個人戦の学生日本一を懸けた全日本学生選手権（インカレ）の本戦が今年も三重で開幕した。この日は女子の単複1回戦と男子シングルス1回戦が行われ、早大からも多くの選手が出場。初戦から早大対決が実現するなど各コートで熱戦が繰り広げられた。女子シングルスでは6人中5人、女子ダブルスでは３組中２組が勝利を収め、男子シングルスでは、田中瑛大（スポ３＝神奈川・湘南工大付）、藤岡凌大（文構３＝東京・早実）の両選手が２回戦進出を決めた。
★女子シングルス１回戦
石川との同士討ちを制した渡邊優
女子シングルスでは、初戦から石川琴実主将（社４＝神奈川・白鵬女）と渡邊優夢（社２＝兵庫・相生学院）の同校対決が実現。着々と成長を遂げる渡邊が第１セットを６－４で獲得。渡邊は第１セットの勢いそのままに果敢に攻め続け、第２セットも６－２で同士討ちを制した。安藤優希（スポ４＝東京・日出）は序盤、相手の独特なテンポに攻めあぐね、第１ゲームを落とす。しかし、その後は落ち着いた試合運びを見せた安藤。ラリー戦に持ち込み相手のミスを誘うと６－２で第１セットを獲得。続く第２セットはストロークで左右に大きく揺さぶり、６－１で快勝した。予選を勝ち上がってきたルーキーの活躍も光った。宮田萌芳（基理１＝東京・雙葉）は緩急のついたストロークで１ゲームも譲らず第１セットを奪うと、その後も勢いそのままに６－２で勝利した。平田葵（スポ１＝神奈川・白鳳女子）は初出場のインカレに物怖じせず、果敢に攻めた。深いストロークで主導権を握り、甘くなった球を確実に決めた平田が第１セットを先取。しかし、試合後半にストロークでのミスが目立ち始め、第２セットは４－３と詰め寄られる。それでも「攻めることができるのが自分の武器」と話す平田は攻めの姿勢を貫き、要所を抑えて６－４で勝利。早大の吉岡が待ち受ける２回戦へと駒を進めた。
★女子ダブルス１回戦
渡邊早・渡邊優組は息のあったプレーで相手を圧倒した
女子ダブルスでは渡邊早和子（社４＝愛媛・新田）、渡邊優夢組が、渡邊優の安定したストローク、それを生かした渡邊早のネットプレーで相手を圧倒。安藤・松田岬（スポ４＝東京・淑徳）組も終始、笑顔で試合を進め６－０、６－４でストレート勝ちを収めた。一方、押川千夏（社４＝福井・仁愛女子）・平田組は流れを序盤から流れをつかむことができず３－６で第１セットを落とす。第２セットも立て直すことができず０－６で敗退した。
★男子シングルス１回戦
田中は接戦を制し、2回戦に駒を進めた
男子シングルス１回戦には、田中瑛大（スポ３＝神奈川・湘南工大付）が登場。序盤から競り合う試合展開となったが、要所要所でポイントを奪い、６－４で第１セットをものにする。第２セットはタイブレークの末に落としたものの、「自分の中では大丈夫だと思っていた」（田中）という言葉通り、落ち着いたプレーでファイナルセットを獲得。2回戦進出を決めた。藤岡凌大（文構３＝東京・早実）は激しいラリー戦を展開した。速いテンポでの打ち合いの中でチャンスを狙う藤岡だが、なかなか攻撃に転じることができない。第１セットは５－７で落とした。第2セットでは藤岡がラリーの主導権を握り、６－２で奪い返す。ファイナルセットは相手に先行されるも、20時30分になり翌日へ持ち越しに。日をまたいで行われた試合でも一進一退の接戦を繰り広げたが、最後は藤岡がネットプレーやバックハンドのダウンザラインを決めるなどして勝ち切った。
（記事・写真 佐藤豪、横松さくら）
結果
男子シングルス
▽１回戦
○田中瑛大 [６-４、６-７（４）、６-２] 野田成佑（明大）
〇藤岡凌大 [5-7、6-2、6-4] 石川真輝（中大）
女子シングルス
▽１回戦
〇宮田萌芳 [６-０、６-２] 金子あゆ（愛媛大）
〇安藤優希 [６-２、６-１] 伊藤瑚乃美（名経大）
〇平田葵 [６-２、６-３] 梅林咲甫（広大）
〇金子さら紗 [６-４、６-３] 渡辺実月（同大）
〇渡邉優夢 [６-４、６-２]●石川琴実
女子ダブルス
▽１回戦
〇松田岬・安藤優希 [６-０、６-４] 山田梨香子・穴田琴音（駒大）
〇渡邉優夢・渡邉早和子 [６-１、６-２] 澤田那菜・阪口明香（松山大）
●押川千夏・平田葵 [３-６、０-６] 大坪花・星野桃花（東京国際大）
コメント
田中瑛大（スポ３＝神奈川・湘南工大付）
――どのような意気込みで今大会に臨んでいますか
僕も３年生になって、上級生なので。今は4年生がチームの支えとなっていますが、3年生の僕がもっと結果を出さないといけないなと思って必死にやっています。
――今日の試合、第１セットを振り返ってみていかがですか
立ち上がり自分の足が動いていなくて、後手に回ることが多かったですが、重要な場面でポイントが取れたのでよかったです。
――第２セットはタイブレークまでもつれ込みましたが、振り返ってみていかがですか
自分もそこまで悪くなかったのですが、相手がすごくいいプレーをしてきて。タイブレークはチャンスがあったのですが、力んでしまって取れなくて。しょうがないかなという感じでした。
――第３セットを振り返ってみていかがですか
結構落ち着いてきていて、自分の中では大丈夫だと思っていました。落ち着いて、第２セットの改善をしてプレーすることができました。
――今日の試合を通して収穫や反省はありますか
やはり自分はまだまだ無駄なことが強い選手よりも多くて、第２セットを取られてしまうということがあるので、コンスタントに２セットで終わらせることができるように、質の高いテニスをしていきたいです。
――次戦に向けて意気込みをお願いします
相手も同い年の選手なので、絶対に負けないように頑張ります。
平田葵（スポ１＝神奈川・白鳳女子）
――初のインカレですが予選はいかがでしたか
予選をまずは上がること、そして本戦で戦うのを一番近くの目標にしていました。春関からギリギリできていた分、本戦に上がれたことでうれしかったのですが、まず１個つなげられてもう１試合できるということで、楽しんでいきたいと思っています。
――今日の試合では攻めたプレーが光っていましたね
攻めることができるのが自分の武器なので攻められたことは良かったのです。しかしまだまだなところもあるので、明日はもっともっと攻めていけたらいいなと思います。
――試合終盤に少しミスが増えていたように見えましたが、攻めの姿勢を貫いていました。どのように気持ちを切り替えていましたか
とにかく勝ちたいという思いが一番強かったので、ミスが増えていてもそれをプラスに考えて、自分のミスですが相手が良いプレーをしているという風に捉えるようにしていました。
――次戦に向けて意気込みをお願いします
明日は４年生の吉岡希紗（スポ４＝三重・四日市商）さんと対戦するので、思い切って１年生らしく食らい付いていけたらなと思います。