全日本学生選手権(インカレ)から1週間。全日本大学対抗王座決定試合(王座)出場を懸けた関東大学リーグ(リーグ戦)が開幕した。早大は初戦で明大と対戦。ダブルスこそ1勝2敗と負け越したものの、シングルスは6戦全勝。前人未到の王座17連覇に向けて幸先の良い白星発進となった。
ハイタッチをする増田・池田組。ダブルスで唯一の勝利を持ち帰った
ダブルスの1勝は、増田健吾(社4=東京・早実)池田朋弥(スポ3=愛知・誉)組が獲得した。第1セットは互いにキープする展開に。デュースに迫る場面もあり、ブレークに近いのは常に早大だったが、相手のサービスゲームから始まった第1セットは余裕がなく、なかなかブレークとはならない。6-6となり、タイブレークに突入した。サービスで相手を崩し、強気な攻めで相手に2ポイントのみを与え、第1セットを獲得した。続く第2セットは、応援を力に意地を見せる明大にリズムを崩される場面もあったが、1点ずつ丁寧に積み重ね、7-5で勝利を収めた。
吉野郁哉(スポ3=兵庫・西宮甲英)山口柚希(スポ2=鹿児島・鳳凰)組は試合開始からペースを掴む。山口の力強いサーブや渡部のネット際での好プレーで着実に得点を重ね、6-3で第1セットをものにする。続く第2セットからは激しいショットの打ち合いに。ブレークを奪い合うなど両者譲らぬ展開となったが、5-7でこのセットを落としてしまう。最終第3セットは序盤からミスが重なり、いきなり3ゲームを連取されてしまう。流れを変えようと互いに声を掛け合いプレーした吉野・山口組だったが、一歩及ばず。2勝目を持ち帰ることはできなかった。
ダブルス1番手の白石光(スポ4=千葉・秀明大秀明八千代)丹下将太(教4=東京・早実)組はジュニアの頃から組む仲だ。勝利を収め、シングルスで余裕を持って戦えるようにしたいところだったが、明大の一番手に惜敗。第1セット、第2セットはともに、序盤のゲームを獲得するものの、明大に追い上げられる展開に。逃げ切った第1セットに対し、第2セットは捕まってしまった。タイブレークではわずかなアウトやネットが重なり、明大に5点差まで離される。粘りを見せるも、第2セットを取り逃してしまう。第3セットも一進一退の攻防が続いたが、追い上げる明大の勢いを止めることはできず、4-6でこのセットを落とし、悔しい敗戦となった。
得点を決め、ガッツポーズをする小久保。粘り強いプレーで勝利を掴んだ
ダブルスを1勝2敗で負け越して迎えたシングルス。S4の小久保蓮(スポ4=愛知・名古屋)は「1−2ということは深く考えないで、自分のテニスに集中しようと思っていた」という言葉通り、小久保らしい粘り強いプレーを見せる。しぶとく打ち返してくる相手とのラリー戦になったが、ロングラリーの中で要所のポイントをしっかりと取り続けた小久保がフルセットの末、この試合をものにした。
S3の池田朋弥(スポ3=愛知・誉)は試合開始から力強いサーブやショットで相手を崩し、3ゲームを先取する。その後、池田のショットに対応し始めた相手に追い上げられ、タイブレークまでもつれたが、ここでも力強いサーブが光り、第1セットをものにした。続く第2セットは一転、明大の一方的な展開に。池田は1ゲームも奪うことができず0-6でこのセットを落とす。ここで体に異変を感じた池田はメディカルタイムアウト(MTO)を取る。そして迎えた第3セットでは池田が息を吹き返し、いきなり4ゲームを連取。このリードを最後まで保ち、6-2で勝利を収めた。
そのほか、インカレで準優勝の丹下将太主将(教4=東京・早実)、自己最高の3回戦進出を果たした藤岡凌大(文構3=東京・早実)がそれぞれストレート勝ち。S1の白石光(スポ4=秀明大秀明八千代)も部員の応援を背に6-4、6-2でストレート勝ちを収めた。これでシングルスは6戦6勝。トータルスコアを7-2とし、大事なリーグ戦の初戦を勝利で飾った。
上位2校が王座出場権を得るリーグ戦の初戦をものにした早大。部員による声出し応援が許可され、試合に臨む選手を声で鼓舞する部員の姿も多くみられた。強豪ひしめくリーグ戦を突破するため、残り4試合もチーム一丸となって戦い抜く。
(記事・写真 佐藤豪、田島璃子)
結果
〇早大 7―2 明大
男子ダブルス
D1● 丹下将太・白石光 [6-4、6-7(5)、4-6] 町田晴・副田温斗
D2○ 増田健吾・池田朋弥 [7-6(2)、7-5] 山中朝陽・村田英夢
D3● 吉野郁哉・山口柚希 [6-3、5-7、3-6] 横田大夢・飯田翔
男子シングルス
S1○ 白石光 [6-4、6-2] 太田翔
S2○ 丹下将太 [6-1、6-2] 徳航太
S3○ 池田朋弥 [7-6(7)、0-6、6-2] 飯田翔
S4○ 小久保蓮 [6-2、4-6、6-4] 河内健
S5○ 渡部将伍 [6-1、6-3] 野田成佑
S6○ 藤岡凌大 [6-3、6-3] 横田大夢
コメント
小久保蓮(スポ4=愛知・名古屋)
――ダブルスで負け越している状況でしたが、どのような気持ちで試合に入りましたか。
1−2という悪い流れで入る試合だったので、最初の流れは大切だなと思っていたのですが、それでも1−2ということは深く考えないで、自分のテニスに集中しようと思って試合に入りました。
――第1セットを振り返ってみていかがですか
うまく相手の痺れをきらせたり、しぶといプレーで自分のペースに持ち込むことができたかなというイメージで、自分の中ではいい感じでプレーできました。
――第2セットを振り返ってみていかがですか
相手はしぶとい選手で、団体などで強いイメージがあって。やはりしぶとくやられて、自分の中でも頑張ったのですが、取られてしまって。ファイナルセットに向けて「タフになるけど頑張ろう」という感じでした。
――第3セットを振り返ってみていかがですか
終始自分がリードしていて、気持ち的には余裕があったのですが、粘り強い相手なので、最後まで落ちずにプレーされたのはきつかったのですが、自分のやることは明確に決まっていたので、それをやり抜く気持ちで最後は勝つことができました。
――次戦に向けて意気込みをお願いします。
次もタフな試合になると思いますが、あと2日しっかりと準備をして、万全の状態で望めればと思います。