有原が北海道日本ハム栗山監督から指名あいさつ受ける

野球

 10月23日のプロ野球ドラフト会議で4球団から1巡目指名を受け、抽選の結果北海道日本ハムとの入団交渉を行うこととなった有原航平(スポ4=広島・広陵)。この日は岡村猛監督(昭53二文卒=佐賀西)同席のもと、北海道日本ハムの栗山英樹監督から指名あいさつをうけた。冒頭に栗山監督から「大エースになってほしい」と声をかけられた有原は「はい」と力強く答え、目標とする選手として初めてダルビッシュ有(米大リーグ・テキサスレンジャーズ)の名前を挙げた。以下は選手、監督への質疑応答のコメント。


有原と栗山監督


有原航平(スポ4=広島・広陵)

――あいさつを受けて

高い評価をしていただいて、あいさつしていただいて実感が湧いてきました。

――栗山英樹監督の印象は

高校時代もテレビで見ていましたし、すごく熱い方だという印象です。

――監督からの言葉は

高校のときから縁があると言っていただいて、すごくうれしかったです。

――チームに入っても目標は

しっかり準備をして、ダルビッシュ(有)さんのようなピッチャーになりたいと思います。

――監督からは一年目からローテーションに入ってという言葉がありました

そのためにしっかり準備して、キャンプまで良い時間を過ごしたいです。

――対戦したい選手は

日本ハムファイターズの中田翔選手と対戦したいです。他チームではパワーヒッターで広島出身でもある福岡ソフトバンクの柳田(悠岐)選手と対戦してみたいです。

――パワーヒッターというのは

大学野球にもパワーヒッターはいますが、プロにはもっとすごい選手がいると思うので、自分の力がどれくらい通用するか試してみたいです。

――将来どんな選手に成長したいですか

ダルビッシュさんのようにしっかり活躍して、ファンから愛される選手になりたいです。

――きょう受け取った交渉権獲得の紙はどうされますか

実家に送りたいと思います。

――北海道の印象と行ってみてやりたいことは

一回も行ったことがないですがファンの方がすごく熱いので早く行ってみたいなと思います。

――食べたいものは

カニですかね(笑)。

――大学4年間で成長したことは

1年生のときから投げさせてもらって、1年生の時は大量失点することが多かったのですが、徐々に粘り強くはなったかなと思います。

――大谷投手への意識は

160キロのまっすぐは一回見てみたいというのと、タイプは違うと思いますがいろいろ聞きたいなと思います。どうやったら160キロ投げられるのかというのを聞きたいですね。

――ご自身のタイプは

(特徴として)速球をよく言われますが、変化球をコーナーへ投げ分ける投手だと思います。

――ダルビッシュ投手について

真っ直ぐが速いですし、変化球で簡単に打ち取っているのを見て、大リーグでも活躍されていますし、すごいと思います。

――意識したのはいつですか

大リーグに行ってから見る機会が多くなったのでその時期に見てですね。

――大リーグ挑戦は

そういう夢もありますけどまだまだだと思うので、まずはしっかり頑張りたいです。

――卒論は50メートル走と球速や遠投の関係ということですがご自身の50メートル走は

6秒3です。

――関連性はありますか

まだまだいろいろやっている段階なので何とも言えないです。

――キャンプに向けて

特別なことはしませんが、肘は休めて、キャンプに向けて下半身や体幹のトレーニングをしています。

――1年目の目標は

しっかり頑張ってローテーションに入りたいですね。

――変化球は何を投げていますか

カットボール、スライダー、カーブ、チェンジアップ、ツーシームですね。

――フォークは使わないのですか

チェンジアップを自分の中で使っているので、フォークのような感じですね。チェンジアップの球速も速いので使っています。

――ウイニングショットは

チェンジアップですね。あとは真っ直ぐです。

――高速チェンジアップのような感じでしょうか

自分ではイメージはありませんが、チームメートからは言われますね。

――いまの練習は

引退して2日くらい休んで、前と変わらずオフは週1日という感じでやっています。

北海道日本ハム栗山英樹監督

――初対面されての感想は

本当に久しく感じていなかった、思い焦がれた人に会えるというのはこういう気持ちなんだなと思いました。

――懇談ではどんな言葉をかけられましたか

甲子園の時から、たまたま熱闘甲子園をやっている時期は有原君と直接インタビューしていなかったのですが、「あの年の一番良いピッチャーで、負けた試合も含めてネット裏で見ていました」と(声をかけました)。人柄や芯がしっかりしていてぶれないというのは大渕隆スカウトの方から聞いていて、きょう話してみて改めて思った通りですごくうれしかったです。本当に日本一にしたいと思っています。

――チームに入って期待するのは

近い将来というか、すぐにでもエースとして投げてくれると思っています。僕が見ている中では、自分の力が出せればプロの世界に慣れればすぐに活躍できると思うので、しっかり頑張って欲しいです。

――プロに入って学んでほしいことは

良い選手というのは環境の中で勝手に学んでいくので、プロはこうだと思わずに、いままでと同じ自分のペースでしっかりやってほしいです。それができればある程度の数字は必ず残るので、それから自分でいろんなことを感じて自分で変えていけばいいと思います。

――何勝くらいを期待しますか

ことしの秋に体調的にいろいろあったと思うので、まずは元気にプレーできる環境をつくってほしいです。一軍で投げ始めたらそれはローテーションのかなり前で投げてもらうという、それくらいの期待はしています。

――背番号は

一部報道に出ていますが、これから球団と話しあって決めます。

――有原投手が入ることでの北海道日本ハムへの影響は

それはみなさんご存じのとおり、この秋のキャンプから、僕は直接選手には言わないですが、若い選手がちらほらそういう名前の中で必死になっている姿というのは見られています。全てのピッチャーが「これはやばい」と思うピッチャーがほしくて、彼はそういう素材なので。彼が来てくれれば指名した段階でチームの活性化というのは始まっています。そういう意味でもうれしいし、チームの競争も間違いなく激しくなるし、それはどんな言葉を使っても、どんな練習をしても無理なことですね。

――大谷翔平投手もそうでしょうか

翔平が「これはまずいな」と思う選手がいっぱいいるということは素晴らしいことですし、彼も何かを感じていると思います。

――有原投手と対面してうれしそうでしたね

うれしそうだったでしょ(笑)。久々にうれしかったね。細かいことはわかりませんが、話しただけでその人の人柄とか感じというのは聞いていた通りだと感じました。4年間いろいろなことがある中で、ワセダで学びながら成長していたと。人としての成長がないとプロ野球選手として前に進まないので、それが感じられたのでご心配なく来てもらってやってもらいたいと思います。どうしても早く会いたかったので、そういったことを確認できたことがらいねんへ向けて良い材料になると思います。

――肘の状態については

その辺はメディカルチェックをしながらこれからのことを考えていくけれども、僕の中では慌てる必要はないと思います。力は分かっているわけだから、一歩一歩前に進んでいってくれれば良いし、全く心配はしていません。少し出遅れるかもしれないしそこは分からないけれども、それは別問題として、俺がいなくなった後にでも軸になるのは間違いないわけだから、ちゃんと彼の将来を考えてやっていきます。投げられる状態までにはなっているわけだから、良いかたちでらいねんスタートしてくれればいいし、そこは心配していないです。

――キャンプは2軍スタートという報道もありますが

それはチーム全体といまから話すけれども、俺の中では新人は2月1日キャンプインではなくて2月15日キャンプインだと思っているので、15日の1、2軍の紅白戦までに調整してくれれば全然かまいません。新人が無理してケガするのは馬鹿みたいだし、2月15日からでも開幕までは45日もあるわけだから、全然間に合うので無理させる必要はありません。

――大谷投手へは厳しく接したということもありましたが、有原投手への接し方は

翔平はまだ子供だったからね(笑)。もちろん期待は大きいからお願いごとは出てくるかもしれないけど、きょう話した感じではすごくしっかりしているし、心配ないかなと思います。

――入団までのお願いごとは

ワセダが最後まで優勝争いをしていて、責任ある中で4年間投げていたということで疲れていると思うし、(岡村猛)監督(昭53二文卒=佐賀西)にとっても1年生から育てていた選手で監督のためにもということがあったと思うし、ゆっくり休んで心を開放する中で準備を始めてくれればと思います。チームも大事だけどそれよりも大事なのはその人の人生だから、彼の人生を何とかするためにみんなが必死になるということしか考えていないです。まずは自分の中でさあやろうという時期が必ず来るので、少し休んでそこからですね。何をしなくてはいけないかは分かっていると思うので、そこに関しては心配していないです。入団の意思を固めてくれれば、トレーナーの指示とかチームとしてというのはあるけれども、それを細かくしなくても大丈夫だろうし。

――すぐ勝てる投手というのはどういう投手ですか

普通速球派ですか技巧派ですかということを聞くけれども、そういうことではなくて。150キロを超えるピッチャーなのに変化球もコントロールが抜群に良いとか、その辺りの感じが俺の感覚としてダルビッシュに似ているんだよね。微妙にちょっと手前で曲げたり、そういうことができるように高校時代から見えていました。その(直球と変化球の)両方を兼ね備える人は少ないんだけど、だからチームを強くするために必要で、それを持っているからこそみんな欲しかった。戦略上(抽選の)確率などのことがある中でもああいうふう(4球団からの1巡目指名)になっていてうちが獲得したということです。両方を兼ね備える投手というのは案外少ないので、それをこちらは見出したわけですね。

――中田翔選手との対戦を希望していました

自分のチームの中にそういう選手がいるというのは有原君にとっても良いことで、翔からバッターの気持ちとかどういうふうに待っているかとかプロ野球でどうやったら抑えられるかというのを教えてくれるはずです。それはやられながら覚えていくよりも早いから、そういうのもできると思うし、良いことだと思いますね。

――吉川光夫選手の高校の先輩ですね

吉川とも話したし、斎藤(佑樹、平23教卒=現・日本ハムファイターズ)とも話したけど刺激になるよね。きのうを見ても佑樹は良くなってきているから、それは有原君が決まった時から話してはいないけど意識があるはずですね。チームはそういうのが大事で、有原君は自分のために一生懸命やるけど、それで大きな投げかけができていて、俺はそれをするしかないのですごく楽しみです。岡(大海)だって投手野手の違いはあって学校も違うけど、六大学の後輩が入ってきて、そういうのがあってすごく良い刺激を与えてくれていると思います。そこは僕がいくら頑張って言っても駄目なものなので、彼がそれを与えてくれるというのは大きいね。