この強さは本物だ!ストレート勝ちで6位浮上

女子バレーボール

 エンジの力を、またしても見せつけた。先週、春季関東大学リーグ戦(春季リーグ戦)での待望の1勝を手にした早大。この日対戦した嘉悦大とはここまで1勝4敗で並んでいたが、勢いの差は明確だった。サーブ、レシーブ、スパイク、ブロック。すべてのプレーで相手を上回った早大が、セットカウント3-0(25-22、25-20、25-19)のストレート勝ちで連勝を収めた。

 第1セット、まずはサーブで崩し相手の攻撃を封じ込む。開始早々に点差を広げ、試合の主導権を握った。中盤からは嘉悦大の三段攻撃が決まり始めるが、リベロの中川知香(スポ3=神奈川・橘)が何度も拾い、芹澤友希(スポ3=茨城・土浦日大)にボールの行方を託す。芹澤はサイドとセンターにバランスよくトスを上げ、その『つなぎ』を切らすことなくアタッカー陣が得点を量産。後半追い上げを許したものの逃げ切り、セット先取に成功した。続く第2セットでは、ダブルコンタクトなどミスによる失点が目立つ。それでも平山璃菜主将(スポ4=東京・文京学院大女)が要所でバックアタックを決め、流れは渡さない。このセットも奪い、連勝が見えてきた。

各セットで1点先制を決め、ガッツポーズを決める!

 青学大戦では惜しくも逃したストレート勝ちへ。全員の思いが一つになったのは第3セットのことだった。「レシーブやブロックで調子の悪いところをカバーしよう」と奮起したのは富澤結花(スポ1=東京・文京学院大女)。快進撃を続けるルーキーを中心とした粘り強い守備で、相手のミスを誘発する。終盤はここまで打数の少なかった富澤が最大の武器である攻撃力でチームを勢いづけ、勝利は目前に。最後は平山が相手コートを突き刺すようなスパイクを放ち、試合を締めくくった。この日奪った3度の25点目は、いずれも平山のスパイクによるもの。「信頼して上げてくれる後輩や同期に感謝」(平山)。勝利が近づくにつれ募る焦りを、主将が振り払う。その主将のもとに、笑顔のチームメイトが集まる。前回の1勝で得た『自信』を、ストレート勝ちという最高のかたちで体現させた。

平山がプレーでチームを鼓舞する

 「チーム一丸となって臨めたことが一番の勝因」(芹澤)。自分の役割を見つけがむしゃらに食らいつく下級生と、プレーで引っ張る上級生。誰か一人でも欠ければ成り立たない。そんなバレーが展開されていた。連勝でついに最下位を脱却し、6位に浮上。あすの対戦相手である日体大は、6戦を終え1勝5敗と苦しんでいる。現在の状態を維持することができれば、3連勝も難しくない。早大の逆襲はどこまで続くのか。もう、弱いとは言わせない。

(記事 川浪康太郎、写真 鎌田理沙)

セットカウント
早大 25-22
25-20
25-19

嘉悦大
スタメン
レフト 及川香菜(スポ4=宮城・古川学園)
レフト 富澤結花(スポ1=東京・文京学院大女)
センター 佐藤夢菜(文4=埼玉・狭山ヶ丘)
センター 森佳央理(スポ2=群馬・高崎女)
ライト 平山璃菜(スポ4=東京・文京学院大女)
セッター 芹澤友希(スポ3=茨城・土浦日大)
リベロ 中川知香(スポ3=神奈川・橘)
コメント

平山璃菜主将(スポ4=東京・文京学院大女)

――一部昇格後初のストレート勝ちでしたが、率直な感想は

先週の青学大戦ではいい流れの中3セット目を取られてしまって、ストレートで勝てる試合を4セットにしてしまいました。1勝というのは自分たちの中でも収穫だったのですがストレートで勝ちきれないということは自分たちの課題でもあるという話をしてきていたので、きょうストレートで勝てたことはすごくうれしいです。

――青学大に勝利してからチームの雰囲気は変わりましたか

特に2年生以上は去年の秋から一部に上がってずっと戦ってきて1勝もできなくて、やっとみんなで勝ち取った1勝でした。でも1勝取ったことで満足してはいけないし、残りの4戦が大事になるということで喜ぶ反面しっかり気持ちを切り替えて頑張ってきて、モチベーションを上げて1週間やってこれたと思います。

――きょうは3セットすべてで25点目を決めるなど、終盤の強さが光りました

自分としてはもう1、2本前で決められるボールがあると思うのですが、それでも信頼して上げてくれる後輩や同期に感謝して、その期待に応えなければいけないなと思ってやりました。

――バックアタックも要所で決まっていましたが、手応えは

バックアタックは青学大戦の時は全然よくなくて、この1週間で修正してやってきたので、きょうは前2枚のきついところで何点か助けられたことはよかったです。これを安定して1枚の攻撃として取り入れていけるように精度を上げていきたいです。

――チームとしてサーブで崩す場面も多く見られましたが、サーブを振り返って

青学大戦からなのですが、自分たちがサーブで崩せる分相手が100%のかたちではなく乱れて二段になってレフトに持っていくというケースになったりと、自分たちの意図するかたちがきょうも作れていました。第1、2セットは特にサーブで崩すことができていたかなと思います。

――連勝でチームの雰囲気はまたよくなったのではないでしょうか

そうですね。チームでも話しているのですが、今週の嘉悦大と日体大との2戦は自分たちの一番のヤマ場になるという話をしていたので、きょうのいい雰囲気をあしたに持っていってあしたも取りにいきたいと思います。

――あす対戦する日体大に特別な意識などはありますか

相手がどこであろうとまずは自分たちのやるべきことをやることだと思うので、またサーブで崩すというかたちで展開していけたらいいと思います。

芹澤友希(スポ3=茨城・土浦日大)

――春季リーグ戦2連勝、また初ストレート勝ちということで、いまのお気持ちは

正直に嬉しいです。きょねんの秋季リーグ戦から1勝もできなくて、今季また新たなチームになっても最初ずっと勝てず、悔しい思いをしていました。チーム一丸となって臨めたことが1番の勝因かなと思います。

――先週の青学大戦では、リードを許す場面も少なくありませんでしたが
、今回は第3セットの一部を除いて、すべて早大がリードしていました

いままでやってきたこと1つ1つをやろうと言っていました。1本目の精度、コンビの精度、(プレーの)粘りだとかできていたと思います。試合は追うほうが辛いと思うので、自分たちのリズムが作れて良かったです。

――リーグ戦の前半と後半で、トスを上げる相手に変化はありましたか

1セット目は、誰が調子が良いのかというのを(トスを)上げながら感じて、ブロックとの関係も見ながらどこで攻めたらいいか考えてました。中盤はいろいろな人にトスを上げるのですが、最後は調子いい人に(トスを上げる人を)決めて、1点を決めるという自分のトスワークを意識してやりました。

――ご自身のブロックについては

ずっと練習中からゆっくり飛ぶことを意識していて、私はブロックで止めにいく身長でもないので、ワンタッチをとろうと頑張りました。

――あしたの試合に向けて意気込みを

きょねんのチームの日体大は攻撃力もあったのですが、ことしは1勝しかしておらず、相手のほうが辛いと思います。あしたは自分たちのバレーをやって勝ちたいと思います。

中川知香(スポ3=神奈川・橘)

――ストレート勝ちとなった試合を振り返って

先週青学大に3セットで勝てるところを4セットにしてしまっていて、きょうは自分たちのバレーができれば怖くない相手だと思っていたので、3-0で勝ててよかったです。

――先週の勝利から、きょうの試合に生かしたことはありますか

コートの中で、相手の攻撃がどうとか自分たちがどうブロックを飛んでいくとかの確認のコミュニケーションを最後まで切らさずに取れて連携がうまくできたので、そこがよかったと思います。

――レシーブでつなぐ場面が多く見られましたが、ご自身の活躍についてはどうお考えですか

反応できてはいるけどまだまだ精度が甘いと思うので、もっとセッターが取りやすいボールを上げられるようにあしたからも頑張っていきたいです。

――チーム全体として守備面の調子はいかがですか

きょうと青学大戦ではブロックとレシーブの兼ね合いがうまくいっていると思うので、その兼ね合いをもう一度確認してやっていきたいと思います。

――この連勝でチームの雰囲気はいかがでしょうか

すごくいいと思います。

――最後に、あしたの試合への意気込みをお願いします

あしたもまだ1勝しかしていないチームで、今まで日体大に勝ててきていないということもあるのですが、上のチームだからといって自分たちが守るバレーをするのではなくて攻めるバレーができたらいいと思います。

富澤結花(スポ1=東京・文京学院大女)

――春季リーグ戦2連勝、また今季初のストレート勝ちということで、いまのお気持ちは

練習では対策を立ててきたので、その通りに出来たことも、チームにとって良いことです。また、リーグを通して、コールをするという目標があったのですが、今回しっかりできたので良かったです。

――対策とは、具体的には

サーブは誰を狙うとか、サーブで狙った人が崩れたらレフトしかボールが上がらないから、次は…といったように、シュミレーションをしてました。

――本日はスパイクに加え、ブロックでも活躍されていましたが

スパイクが全然打てなくて、とにかくレシーブやブロックで調子の悪いところをカバーしようと頑張っていました。最後はトスとも合って、スパイクも何度か決めることができて、最終セットは良かったと思います。

――富澤選手は、入部して日が浅いですが、レフトのポジションが定着してきました

まだしっかり定着しているというわけではないので、これからチームの中心にちゃんと定着するように頑張りたいです。

――本日の試合は、完全に早大がリードしていて、点数を追われる展開でしたが

嘉悦大は点数を取られたら気持ちが落ち込んでしまうチームなので最初全員で飛ばしていこうと言っていました。ですので、その通りに進んで良い流れだったと思います。

――では、セットで先制点を決めた時のガッツポーズも、その狙いがあったのですか

そうです。いつもやろうやろうと言っていたのですが、忘れてしまっていました。今回は忘れずできて良かったです。

――あしたの試合に向けて意気込みを

あしたの試合も、練習でちゃんと対策してきたので、きょうのような試合ができるように頑張ります。