共に春季関東大学2部リーグ戦(リーグ戦)を全勝で迎えた、国士舘大との一戦。選手たちもきょうの試合をリーグ戦の一つのヤマ場と捉え、意気込んで臨んだ。しかし国士舘大に力の差を見せられ、1セットも奪えないまま、セットカウント0-3(20-25、12-25、20-25)で敗北を喫した。
「相手が国士舘大だからといって、固くはならない」(黒木麻衣主将、スポ4=大阪国際滝井)と、前日の試合後にそう語っていたが、選手たちにはどこか緊張した様子が見えた。その隙を突かれ、国士舘大に多彩な攻撃をされ、リードを広げられてしまう。反撃したいワセダは、及川香菜(スポ2=宮城・古川学園)にボールを集めていく。14-17と3点差まで追い上げることに成功したが、タイムアウトを取られ、流れを止められる。序盤の失点が響き、第1セットを落とした。先に2セットを取られることは避けたいワセダは、第2セットから平山璃菜(スポ2=東京・文京学院大女)を投入。一気に攻め上げたい局面だったが、流れは変わらなかった。サーブで陣形を崩されたところを相手のスパイクが容赦なく襲いかかる。結果、なすすべなく失点を重ね、12-25で第2セットも奪われる。
序盤の攻めの中心となった及川
守りに入ってしまい、自分たちの思うようなバレーがほとんどできていなかったワセダは、巻き返しを図るべく、積極策に転じる。「とにかく攻めよう」(黒木)。そして、攻めの切り札として加納茉未(社2=北海道・札幌大谷)を起用。加納は期待に応え、攻守にわたり活躍を見せる。一進一退のまま第3セットは進んでいったが、あと一歩のところでミスも出てしまい、勝負を決められてしまった。
懸命にボールを拾う木暮
完敗というかたちに終わり、開幕4連勝こそならなかったが、試合の勝敗に一喜一憂する様子はなかった。「きょうの負けでいままでで足りなかった部分に気づけた」(木暮美波、人4=群馬・高崎女)と語るように、収穫もしっかりと見つけた様子だ。リーグ戦も中盤を迎える。きょうの敗戦を糧に、ワセダは『つながり』を完成できるか。その成長に注目が集まる。
(記事 谷口武、写真 吉原もとこ)
セットカウント | ||||
---|---|---|---|---|
早大 | 0 | 20-25 12-25 20-25 | 3 | 国士舘大 |
スタメン | ||||
レフト 唐木沙彩(スポ3=千葉・柏井) レフト 及川香菜(スポ2=宮城・古川学園) センター 関根早由合(スポ3=神奈川・橘) センター 佐藤夢菜(文2=埼玉・狭山ヶ丘) ライト 木暮美波(人4=群馬・高崎女) セッター 黒木麻衣(スポ4=大阪国際滝井) リベロ 中川美香(スポ4=神奈川・大和南) |
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コメント
黒木麻衣主将(スポ4=大阪国際滝井)
――敗戦というかたちになってしまいましたが、いまの気持ちを聞かせてください
何もできず、本当に悔しいという気持ちでいっぱいです。
――第2セットは相手の猛攻を止められませんでしたが
第2セットに限らず、最初から最後まで相手のやりたいようなバレーをさせてしまいました。いつもであったらサーブで崩して相手がやりたいバレーをさせずに、私たちが攻めるというかたちが勝ちパターンになりますが、そこが全くできなかったので、また練習するしかないなと思いました。
――第3セットでは中盤まで接戦でしたが、なにかそれまでと変えたことなどはありましたか
監督から指示もあったのですが、第1、2セットはずっと攻められることしかなくて、私たちがもう先手で攻撃してというかたちが全然なかったので、とにかく攻めようというかたちでプレーしていました。
――きょう新たに見つかった課題や、良かった点などはありましたか
負けてしまったことは良いことではないですけれど、ここまで私たちがやってきたことがうまく試合の中で表れていて、接戦をものにできることが3日間続いていたので、ここからもう一回ステップアップするための、すごくきょうは刺激のある貴重な1日だったなと感じました。これからまだ試合が続くので、もっともっと成長していくために、きょうのこの完敗は必要だったのかなという風にいまは前向きにとらえています。これからリーグ戦は続きますし、国士舘大ともまだ当たる可能性があるので、そこで今回の失敗が生かされて、私たちがもっともっといいチームになれるようにやっていきたいと思います。
木暮美波(人4=群馬・高崎女)
――きょうの試合を振り返って、いかがでしたか
いままで上手くいっていたところで、このような結果となって、いままでの自分たちの練習の甘かったところなどが分かったので、結果的にはよくなかったですけれど、負けてよかったというか、きょうの負けでいままでで足りなかった部分に気づけたかなと思います。
――国士舘大の攻めはいかがでしたか
序盤は自分たちの緊張もあって、守りに入ってしまい、どんどん攻められてしまいましたね。向こうのアタックはいい選手がたくさんいるので、こちらも守りに入らず、もっと攻めの気持ちを出せればよかったかなと思います。
――現在のチーム状況はいかがですか
前までは負けた試合の後は誰も喋らなかったり、暗い顔で帰る感じだったんですけれど、きょうは終わった後も笑ってできているので、いい意味でこれからまた頑張ろうというふうになれているかなと思います。
――ご自身のプレーに関しては
気持ちが先にいってしまったというか、スパイクも気持ちだけがいってしまって入りが早かったり、レシーブも焦ってしまっていたので、次からはもう少し余裕をもって、思い切りやりたいと思います。
――リーグ戦も中盤にさしかかりますが、残りの試合への意気込みをお願いします
とてもいいチームに仕上がってきているので、残りあと6戦ありますし、その中でみんなでもっとつながりを強くして、成長していけたらいいなと思います。