20安打で完勝 有終の美を飾る/慶大3回戦

野球
慶大3回戦 1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
慶大 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
早大 0 1 1 0 4 2 1 0 × 9
(早)○竹内、黄本、安達公、鈴木健-土屋、梶矢
◇(本塁打)中村2号ソロ(二塁打)中澤、河原
(慶)●加嶋、佐伯、亀井、明、加藤拓、三宮-小笠原

 前日の敗戦により優勝の可能性はなくなったが、勝ち点を、そして両校の威信を懸けて行われた早慶3回戦。4年生を含めたこのチームで戦う最後の試合となることが決まっていた。「4年生をいいかたちで送り出したい」(茂木栄五郎、文構3=神奈川・桐蔭学園)。その思いは、投打で結果となって現れる。4安打3打点と大活躍を見せた茂木をはじめ、強力打線が爆発。先発全員安打を記録するなど、順調に得点を重ねた。投げては、今季初先発の竹内諒(スポ2=三重・松阪)が7回無失点の好投を披露した。終始試合の主導権を渡すことなく、慶大を圧倒。9-0の大勝で、有終の美を飾った。

 先発のマウンドに立つ竹内の胸中には、4年生への強い思いがあった。「いままでお世話になったので、感謝の思いを忘れずに投げた」(竹内)。連投の疲れを感じさせず、変化球主体の打たせて取る投球で次々とアウトの山を築く。7回を投げ、許した安打は散発5本のみ。本人も「でき過ぎです」と振り返るほどの内容で今季最終登板を終えた。その後は無失点のままバトンをつなぎ、最終回には安達公亮(スポ4=埼玉・早大本庄)、鈴木健介(教4=東京・早実)の2人が登板。4年生としての意地の投球で、しっかりと試合を締めた。

気持ちのこもった投球で7回無失点に抑えた竹内

 打線も本来の力強さを取り戻し、4年生に最後の花道を用意した。序盤から中澤彰太(スポ2=静岡)、茂木の適時打で得点すると、5回には4番・武藤風行(スポ4=石川・金沢泉丘)からの6連打で一挙4点を奪取する。すると6回には、中村奨吾主将(スポ4=奈良・天理)が負けじと豪快な一発を披露する。この回から代わった加藤拓也(2年)の8球目。振り抜いた打球は大きな弧を描き、左翼スタンドへ。今季苦しみ続けた悩める主将が、自らの引退試合を一振りで盛り上げた。8回以外の毎回安打を記録したこの試合。4安打の茂木、3安打の河原右京(スポ3=大阪桐蔭)
ら3年生以下の活躍が打線に活気を与えた。計20本もの安打を放つ圧倒的な打力で、終始慶大を寄せ付けず。稲穂打線がその脅威を最後に発揮した。

4安打3打点と打線をけん引した茂木

 目前まで迫りながら、あと少しのところで手元からすり抜けていった栄光。2季連続でリーグ戦2位という順位は、優勝がいかに難しいことかを物語っている。しかし、岡村猛監督(昭53二文卒=佐賀西)も「ワセダらしくよく打って得点してくれた」と語るきょうの試合では、のびのびとプレーする選手たちの姿が見られた。「最後のこの勝利が、来季に絶対につながると思う」(茂木)。4年生を勝利で送り出せることへの喜びを胸に、そして、今季グラウンドに刻んだ悔しさを糧にして——。早大ナインが見せ続けた『早稲田野球の真髄』はしっかりと下級生へと受け継がれ、来春また新しい物語を描いていく。

(記事 芦沢仁美、写真 荒巻美奈、小川朝煕)

試合後、スタンドでは『早稲田の栄光』が歌われた

岡村猛監督(昭53二文卒=佐賀西)

皆さん、応援ありがとうございました!残念ながら、昨日優勝を逃し、パレードはできずに非常に残念ではありましたが、きょうここに慶大から勝ち点を取りまして、皆さんのご声援に応えることができました。まさに『早稲田野球の真髄』を最後の最後に選手達が体現してくれたと思います。私も非常にうれしく思います。就任してから4年間、きょうここに並んでいます4年生と苦楽を共に戦って参りました。どちらかと言えば、私は楽ばかりをしていて、選手たちがきつく、苦しい思いばかりをしていたかと思いますが、随分とたくましくなってくれました。厚かましくもなってくれました。でも、最後にこの早慶戦で勝ち点を取って卒業させることができましたので、私もほっとしております。この秋季リーグ戦は早慶戦に勝って4年生を卒業させることが私の大きな使命の一つでもありましたし、これで気持ち良く彼らも巣立って行ってくれると思います。応援部の皆さん、また学生席と応援席の皆さんには毎試合毎試合熱い応援を頂きまして、とても心強く、勇気を持って戦うことができました。本当に4年間ありがとうございました。

中村奨吾主将(スポ4=奈良・天理)

本日は最後までご声援頂きありがとうございました。この秋も春と同様、優勝の懸かった早慶戦で負けてしまいました。応援部の皆様、ファンの皆様のご声援はグラウンドに届いていました。皆様とうれしい瞬間も悔しい瞬間も一緒に味わえたことは一生の思い出になると思います。私個人としまして一年間苦しい思いをしましたが、ここにいる仲間や、応援部の皆様、ファンの皆様のご声援によって支えられてきたと思います。本当に4年間ありがとうございました。

★茂木が首位打者、ベストナインは4人!

 東大戦に欠場し、規定打席数に達していなかった茂木だが、この日4打席に立ちそれまで打率リーグトップだった小野田を超え5割1分4厘で首位打者に輝いた。また、ベストナインには中村、土屋遼太副将(教4=東京・早実)、小野田俊介(社4=東京・早実)、重信慎之介(教3=東京・早実)の4人が選出。六大学で最多の選出数となった。

首位打者に輝いた茂木

黄字は打点付き

早大打者成績
打順 守備 名前 打 安 点 率 1 2 3 4 5 6 7 8 9
1 (左) 重信慎之介 4 2 1 .404 右安 左安    二ゴ 遊ゴ            
  打 柿沼陽亮 1 1 0 1.000                   中安      
  走 遠藤崇史 0 0 0 —                           
  左 三倉健 0 0 0 —                           
2 (遊) 河原右京 5 3 1 .341 空振    左安 左安 遊直    中2      
3 (二) 中村奨吾 5 3 1 .271 左安    投安 空振    左本 右飛      
4 (一) 武藤風行 3 2 0 .250 右飛    投犠    右安 四球 遊安      
5 (右) 小野田俊介 4 1 0 .383 二ゴ    四球    中安 遊直 空振      
6 (三) 茂木栄五郎 4 4 3 .514    左安 右安    右安 右安         
  打三 松永圭介 1 0 0 .000                      空振   
7 (捕) 土屋遼太 3 1 0 .233    捕犠 空振    三安 右飛         
  捕 梶矢真弘 1 0 0 .000                      遊ゴ   
8 (中) 中澤彰太 5 2 3 .186    右2 二ゴ    右安 右飛    空振   
9 (投) 竹内諒 3 1 0 .143    右飛    三ゴ 左安            
  打 吉澤翔吾 1 0 0 .000                   空振      
  投 黄本創星 0 0 0 .000                           
  投 安達公亮 0 0 0 —                           
  投 鈴木健介 0 0 0 —                           
早大投手成績
名前 試 勝 敗 回 安 四 振 責 失 率
竹内諒 8 2 0 7 5 0 6 0 0 1.44
黄本創星 4 0 0 1 2 0 1 0 0 4.76
安達公亮 1 0 0 2/3 0 0 0 0 0 0.00
鈴木健介 2 0 0 1/3 0 0 0 0 0 0.00
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コメント

岡村猛監督(昭53二文卒=佐賀西)

――勝って4年生を送り出すことができますね

ほっとしました。勝って卒業していくのと、負けて卒業していくのでは全然違いますからね。任期の4年間、秋の早慶戦は全て勝ち点が取れました。(2回戦で)一つ負けたのは残念だけど、ほっとしています。

――9回は鈴木健介選手(教4=東京・早実)、安達公亮選手(スポ4=埼玉・早大本庄)の4年生コンビが締めてくれました

彼ら二人だけではなく4年生は一人でも多くベンチに入れて一緒に戦おうという思いでやりましたので、非常に良かったです。

――先発の竹内諒選手(スポ2=三重・松阪)も熱のこもった投球でしたがいかがでしょうか

気迫あふれるピッチングをしてくれましたので、来季に向けてのいい自信になってくれたらと思います。

――今季苦しんでいた中村奨吾主将(スポ4=奈良・天理)は最後の最後で本塁打を放ち、次のキャリアにつながる一打になったのではないでしょうか

力は間違いなく持っているのに、いろんなプレッシャーの中で(その力を)発揮できなかったのですが、きょうは彼本来のプレーをしてくれました。次のステージに向けて是非いい経験にして欲しいと思います。

――茂木栄五郎選手(文構3=神奈川・桐蔭学園)はきょうの試合で規定打席に到達し、見事首位打者を獲得しました

なかなかフルに出場できなかったのですが、開幕からいい打撃をしておりましたので、結果的に首位打者を取れたので良かったと思います。小野田俊介(社4=東京・早実)と重信慎之介(教3=東京・早実)もいい位置にいたのですが、茂木がきょう4打数4安打ということで非常にいい結果を残しましたので、重信についてはまた来季以降で頑張ってほしいと思います。

――きのうのきょうということで気持ちの整理をするのも難しかったと思うのですが、きょうは最後まで諦めずに果敢に攻め、観衆の皆さんに『早稲田野球の真髄』を見せられたと思うのですがどうでしょうか

真髄かどうかは何ともわかりませんけど、ワセダらしくよく打って得点してくれたと思います。そういう意味では、きょうの試合に関しては満足しています。

――ことし一年を通して印象に残っているゲームはありますか

きょうのゲームです。ワセダ本来の打撃力を前面に押し出して、とにかく打って走って、いい野球ができましたから、選手たちが餞(はなむけ)にいい野球をしてくれたと思います。

――何か最後のスピーチに向けて用意されてる言葉などはありますか

とにかくありがとうと、感謝の一言ですね。4年間非常に充実した日々を過ごせました。ありがたいことです。

――最後に今季の総括をお願いします

残念ながら勝ち点は同じであっても、勝率に影響する一つの勝利、一つの敗戦が優勝を分ける試合になりますので、来季は一つの勝ち負けにこだわって頑張ってほしいと思います。

中村奨吾主将(スポ4=奈良・天理)

――ワセダ最後の試合を振り返っての感想はいかがですか

最後にみんなベンチに入っているメンバーは出られましたし、最後の早慶戦で勝ち点も挙げられましたし良かったと思います。

――チームとしても中村主将としても最高のかたちで締められたと思います。

優勝できなかったことは悔しいのですが、早慶戦で最後勝てたので良かったです。

――前日は当たりが止まっていたもののきょうは3安打でした。技術的に変えてきた部分はあったのでしょうか

変えてきたことは何もないのですが、たまたまだと思います。きのう打っておけばという思いがあります。遅いですね。

――きょうに関してはしっかりと自分の間合いで打てたのではないでしょうか

いえ、まだまだです。

――きのうの敗戦で優勝がなくなり、そこで何か話したことはありますか

負けてしまったのですが、早慶戦はきょうもまだあったのでとにかくみんなで楽しんで野球をしようということを話しました。

――4年生も多く試合に出場しましたが、その様子をベンチで見ていて思うことはありましたか

大量リードの展開をつくれて、みんなここまで4年間頑張ってきましたし準備もしてきたので、結果が出た出ないに関わらず4年生がたくさん試合に出られたので良かったです。

――改めていま、同期への思いは

自分が主将をさせてもらって、ふがいなかったのですがみんなが支えてくれてここまでやってこられたので、本当に感謝の気持ちを伝えたいと思います。

――本塁打の打席について、どのような球でしたか

真っすぐか変化球かは分からないのですが、低めの球でした。狙っていたわけでもなくたまたま打てたのかなと思います。

――うまく反応できて、振り切れたからこその結果でしょうか

そうですね。

――ダイヤモンドを一周しながら思うことはありましたか

特に直原(大典学生コーチ、人4=高知・土佐)とはずっと自主練習をしてきたので。みんなに感謝しているのですが、直原には特に感謝の思いがありました。

――三塁ベースを回る時、直原コーチが目に入ったと思いますが、やはりそこで思いが湧き上がってきたのですか

そうですね。自分もうれしかったですし、直原もうれしそうな顔をしていたのでいままでやってきて良かったなという思いです。

――ワセダのユニフォームを着て戦うのは最後となりましたが、4年間を振り返ってみてどのような気持ちですか

うまくいったこともありましたし、うまくいかないこともこの1年間は多かったのですが、みんなで協力してみんなに支えてもらってここまでやってこれたので、本当に監督さんなど指導者の方々、同期や後輩に感謝したいと思います。

――後輩へ向けてのメッセージはありますか

特にないですね。後輩には後輩たちのやり方がまたあるので、みんなでそのスタイルを築き上げてやっていってもらいたいと思います。

――中村選手には今後も野球人生は続いていきますが、今後への意気込みをお願いします

早稲田大学野球部でいろいろなことを経験させてもらって、育ててもらったので、これを糧に上の舞台に進んでもまた元気な姿を見せて、いろいろな方々に恩返しできたらいいなと思います。

土屋遼太副将(教4=東京・早実)

――学生最後の試合を終えて、いまのお気持ちは

あしたから後輩と練習できないことを残念に思うぐらいで、特に変わった気持ちはないです。

――早慶戦前のチームの雰囲気はいかがだったのでしょうか

優勝が懸かっていたので、もちろんそういう(優勝を目指す)気持ちもありましたが、きょうは楽しもうという気持ちでやりました。首位打者争いの舞台にもなり、そういった盛り上がりもある中で臨めたと思います。

――きのうはミスもあり、優勝を逃す結果となりました。振り返ってみて

一球で勝負が決まることをすごく感じる試合でした。自分はこの先野球を続けるので生かしていければと思いますし、後輩たちは来季以降につなげてもらえればと思います。

――後輩たちに期待したいことは

いまの3年生は4年生という引っ張っていかないといけない立場になるので、よくチームで話しあって春に優勝してもらいたいです。

――これまで一緒に戦ってきた4年生への思いは

いまはあまり考えられないですね。引退してからいろいろな感情が浮かんでくるかなと思います。

――今後、野球を続けていくにあたっての目標は

第二の人生というか、また新しい気持ちで、新しいチームで一生懸命やっていきたいと思います。またいろいろな人が応援してくれていると思うので、そういった人たちに感謝の気持ちを持ちながらやっていければと思います。

安達公亮(スポ4=埼玉・早大本庄)

――きのうは負けて優勝を逃すこととなってしまいましたが

もう終わったことは仕方がないことで、きょうはみんなでできる最後の試合だったので精一杯きょうも勝ちにいこうと思っていました。きのうからうまく気持ちを切り替えて臨めました。

――ブルペンではどんな思いで準備していましたか

仲間がリードをつくってくれていたので、チャンスがあるなと思って、しっかりその時に備えて準備していました。

――5季ぶりのマウンドで、早慶戦ということでしたがマウンドへはどんな気持ちで向かいましたか

5季ぶりという感覚はあまりなくて、新たにこの試合だけに全力を尽くそうと思っていました。

――緊張はありましたか

全然なかったです。

――相手のクリーンアップとの対戦でしたがどのようなことを心掛けましたか

もう本当に、悔いだけ残らないように投げようと思っていました。

――2者を打ち取りマウンドを降りましたが、6球に全てを出し切れましたか

はい。

――ベンチに戻る際、チームメートに迎えられましたがどのようなお気持ちでしたか

きょうは4年生が多くベンチに入って、同期が迎えてくれてすごくうれしかったです。

――同期へはどのような思いを持っていますか

つらい時期も楽しい時期も1年生からずっと一緒に乗り越えてきた仲間なので、一緒に野球ができたことに本当に感謝しています。

――この試合でユニフォームを脱ぐことになると思いますが、寂しさはありますか

いまはあまり実感がわかないですね。ただ一応やり切ったという気持ちはありますし悔いはないです。

――四年間を簡単に総括して

最後にこうやっていい試合ができて、4年生が活躍して終われたので良かったと思います。

――四年間で一番感謝している人は

やっぱり親ですかね。ここまで野球を続けさせてくれたので。

――後輩たちへメッセージをお願いします

目の前で春も秋も優勝を逃しているので、後輩には本当に優勝してほしいです。

遠藤崇史(人4=香川・高松一)

――最終戦へ臨むにあたっての気持ちはどのようなものでしたか

きのう優勝がなくなって、目標を見失っていたところもあったのですが、4年生がベンチにいっぱい入ったので、ラストは4年生の力で勝とうというふうに思っていました。

――出場機会については

自分が出場するとしたら代走というかたちだと思っていたので、柿沼(陽亮、教4=東京・早実)が打ってくれることを信じて、(試合に)出られたら絶対走ってやろうと思っていました。

――盗塁は狙っていましたか

そうですね。絶対走ってやると思っていました。

――盗塁して、その後ホームインもしましたがその時の気持ちは

後輩の右京(河原、スポ3=大阪桐蔭)がかえしてくれると思っていたので、何が何でもホームインしてやろうという気持ちでした。

――ワセダのユニフォームを着た最後の試合になりましたが、楽しめましたか

そうですね。一番楽しかったです。

――四年間を振り返ってみて

いいことも悪いこともあったのですが、いいことはいいことで、悪いこともいまとなってはいい思い出となっているので、まあ終わり良ければ全て良しで、良かったと思います。

――一番の思い出になりましたか

そうですね。自分にとっても一番の思い出になりました。

柿沼陽亮(教4=東京・早実)

――最後の早慶戦、どういった気持ちで臨みましたか

まずは感謝の気持ちで、練習を手伝ってきた人や、この場を提供してくれた方などいろんな方への感謝の気持ちだけでした。

――7回に代打を告げられた時は

その時も本当に感謝の気持ちが大きくて、監督さんに使っていただいたことや、その場に立たせて頂いたことへの感謝の気持ちが大きくて、緊張などは全くありませんでした。

――打った感触はいかがでしたか

いままでやってきた練習通りでした。そんなに大きな当たりを打つ打者ではないので、センターから右方向にずっと練習してきたのが,最後にああいったかたちで出たので、ほっとしたというか、いままでやってきて良かったです。

――理想の打撃だったということでしょうか

そうですね。自分の求めていた打撃があの場面で出ました。

――一塁ベースに走って行ったときはいかがでしたか

あんまり景色を覚えていないですね(笑)。打った瞬間は時間がゆっくり流れるような感じでした。

――ベンチに帰ってきたときは仲間からどういった言葉を掛けられたのですか

みんな自分のことのように喜んでくれました。きのうまでの2戦はムードメーカーとして背番号『40』で入っていたので、特に何を言っているかとはありませんでしたが、選手として出場して、ヒットを打って、本当にうれしかったです。

――小野田俊介選手(社4=東京・早実)も柿沼選手がムードメーカーとおっしゃっていましたが、どういったことを意識されているのですか

朝、監督さんがミーティングでお話をされるのですが、その言葉を自分なりにアレンジして、試合前のシートノックが終わった後に、みんなに伝えて、みんなを奮い立たせたりしています。

――今季のチームはどういったチームでしたか

1年生から4年生まで風通しが良いチームでした。有原(航平、スポ4=広島・広陵)が万全でない中でも、ここまでやってこれたのは本当にチームが一丸となれたからだと思います。

――そういった意味でも勝利で終えることができたことは本当に良かったですね

きょうは20安打打って、自分たちの野球である、つないでつないで点を取る野球ができたと思います。いつも岡村監督が言ってくださる、『早稲田野球の神髄』を最後に出すことができました。

――小野田選手など早実高からのチームメートも多く出場された試合でしたが

最後に(鈴木)健介が投げているところを見て、自然に涙が出てしまいました。健介とは小学校のときから一緒に野球をやっていまして、お互いこれから野球をやりませんが、最後にああいった舞台であいつの投球を見れたことは自然と涙が出る、そんな光景でした。

――4年間で一番思い出に残っていることは

やはり一番景色として残っているのはきのうです。山口(寿明、スポ4=大阪・早稲田摂陵)が三振した瞬間は景色が流れるのも遅くて、苦い思い出なのですが、悔しさとして残っている忘れられない思い出です。

――最後に後輩に向けて一言お願いします

きのうの悔しさは常に忘れてほしくないですし、きのう負けたことで野球の怖さを体感したと思います。いままで以上のことをやって、次の春、必ず天皇杯を持ってきてほしいと思います。

梶矢真弘(教4=広島・呉昭和)

——前日の敗戦から一夜明け、どんな気持ちできょうの試合を迎えられましたか

優勝を逃してしまって、そのすぐ後は気持ちが下がってしまったのですが。早慶戦というのは特別な試合で、自分にとっても最後の試合だったので、最後は勝って終われるように、みんなで「きょうは勝つぞ」という気持ちで臨みました。

——早慶戦というのはやはり特別な試合なのですか

自分はワセダとケイオーに憧れて六大学野球という場に足を踏み入れたので、早慶戦は昔から憧れの舞台でした。その舞台で試合ができる喜びをとても強く感じていました。

——最後の試合となるわけでしたが、胸にこみ上げるものはありましたか

何もかもが最後になってくると思うと、特にいままで1年生の頃からきついことでも一緒にやってきた同期との最後の試合かと思うと、寂しい思いもありました。

——試合では8回に代打での出場となりました。どのような気持ちで打席に向かいましたか

きょうは結構4年生がベンチに入っていましたが、それでも入れていない4年生もいるので。そういう人たちの分まで、どうにかヒットを打ちたいと思っていました。

——その後はそのまま守備に入り、試合終了の瞬間をグラウンドで迎えられましたが、その瞬間はどのような気持ちでしたか

終わったんだな、と。勝てて良かったのですが、とても幸せな時間だったので、できればずっと試合をしていたいという気持ちでした。これでこのメンバーと野球をするのが最後なのかと思うと、それが終わってしまうのがとても寂しかったです。

——ことしのチームはご自身から見てどのようなチームでしたか

個性が強くて、変なやつばかりというか。個性的なメンバーだと思っています。

——同期への思いはどのようなものでしょうか

自分は浪人しているため、本当だったらもう卒業している歳で。結構いじられたりもしていましたが、このメンバーで、この学年でプレーできてよかったと思います。本当に、ありがとうと言いたいです。

——ブルペンから投手をマウンドに送り出すとき、どのようなことに気をつけていましたか

ブルペンでは気持ち良く投げてもらって、でもその中でも低く投げろなど技術的な面でも配慮をして、なるべくいい状態でマウンドに送り出せるようにと考えていました。

——教員志望ということですが、野球は今後は続けないのでしょうか

プレーヤーとしてはやらないと思うのですが、高校野球の監督やコーチができればいいかなと考えています。

——ワセダの野球部、そして神宮球場とは、ご自身にとってどのような場所でしたか

夢のような舞台でした。自分の高校時代の成績からすれば、自分がまさかこのように神宮に立てると思っていなかったので。自分のような無名の高校出身者でも、努力すればこういう舞台に立てるということを、証明できたかなと思います。

鈴木健介(教4=東京・早実)

――試合を終えていまの気持ちはいかがですか

ほっとしています。

――試合の最後を任されましたが、どのような気持ちでマウンドに上がりましたか

僕は野球を続けないので、試合も最後ですが僕の野球人生も最後なので悔いなく思い切りやろうと思いました。

――竹内惇選手を二ゴロに打ち取りましたが、思い通りの投球はできましたか

そうですね。最後はインコースの真っ直ぐで打ち取れたので悔いはないです。

――きょう投げるということはいつ頃から言われていたのですか

試合展開によってだったのですが、最後9回投げるぞと試合の途中から言われていたので、少し緊張していました。

――9回は安達公亮選手(スポ4=埼玉・早大本庄)とのリレーになりましたが、どのような言葉を交わしましたか

「頑張って」というようにマウンドで言われました。公亮とはずっと一緒にやってきて、僕も公亮に続いて投げられたらと思っていたので、その通りになって良かったです。

――試合が終わって選手たちから祝福を受けていましたが、その時はどのような気持ちでしたか

本当にいい仲間に恵まれたなと思いました。

――明大2回戦で今季初登板されましたが、その時のことを振り返っていかがですか

4年生の秋なのですが、ここまであまり投げてこられなくて、少しでもチームに貢献したいという思いでやってきたので、チームの力になれるように全力でやりました。

――高校時代からバッテリーを組んでいた土屋遼太副将(教4=東京・早実)への特別な思いはありましたか

そうですね。最後も本当はきょうも土屋とやりたかったのですが…。ずっと土屋とやってきたので、土屋には感謝しています。

――小野田俊介選手(社4=東京・早実)も早慶戦前の取材で、鈴木健選手の投げている姿が見たいとおっしゃっていました

小野田と土屋はずっと一緒にやってきたので、本当にこれからもずっと大事な仲間です。

――早大での四年間を振り返っていかがですか

長かったです(笑)。「短かったでしょ」とよく言われて、みんな振り返ると「短かった」と言うと思うのですが、僕は試合に出られないのは大学に入って初めてで、苦しいことばかりだったのですが、最後までずっと諦めないでやってきてきょうは良かったなと思いました。

――十六年間の野球人生を振り返っていかがですか

両親に感謝したいという気持ちが一番です。両親がいなかったらここまでやってこられなかったので、自分の思うようにやらせてくれた両親に感謝したいのと、周りの仲間に恵まれたなと。特に早実からずっと一緒にやってきた仲間たちに感謝したいです。

――最後に後輩に向けてメッセージをお願いします。

本当に立派な後輩たちなので、ぜひ優勝してほしいです。応援に行きたいです。

河原右京(スポ3=大阪桐蔭)

――きょうの試合を振り返っていかがでしたか

4年生最後の試合で何としてでも勝って送り出したかったので、勝てて良かったです。

――4年生に対する思いを聞かせてください

きょうは4年生が多くメンバーに入って、最後ということで下級生は絶対に4年生を勝たせて送ろうとしました。4年生も最後に出て皆さん活躍してくれたので、うれしかったです。

――先輩方と何かお話されましたか

「頼むぞ」と言われて、自分は「絶対勝つので」と返しました。

――河原選手にとって4年生はどんな代でしたか

結構人数が多くチームワークが良くて、自分たちも尊敬していて背中を見てついてきたので、本当にいい先輩たちでした。

――きのうの敗戦を受けて、きょうはどのような気持ちで臨まれましたか

きのう負けて優勝はなくなったのですが、きょう負けて先輩を送り出すのと勝って先輩を送り出すのでは全然違うので、何としても勝って送り出そうということで、また一段階気合いを入れて臨みました。

――ご自身はきょう3安打で全て逆方向への打球でしたが、何か意識していたことはありますか

引っ張りにかかっておかしくなっていたところはあったので、きょう修正して逆方向を意識したことが結果につながったのだと思います。

――5打席目は中越え二塁打でした。感触はいかがでしたか

打った瞬間抜けると思ったので、感触は良かったです。

――次は最高学年となりますが、きょう特別に意識したことはありますか

特別に意識したことはないのですが、試合に出ている自分と茂木と重信が来年も引っ張っていかないといけないので、いまのチームから声掛けをしたりしています。

――最高学年としての自覚などはありますか

中村主将や土屋副将がチームを引っ張ってきてくれて、次は自分たちが引っ張っていかなければいけないので、後輩たちがついてきてくれるような先輩になりたいです。

――河原選手の次の目標は何でしょうか

ベストナインを取ることと、首位打者を取るというのが次の目標です。

――では最後に来春の目標を教えてください

絶対優勝したいです。ことしは春も秋もあと一歩のところで優勝できず悔しい思いをしたので、来年は絶対連覇できるようにまずは春に向けて頑張っていきたいです。

茂木栄五郎(文構3=神奈川・桐蔭学園)

――きょうの試合を振り返って

きのう負けてしまって、気持ちの切り替えが難しいと思っていました。でもきのうの夜に土屋さんから「あしたが俺たちの代の最後の試合になる。落ち込んでるだろうけど、最後は元気なお前らと一緒に野球がやりたい」というふうに言われたので。切り替えて、4年生をいいかたちで送り出したいという気持ちで臨んで、いい結果が残せたので良かったです。

――ご自身は4打数4安打3打点の活躍でした

いつも通り甘く来たというか、自分が狙って強く振れるところに来た球を振ろうと思っていて。その振った結果がヒットなり打点につながったので、良かったなと思います。

――慶大を相手に勝ち点を奪いました

そうですね。春は取れなかったので、リベンジとまではいかないですけど、勝ち点を取ることができて良かったです。

――今季リーグ戦を2位で終えたことに関しては

正直、優勝できたなという気持ちがすごく強くて。2位ということで悔しいですけど、最後のこの勝利が来シーズンに絶対につながると思うので、来シーズンは絶対に優勝したいと思います。

――きのうはあと1点というところで優勝を逃してしまいましたが、振り返っていかがですか

その1点差というところは自分の走塁ミスや守備のミスであったり、自分のミスが最終的に響いてしまいました。接戦ではあったのですが、本当に勝てた試合だったなと思います。

――今季の早慶戦は憧れの舞台でもありリベンジの舞台でもあったと思いますが、終えてみていかがですか

観客の方もすごく入っていて、早慶戦にふさわしいいい試合ができたと思っています。その点でやはり一球の怖さと言いますか、一つのミスや一球で試合が決まってしまうという怖さやおもしろさというのを再確認できた試合だったと思います。

――ご自身は打率5割1分4厘で首位打者に輝きましたが、率直な感想は

規定打席ぎりぎりというか、打数が少なく、安打を打てば打率が上がる(上がりやすい)という状況だったので、今度は全試合フル出場した中で結果を残したいなと思います。

――来季ご自身の代が最上級生になりますが、何か目標などはありますか

自分は中村主将や土屋副将のようにプレーや声で引っ張るということはなかなかできないのですが、何とかチームが優勝できるように頑張りたいと思います。

――来季の目標は優勝あるのみでしょうか

そうですね。チームの優勝が第一です。

竹内諒(スポ2=三重・松阪)

――きのう優勝がなくなり、どのようにしてきょうへ気持ちを切り替えましたか

きのうは試合を壊したというよりはしっかり投げられなかったことが申し訳なくて、きょうは気持ちを切り替えて、4年生にはいままでお世話になったので感謝の気持ちを忘れずに投げました。

――チームの雰囲気の方はいかがでしたか

しっかりみんな切り替えていたと思います。

――そのような中で今季初で、久々の先発マウンドでした

先発は久しぶりだったのですが、ロングリリーフも立大戦でやりましたし、先発ということはそれほど考えずにいつも通り投げました。

――7回無失点ということに関してはいかがですか

できすぎだと思います。

――変化球も切れている印象でした

はい。変化球でストライクもとれたので投球の幅が広がったと思います。

――走者を得点圏においたのも7回だけでした

そうなんですか?あまり覚えていないです(笑)。

――きのう適時打を打たれた慶大の佐藤旭主将(4年)もしっかり抑えましたが、意識はされましたか

そうですね。打たれた打者には二度と打たれたくないので、次は抑えるという気持ちで常にやっています。

――きょう勝てば2位、負ければ4位でしたが重圧の方はいかがでしたか

いえ、それほどありませんでした。

――ことし1年間先発、中継ぎと投げてきましたが、その中で見えてきた課題はありますか

先発で大事なのは調子が悪くても試合をつくるということで、中継ぎはどのような場面で出ても無失点で(ベンチに)帰ってきてチームに流れを引き寄せるということで、どちらも大事なことなので先発、中継ぎに当てはまることだと思います。

――1年間を一言で表すと

気持ちの入れ方が変わったことですかね。『ゾーンに入る』とよく言うのですが、そういう感じのゾーンに入ることをつかめたのが収穫だったかなと思います。

――立大戦以降は感情を表に出して投げるようになった気がします

そうですね。自分を表現しようと思って。

――心境の変化があったのですか

はい。絶対に抑えるという気持ちが以前より強くなったので勝手に出ました。

――来年は有原選手が抜けてますます先発争いの激化が予想され、竹内投手自身も投手陣を引っ張っていく立場になるかと思います

そうですね。来年は上級生になりますし、チームの中心に、柱になって引っ張っていきたいと思います。

中澤彰太(スポ2=静岡)

――最終戦を勝利で飾ることができました。感想はいかがですか

優勝を逃してしまったことはすごく悔しいのですが、最後に4年生を勝ちというかたちで送り出すことができてよかったです。

――前日の敗戦を受けてチームではどのような話を共有したのですか

このチームとしては最後の試合になるので、みんなで元気を出していこうという話をしました。

――そのなかで中澤選手は2回に先制の適時二塁打を放ちました

もう勝ちたいという一心で振り切りました。

――これをきっかけにワセダは得点を積み重ねることとなりました。チームを勢いづける役割を果たされたのではないでしょうか

そうですね。結果的にそういうふうになっていたらうれしいです。

――終盤にかけては4年生の出場も多かったですが、この試合で感じたことは

ベンチに4年生がいて雰囲気も良かったので、何とか点差をつけて4年生にいっぱい出てもらいたいなと思いました。

――きょうも複数安打を放つなど今カードは打撃も復調してきた印象がありました。ご自身の手応えは

やっぱりいろいろと励ましの言葉をくれる先輩方も多かったので、最後のカードだけはどうしても打ちたいと思っていました。打てて良かったです。

――1回戦では岡村監督(猛、昭53二文卒=佐賀西)からも「最初から振っていけ」と声を掛けられていたそうですが、それがあとの2試合にもつながったでしょうか

はい。つながったと思います。

――今秋のリーグ戦を通して感じた課題点と今後につなげていきたい部分は

今シーズンは自分にとってすごく苦しいシーズンだったので、残りの2年間は優勝して個人的にもいいシーズンにしていきたいです。

――きょうで引退する4年生への思いというのを改めて聞かせてください

中村さんももちろんそうなんですが、有原さんや、小野田さん、武藤さん(風行、スポ4=石川・金沢泉丘)だったり、土屋さんたち4年生には本当に良くしてもらっていたので、やっぱり寂しい思いが強くて、泣いてしまいました。

――伝えたいことはありますか

ありがとうございましたということは伝えたいですし、来年以降優勝できるようにがんばります。

――4年生から学んだことは

ここぞという場面での結束力であったり、野球の技術面や私生活における人間的な部分であったり、自分を成長させてくれました。

――最後は小野田選手と三倉選手(健、教4=徳島・鳴門工)に挟まれての守備となりましたね

一緒にキャッチボールするのも最後だなと思ったら寂しかったです。

――今後上級生になっていくにあたりどんな選手になっていきたいですか

目標は中村さんでしたし、中村さんを超えていけるような存在感を示していきたいです。<