※早稲田大学学生生活課からの要請に伴い、対面での取材ができなかったため、インタビューのみをオンラインで行いました。
関東学生トーナメント(春関)4日目は、男女でシングルスの3回戦とダブルスの2回戦が行われた。男子シングルスでは同士討ちが2試合繰り広げられ、高畑里玖(社2=兵庫・相生学院)と渡部将伍(教3=東京・早実)がそれぞれ制した。男子ダブルスでは今年の全日本学生室内選手権で準優勝し、第1シードで臨んだ畠山尚主将(スポ4=神奈川・湘南工大付)、増田健吾(社3=東京・早実)組が初戦で姿を消すまさかの結果に。また、ダブルスでも同士討ちが1試合あり、池田朋弥(スポ2=愛知・誉)、高畑組が勝利を収めた。女子シングルスでは、安藤優希(スポ3=東京・日出)と神鳥舞(スポ2=東京・早実)の2人がストレート勝ちで4回戦進出。女子ダブルスでは安藤・押川千夏(社3=福井・仁愛女子)組が合計34ポイントにも及んだスーパータイブレークを制すなど、3組が3回戦に勝ち上がった。
結果
男子シングルス
▽3回戦
●山口柚希 [2-6、7-6(4)、8- 10] 濱口昌孝(亜大)
〇高畑里玖 [6-2、6-4] ●名越大地
○渡部将伍 [6-3、6-4] ●藤岡凌大
●田巻雄介 [2-6、2-6] 目黒志和(亜大)
○小久保蓮 [6-2、7-6(2)] 下村亮太朗(慶大)
●池田朋弥 [7-6(4)、6-7(3)、8- 10] 佐藤太耀(法大)
〇丹下将太 [5-7、6-4、10 -7] 清水盾伎(中大)
女子シングルス
▽3回戦
●押川千夏 [3-6、2-6] 猪川結花(法大)
●渡邉優夢 [3-6、1-6] 徳安莉菜(明大)
〇安藤優希 [6-4、6-3] 原田真美子(山学大)
〇神鳥舞 [6-2、6-4] 竹本萌乃(明大)
男子ダブルス
▽2回戦
●吉野郁哉・山口柚希 [3-6、6-3、9- 11] 佐野有佑・高清水研人(法大)
〇池田朋弥・高畑里玖 [6-4、6-2] ●名越大地・田中瑛大
●畠山尚・増田健吾 [7-5、6-7(5)、7- 10] 清水盾伎・井上隆也(中大)
女子ダブルス
▽2回戦
●齋藤優寧・渡邉早和子 [2-6、1-6] 平田歩・永田杏里(慶大)
〇松田望愛・足立理帆 [1-0(RET)] 川出莉子・照井妃奈(筑波大)
○石川琴美・吉岡希紗 [6-3、6-3] 末野聡子・高橋悠(慶大)
●杉田栞・松田岬 [4-6、3-6] 小林彩夕里・淺野汐香(立大)
〇安藤優希・押川千夏 [7-5、5-7、18 – 16] 谷井涼香・猪瀬瑞(駒大)
●神鳥舞・前田優歩 [7-6(3)、5-7、8- 10] 渡邉千佳・原田真美子(山学大)
(取材 山床啓太)
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コメント
畠山尚主将(スポ4=神奈川・湘南工大付)・増田健吾(社3=東京・早実)
――今大会はシードとして臨みましたが、そのことの影響などはありましたか
畠山 多少はあったと思います。第1シードということで初めてのことだったので、意識しないようにはしていたのですが、他大学からの見られ方であったりというところで、いつもよりは少し緊張してしまったかなと思います。
増田 畠山さんがおっしゃったように、意識はしないでおこうと話していて、あくまでチャレンジャーの気持ちでやっていこうと話してはいました。自分たちは意識しないようにしていたのですが、相手とかはどんどん向かってくるプレーをしてきたので、そこでいつもと違った雰囲気になってしまったかなと思います。
――昨日の試合は互いにキープ、キープの展開でしたか
畠山 そうですね。途中、ブレークとかはありましたが、ほぼキープ、キープの展開でした。
――ファーストセットについては振り返っていかがですか
畠山 1ゲーム目で相手のサーブをブレークして、結構いい流れでゲームを進めて、途中でブレークされてスコアをタイに戻されたのですが、ファーストセットは勝負所でまたブレークしてキープできました。ファーストセットは取れはしましたが、いい流れだったのかと言われると、あまり良くなかったのかなと今振り返ると思います。
増田 序盤はいきなりブレークから始まって、すごくいいかたちで試合を進められたのでそこは良かったのかなと思いますが、やはり後半にブレークを許してしまって、そこから完全にこっちではなく、どっちにいくかわからないという流れにしてしまったなと感じています。
――セカンドセットは振り返っていかがですか
畠山 セカンドセットもキープ、キープだったのですが、途中で最初にブレークされてしまって。すぐブレイクバックできたのですが、キープの内容であったり、相手のサービスゲームの時の内容で、ファーストセット同様、流れに乗れないような時間帯が多く続きました。タイブレークも最初は3-0でいい流れではあったのですが、そこから自分たちでミスを重ねてしまって3-6までいって。そこからポイントを返しはしましたが、結局セットを取るまでには至らなかったというかたちです。
増田 僕も同じように、セカンドセットで一番良くなかったのはタイブレークの3-0からの6点連続で取られてしまったことかなと思いました。
――ファイナルセットは振り返っていかがですか
畠山 ファイナルセットはもう序盤で0-6になってチェンジコートして。試合を通して言えることで、いつもは流れをつかんだら離さずに一気にいけるのですが、ずっと流れに乗れず、良くなったら止まって、良くなったら止まってという感じでした。ファイナルセットも常に追いかけるかたちになってしまって、プレーも消極的になってしまったかなと思います。
増田 僕も畠山さんがおっしゃっていたように、いきなり0-6になってしまって、追う立場になってしまったので。やはりタイブレークは先にリードした方が圧倒的に強いということはわかっていたのですが、そこで先に差を広げさせてしまったことが一番の敗因かなと思います。タイブレークは僕たちの得意としている展開ではありましたが、そこで2回とも落としてしまったということで、もう1度なぜ取られたかを振り返って、また次につなげられるようにしたいです。
――流れということをおっしゃっていましたが、その流れをこちら側にするためには、どのようなことが必要だと現時点では考えていますか
畠山 やはりファーストタッチのショットですかね。たとえばサーブだったり、リターンだったり、その一番最初のショットが重要になるので、そこの強化を特にしていく必要があるかなと思います。
増田 僕も同じことを思っているのと、自分たちがサービスになった時にしっかり取れるかということだと思います。
――畠山さんにお伺いします。シングルスの試合については振り返っていかがですか
畠山 1、2、3年生はずっと予選から始まって3年生の時にようやく本戦に上がって1回戦を勝つことができて。今年は本戦からだったのですが、初戦は相手にマッチポイントを握られたところから逆転して勝てたというのと、あとは高畑とあたったところでは、維持ではないですけど、セットを取ってチームにいいプレッシャーをかけることができたのかなと思います。
――今後の試合に向けて意気込みをお願いします
畠山 直近の試合は早慶戦になるので、そこで個人戦とはまた違った雰囲気でチームで戦いますが、団体戦での戦い方とかは1年生も経験していないことなので、チームで戦うということを意識していきたいと思います。インカレは予選からになると思うので、まずは本当にチャレンジャーの気持ちで予選から1試合、1試合勝ち上がって、チームのことも考えてダブルスで勝ち上がれるように頑張りたいと思います。
増田 直近では早慶戦があるので、まず早慶戦までの2週間を今回の春関の負けを取り返す気持ちで一生懸命練習して、チームの人たちに少しでも信頼を取り戻してもらえるようにしていきたいなと思います。インカレ予選では畠山さんも言っていたように、予選からなので後先のことは考えず1試合、1試合勝ちにこだわってやりたいなと思います。
名越大地(社4=兵庫・相生学院)・田中瑛大(スポ2=神奈川・湘南工大付)
――今大会のダブルスを振り返っていかがですか
名越 僕と田中のダブルスは結構、パッションというか気持ちでもっていくダブルスで、1試合目はしっかり声を出して2人で行うことができました。2試合目も気持ち的にも全面に出すことができたのですが、同校の池田・高畑に負けたという感じです。
田中 名越さんも言ってくれたように僕たちのダブルスは2人で盛り上げて、いい意味で試合を楽しむといった感じで行っています。試合としては自分たちの良さを出せたと思うのですが、今大会を通してまだ技術的に足りないことだったり、身に付けなければいけないことというのがはっきりしたと思うので、そこをインカレ予選までに練習していきたいと思います。
――良さという面では具体的にどういったプレーで自信がつきましたか
田中 名越さんがすごくボレーが上手で、僕が後ろで名越さんが決めてくれるというのが僕たちのパターンなので、僕がストロークでしっかりスイングして、名越さんがめちゃくちゃうまいボレーを決めてくれる時がいいかたちだったのかなと思います。
名越 田中が言ったことが全てかなと思いますが、名越・田中のダブルスはサーブ力がまだ課題点として挙げられるので、インカレ予選までにはビッグサーバーになって、簡単にキープができるようなダブルスというのをつくり上げていきたいなと思います。
――昨年の春関に続いてのペアですがペアリングはいかがですか
名越 僕の中では組みやすくて、すごく楽しくダブルスができているので、ペアリング的には早稲田の中では一番いいかなと思います(笑)。
田中 2つ上の先輩と組まさせてもらっていますが、名越さんも言ってくれたように楽しくダブルスができて、名越さんが優しくて強くて心強いので、僕も早稲田の中では一番いいペアリングというのは間違いないなと思います。
――いい感じのペアリングなのですね
田中 そうですね。畠山・増田よりも仲もいいし、心も通じ合っている感はあります(笑)。
――今大会のシングルスを振り返っていかがですか
名越 この4年間で一番いい成績が出せたので、運もあるのですが、自分の自信にしていいのかなと思っています。でも、3回戦でそれこそまた同校の高畑に負けたので、そこは悔しい気持ちもありますが、しっかりと切り替えて本戦掛けのコンソレーションもあるので、そこでしっかり本戦の切符を手に入れられるように頑張りたいと思います。
田中 僕は二次予選からの出場だったので、予選から厳しい場面というのは何度かあったのですが、そこを乗り越えてインカレ予選出場を決められたというのは素直に良かった点なのかなと思っています。でも、試合前の目標としてはシード選手に勝って3回戦進出だったり、そこからもっと勝っていくというのが目標だったので、少し物足りなさや悔しさが残る試合になってしまいました。
――今大会のシングルスを通しての課題や収穫はありますか
田中 今大会は慶應のレギュラーとして出る選手に負けてしまいましたが、僕もいずれ、早稲田でレギュラーになって試合に出場させてもらうためにはああいった選手に力で負けずに勝っていかなければいけないなと思って。その中でシンプルに基礎的な技術だったり、攻撃力だったりという課題点が見つかったので、インカレ予選前に試合ができたということは、僕としては大きな収穫だったなと思います。
名越 試合の中で練習と試合とのギャップというのをすごく感じていて。練習での自分のプレーを100パーセント出しきれないというのは、みんなそうだと思いますが、それをできる限り100パーセントに近づけられるような練習であったり、プレーというものを、最後の大会になるのでインカレ予選、本戦までには頑張っていきたいと思います。
――インカレに向けての意気込みをお願いします
名越 まずはインカレ本戦でシングルスは2個勝ちで、ダブルスは畠山・増田よりもいい成績を残して名を上げたいなと思っています。
田中 僕もまずはシングルスで本戦に上がってそこでできるだけ勝って周りにアピールしたいし、ダブルスは名越さんも言ってくれましたがライバルである畠山・増田には絶対に負けないで、できればそことあたって勝ちたいぐらいなのですが、早稲田で一番いい結果を残したいです。
田巻雄介(国教2=東京インターハイスクール)
――今大会が初の本戦出場だと思いますがここまでの手応えはいかがですか
ここ2週間ぐらい調子は良くて、結構強い人にも勝てそうな雰囲気はあったのですが、試合となるとだいぶ緊張感とかも出てきて半信半疑の部分も大きくて。それでも、実際試合で二次の決勝から今までだったら勝てないようなレベルの相手に勝てて、本戦2回戦もだいぶ格上の相手に勝てたので、手応えとしてはいい感じかなと思います。
――今回の結果についてはご自身ではどういった評価になりますか
まず、二次予選の決勝で負けかけたので、それを考えると本戦でベスト32まで残れたというのはすごく良かったのですが、本戦の2回戦で5~8シードを倒せたということを考えると、3回戦でノーシードの人に負けてしまったのは少し、欲を言えば残念だったかなと思います。
――本戦の2回戦を振り返っていかがですか
ドローが出た時点での目標としては昨年の大会が二次予選の準決勝で負けてしまっているので、それを越えることだったのですが、それは無事に突破できて。しかも本戦に入れて1個目を勝てたという、自分の中ではすでに上出来というか、満足まではいかないですけど、とりあえずその最低限の目標は達成できたかなという状態だったので、そんなにプレッシャーはなかったです。あと、相手が格上だとわかっていたので、今できることをぶつけていけるところまでいこうという感じでやって、試合になったら必死にくらいついて勝つことができました。
――くらいつくというところでいうと、ファーストセットを取られてからの逆転勝ちでしたが、このことについてはいかがですか
ファーストセットはラリーも長く続いて、自分自身ラリー戦は得意なので、自分の得意な分野で戦えていて。あまり一方的にはならなかったというか、格上相手に戦ったうえでポイントも取れたりしていたので、どこかできっかけをつかめば一気にポイント、ゲームを取れるかなというのはあったのですが、ファーストセットは緊張もあって取られてしまいました。セカンドセットも2-5だったのですが、そこで開き直ったというか、もう1度自分にスイッチを入れ直して、集中力を上げてできたのが良かったかなと思います。
――3回戦については振り返っていかがですか
昨日の試合は2回戦での勝利というのが自分の中では大きくて。満足してしまったわけではないですが、二次予選の決勝もかなりの逆転で、本戦の2回戦もすごい逆転をして、一次予選から合計で8試合目だったのですが、精神的に疲れてしまって試合の入りであまりアドレナリンが出ていないというか、モチベーションが上がっていない状態で入ってしまいました。試合中も相手が粘り強いプレースタイルだったのですが、そこでしっかり我慢して同じ土俵で戦うのではなくて、我慢できずに自分から打ってミスしてしまうという場面が多かったので、反省する点は多かったかなと思います。
――今大会、プレー面で自信になった部分はありますか
今大会は終始、攻めの姿勢でプレーしていて、大事な場面でしっかり振りきるということを意識して、プレーしてきました。実際、逆転できたのも緊張してお互いに固くなる場面で、こちらが相手よりも攻めてアグレッシブな気持ちでプレーできたのが、勝因だったのかなと思います。
――インカレに向けての意気込みをお願いします
今回、春関の本戦も初めてですが、インカレの予選か本戦かはまだ決まっていない部分がありますが、どっちにしろ初出場になります。まだ時間はあるので、これから今回の大会で見つかった課題を修正してもう1段階、2段階くらい強くなってしっかり迎えられたらなと思います。