで経験できたのはよかったです。

ーー岩本久重選手(スポ1=大阪桐蔭)とバッテリーを組んで出場できたことについてはいかがですか

息が合った配球ができましたし、自分のリズムを持った投球がバッテリー間でできたと思います。

ーー社会人相手に、先日の試合のリベンジはできましたか

そうですね、1イニングだけだったんですけど、日通というすごい相手に自分のストレートを投げ込むことができたので、そこは自信を持っていいのかなって思います。

――1イニングだけでしたが、その中でも課題などは

まっすぐ中心で投げたので、これからロングイニングになっていくと変化球とかもしっかり混ぜて難しくなってくるので、そこは勉強だと思って投げていきたいです。

――最後に、東京六大学春季リーグ戦に向けての意気込みをお願いします

やっぱり自分は一年生なので、フレッシュな気持ちを持って与えられたチャンスを生かして、自信を持って投げていきたいと思います。