連日のフルセットマッチを制し、秋季リーグ戦2連勝!

女子バレーボール

 前日の国際武道大戦で今季初勝利を挙げた早大。連戦となるこの日は立大と対戦した。各セット一進一退の攻防が続き、この日もフルセットマッチに。長いラリーが続く根比べとなったが、要所で秋重若菜主将(スポ3=大阪・金蘭会)の強力なスパイクがさく裂。昨季惜敗した相手に雪辱を果たし、秋季関東大学リーグ戦(秋季リーグ戦)2連勝を飾った。

 第1セット、秋重の強弱を使い分けたアタックで早大は2点を先取する。しかし、その後は互いにブレイクし合い、主導権が激しく移り変わる不安定な試合運びとなる。12―9の場面から相手サーブに惑わされ、4連続失点を喫し、一気に逆転を許す。流れが立大に渡ったかと思われたが、タイムアウトを挟んだ直後、秋重の目の覚めるようなスパイクですぐさま同点に追いつくと、神戸彩有(文構4=長野・松本県ヶ丘)が狙いすましたサーブで相手守備を崩し、さらに3連続得点。リードを広げた早大はそのまま逃げ切り、第1セットを獲得した。第2セットも第1セット同様、拮抗(きっこう)した展開に。互いに一歩も引かずに終盤を迎えたが、再び神戸のサーブが相手レシーブのミスを誘い続け、19―20から一気に5連続得点。最後は秋重がクロスに決め切り、このセットも奪取した。

相手スパイクをシャットアウトする徳山奈々美(スポ3=兵庫・加古川西)(左)と大松未羽(スポ1=沖縄・首里)

 勢いそのままストレート勝ちといきたいところだったが、第3セットに事態は急変する。これまで同様、中盤までは一進一退の攻防が続いたが、相手スパイカーを捕まえ続けていたブロックが打ち破られ始める。9―11から6連続失点を許すと、立大の勢いを止められず。主導権を奪い返せないまま第3セットを落とした。気を取り直したい第4セットは3―6から相手のミスも絡み、6連続得点で流れをつかむ。南里和(商3=東京・女子学院)の巧みな配球に秋重や西崎梨乃(スポ1=大阪国際滝井)が応え、早大ペースで試合は進んだ。秋重の鮮やかなパイプ攻撃で23―21とし、勝利は目前かと思われた。しかし、セミクイックを決められ、長いラリーを落とすと、そこからまさかの3連続失点。土壇場でひっくり返され、前日に引き続き、試合は第5セットに突入した。

 悪い流れで迎えたファイナルセット。「もう勢いで勝とうということで切り替えて」臨んだ秋重が強烈なスパイクを連続して叩き込み、チームを盛り上げる。さらにこれまで不発だったブロード攻撃が決まり始め、コートを所狭しと駆け回る秋重を相手ブロックは追い切れず、早大は次々に得点を重ねる。8―4で折り返しを迎えて以降も攻撃の手を緩めず、一時は8点差をつけた。その後立大も意地を見せ、12-10まで迫られるも、秋重が豪快なバックアタックで連続失点を止めると、最後はやはり秋重のスパイクだった。渾身の一撃を相手のレシーブが大きく弾き、ゲームセット。追いすがる立大を見事に振り切った。

スパイクを打つ秋重

 この日の勝利で2勝4敗となり、7位の立大に並んだものの、セット率の差で順位は8位となっている。秋重は試合後、「綺麗な勝ち方ではなかった」と振り返り、第5セットまでもつれたことが惜しい一戦となった。それでも2試合連続のフルセットマッチを戦い抜き、2戦ともモノにしたこの週末は、早大らしい粘り強さが随所に見られたのは前向きなポイントだろう。持ち味を取り戻した早大が後半戦で順位を押し上げていく姿に期待したい。

(記事・写真 星野有哉)

セットカウント
早大 25-23
25-21
12-25
23-25
15-11
立大
スタメン
レフト 秋重若菜(スポ3=大阪・金蘭会)
レフト 神戸彩有(文構4=長野・松本県ヶ丘)
センター 徳山奈々美(スポ3=兵庫・加古川西)
センター 西崎梨乃(スポ1=大阪国際滝井)
ライト 大松未羽(スポ1=沖縄・首里)
セッター 南里和(商3=東京・女子学院)
リベロ 山崎葵(社2=岡山・就実)
コメント

秋重若菜主将(スポ3=大阪・金蘭会)

――今日の試合を振り返っていかがですか

 結果的に勝てたのは率直にとても嬉しいです。ただ、やっぱり課題がすごく出てしまったいうか、綺麗な勝ち方ではなかったです。なんとか泥仕合に勝ったみたいな感じなので、修正して来週に挑めたらいいなという風に思います。

――一方的な展開だった3セット目から巻き返せた要因はどのように考えていますか

 やっぱり3、4セット目落としたのも、その相手の攻撃が決まり出して、自分たちが対応しきれなかったというのがあったので、 5セット目はまず対応の声かけしっかりするとか、そういう細かいところを確認しました。もう勢いで勝とうということで切り替えて、みんな勢いに乗れたので勝てたのかなと思います。

――後半からブロードが決まり始めましたが、ご自身ではどのように捉えていますか

 コンビネーションがやっぱり昨日合わなかったのと、ミドルブロッカーを活かして入ったらより決まるので、セッターとミドル(ブロッカー)と声かけして、上手くコンビネーションがハマった感じがあります。

――2日連続でのフルセットマッチでしたが、体力面はいかがですか

 きついですね。よくみんな体が持ったなと思います。

――今日出た課題というのはどのようなものでしょうか

 オフブロッカーがブロック裏に入って、フェイントを上げるという課題だったのですが、やっぱりそれがうまくハマらずに、フロントゾーンにたくさんボールを落としてしまったのが課題なので、 次の試合はそこを上げて、切り返して、自分たちで3本目を決めるという綺麗な形を作れるように、ちょっと修正して頑張っていきたいなって思います。

――次戦となる山梨学院大戦への意気込みをお願いします

 山梨学院は打力があるチームなので、こっちが絶対にまず決め球を拾って、落とさないようにしたいです。やっぱりラリーになると思うので、ラリーは絶対に打ち負けない、打ち勝つというのを目標に全員で勝ちたいと思います。

神戸彩有(文構4=長野・松本県ヶ丘)

――激闘の翌日となった今日の試合ですが、試合前の雰囲気はいかがでしたか

 やっぱり今まで結構負け続けてきて、ちょっと気持ちが落ち込んでる中での5セット(目までもつれた試合)で、しかも粘れての勝利だったので、全員の顔がいつもより明るい笑顔で、元気に(試合を)始められたと思います。

――サーブからのブレイクが多く見られましたが意識していたことはありますか

 自分が狙われちゃうと、すごく乱れてしまったり、ミスが多くなってしまったりするので、それを相手にできるように、同じ人を何度も狙いました。相手のミスを誘えたので、それが良かったなと思います。

――最近の試合では神戸選手のレセプションが光るシーンが目立ちますが、ご自身ではどのように感じていますか

 最初の2戦で結構レシーブが乱れてしまって、すごく落ち込んだのですが、メンタルがレセプションにはとても大事なので「自分は取れる」と意識したり、自主練で何度も何度もボールを触って感覚を身につけたりして、そういうところで頑張ってきた結果かなと思っています。

――チームとして守備を振り返って

 (ディグのフォーメーションを)ボックスという形にして、 フェイントフォローを入れました。しっかりハマっていた部分もあったのですが、動きが遅いと、なかなかボックスがハマらずに、相手にフェイントやプッシュをやられてしまう場面も多かったので、そこは今後の対戦相手の対策でしっかり閉めていきたいなと思います。

――次戦となる山梨学院大戦への意気込みをお願いします

 山梨学院は打力があって、全員が打ってくるチームだと思うので、しっかり粘り負けせずに、今回の雰囲気を保ちながら全員で勝っていけるように頑張りたいと思います。