粘り見せられず零敗

　開幕に向け陣容を整えつつある早大。この日はかつて須田幸太（平成２１スポ卒＝現・横浜ＤeＮＡ）が所属していた社会人チームの強豪、ＪＦＥ東日本との一戦に臨んだ。試合は先発の横山貴明（スポ４＝福島・聖光学院）が５回を1失点に抑えると後を継いだ３人の投手も好投を見せる。しかし、打線が散発３安打と完全に沈黙。０ー１で完封負けを喫した。

　守護神候補が度胸満点の投球を見せた。早大先発の横山は初回から社会人打者に対し、臆することなく鋭い直球を投げ、３回まで相手打線に付け入る隙を与えない。４回に１点を失うものの、５回を投げて１０奪三振の好投。与えた四死球はわずかに１つと、課題としていた制球力の部分でも改善を見せた。６回以降は継投でつなぎ、相手打線を１安打に封じ込めた。

５回１０奪三振の活躍を見せた横山

　一方の攻撃陣は勝負の春へ向け課題の残る内容となった。早大打線は社会人投手の速い直球と投球術に苦しみ、６回まで二塁すら踏むことができない。１点を追う７回、四球で出塁した走者を犠打などで進め、２死二、三塁と好機をつくると打席には代打・渡辺琢也（教２＝東京・早実）。ファウルで粘り、迎えた６球目を弾き返すも左翼手の攻守に阻まれ得点を奪えない。なんとか一矢報いたい早大は土壇場の９回にも２死ニ塁と好機をつくる。ここで打席にはきょう４番に入った中村奨吾（スポ３＝奈良・天理）を迎える。粘りを見せたい場面だったが、４球で空振り三振。社会人相手とはいえ、完封負けという悔しい結果になってしまった。

　社会人打線に対し１失点と投手陣には明るい兆しが見えたこの試合。一方の打線は追い込まれてから粘れず、打線のつながりの部分でも犠打や盗塁の失敗で貴重な走者を失い、得点に結び付けられなかった。春季リーグ戦開幕まではまだまだ時間がある。早大打線の奮起に期待したい。

（記事　市川裕樹、写真　建部沙紀）

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