ついに『1部での1勝』果たす!!

女子バレーボール

 待ち望んでいた瞬間がやってきた。昨年秋季リーグから1部に昇格した早大バレー部は、群雄割拠の1部の舞台で、1度も勝利を挙げることができないでいた。『1部での1勝』は近いようで遠く、それはコートに立つ選手だけではなく、早大女子バレー部に関わる全ての人の目標になった。春季リーグが始まって、あと少しのところで勝利を逃し、涙を流した試合もあった。負けるたびに課題を見つめ、試行錯誤を繰り返してきた。そしてきょうの対青学大戦。セットカウント3-1(25-17、20-25、23-25、19-25)と第3セットは奪われてしまったが、女子バレー部のいままでの努力がひとつ報われたのだった。

 立ち上がりから、早大のプレーは洗練されたものがあった。先制点を奪うと、相手のスパイクのコースを的確に読み切り、2枚ブロックで確実に行く手を阻む。そこからのリカバリーの反応も早く、自分たちの得意とするレフトの攻撃につなげ得点を稼いでいった。「立ち上がりの雰囲気が良かった」と平山璃菜主将(スポ4=東京・文京学院大女)が振り返るように、ブロックで相手の流れを自分たちの勢いに変えていったのだ。そして終盤に怒涛の攻撃で連続得点を獲得し、8点という圧倒的な差をつけ、第1セットを制した。第2セットもその流れは止まらない。序盤連続4得点を重ねると、そのまま相手に付け入る隙をほぼ与えず、リードを保ったままセットを奪取した。リベロの中川知香(スポ3=神奈川・橘)が「特に第1、2セットのブロックが良かった」と振り返ったように、ブロックで相手の攻撃を遮ることで、自分たちのペースに持ち込めたのが勝機の1つなのは間違いない。

粘り強い守備が光ったリベロの中川

 ここで勝負を決めたい第3セット、しかし早大はサーブミスを繰り返し、思うようにプレーを組み立てることができない。さらに徐々にブロックが相手の動きに対応できなくなり始め、リードすることができない。するとここで及川香菜(スポ4=宮城・古川学園)が起点となり5連続得点を挙げるが、自身のミスや相手のフェイントなどに翻弄され、第3セットの勝負に打ち勝つことはできなかった。第4セット、早大は粘りの守備で、1歩も譲らない構えを見せる。すると14―10からシーソーゲームが展開。試合が進むにつれ応援も熱を帯びてくる。平山が要所でスパイクを決め、ぶれない主将の柱をここで体現しチームを鼓舞する。そして早大は先に20点台に乗ることに成功。最後は富澤結花(スポ1=東京・文京学院大女)の強烈なスパイクが相手ブロックを弾き、早大が25点目を奪い、試合終了。早大の勝利が決まり、選手たちは拳を突き上げ、抱き合い、喜びを爆発させた!

25点目を決め、歓喜の瞬間が訪れた!

 悲願であった初勝利を果たした早大。春季リーグ戦が始まり、試合を通して、確実に強くなっていっている。「きょうの1勝というのは、コートに立っているメンバーだけではなく、控えの選手や、アナリストの陰の支えがあってのこと」と平山が語ったように、1つの目標に向かってチームがまとまることができた。しかしストレートで勝ちたかった試合だっただけに、課題がないとは言えない。早大の伸びしろはまだまだあるはずだ。春季リーグ戦も残すところあと4戦。今の早大がどこまで成長していくのか、期待せずにはいられない。

(記事 鎌田理沙、写真 加藤佑紀乃)

セットカウント
早大 25-17
25-20
23-25
25-19

青学大
スタメン
レフト 及川香菜(スポ4=宮城・古川学園)
レフト 富澤結花(スポ1=東京・文京学院大女)
センター 佐藤夢菜(文4=埼玉・狭山ヶ丘)
センター 森佳央理(スポ2=群馬・高崎女)
ライト 平山璃菜(スポ4=東京・文京学院大女)
セッター 芹澤友希(スポ3=茨城・土浦日大)
リベロ 中川知香(スポ3=神奈川・橘)
コメント

平山璃菜主将(スポ4=東京・文京学院大女)

――春季リーグ戦初勝利となりましたが、いまのお気持ちは

嬉しいです。今季もそうですが、きょねんの秋に1部に上がってから1回も勝ててなくて、まずは1勝とチームで決めてやってきました。欲を言えばストレートで勝てた試合でしたが、まずは1勝できて、嬉しいです。

――きょうのブロックについていかがですか

宇都宮大のときに比べて、ゆっくり飛ぶのを意識して、レフト中心にタッチを取れました。ブロックをもとに、レシーブもリベロの中川が良く上げてくれましたし、ストレートも、自分たちの課題であったところも、少しは対応できたかなと思います。

――きょうの勝因は

落とした3セット目はサーブミスなどが目立ちました。1セット目はサーブで崩して相手を乱し、レフトに持っていく自分たちの形を作って相手を崩すという明確な形ができた、というのが1番です。あとは1セット目から雰囲気が良かったなと思います。

――チームのコンセプト『粘りと決定力』は達成できましたでしょうか

リーグを通して1試合1試合磨けている部分はあると思います。でも他のチームを見たら劣ってる部分もあると思うので、この残りのリーグと、1年間を通して磨いて行きたいです。

――来週の試合に向けて

1勝してこれに満足しないで行きたいです。きょうの1勝というのは、コートに立っているメンバーだけではなく、控えの選手だったり、2年生のアナリストの森よしみが、きのうのきょうで連日試合が続く中、夜遅くまでデータを出してくれたりだとか、陰の支えがあってのことだと思います。人数は少ないですが、全員で1勝を取りに行くというのを来週もできたらいいなと思います。

及川香菜(スポ4=宮城・古川学園)

――いまのお気持ちは

正直1勝できて少し安心しました。後輩たちも頑張ってくれましたしもみんな頑張ってくれたので安心しています。

――きょうの試合を全体的に振り返っていかがですか

前回の試合から2週間空いて、きのうの日女体大戦もですし、今回の青学大戦もなのですが、しっかりとした対策をしてきました。きのうは自分たちの良さを出しきれなかったのですが、きょうはきのうの反省を生かした自分たちのバレーがちゃんとできて良かったと思います。

――きょうは序盤からリードする展開となりました

それが自分たちの理想の展開でもあります。今まで相手にリードされる試合が続いたのですが、自分たちがリードすることによって勝てるという勝ちパターンを1人1人が知ることができた試合だったと思います。

――第3セットでは連続得点もありました

第3セットをストレートで取って勝ちたいという自分の中の気持ちが強かったです。リーグ戦(春季関東大学リーグ戦)は得失点差も関わってくるので、いけるときにいかないと後々苦しい思いをするので、チャンスを何回も作って、点が取れるところでしっかり取ろうと思いました。

――第4セットまで試合が続きましたが、疲れなどはありましたか

途中バタバタして自分たちが焦って苦しい時もあったのですが、きょうの朝監督に言われたことを、もう一回思い出して意識しました。1人1人の役割がしっかりできて、4セット乗り越えられたと思います。

――ご自身のレシーブについては

きのうはサーブレシーブなど崩されて、正直不安がありながらの試合だったのですが、しっかりセッターに返せるところは返せましたし、これでちょっとは自信につながりました。周りを信じてできたので良かったです。

――来週に向けて意気込みをお願いします

来週も競る試合が続くと思うのですが、きょうのように1人1人のやることをしっかりやれば勝てるということを知ることができたので、来週に向けてこの1週間練習して、きょうのような試合が展開できたらなと思います。

中川知香(スポ3=神奈川・橘)

――1部リーグで初勝利となりましたが、いまのお気持ちは

秋から1部リーグに上がってから、1勝もできていなかったので、率直に、嬉しいです。

――きょうのチーム全体のブロックはいかがだったでしょうか

きょうはブロックのみんなが相手スパイクのコースを締めてくれたので、読めて守備できたのでやりやすかったです。

――中川選手から見ても、ブロックはよく機能していたと思いますか

ブロックがワンタッチなどを取ってくれて、後ろの私もコースが絞れたので、良かったと思います。

――来週の試合に向けて

来週の試合も、やはり対戦相手がどうこうではなく、自分たちのバレーをして行きたいと思っています。

森佳央理(スポ2=群馬・高崎女)

――いまのお気持ちは

もうすごいうれしいです。

――きょうの試合を振り返っていかがですか

第1、2セットは取れて、本当は第3セットも取らないといけないセットだったと思うのですが、そこで取りきれなかったのは、自分が前衛で決めなきゃいけないときに決めきれなかったので、それが課題です。

――第1、2セットが取れたのは原因はありますか

やってやるしかないという気持ちで挑みました。しかし、第3セットに追いつかれたときに、そこで焦りが出てどうしようとなってしまい、プレーが雑になってしまったり、アウトにしてしまったりしたのが課題です。

――センターを利用した攻撃も決まっていましたが

最初のほうは決まっていたのですが、セットを重ねるごとに相手に読まれてしまって、レシーブがつかれてしまいました。そういう状態でも決めきらないといけないので、もっと詰めて練習をしていきたいと思います。

――チームのコンセプトである『粘りと決定力』は達成できましたか

きょうは先輩がたくさん粘って、決めてくださって、チームとしての『粘りと決定力』はあったと思います。ただ、まだまだ個人としてできないことがたくさんあるので、そこを重点的にやっていきたいと思います。

――来週に向けてどのように調整していきたいですか

ブロックが自分にとって一番の課題なので、まずブロックを克服したいです。そうすればスパイクなどももっとうまくいくと思うので、ブロックの課題を1週間で突き詰めていきたいと思います。