秋リーグ開幕、国際武道大とのフルセットを勝ち切り白星スタート

女子バレーボール

 秋季関東大学リーグ戦(秋リーグ)が開幕した。第1、4セットはミスが目立ち落としてしまうと、初戦からフルセットにもつれ込む。しかし中澤恵主将(スポ4=大阪・金蘭会)の要所でのコースを狙うスパイクが光り、最終セットを逃げ切った。セットカウント3-2(23-25、25-15、25-21、23-25、15-9)で白星スタートを決めた。

 第1セットは、初戦の入りの難しさが出た。中澤主将が「あれおかしいな」と思ってしまったと振り返るように、拮抗(きっこう)した展開となり、早大は流れに乗り切れない。終盤には相手の連続得点があり、23-25で先取された。一方、第2セットは早大が本来の実力を見せた。サーブで攻め、相手の攻撃の幅を狭めることに成功。中澤がライン際に決めて先に20点台に乗せると、秋重若菜(スポ2=大阪・金蘭会)のサービスエースで21-11とした。途中交代で1年生の中山知花(スポ1=東京・女子学院)がコートに入り、勢いそのままに秋重のスパイクで25-15。

 勢いに乗り続けたい第3セットは、再び拮抗(きっこう)した展開に。相手は決して強打ばかりではないのだが、穴を突く緩めのボールや、ブロックに当ててくる弱い球に惑わされる。S南里和(商2=東京・女子学院)がファーストタッチになることや、アンダーでの二段トスになることが多かったが、中澤、山下日和副将(社4=千葉・市船橋)、秋重がしっかり強打で返し13-11と前に出た。ここから中澤の攻撃が止まることなく、17-11と突き放す。トスが合わず、20-17とやや差が詰まったところでタイムアウトを取り、「切り替えていこう」と中澤が締めた。秋重のブロックで20点に載せると、最後も中澤が1枚で止めてこのセットを取った。

秋重のブロックポイント

 第4セットは崩されても二段トスで攻撃へとつないでいたものの、相手もボールを落とさない。長いラリーを最後に取り切れず流れが傾きかけ、4-8でタイムアウトを要求。両チーム、リベロが躍動した。中澤が打った先はリベロの正面であり、綺麗につながれてブロックアウトを取られた。しかし次もお構いなしにリベロの真下にたたき7-12とする。中澤のサービスエースもあり一度同点には並んだが、再び苦しいラリーに。L神戸彩有(文講3=長野・松本県ケ丘)が必死につなぐも、相手の切り返しで得点を許し、23-25で取られた。最終セットはお互い譲らず長いラリーとなる。しかし本来の調子を取り戻した秋重のサーブが走り、8-5と先行する。相手ミドルの弱いボールを山下が阻み10-7。中澤がライトからクロススパイクを叩き込んで締めくくった。

陰ることのない攻撃力を見せた中澤主将

 春季リーグの国際武道戦では圧倒的強さでストレート勝ちをしただけに、フルセットへと持ち込まれたことは思いがけないことであった。とはいえ、初戦で明確な課題が出て、それでも勝ち切れたことの意味は大きい。従来通り、この秋リーグは1巡総当たりをした後、上位と下位に分かれて2巡目を行う予定だ。長く続くリーグの中で、試合ごとに出た反省の修正を繰り返し、再び圧倒的な強さを見せてくれるだろう。まずは次週、2戦を戦うハードスケジュールに慣れ、立大、神大に勝ちに行く。

(記事、写真 五十嵐香音)

セットカウント
早大 23-25
25-15
25−21
23−25
15−9
国際武道大
スタメン
レフト 中澤恵主将(スポ4=大阪・金蘭会)
レフト 柴田羽乃香(商3=東京・お茶の水女大付)
センター 山下日和副将(社4=千葉・市船橋)
センター 神庭有花(先理4=埼玉・市浦和)
ライト 秋重若菜(スポ2=大阪・金蘭会)
セッター 南里和(商2=東京・女子学院)
リベロ 神戸彩有(文講3=長野・松本県ケ丘)
コメント

馬場泰光監督(平8人卒=京都・洛南)

――初戦を振り返って

 入りが難しいという評価なのか、やるべきことをやれていないということなのか、素直に言うとだらしがない初戦だったなと思います。

――入りはどのようなところが悪かったのでしょうか

 リーグ戦の目標を達成するために、何か今日はこれをやろうとか明確な目標やその共有がないまま、それぞれなんとなくやっているというか。そういう点が大きかったかなと思います。

――第1セット、第4セットを取られてしまった要因とは

 もう、やるべきことが全くできていなくて。フェイントも拾えない、2本目もつながらない、3本目もミスする。サーブも意図的なサーブを打てないまま単純にミスするなど、本当に何もできていないからセットが取られているのだと思います。

――春リーグ、東日本インカレを通して出た課題は

 夏の中で、怪我人や病人が出てメンバーが減少している中でやっています。その中でプレー面だけでなく精神面、チームの運営という面で核となる者が抜けているところが非常に課題だなと思います。

――夏、チームとしてどのような練習を重点的に行いましたか

 春の入替戦でブロックの吸い込みなどのミスが多かったので、今年のチームはブロックが強みですから、そのあたりをもう一度基礎からやってきたつもりなのですけれども。リベロも含めて今メンバーが変わっているので、ブロックに行くまでのサーブやレシーブの部分が弱くなっていると感じています。やりながら修正していくしかないかなと。必ずしも計画通りにはいかないですね。

――今のチームの仕上がりを、攻撃面と守備面両方から教えてください

 攻撃面につながるためには守備面が大事なので。その守備面が今全くできていないので、評価点をあげられるような状態ではないと思います。

――中山選手が途中出場されましたが、何を期待していましたか

 今戦術的、技術的に補強しようということが難しいのですが。柴田(羽乃香、商3=東京・お茶の水女大付)の元気がない状態に見えたし、それが相手にも伝わりそうだったので、相手の目線を変えることと、うちの中で変化を付けることを期待していました。

――試合終了後の集合ではどんなことをお話しされていたのですか

 コートの中のメンバーで、目標が共有されていないような散漫なプレーが多かったので、そのあたりをもう少し上級生が引っ張るようにという話をしました。

 

中澤恵主将(スポ4=大阪・金蘭会)

――初戦を振り返って

 こうなるとは思っていなかったので、ちょっと油断してたのかなっていうのが率直な感想というか反省です。内容としてみても試合の入り方や相手とのネット際の駆け引きが、こちらは守りに入ってしまいました。相手は速攻やレフトへの速いトスなど、思い切りよくやっていたのですが、自分たちは「うまくやろう」、「あれおかしいな」と思ってしまって守りに入ってしまったのがフルセットにいった原因かなと思います。

――第2セットは大差で取っていますが、その理由は

 すごくサーブが良かったなと思っています。相手に1セット目やられていた速攻からのフェイントや、レフトへの速い攻撃が、サーブを攻めたことでチャンスボールをもらえたり、ハイボールをもらえたり。切り返しで自分たちがやりたいパターンを作ることができたので、これからリーグを戦っていく中でも、まずサーブをしっかり攻めて相手のスパイクを絞ることが必要です。自分たちのやりたいことはサーブが弱いとできないので、今回の反省だけで終わらせずに、長いリーグ戦の中ですごく大切にしていきたいです。今回の2セット目でやっぱり大事だよねと確認できてよかったなと思います。

――サービスエースがありましたがサーブの仕上がりは

 早慶戦の時に試したハイブリッドサーブ(ジャンプフローターのフォームで少しドライブをかける)を練習でもやって安定してきたのを、ゲームの状況を見て使い、サービスエースを取れた時はよかったなと思います。でもまだ安定感があまりないので、打つ場所も工夫して相手の嫌なところに打っていこうとしました。最終目標としては、全日本インカレでベスト8に入ることなので、そこに行けるくらいの精度で、後衛に下がってもエースとして点が取れるように頑張っていきたいと思います。

――秋リーグのチーム目標をお願いします

 秋リーグは全勝優勝、1部昇格です。今日みたいにフルセットになってしまうと、勝率で並んだチームにセット率で負けてしまうので、ただ勝った負けたではなくストレートで勝つとか、デュースになっても気持ちで負けないのが大事です。どこのチームよりもその目標を達成したい気持ちは強く戦っていきたいと思います。

――次戦の意気込みをお願いします

 来週は土日の2戦になるので気持ちの面でも疲れますし、スイッチを入れるのが難しくなると思います。でもチームでポジティブな言葉をかけ合いながら、今週出た課題を1週間かけて頑張ってやっていくので、みんなで「これくらいやってきたから大丈夫 」と思って、来週は良いイメージだけを持って戦っていきたいです。