敗戦の中でつかんだ確かな手応え

女子バレーボール

 秋季関東大学リーグ戦の第2日目で、早大は昨季の優勝校である筑波大と対戦し、セットカウント0-3(14-25、21-25、19-25)のストレートで敗れた。先週の東海大戦で機能しなかったサーブとブロックを中心に調整して臨んだこの試合。第1セットを大差で失ったが、第2セット以降はサーブで相手を崩して接戦に持ち込むなど収穫もあった。

 1部のレベルの高さを痛感させられる第1セットだった。筑波大の変化に富むジャンプフローターサーブにレシーブが乱される。二段トスになる場面が多く、攻撃の選択肢が限定された。そのため複数枚のブロックがそろい、早大はスパイクミスやシャットアウトが目立つ。守備ではブロッカーが相手センターの動きに反応してしまい、他の選手のマークを緩めてしまった。中盤までに2度の6連続失点を喫し、大きくリードを許す。終盤にライトの平山璃菜(スポ3=東京・文京学院大女)が得点を重ねたが、点差を縮めることはできずにこのセットを失った。

ライトから鋭いスパイクを放つ平山

 「2、3セット目はサーブで攻めてレセプション(サーブレシーブ)をしっかりやってサイドアウトを取るという自分たちのやりたいバレーが先週と比べてできていた」(平山)。第2セット、及川香菜(スポ3=宮城・古川学園)のサーブを起点に、序盤で4連続ポイントを挙げて3点をリード。その後、同点とされるも唐木沙彩主将(スポ4=千葉・柏井)らがフェイントを織り交ぜ得点を加える。サイドアウトの応酬となり、19-19で終盤を迎える。しかし、サーブレシーブが乱れて5連続失点し、第1セットに続いて連取された。一矢報いたい第3セット。リベロの中川知香(スポ2=神奈川・橘)を中心に粘り強いレシーブを見せる。相手のスパイクを拾い続けて得たチャンスではアタッカーが確実にスパイクを決めた。その中でもルーキーの森佳央理(スポ1=群馬・高崎女)は打数こそ少なかったが、プッシュを使いながら的確な状況判断で得点。佐藤夢菜(文3=埼玉・狭山ヶ丘)や加納茉未(社3=北海道・札幌大谷)をはじめ途中出場の選手も自身の役割を果たす。中盤まで接戦に持ち込んだが、このセットも最後はサーブが返らずストレートで敗れた。

ジャンプフローターサーブを放つ及川

 「自分たちがきょうの目標にしていたところが最後出てきていたので、プラスに考えて良かったと思う」。主将の唐木はこのように話し、敗戦を前向きに受け止めた。サーブやアタッカーの技術は充分に1部でも通用するという確かな手応えを、選手たちは感じているようだ。次は早大と同様に今季から1部昇格を果たした松蔭大との対戦が控えている。課題として浮き彫りになったブロックやサーブレシーブを修正し、初勝利をつかみたい。

(記事 渡辺新平、写真 吉原もとこ、吉澤奈生)


セットカウント
早大 14-25
21-25
19-25

筑波大
スタメン
レフト 唐木沙彩(スポ4=千葉・柏井)
レフト 及川香菜(スポ3=宮城・古川学園)
センター 関根早由合(スポ4=神奈川・橘)
センター 森佳央理(スポ1=群馬・高崎女)
ライト 平山璃菜(スポ3=東京・文京学院大女)
セッター 芹澤友希(スポ2=茨城・土浦日大)
リベロ 中川知香(スポ2=神奈川・橘)
コメント

唐木沙彩主将(スポ4=千葉・柏井)

――きょうの試合を振り返ってみていかがですか

結果的には負けてしまったのですが、先週に比べて良いところも出てきたし、自分たちがきょうの目標にしていたところが最後出てきていたので、プラスに考えて良かったと思います。

――良かった点とは具体的には何でしょうか

きょうはサーブで攻めてキャッチでもっていこうということを意識してやっていました。サーブも攻められていましたし、そこは良かったと思います。

――それが第2、3セットを接戦に持ち込めた要因でしょうか

はい。

――きょうは全体的にブロックが振られる場面が目立ちました

相手(の攻撃)が速いので振られてしまいました。サーブで攻めれなかったときに振られていたので、そこは崩せていけば付いていけると思います。

――レシーブが乱れ、レフトに二段トスが上がる場面が目立ちました。ご自身のスパイクを振り返ってみていかがですか

レフトはしっかり二段トスで決めていくことが必要だと思います。自分としてはまだまだ二段を決められていないので、そこは反省しています。

――きょうは粘り強い守備が見られました

守備の面では、相手のスパイクが良い中でも粘れていたのでそこは成長している部分かなと思います。

――きょうは相手のエースを止めることができませんでした

ブロックが振られていたということもあって、ブロックとレシーブの兼ね合いがうまくできませんでした。意識してその兼ね合いができていれば上がらないボールではなかったと思うので、しっかり修正していきたいと思います。

――あしたは同じく2部から昇格した松蔭大との一戦になりますが意気込みをお聞かせ下さい

あしたはしっかりと主導権を握ることができれば負けないと思うので、しっかり攻めていきたいです。

及川香菜(スポ3=宮城・古川学園)

――きょうの試合を振り返ってみていかがでしたか

前戦の課題だったレセプションとサーブを改善できたのはチームとしてよかったところなのですが、まだまだ1部のカベは高いと感じるので常に挑戦者の気持ちを忘れずに戦うのが自分たちにとって必要と感じました。

――筑波大の印象はどうでしたか

一人ひとり能力が高いと感じましたが大学生としては変わりないと思うので、どんな相手であろうと自分たちのバレーを展開していけば強いチームとでもいい試合ができるのではないかと思いました。

――きょうはサーブがよかったという印象を受けましたが、ご自身で振り返ってみていかがでしたか

前戦では自分のミスで思うようなバレーが出来なかったのですが、そこから1週間での調整の間の自分の練習成果が出たのだと思います。

――松蔭大戦への意気込みを教えてください

2部でも戦っている相手ですし勝ちにこだわるのは当たり前ですが、自分たちのバレーをすれば勝てる相手なので、それをできるよう頑張ります。

平山璃菜(スポ3=東京・文京学院大女)

――きょうの試合を振り返っていかがですか

自分としては機能できていない部分も多かったです。チームとしては、1セット目は簡単に取られてしまいましたが、2、3セット目はサーブで攻めてレセプションをしっかりやってサイドアウトを取るという自分たちのやりたいバレーが先週と比べてできていたのかなと思います。

――セット後半には相手のブロックやレシーブに苦しみましたが、筑波大は対戦してみていかがでしたか

やはりブロックは高いですしディグもいいので、2部で通用していたものが、まだまだ1部では通用しないというのを強く感じました。

――平山選手が中に切り込んで打つ場面も見られました

センターと自分が絡むことによって相手のブロックを揺さぶるという意図でやっていました。きょうは相手のブロックが高くてなかなか中に切り込むような場面を作れなかったのですが、自分は中に切り込むのが結構得意なのでそれを決め球にしていけたらいいと思っています。

――ワセダらしいバレーを展開していくために今後どのようなことを意識していきたいですか

やはりサーブで攻めて相手を崩せればそんなにかなわない相手ではないですし、対等に試合ができると思うので、まずはサーブで攻めて相手を崩すということを第一に考えてやっていけたらなと思います。

――あすは松蔭大との対戦です。意気込みをお願いします

きょうは自分たちの力試しというか、1点でも多く、1セットでも多く取ろうということで筑波大を相手にやりましたけれど、あしたの松蔭大は2部で一緒に戦ってきて一緒に上がってきたチームで、絶対負けられない相手だと思っているのでしっかりと勝ちにいきたいです。