男子は快勝、女子は悔しい敗戦で終えた早慶対抗試合(早慶戦)から1週間、全日本学生選手権(インカレ)の出場権をかけた関東学生トーナメント(春関)本戦が開幕した。大会初日には男女単複の1回戦、2日目にはインカレ出場がかかる男女シングルス2回戦が行われ、期待の新戦力から上級生まで多くの早大選手が躍動した。
★男子シングルス、ダブルス
初出場の春関本戦で2勝目を挙げた渡部裕
大会初日に行われた男子シングルス1回戦には、早大から7選手が出場。ルーキーの藤田大地(スポ1=兵庫・相生学院)がフルセットの末に勝利をつかんだ他、吉野郁哉(スポ3=兵庫・西宮甲英)が田中瑛大(スポ3=神奈川・湘南工大付)との同士討ちを制すなど計5選手が2回戦進出を決める。同じく初日に行われた男子ダブルス1回戦には3組が出場。藤田大地、渡部裕貴(教2=東京・早実)組と渡部将伍(教4=東京・早実)、田中瑛大組は敗れたが、栗山晃太郎(社1=兵庫・相生学院)、木原啓汰(教2=東京・早実)組が接戦をものにした。
大会2日目には男子シングルス2回戦が行われた。シングルス1回戦で「ストロークの部分での成長を実感した」という渡部裕は、試合が進むにつれて力強さを増した相手の強打にも崩されず、2時間半を超える熱戦を制し、初出場の春関本戦で2勝目を挙げる。吉野郁哉と小林大修(文構4=東京・早実)の同士討ちでは、フルセットに及ぶ熱戦を吉野が制した。その他では、2回戦からの登場となった丹下将太主将(教4=東京・早実)、小久保蓮(スポ4=愛知・名古屋)らが順当に勝利を収めた。
★女子シングルス、ダブルス
3回戦進出を決めた梶野
女子シングルス1回戦には早大から13人の選手が出場した。金子さら紗(スポ1=埼玉・浦和麗明)、宮田萌芳(基理1=東京・雙葉)、小畑莉音(スポ1=三重・四日市商)のルーキー3人が勝利を収めるなど、計10人が1回戦を突破。女子ダブルス1回戦では、渡邊早和子(社4=愛媛・新田)、渡邊優夢(社2=兵庫・相生学院)組と宮田萌芳・横田七帆(スポ2=島根・開星)組がともにフルセットの末に敗れたが、小畑莉音、森岡きらら(スポ1=鹿児島・神村学園)の1年生ペアが接戦を制し、2回戦進出を決めた。
大会2日目の女子シングルス2回戦でもルーキーが躍動。小畑は敗れたものの、金子、宮田の2人が早大の先輩との対決を制し、3回戦へ駒を進めた。1回戦で厳しい試合を勝ち切った齋藤優寧(スポ2=岡山学芸館)は強敵・今田穂(慶大)と対戦。相手のスライスするバックハンドに苦戦し、敗れたが、第2セットは「ファーストで駄目だった部分を修正して、自分のしたいプレーができた」(齋藤)と次に控えるダブルス2回戦やインカレ予選につながる試合となった。その他では、シード勢の神鳥舞(スポ3=東京・早実)、吉岡希紗(スポ4=三重・四日市商)、梶野桃子(社2=京都外大西)の3選手が2回戦を突破し、最終的には6選手がインカレ出場権を勝ち取った。
(記事・写真 佐藤豪)
結果
男子シングルス
▽1回戦
● 清水拓弓 [4-6、6-2、6-1] 野田成佑(明大)
○ 藤田大地 [7-5、0-6、10-5] 時岡宏斗(立大)
○ 渡部裕貴 [6-2、6-1] 佐々木康大(亜大)
○ 吉野郁哉 [6-0、6-0] 田中瑛大
○ 鈴木蒼平 [6-4、4-6、6-4] 小倉諭行(亜大)
○ 三田陽輝 [6-4、6-4] 清水盾伎(中大)
▽2回戦
○ 丹下将太 [6-2、6-1] 平井健太郎(法大)
● 三田陽輝 [0-6、2-6] 町田晴(明大)
● 田巻雄介 [0-6、1-6] 菅谷優作(慶大)
○ 小久保蓮 [6-1、6-2] 宮永竜聖(明大)
● 田巻雄介 [0-6、1-6] 菅谷優作(慶大)
○ 渡部裕貴 [6-3、6-2] 菅谷拓郎(慶大)
● 山口柚希 [1-6、6-4、1-6] 佐藤大心(青学大)
● 藤田大地 [2-6、0-6] 矢島淳揮(法大)
○ 藤岡凌大 [6-2、6-3] 野田成佑(明大)
○ 池田朋弥 [4-6、6-4、6-3] 青木源(上武大)
○ 渡部将伍 [7-5、6-0] 日置和暉(慶大)
● 鈴木蒼平 [5-7、3-6] 石川真輝(中大)
○ 吉野郁哉 [4-6、6-2、6-4] 小林大修
○ 高畑里玖 [6-4、6-3] 植田涼太(東国大)
女子シングルス
▽1回戦
○ 横田七帆 [6-3、7-6(2)] 宮川百合亜(日大)
○ 宮田萌芳 [6-2、4-6、6-1] 滝沢萌夏(専大)
○ 松田岬 [6-7(4)、7-5、6-4] 吉田華菜子(明大)
○ 萩原真美 [7-6(5)、7-5] 五十嵐唯愛(明大)
○ 金子さら紗 [6-3、6-2] 宮本幸奈
● 平田葵 [1-6、4-6] 狐塚理子(山学大)
● 谷美七海 [3-6、4-0RET] 大河原彩楽紗(青学大)
○ 齋藤優寧 [6-1、4-6、6-3] 贄田佳穂(駒大)
○ 小畑莉音 [7-6(4)、6-3] 藤原由菜(青学大)
● 渡邊早和子 [1-6、6-1、2-6] 園城海遥(亜大)
○ 河野瑞生 [6-0、6-1] 藤永笑子(立大)
○ 足立理帆[6-1、6-2] 福原麻尋(専大)
▽2回戦
○ 神鳥舞 [6-0、6-2] 安井愛乃(亜大)
○ 吉岡希紗 [6-0、6-1] 大坪花(東国大)
○ 梶野桃子 [7-5、6-3] 河野瑞生
● 松田岬 [0-6、1-6] 丸山愛以(明大)
● 萩原真美 [1-6、0-6] 齋藤瑠奈(亜大)
● 足立理帆 [W.O.] 大橋麗美華(慶大)
● 安藤優希 [1-6、2-6] 沼野菜海(亜大)
○ 金子さら紗 [6-2、6-3] 渡邊優夢
○ 宮田萌芳 [6-2、1-6、6-4] 石川琴実
● 横田七帆 [1-6、0-6] 山﨑郁美(亜大)
○ 押川千夏 [3-6、6-3、6-4] 大河原彩楽紗(青学大)
● 小畑莉音 [2-6、3-6] 照井妃奈(筑大)
● 齋藤優寧 [1-6、2-6] 今田穂(慶大)
男子ダブルス
▽1回戦
● 藤田大地・渡部裕貴 [3-6、5-7] 山田知宙・森健太郎(日体大)
〇 栗山晃太郎・木原啓汰 [7-5、7-6(2)] 高悠亜・小泉煕毅(日大)
● 渡部将伍・田中瑛大 [4-6、6-3、7-10] 藤川悠・河内健(明大)
女子ダブルス
▽1回戦
● 渡邊早和子・渡邊優夢 [6-4、3-6、6-10] 沼野菜海・齋藤瑠奈(亜大)
〇 小畑莉音・森岡きらら [7-5、7-6(5)] 元山未優・五十嵐萌々(専大)
● 宮田萌芳・横田七帆 [1-6、6-3、8-10] 鈴木優・木塚有映(山学大)
コメント
齋藤優寧(スポ2=岡山学芸館)
――今回の関東学生トーナメント(春関) にはどのような意気込みで臨んでいますか
シングルスの本選が48人という中で48番目に入り、すごくラッキーで、一つ目は勝たなきゃいけないなと思っていました。結果的に勝てましたが、もっと良い形で試合に臨みたかったです。勝つにしても負けるにしても、自分の理想とする形で臨みたいと思っていて、今回のダブルスは第2シードなので、プレッシャーはありますが、インカレ(全日本学生選手権)に向けて良い形で春関を終わらせたいです。
――昨日の試合を振り返ってみていかがですか
昨日は年下で、知り合いだったのですが、すごく打ってくる子っていうのは知っていました。分かってはいましたが厳しい試合で、その中でも勝ち切れたのは良かったかなと思います。
――今日の試合にはどのような気持ちで臨みましたか
今田さん(穂、慶大)は自分が入学してから、早慶戦やリーグでいつも早稲田にプレッシャーをかけてくる選手なので、やってみたいというのはあり、やれることやろうと思って、(試合に)入りました。
――第1セットを振り返って、いかがですか
今田さんのバックがほとんどスライスで滑ってくることを知っていたのですが、返せず、ラリーになったとしてもバックのスライスが来たら自分がミスってしまい、自分がしたいテニスが何もできず、悔しかったです。
――第2セットはいかがでしたか
スコアは2-6ですが、自分的にはファーストで駄目だった部分を修正して、自分のしたいプレーができたのかなと思います。
――次戦に向けての意気込みをお願いします。
シングルスはインカレ予選が決まっているので、インカレでちゃんと本戦に上がり、リーグでもシングルスで起用してもらえるような試合をしたいと思います。ダブルスは一試合目からタフな試合になると思いますが、気負わず一本ずつやることを常に意識したいと思います。
渡部裕貴(教2=東京・早実)
――昨日の一回戦を振り返って、ご自身の戦いぶりはいかがでしたか
相手も弱いわけではなかったのですが、ちゃんと戦えるようになったなと成長を実感して。特にストロークの部分で成長を実感しました。
――今日の試合全体を振り返ってみていかがですか
6-3、6-2と簡単なスコアではあったのですが、苦しい場面もたくさんありました。やはりしっかりと自分のストロークで最後まで根気強く戦えたのが良かったのかなと思います。
――第1セットを振り返っていかがですか
1-3から6-3でしたが、どのスコアでもやることは同じで、自分自身のストロークでしっかりと押せばいけるという自信はあったので、同じことをずっとやり続けられたという感じです。
――第2セットを振り返っていかがですか
相手が上げてきて、ストロークを速く打ってきたりしたのですが、そこで崩れずにしっかりと返して、やることをやれば勝てる自信はあったのでそれができたのかなと思います。第一セット、第二セット関係なく目の前のことを全力でやることだけを意識していました。