秋季リーグ戦2日目、前日の大東文化大との一戦でストレート負けに終わった早大は、その悔しさを胸に都留文科大との試合に臨んだ。1セット目から相手コートへ果敢に攻め込み拮抗した展開を見せたが、終盤流れをつかみセットを先取する。しかし、次セット以降徐々に疲れが見え始め、中々得点することができない。流れを取り戻すことができないまま、セットカウント1―4で敗北を喫した。
第1セット開始直後、大松未羽(スポ1=沖縄・首里)のサービスエース、ブロックポイントで序盤から流れをつかみにかかるが、スパイクミスやタッチネットで失点し3-6と相手のリードで試合が進む。だが、西崎梨乃(スポ1=大阪国際滝井)のダイレクトアタックなどでじわじわと差を縮め、秋重若菜主将(スポ3=大阪・金蘭会)のブロックの小指をはじく技ありの一発で9-8と逆転に成功する。完全に流れをつかんだ早大は、さらに神戸彩有(文構4=長野・松本県ヶ丘)がストレートコース際に鋭いスパイクを決め、この日最高潮の盛り上がりを見せた。流れのまま南里和(商3=東京・女子学院)が連続でサービスエースを決め21-17とし、その後秋重のスパイクなどで点数を重ね、25-21で第1セットをとる。
スパイクを打つ神戸
この流れのまま第2セットを死守し王手をかけたい早大だが、相手は春にストレート負けを喫した強敵。そう簡単に勝つことができる相手ではない。先制点をとり1-1でスタートしたものの、コンビミスや相手のコースを的確についたスパイクで、自陣のリズムを乱され3-8となる。秋重と西崎のキレのあるスパイクで何とか食らいつこうとするが、ブロック後方に落とされるフェイントに対応できず、差は縮まるどころか開く一方。12-20と先に20点台に乗られ、立て続けにサービスエースを決められる。コート内の雰囲気も暗くなり、最後はブロックアウトで失点し15―25でセットを落とした。
「焦っている雰囲気が出てしまっていた」(神戸)と不穏な空気が漂う中迎えた第3セットも序盤は秋重の強烈なアタックでサイドアウトを奪いリードするが、フェイントの対応の遅れで6連続得点を許し、流れを渡してしまう。守備の乱れだけでなく、スパイクミスやドリブルなど失点が失点を呼び、負のスパイラルから抜け出せなくなる。またもブロックアウトで25点目をとられ12-25と大差でセットを奪われる。持ち直したい第4セットだったが、第3セットと同様に中盤以降の連続失点で6―14と引き離される。さらに秋重が一度ベンチに下がった際、同じ場所に2連続でサービスエースを決められチーム内に明らかな動揺が見られた。西崎はエースの分もCクイックなどを決め、士気を高めようと試みるが、抜けた穴はあまりにも大きく15-25で後味の悪い敗北を喫し、連敗となった。
アタックを打つ西崎
前回の都留文科大との戦いでストレート負けを喫している早大、1セットを取ることができたのは大きな前進と捉えられる。しかし、今回の試合では2セット目以降、特にフェイントに対応できずに失点し、ずるずると自陣のミスで自滅していく早大のいつもの悪い負け方になってしまった。ミスをしないことは難しいが、切り替えて次のプレーで取り返すことはできる。特にバレーボールはチーム内の雰囲気が勝敗に直結するスポーツである。次週こそ、早大らしい明るい雰囲気で粘り強いプレーを見せ、今日の1セット目のようなまぶしい笑顔で勝利を飾ってほしい。
(記事 帖佐梨帆、写真 松平将太朗、安岡隼人)
セットカウント | ||||
---|---|---|---|---|
早大 | 1 | 25-21 15-25 12−25 15−25 |
3 | 都留文科大 |
スタメン | ||||
レフト 秋重若菜(スポ3=大阪・金蘭会) レフト 神戸彩有(文構4=長野・松本県ヶ丘)) センター 徳山奈々美(スポ3=兵庫・加古川西) センター 西崎梨乃(スポ1=大阪国際滝井) ライト 大松未羽(スポ1=沖縄・首里) セッター 南里和(商3=東京・女子学院) リベロ 山崎葵(社2=岡山・就実) |
コメント
神戸彩有(文構4=長野・松本県ヶ丘)
――今日の試合を振り返っていかがでしたか
1セット目はサーブなどで流れに乗って、自分たちのバレーができました。しかし、2セット目以降は相手にのまれて、自分たちのバレーができず、人任せになってしまったり、レセプションのミスが出てしまったりして乱れてしまいました。
――前回ストレート負けした都留文化大学に1セット取ることができましたが、要因はなんだと考えますか
相手の分析でブロックアウトやフェイントが多いことなどが分かっていたので、ブロックがしっかりはまったり、サーブで狙えたりしたことが大きく、自分たちのペースに持ち込めたことが1セット目の勝因だと考えています。
――逆に2セット目以降疲れが見えましたが、どうでしたか?
それぞれ疲れが見えていたのと、声がどんどんなくなっていってしまって、競っていたにもかかわらず、焦っている雰囲気が出てしまっていたので、そこは修正していきたいです。
――4セット目で秋重若菜主将(スポ3=大阪・金蘭会)が離脱した際、レシーブが崩れてしまう場面がありましたが、どのように改善していきますか
若菜(秋重若菜、スポ3=大阪・金蘭会)は最近、柱となって決めてくれていますが、また今後このようなことがあると思うので、4年生の私が中心となってレシーブでチームを引っ張っていけるように頑張りたいです。
――神戸さんは春と比べてスパイクに磨きがかかっている印象でしたが、夏にどのような練習をしましたか
自分は身長も低いし打力もないので、自分に何ができるか考えた時に、相手の穴を狙ったフェイントだったり、ブロックやワンタッチなど自分が点数が取れなくても、次につながるようなフェイントやスパイクが打てるように練習しました。
――次戦への意気込みをお願いします
次は敬愛大だと思いますが、速い攻撃でパスやスパイクなどを決めてくると思うので、ブロックやレシーブの連携をしっかりとしたいです。また、今日のように暗い雰囲気にならないように、どんな場面でも明るく盛り上がっていけるように頑張りたいです。
西崎梨乃(スポ1=大阪国際滝井)
――今日の試合を振り返っていかがでしたか
昨日の反省で、相手の対策ばかりしていて自分たちのバレーができていないという反省があったので、今日は全員でまずは自分たちのバレーを出し切ろうという話で挑みました。
――終始スパイクの調子がよく見えましたが、個人の調子としてはいかがでしたか
セッターの里和さん(南里和、商3=東京・女子学院)が自分の打ちやすいトスを綺麗に上げて下さったので、良い感じで打てました。
――試合中何度か話し合っている様子が印象的でしたが、具体的にどんな声掛けをされていましたか
プレー面のことはもちろんですが、チーム内の雰囲気を盛り上げるための声掛けをしていました。
――夏の間、チーム全体でどんなところを強化しましたか
基礎練習を中心にやってきて、後半は合宿で応用の効いたプレーを全員で練習していました。
――その成果は今日の試合で出せましたか
全部出し切れたわけではないですが、良いときは出し切れたと思います。
――最後に次戦への意気込みをお願いします
次週は絶対に勝ちたいので今週の一週間チーム一丸となって戦えるように今回出た課題をなくしていきます。