2回戦敗退も、秋へつながる大会に

女子バレーボール

 東日本大学選手権2日目。早大は目標であるベスト4を目指し、決勝トーナメントに挑んだ。1回戦の国際武道大戦ではきのう大活躍の平山璃菜(スポ3=東京・文京学院大女)を中心に得点を積み重ね、セットカウント2-0(25-13、25-18)で快勝。続く2回戦では関東1部リーグに所属する東女体大と対戦し健闘するも、セットカウント1-2(18-25、25-21、18-25)で敗戦。目標とするベスト4には届かず、2回戦で姿を消すこととなった。

 国際武道大との初戦をストレート勝ちで乗り切った早大の前に、1部校のカベが立ちはだかった。秋季から同リーグで対戦することとなる東女体大を迎えての2回戦は、現在の実力を試す絶好の機会でもある。第1セット序盤、いつも通りのバレーができない。ここまで得点源となってきた平山や及川香菜(スポ3=宮城・古川学園)の強烈なスパイクもことごとく拾われ、いきなり6連続得点を許す。その後も相手の粘り強い守備を前に競り負け、このセットを落としてしまった。チームの課題である立ち上がりの弱さが露呈する結果を目の当たりにし、会場には不穏な空気が漂っていた。

果敢にスパイクを放ち、気迫のプレーを見せた及川

 嫌な空気を一変させたのは、頼れる4年生コンビだった。「経験はみんなよりしていると思うし、その分4年生として頑張らなきゃいけない」(関根早由合副将、スポ4=神奈川・橘)。その言葉通り、第2セット序盤は関根の移動攻撃とブロックポイントで相手の出鼻をくじくと、さらに唐木沙彩主将(スポ4=千葉・柏井)が連続得点を決め7-2と試合の主導権を握る。その後一時は逆転を許し流れが傾きかけたが、佐藤夢菜(文3=埼玉・狭山ヶ丘)のサービスエースを機にリーグ戦同様の多彩かつスピーディーな攻撃を展開し、試合は早大のペースとなった。最後は平山がコース際へのスパイクを決め、セットカウントをタイとした。この勢いのまま取りたかった第3セット。調子を取り戻した東女体大に必死に食らいつくも、中盤に両校の差を見せつけられる。長いラリーで打ち勝つことができず、7連続失点を喫するなど苦しい展開に。マッチポイントとなり、平山の放った打球は無情にもコートの外に落ちた。1部校相手に後一歩というところまで迫ったが、準々決勝へ駒を進めることはできなかった。

ベスト4という目標に届かず、うなだれる選手たち

 「サーブで崩してブロックを生かすバレー」――早大のバレーを、平山はこう表現する。2回戦第2セットでは、それが格上にも通用することを証明した。その一方、立ち上がりや守備の粘りなど、さらなる強化ポイントも明らかとなった今大会。「常に挑戦者という気持ちを忘れずに上を目指して頑張りたいです」と及川が語るように、秋には新たなる『挑戦』が幕を開ける。今回得た収穫と課題を糧に、栄光をつかむための夏が始まろうとしている。

(記事 川浪康太郎、写真 渡辺新平)

セットカウント
早大 25-13
25-18

国際武道大
セットカウント
早大 18-25
25-21
18-25

東女体大
コメント

唐木沙彩主将(スポ4=千葉・柏井)

――今大会を振り返ってみていかがですか

初戦の三試合は格下が相手だったのですが、東女体大には決して勝てなくはなかったと思います。目標がベスト4だったので、それまで全然届いておらず悔しいのですが、次につながる大会だったと思います。

――今回ベスト4に届かなかった原因は何だとお考えでしょうか

最初のセットでバタバタしてしまいました。いつも通りゆっくりやればいいものの、焦って気持ちが前に行ってしまいミスが出たことが敗因だと思います。

――今大会では持ち味のサーブとブロックが良かったと思いますが、振り返ってみていかがですか

東女体大との試合も、サーブとブロックに関してはそれほど大幅に崩れなかったので、軸としているその二つは通用すると思いました。

――秋季関東大学リーグ戦に向けて意気込みをお聞かせください

自分たちは最後の1部での試合なので、しっかりと結果が残せるようにしたいです。戦い抜けるように、もう一度夏にチームを作り直していきたいと思います。

関根早由合副将(スポ4=神奈川・橘)

――今大会を振り返って

春リーグで1部に昇格できたことで、東日本で自分たちの力がどこまで1部相手に通用するかという気持ちで臨みました。目標は東女に勝って東海にも勝つという目標だったので、悔しいですけどセットを取れたりみんなのいいところが出たことはいい収穫だったし、いい課題になった大会だなと思います。

――シーズン同様、ブロックやブロード攻撃が決まっていましたが、いかがですか

大学1年生の時からコートに入らせてもらって、経験はみんなよりしてると思うし、その分4年生として頑張らなきゃいけないと思っていました。セッターが変わってから色々悩んだこともありましたけど、数を多くこなせばいい形が作れたり、いいコンビができたりしました。練習するのみだったので、そこの追究をもっともっとできたらと思います。

――東女体大戦での敗戦の要因はどのように考えていますか

1セット目に緊張もあったし、課題である出だしというのが全然できなくて、相手の思うペースに展開されてしまったので、最初の頑張りがもっとできたらなと反省はしています。

――秋季関東大学リーグ戦で対戦する東女体大の対策は見つかりましたか

センター線が結構高く、そこのコンビを作らせないためのサーブだと思うので、サーブが崩れたらどうしても二段になってブロック側も絞りやすくなるし、武器であるブロックとサーブをどんどん試合に出せていければ秋リーグでもいい戦いが1部でできるという自信はあります。

――秋リーグの意気込みを聞かせてください。

3ヶ月ちょっとあるんですけど、まだまだここで見つかった課題とかを、チームや個人を通して克服できるように練習していきたいと思います。

及川香菜(スポ3=宮城・古川学園)

――今大会を振り返ってみていかがですか

リーグが終わってから東日本が始まる短い期間で仕上げるというかたちで取り組んできたのですが、やはり結果がいままでの練習の全てだと思います。課題や修正しなければならないところを秋リーグに向けてしっかりと作り直していく必要があると思います。

――具体的にはどのような点を修正していきたいですか

きょうの東女体大との試合を振り返ってなのですが、やはり相手は1部のチームとずっと試合をしてきて自分たちを上回るレシーブ力というのがあったという印象が自分の中では強いです。そういったところを夏の期間で仕上げて秋のリーグ戦で戦えたら良いと思います。

――今大会ではチームの主な得点源として活躍されていましたが、ご自身のプレーを振り返ってみていかがですか

後半になって自分の調子が上がってきたというところもあるのですが、最初から自分のペースで打てるように自分自身を鍛え直さなければならないと思います。

――加納茉未選手(社3=北海道・札幌大谷)との途中交代も目立ちました

リーグとインカレではトーナメントという意味で全然違うので、頼るときは頼ると自分の中で決めていました。

――今大会ではサーブが良かったと思いますが、振り返ってみていかがですか

自分たちのチームの武器はサーブとブロックなのでそこを究めてきました。

――秋季関東大学リーグ戦に向けて意気込みをお聞かせください

春で1部に上がったので、常に挑戦者という気持ちを忘れずに上を目指して頑張りたいです。

平山璃菜(スポ3=東京・文京学院大女)

――今大会を振り返って

春リーグ1部昇格決めてから東日本まで、ちょっと体制を変えて自分たち3年生を中心にやってきました。目標をベスト4と設定してやってきて、その目標を達成できなかったのは非常に悔しいです。東女は1部のチームでもありますし、秋にしっかりリベンジしたいなと思います。

――スパイクが冴えていましたが、手応えはありましたか

自分が得意とする攻撃パターンでの決めパターンというのは、新チームでスタートしてから、春リーグや東日本を通して、少しずつセッターとも合ってきて確立できてきたかなと思います。ですが、守備の面だったり、1点が欲しい時のスパイクやブロックであったりというのが、まだまだ課題は多いなと思いました。

――国際武道大戦で快勝できた要因は

自分たちのバレー、サーブでしっかり攻めてブロックを活かしてっていうバレーができたから、勝てたかなと思います。

――東女体大戦の敗戦から見えた課題はありますか

東日本まで出だしの5点というのは自分たちでも重要視してきたつもりで、練習してきた部分でもあったんですけど、それができずに序盤持っていかれてしまいました。もし出だし良い流れで行っていたら試合の結果も変わっていたかもしれないので、出だしの5点というのはこれからも自分たちの課題だと思います。

――第2セットは取りましたが、秋季関東大学リーグ戦で当たる東女体大の対策は見つかりましたか

東女体大は、すごい粘りのあるチームだなと自分たちも感じて、自分たちがサーブで崩してブロックを活かすというのだけでは通用しないと思います。そこに粘りだったりというのを、自分たちも負けじとつけていけたらいいなと思いました。

――秋季関東大学リーグ戦へ向けた意気込みを聞かせてください。

自分たちは2部から上がってきた挑戦者なので、チャレンジ精神を持って、ワセダのバレーを全員で展開していきたいと思います。