法大に8-1で快勝! 王座進出を決め、宿敵・慶大との1戦に臨む/男子法大戦

庭球男子

 関東大学リーグ(リーグ)もいよいよ大詰め。ここまでのリーグ戦3戦全勝の早大は法大をホームに迎えた。ダブルスでは2試合がタイブレークに突入する展開となったが、それぞれ勝ちきり、3勝を持ち帰る。続くシングルスでは池田朋弥(スポ3=愛知・誉)がタイブレークに及ぶ熱戦の末敗れたものの、他4試合は全てストレート勝ち。計8−1で快勝し、全日本大学対抗王座決定試合(王座)進出を決めた。

 サーブを待つ白石・丹下組

 ダブルスは3勝を挙げて幸先の良いスタートを切ったが、それぞれ波乱の展開となった。ダブルス1の白石光(スポ4=千葉・秀明大秀明八千代)丹下将太(教4=東京・早実)組は、動きに硬さがあった相手を一気に攻め立て、第1セットを6-2で先取する。しかし第2セットは「先にブレークされてしまって、一気に流れが相手に行ってしまったかなと感じています」(丹下)と早大のサーブミスをきっかけに相手の動きがよくなり、0-6で落としてしまう。それでも第3セットは「セカンドセットをあまりに簡単に落としたので、落ち込むことなくファイナルセットに集中できたかなと思います」(白石)とジュニア時代からペアを組んできた2人が息の合ったプレーを発揮し、6-1で獲得した。さらに、ダブルス2の増田健吾(社4=東京・早実)池田組も池田の強力なサーブや増田の正確なネットプレーで第1セットを6-2で先取。しかし、第2セットは相手が増田・池田組の攻撃に対応してくるようになり、タイブレークに突入する。タイブレークでは繊細なドロップショットやサウスポーの増田が繰り出すサーブでポイントを重ね、最後は増田が前衛のボディに叩き込んで7-0で勝ち切った。ダブルス3の渡部将伍(教4=東京・早実)田中瑛大(スポ3=神奈川・湘南工大付)組も2ゲーム目でブレークに成功するなど、勢いよく第1セットを獲得すると、第2セットは互いにキープし合う展開に。しかし、先にブレークを許し3-6で奪われてしまう。ファイナルセットもリードした状態から小さなミスが続き4-3まで追いつかれるが、流れをつかみ取った渡部・田中組が勝利。ダブルスで3勝を挙げて、シングルスにバトンを託した。

 ガッツポーズをする渡部

 シングルスの6番手には山口柚希(スポ2=鹿児島・鳳凰)が登場。いきなりキープに失敗すると、ミスが続いてしまいポイントを取り切れない場面が目立った。それでも持ち前のフットワークでしぶとく相手のミスを引き出し、6-4で第1セットを手にする。その後はテンポよくポイントを重ねて6-1で勝利した。さらにシングルス5の渡部が力強いストロークで相手を圧倒し、6-3、6-1で快勝。シングルス3の池田は第1セットを6-1で危なげなく獲得するが、徐々に自発的なミスが増え始めて接戦の末に第2セットを落とす。ファイナルセットも善戦したが、主導権を奪い返すことができずにタイブレークへ。最後まで強気な姿勢を貫いたが、わずかに及ばず4-7で敗退した。シングルス2の丹下はこの日のダブルスでも対戦した選手が相手となった。「勝つためには序盤どれだけ自分が勢いに乗れるかがすごく大事だと感じていた」という丹下は、冷静に攻撃のチャンスをうかがい、確実にポイントを獲得していく。最後まで安定感のあるプレーを続けて6-1、6-2で勝利を収めた。シングルス1の白石は粘り強く打ち返してくる相手に対して早めに仕掛け、相手のミスを誘うテニスを展開。6-2、6-1と相手を圧倒し、勝利を収めた。

 ダブルス2試合がタイブレークに突入する波乱の幕開けとなった一戦も終わってみれば8-1の快勝。王座進出を決めた早大の次戦の相手は、同じくここまで全勝で王座進出を決めている慶大だ。慶大に対しては今年5月の早慶対抗試合(早慶戦)で快勝しているが、昨年の王座出場校決定トーナメントでは大敗を喫している。その慶大戦に向け、主将の丹下が「終わりよければ全てよし」と話せば、白石は「勝つだけではなく9-0をつけて圧倒したい」と意気込む。関東第一代表として王座に乗り込むため、チーム一丸となって伝統の一戦に臨む。

(記事・写真 佐藤豪、横松さくら)

〇早大 8―1 法大
男子ダブルス
D1○ 丹下将太・白石光 [6-2、0-6、6-1] 矢島淳輝・平井健太郎
D2○ 増田健吾・池田朋弥 [6-2、7-6(0)] 大田空・佐藤太耀
D3○ 渡部将伍・田中瑛大 [6-2、3-6、6-3] 大西洋平・加藤木塁
男子シングルス
S1○ 白石光 [6-2、6-1] 平井健太郎
S2○ 丹下将太 [6-1、6-2] 矢島淳輝
S3● 池田朋弥 [6-1、4-6、6-7(5)] 大田空
S4○ 小久保蓮 [6-3、7-6(3)] 加藤木塁
S5○ 渡部将伍 [6-3、6-2] 新井翼
S6○ 山口柚希 [6-4、6-1] 山田倫太朗

コメント

丹下将太主将(教4=東京・早実)・白石光(スポ4=秀明大秀明八千代)

――全勝で今日の法大戦を迎えましたが、ここまでの戦いぶりを振り返ってみていかがですか

丹下 ここまで全勝で来ているのはすごく前向きに捉えていいことだと思います。ただ、最初の明大戦で勝ちはしましたが、あまりいい試合ができなかったので。チームの中でも反省の声が多く上がって、2戦目から反省を1つ1つ潰していって、試合を重ねるごとに成長できているなと。ここまで順調にきている分、もう一度気持ちを引き締めて頑張りたいという気持ちがあります。

白石 チームの状態としては良くて、いい集中力を発揮できているのではないかと思っています。その中で、今日はシングルスでも、丹下が先に入ったこともあって、早々に、競らずに勝利を決めることができたのはチームとしては大きかったと思います。僕も気持ちよく、ノンプレッシャーでできたのでいい1日だったと思います。

――今日のダブルスの試合について伺います。まず第1セットを6-2で取りましたが振り返ってみていかがですか

白石 相手の方が硬くて、最初から行こうとベンチコーチを含めて3人で話していて、その作戦がうまくいって、すごくノリノリで攻撃的にファーストセットを取れました。5−0まで離せたので、よいスタートダッシュが切れたと思います。

――第2セットは0-6で奪われるかたちになりましたが振り返ってみていかがですか

丹下 2セット目のキーは、僕のサービスゲームだったと思います。そこで先にブレークされてしまって、一気に流れが相手に行ってしまったかなと感じています。たしかに相手の動きもすごくよくて、スーパーショットも何本も決められてしまったのですが、やはり取られてしまった根本的な原因はサービスゲームにあったのかなと感じていて。どうしてもファーストサービスがすごく悪かったので、自分のサービスのクオリティが落ちてしまったことを反省しています。

――勝ちきった第3セットを振り返ってください

白石 セカンドセットをあまりに簡単に落としたので、落ち込むことなくファイナルセットに集中できたかなと思います。むしろ6-7や5-7で落としていた方が引きずってしまったと思うのですが、0-6だったので、すごくフレッシュな状態でスタートダッシュを切れたというのがすごく良かったと思います。相手の動きがセカンドセットすごくよくて、ファイナルセットで失速してくれたというのが正直ありますが、2人でがむしゃらに声を出すということを意識してファイトできたので、それが流れを掴むきっかけとなって最後まで行けたのではないかと思います。

――それぞれシングルスの試合について振り返ってみていかがですか

丹下 ダブルスでも対戦した相手だったので、勢いがあるかなと警戒はしていました。勝つためには序盤どれだけ自分が勢い乗れるかがすごく大事だと感じていたので、まず自分からのミスを減らしつつ、ただ積極性は失わないように意識しました。基本のラリーは真ん中にしていって、チャンスがあれば積極的に前に入って攻撃して、最終的にネットをとってポイントできればいいなと思い描いていました。実際に戦ってみて、自分がイメージしている以上のテニスのパフォーマンスを発揮できたので、6−1、6−2と結構圧倒したスコア差で勝てたのかなと感じています。総じて今日の試合には満足しています。

白石 ノンプレッシャーで、気持ちよく打ってきたし、すごく粘り強い対戦相手だったので、とりあえず自分から先に攻めて、ネットを取るという戦法を意識し続けました。もちろんミスもあって、ポイントにつながらない部分もあったのですが、その攻撃力は次の慶大戦に向けていい練習というか調整になったと思います。正直調子がめちゃくちゃいいかと言われたらそうでもなくて、テニスのフィーリング的にはストロークにおいていまいちなところがあるので、明日、明後日でしっかり調整したいです。体の状態はすごくいいです。

――全勝優勝が懸かる早慶戦にむけて意気込みを聞かせてください

丹下 冒頭でもお話したように、いいかたちで勝ち上がってきてはいるので、驕らずに、気を抜かずにという意味でもう一度気を引き締めて、最後勝ち切りたいと思います。「終わりよければ全てよし」という言葉があるように、最後勝って、みんなで美味しいお酒を飲みたいと思います。

白石 リーグ戦の8割9割を占める一戦だと思います。正直ここまでの4戦は通過点というか、勝たなければいけない試合ですが、重点を置くところではないと思っていて。本当に最後の5戦目(早慶戦)がこのリーグの一番大事なところだと思うので。王座は決まっていますが、前回(昨年の王座出場校決定トーナメント)負けているので、そのリベンジを果たすとともに、勝つだけではなく9−0をつけて圧倒したいという思いがあるので、僕が単複で勝つことはもちろん、他のチームメイトも勝たせることができるように頑張ります。