小島142球の熱投!攻守共に粘り見せ、東大に先勝!!/東大1回戦

野球
東大1回戦 1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
東 大 0 2 0 0 0 0 0 0 0 2
早 大 0 0 0 2 2 0 0 0 × 4
(早)○小島、柳澤-小藤

 前週の立大戦で勝ち点を落とし、優勝に向け後がない早大。この日、東大1回戦の先発を託された小島和哉(スポ2=埼玉・浦和学院)は、先制こそ許したものの要所で相手を打ち取る粘りの投球を見せる。好調を維持する打線は、好機を確実にものにするそつのない攻撃で相手を突き放した。最後まで勝敗が分からない展開となったが、勝利への執念でわずかに相手を上回った早大に軍配が上がった。

先発した小島は一人ずつ丁寧に打ち取っていった

 この日は稲穂打線の勝負強さが光る内容となった。2点を追いかける4回、1死一、二塁の場面で打席に立ったのは、中澤彰太副将(スポ4=静岡)。「自分で1点を取るつもりで」と気合いを入れて臨むと、好投を続けてきた相手の1年生左腕の3球目を捉え、見事中前に運んだ。その後さらに1点を加え、迎えた5回。連続四球で2死ながら一、二塁と得点機を演出すると4番・木田大貴(商4=愛知・成章)に打席が回る。木田は2球目をしぶとくはじき返し、真鍋健太(スポ4=東京・早実)を勝ち越しの本塁へと迎え入れた。5番・佐藤晋甫(教3=広島・瀬戸内)も右前適時打で続き、点差を一気に2点に広げた。

勝ち越しの適時打を放った木田

 投壊に苦しむチームを救ったのは小島だった。序盤は直球で押したが、2回に先制の2点適時打を浴びてからは緩い変化球を織り交ぜた投球へシフト。バックの好守や打線の援護も受け、尻上がりに調子を上げた。そして、真骨頂を見せたのは8回。1番からの好打順でこの回を迎えた東大打線に連打と犠打で1死二、三塁と攻め立てられる。千載一遇の好機に三塁側の東大応援席もこの日一番の盛り上がりを見せたが、小島が慌てることはなかった。しっかりとコースを突き、見事相手の4番、5番をそれぞれ二飛、中飛に仕留めてみせた。しかし、東大もこのままでは終わらない。9回もマウンドに登った小島は制球を乱し、安打と四死球で2死満塁と一打逆転のピンチを招く。ここで早大は柳澤一輝(スポ3=広島・広陵)へ継投。対する東大はここ一番の場面に強いエース宮台康平(3年)を代打として送り出した。そして柳澤が投じた4球目――。三塁線を抜けたかと思われた鋭い打球に、三塁手・木田が横っ飛び。そのまま三塁ベースをタッチし、間一髪でゲームセットとなった。

 小島の粘投と好調を維持する打線の活躍でまず1勝を挙げた早大。東大は今季全てのカードで連敗と不調だが、その粘り強さは決して侮れない。この日も最後まで手に汗握る展開となった。髙橋広監督(昭52教卒=愛媛・西条)は「とにかく勝ちにいく」と、かたちにこだわらず勝利を狙う姿勢を見せた。石井一成主将(スポ4=栃木・作新学院)も「また気を引き締めて、できるプレーを確実にやっていくだけ」と隙はない。逆転優勝へ向け、まずは2回戦で白星を挙げ、確実に勝ち点を手に入れたい。

(記事 田中一光、写真 後藤あやめ、中丸卓己)

☆「奮起を促す」。主力投手をベンチ外に

大竹に代わって背番号13を背負った二山陽平(商3=東京・早実)

 ここまでの7試合で34失点。好調な打線に対して、投手陣が苦しんでいる。特に今季は四球も多く、不調ぶりがあらわになっている。そしてこの試合、主力投手2人がベンチ入りメンバーから外された。大竹耕太郎(スポ3=熊本・済々黌)と吉野和也(社4=新潟・日本文理)だ。

 1年秋に4勝を挙げるなど、下級生の時からチームを支えてきた大竹。注目投手なだけにその期待は常に大きい。リーグ戦優勝を成し遂げた昨春は『ベストナイン』などタイトルも獲得した。歓喜の瞬間、マウンドに立っていたのは決まってエース大竹。緩急自在のサウスポーに怖いものはなかった。しかし、ことしはその面影がない。制球面で苦しんだ春はわずか1勝。夏場に新しいフォームに挑戦し、改善を図るもいまだ結果として現れていない。立大3回戦では3回途中4失点でマウンドを降りた。大竹が先発の役目を果たせていないことは、チームにとっても非常につらい現実だ。

 一方で吉野和も1年時から登板している。昨春は抑えとして安定した投球が評価された。秋はケガで出遅れた大竹の穴を埋めるべく、先発としての仕事も果たす。持ち前の打たせて取る投球で万能ぶりを発揮。経験豊富なだけに好救援が期待されていた。だが、今季の吉野和は指揮官の期待に応えることができていない。制球にも難があり勝負どころで踏ん張り切れずにいる。

 両投手ともに『守り勝つ野球』を実現していくには欠かせない人材なだけに、髙橋広監督(昭52教卒=愛媛・西条)も継投に悩んでいる。「気合を入れてもらう」(髙橋監督)と語るように、この試合をきっかけに気持ちを切り替え、リーグ戦終盤の復帰に期待が募る。

(記事 難波亮誠)

早大打者成績
打順 守備 名前 打 安 点 率 1 2 3 4 5 6 7 8 9
1 (左) 八木健太郎 4 0 0 .400 三ゴ   遊ゴ   一飛   中飛  
2 (二) 真鍋健太 3 1 0 .231 中安   左飛   四球 中飛    
3 (遊) 石井一成 3 0 0 .370 遊飛     右飛 四球 二ゴ  
4 (三) 木田大貴 3 1 1 .310 空振     三失 中安     四球  
5 (一) 佐藤晋甫 3 3 1 .364   左安   死球 右安     左安  
  一 立花玲央 0 0 0 .083                  
6 (中) 中澤彰太 1 1 1 .304   投ギ   中安   死球   四球  
7 (捕) 小藤翼 4 0 0 .300   空振   二ゴ   見振   一ゴ  
8 (右) 三倉進 4 1 0 .167   一ゴ   左飛   右安   三飛  
9 (投) 小島和哉 3 0 0 .286   空振   遊ゴ 遊ゴ    
  投 柳澤一輝 0 0 0 .000                

早大投手成績
名前 試 勝 敗 回 安 振 球 失 責 率
小島和哉 5 2 0 8 2/3 7 7 4 2 2 1.88
柳澤一輝 5 0 0 1/3 0 0 0 0 0 0.00
東京六大学秋季リーグ戦星取表
順位 明 大 立 大 早 大 慶 大 法 大 東 大 勝ち点 勝 負 勝率
1 明 大 ※ 10/22
10/23
10/15
10/16
○3-0
○5-0
○10-2
10/2
○9-2
○7-4
2 5 0 1.000
2 立 大 10/22
10/23
※ ○5-3
●2-3
○10-7
10/15
10/16
○9-3
○7-5
10/8
10/9
2 4 1 .800
3 早 大 10/15
10/16
●3-5
○3-2
●7-10
※ 10/29
10/30
●5-6
○8-7
○5-2
○4-2
10/2
1 4 3 .571
4 慶 大 ●0-3
●0-5
10/15
10/16
10/29
10/30
※ 10/8
10/9
○8-0
○9-6
1 2 2 .500
5 法 大 ●2-10
10/2
●3-9
●5-7
○6-5
●7-8
●2-5
10/8
10/9
※ 10/22
10/23
0 1 5 .167
6 東 大 ●2-9
●4-7
10/8
10/9
●2-4
10/2
●0-8
●6-9
10/22
10/23
※ 0 0 5 .000
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コメント

髙橋広監督(昭52教卒=愛媛・西条)

――まず1勝目をつかみました。きょうの試合を振り返っていかがですか

しんどい試合でしたね。先攻されて、小島(和哉、スポ2=埼玉・浦和学院)は適時打を打たれていますけど、ちょっと丁寧さがなかったですね。データのない下位の打者相手に、簡単に(ストライクを)取りにいって簡単に打たれていたのでね。それと最後も勝っていたので小島を続投させましたけど、継投は難しいですね、なかなか。

――小島投手の続投はいつごろから決められていたのですか

ずっと4-2で抑えてきていたのでね。前回の立大戦は先に代えて、それが裏目に出たのでね。きょうは2点取られたところは隙があったけど、制球も良かったしね。そんなに不安なところはなかったですね。8、9回は少し疲れもありましたね。

――きょうも何度かマウンドへ行かれていましたが、どういったことを伝えていらっしゃいましたか

同点まではやるからということでね。でも9回は死球を出したので、さすがにあそこで代えました。

――打線はなかなか相手投手を打ち崩せませんでした

ああいう小刻みな左投手はそう簡単に打てるものではないですからね。きょうも言ったんですけど、相手が宮台(康平、東大3年)だったら選手にも気合いが入るけど、宮台が来ないということでちょっと選手全体に隙というか、油断がありましたよね。勝てるだろうというね。

――そんな中でも4点を奪えたことは大きかったのでは

そうですね。点を取ったところは良かったですけど、7、8回にけん制死が続いたじゃないですか。あそこで死んでなければ小藤(翼、スポ1=東京・日大三)にバントさせて。その後の三倉(進、スポ3=愛知・東邦)で安打が出ていたから、あそこで1点取っているんですよね。きょう出発する時も「きょうは3点の攻防で、いかに3点を取るか」と言って。確かに4点取って2点に抑えていますけど。そういう試合をしのがないといけないんだけれど、もう少し余裕があっても良かったですね。少し気持ちに油断があるのではと思いますね。

――きょうは大竹耕太郎投手(スポ3=熊本・済々黌)と吉野和也投手(社4=新潟・日本文理)がベンチから外れていましたが、やはり状態が悪いということでしょうか

そうですね。まあ奮起を促すということでね。気合いを入れてもらおうということで。

――これからベンチに戻る可能性も十分にあると

それはもちろんです。

――あすはどういった試合運びが理想でしょうか

きょうみたいな試合を想定してね。それでもとにかく負けないことが一番ですから。内容はともかく、延長だろうとどれだけ粘っても勝てばいいんですから。極端に言えば、勝ち点さえ取れればいいわけですからね。とにかく勝ちにいくということで。

石井一成主将(スポ4=栃木・作新学院)

――きょうの試合を振り返っていかがですか

流れはこっちに来ていたと思いますが、自分たちのミスで流れを相手に渡してしまったというか、少し気が抜けていたプレーが何個かあったので、そこは修正してあしたにつなげていけたらなと思います。

――自分たちのミスというのは、具体的には何ですか

けん制アウトだったり、いらないアウトが何個かあったので、慌てずやっていけたらなと思います。

――石井選手が常々言っている「難しいプレーは多くない」という中で、基本に徹したプレーができなかった部分があると

そうですね、そういう(難しくない)プレーでした。なめてかからないように、気を引き締めてやっていきたいです。

――石井選手ご自身は立大2回戦以降、左投手に苦戦されているように見受けられます

そんなことはないですが、ヒットを欲しがっているなという部分があるので、そこは欲しがらずに基本に忠実にショートの頭を狙っていきたいなと思います。

――きょうの相手先発は、直球が130キロ弱の投手でした。打席の立ち位置などで工夫した点はありますか

タイミングはいつもより遅めにとっていきました。

――きょうの試合も先制点を許しました。その中で石井選手はベンチなどで声を出していましたが、そこは意識していましたか

少し勢いがないので、声で流れを引き寄せられたらなという思いで声を出しています。

――勢いがないというのは

(点を)取られた後に自然と下がってしまうので、そこはなくしていこうと思っています。「次に、次に」という感じです。

――9月28日にプロ志望届を提出しましたが、どのようなかたちで提出されましたか

マネジャーさんに連盟(東京六大学野球連盟)の方に出していただきました。

――個人の成績とチームの成績の両方が気になるところであると思います

自分も含め、個人のことばかり気にしてチームが負けたら意味がないので、チームのためにやりたいと思います。

――きょうの試合を踏まえ、次戦の勝利に向けて必要なことは何であると考えていますか

また気を引き締めて、できるプレーを確実にやっていくだけだと思います。

中澤彰太副将(スポ4=静岡)

――4回にワセダの1点目となる適時打を放たれました

自分で1点を取るという気持ちで打席に入りました。

――打った球種は

変化球です。

――今季に入ってチャンスの場面での安打が増えていますが

気持ちの整理をつけて、気持ちを入れて、打席に立つようにしています。

――打率は3割を超えています

それはあまり気にしていないです。

――きょうは途中から照明がつきましたが、守備の時に何か気をつけたことはありますか

打球が当たった時に見づらかったのですが、何とか追い付けて良かったと思います。

――前回の立大戦で走攻守そろって活躍されましたが、何かつかんだ感覚はありますか

つかんだというよりは、どんな場面でもチームは諦めていませんでしたし、そういうのが良い結果につながったのかなと思います。

――ベンチも盛り上がっている印象ですが

春よりも一体となっている印象があります。

――あすへの意気込みをお願いします

気が緩んでいるわけではないのですが、ふわっとしていた部分があったので、あしたは最初から気を引き締めて、もう一回勝ちにいく気持ちでやっていきたいと思います。

木田大貴(商4=愛知・成章)

――優勝に向け負けられない状況だと思いますが、どんな意気込みで東大戦に臨みましたか

立大戦で勝ち点を落として本当に勝つしかない大事な試合だったので、内容どうこうよりもとにかく勝つことを大事にやりました。

――徐々に打撃の調子が上がってるようにうかがえますが、いかがですか

まだ自分の思うようなバッティングはできていないですが、そこまで悪いわけではないので少しずつ良い方向には向かっているのかなと思います。

――1点欲しいところでの適時打でしたが、球種は何でしたか

たぶん真っすぐかチェンジアップ、分からないですね。真っすぐでちょっと落ち気味だったと思います。

――一塁ベースではガッツポーズも見られましたが、打ったときの心境はいかがですか

良いヒットではないですが、とにかく1点取れたというのは大きかったのでそれは良かったかなと思います。

――投手陣が不調の中、打線がチームを引っ張っていかなければならないところだと思いますが、4番としてどうお考えですか

自分が4番という立場であるので、もちろん打点を稼がなければいけない打順だとは思いますが、とにかく一球一球自分のスイングをしっかりやっていくことだけに集中してやっているので、とにかくそれができればいいかなと思います。

――最後の好プレー、いかがでしたか

そうですね(笑)。たまたまとんだ所にボールが来ましたね。

――最後のシーズンはどう取り組んでいますか

このシーズンで引退なので、とにかく最高のかたちで終われるように優勝だけを目指してやっていきます。

――明日への意気込みをお願いします

勝つ。もう負けられない試合が続くので、勝つということだけを考えてやっていきたいと思います。

佐藤晋甫(教3=広島・瀬戸内)

――きょうの試合にはどのような意気込みで臨まれましたか

東大は侮れませんし、自分もクリーンアップに入っているので、とにかくつないで点に絡んでいこうという気持ちでいました。

――3打数3安打、全打席出塁の活躍でした。振り返っていかがですか

前回のカードであまり(バットが)振れていなかったので、とにかく1球目からどんどん打っていこうという気持ちでいました。監督さん(髙橋広、昭52教卒=愛媛・西条)からは、追い込まれるまでは逆方向を意識していけと、周りからもつないでいこうとアドバイスを受けていたので、とにかく逆方向と振り切ることを意識していました。

――どの球種を狙っていましたか

1打席目は、最初は直球を狙っていましたが、初球がチェンジアップだったので変化球で押してくると思いました。簡単にツーストライクまで追い込まれて、そこからはとにかく対応していこうと思い、甘く来た直球を打ちました。2打席目からは変化球を狙っていました。

――5番を任されてきょうで4試合目でした。5番を任されることについて、どうお考えですか

結構上位打線から皆さん塁に出てくださっていて、チャンスで回ってくることも多いので、5番としての仕事をしっかり果たして、アウトになる中でも打点に絡んでいければという意識でやっています。

――立大3回戦ではリーグ戦自身初安打となる三塁打を放たれましたが、調子が上がってきているという実感はありますか

立大戦も終始直球に差し込まれていたので、まだ(調子が)上がってきているという実感はないですが、六大学の投手はすごく(球が)速いのでそこに気後れしないように、とにかく打っていこうと思います。

――9回裏には守備で交代になりました

もともと守備は得意な方ではなく、その中でアウトにできるアウトをしっかり取っていくという意識でやっています。立花さん(玲央、人4=千葉英和)もしっかり守ってくださるので、そこは安心して守ることができます。

――あすの意気込みをお願いします

東大も結構勢いがあって、きょうの最終回もかなり危ないところまで追い上げられたので、その点もう一度気を引き締めて、チーム全体でしっかりやっていこうと思います。

小島和哉(スポ2=埼玉・浦和学院)

――状態は徐々に良くなってきたのではないですか

そこまで悪くはないですけど良くもないです。きょうみたいな試合で、できるだけ自分が1試合投げ切れば次の試合にリリーフ陣もあまり疲れなどが残らないと思うので、一人で投げることだけを考えていました。最後に代わってしまったのでそこは少し反省しました。

――完投はできませんでしたが、通算10勝目です

ちゃんと1試合投げて10勝目が良かったのですが、あまり内容も良くなかったので。そこで点を取ってもらったので、自分がちゃんとゼロで抑えられるようにしたいですね。

――チームのために自分で技術面など修正している点はありますか

オープン戦からフォームを変えたところもありましたが、それは練習でやりこんで、試合はそういう投げ方などは意識しないでとりあえず勝つことだけを考えて投げました。

――重心移動の仕方とかでしょうか

そうですね。そういう感じです。

――球持ちを良くしたりもしましたか

投げ方が良くなれば、自然と球持ちも良くなると思うので。(意識しているのは)軸をあまりぶらさないようにするなどですね。

――序盤で点を取られてからの立て直し方は

気持ち的な変化はありませんでしたが、とりあえず1イニング1イニングしっかり抑えようということだけを考えました。

――2年秋の途中でもう10勝しましたが、最終的にはどれくらい勝ち星を積み重ねていきたいですか

どれくらいとかはあまりないので、とりあえずチームが勝つために貢献できれば勝ち星は別についてもつかなくてもどっちでもいいかなと思っています。