またもフルセット 立大との熱戦を制する

女子バレーボール

 秋季関東大学リーグ戦(秋リーグ)2戦目の相手は、春に武蔵丘短大をストレートで下し、3部からの昇格を果たした立大。つなぎが良い上に強力なアタッカーを擁する挑戦者に、まさかの苦戦となった。しかし、コート内外のメンバー全員で声を掛け合い気持ちを落とさず、セットカウント3-2(25-19、24-26、25-20、25-27、15-13)で接戦を制した。

 出だしはいきなり相手のレフトから鋭いスパイクがさく裂。早大のミスもあり、2-6と先行を許す。しかしL神戸彩有(文講3=長野・松本県ケ丘)がディグをしっかり上げ、秋重若菜(スポ2=大阪・金蘭会)の攻撃へとつなげる流れで6連続得点。相手のパワフルなスパイクやブロードはあったものの、早大のペースで進んだ。チャンスで返ってきたボールを秋重がゆっくりあげると、S南里和(商2=東京・女子学院)が意表をつくツーアタックで18-10。このセットは25-19と大差で先取した。

レシーブをする神戸

 第2セットは一転、拮抗(きっこう)した展開に。伸びたレシーブを南が片手で上げ、山下日和副将(社4=千葉・市船橋)のクイックにつなげたほか、崩されつつも柴田羽乃香(商3=東京・お茶の水女大付)が強打で返すなど、点を取るために力を尽くす。しかし相手も負けじとつないで、記録員が思わず拍手を送ってしまうような長いラリーとなり、徐々に差が開き始めた。13-17で取ったタイムアウト明けからは、秋重の2本のサービスエースなどで1点ビハインドまで迫る。しかし追い越すことはできずデュースになると、24-26でセットを取られた。続く第3セット、序盤はブロックアウトやタッチアウトで点を取られる惜しい展開が続くが、秋重が攻撃力で魅せた。軟打と強打を使い分け17-14。再びのサービスエース2本で20-15と差を広げる。ここで勢いに乗り、25-20で取り返した。

 取り切りたい第4セット、中盤は互いにサーブとアタックでミスが相次いだが、中澤恵主将(スポ4=大阪・金蘭会)はライン際を狙うスパイク、山下はブロックで貢献し21-18とする。しかし終盤、相手スコアラーが前衛に戻ってくると、流れは一変。鋭いスパイクを止めることはできず、このセットもデュースの末献上した。最終セットは、中澤にトスを集めると、エースであり、主将である彼女が頼れる姿を見せた。安定感と気迫を併せ持つサーブとスパイクで流れを渡さず5-3、11-8とリードを保つ。終盤、リベロと交代していた相手のエースアタッカーが戻ってきたことで取り合う展開に。再び流れが傾くかに見えたが、最後の中澤が走り込んで緩い球を決めきり、締めくくった。

スパイクを打つ山下副将

 立大のベンチには「挑む」の二文字があった。下剋上を果たし、勢いに乗る挑戦者の恐ろしさが見えた試合であった。しかし、早大も1部昇格を目指す挑戦者だ。2度のフルセットを戦ったことで、取られても取り返し、全員で声を掛け合って勝ち切る、折れない強さを手にしている。次は徐々に守備を固め、攻撃を研ぎ澄まし、一気に波に乗りたいところだ。

(記事 五十嵐香音、写真 川上璃々)

セットカウント
早大 25-19
24-26
25−20
25−27
15−13
立大
スタメン
レフト 中澤恵主将(スポ4=大阪・金蘭会)
レフト 柴田羽乃香(商3=東京・お茶の水女大付)
センター 山下日和副将(社4=千葉・市船橋)
センター 神庭有花(先理4=埼玉・市浦和)
ライト 秋重若菜(スポ2=大阪・金蘭会)
セッター 南里和(商2=東京・女子学院)
リベロ 神戸彩有(文講3=長野・松本県ケ丘)
コメント

山下日和副将(社4=千葉・市船橋)

――今日の試合を振り返って

 自分たちがやるべきことができていなくて、序盤でまだまだチームが強くなっていくのに、先週に続きフルセットになってしまったということで、自分たちがまずできることをやろうということを目指していました。でも今日も同じような展開になってしまって、やはり4年生のミスや弱気な部分があったというのが反省点です。しかし先週よりもラリーが続くなどいい点もたくさんあったので、チーム全体がのっていけるように4年生がしっかりしないといけないなと思いました。

――立大の特徴を教えてください

 スパイカーが打力や決定力のある人が多いです。また、レシーブがよくてなかなか決まらないというか、粘ってくるイメージがあります。

――初戦に比べ守備はいかがですか

 守備は、良いつなぎからポイントが取れたということで、つなぎの面ではよかったと思うのですが、やはり大事なところで簡単なボールをミスしてしまったり、ネット際のちょこちょこしたボールの処理が甘かったり勿体ないところがあります。そこは詰めていかなければならないなと思います。ブロックも、タイミングなど相手に対応するのが遅くなってしまって、レシーブも崩れてしまってとなるので、まだまだ課題がたくさんあります。

――最後のリーグ戦、どのような大会にしたいですか

 自分たちが1部でプレーすることはできませんが、昇格という結果を残して来年、後輩たちに1部でやってもらわないといけないと思っているので、4年生の姿として何か残して終われるような試合にしたいです。

――秋リーグの個人の目標は

 自分はブロックと速攻が強みなので、南とコンビを合わせて、そこから中澤や秋重が楽に打てるように攻撃のリズムを作っていきたいです。

――明日に向けて意気込みをお願いします

 今日はちょっと自分たちとしてももやっとした試合になっちゃったのですが、明日は明日で気持ちを切り替えて、相手はどんどん強くなっていくので。しっかりやることをやってストレートで勝ち切れるように頑張りたいです。