第6回は新チームの主軸を担うことになる4選手が登場。畠山尚主将(スポ3=神奈川・湘南工大付)・増田健吾(社2=東京・早実)組はダブルスで昨年以上の飛躍が期待される。さら関東学生トーナメント(春関)ベスト4という戦績を残した丹下将太(教2=東京・早実)や、チームの最上級生として期待がかかる武藤洸希(スポ3=東京・大成)にも注目だ。全日本学生選手権(インカレ)を前に、ここまでの大会についての振り返りやシーズンの目標などを伺った。
※この取材は11月15日に行われたものです。
『モチベーション維持が難しかった』
優勝を見据えて、丹下は戦っていく
――今年は新型コロナウイルスによる影響で、大会が軒並み中止となっていました。シーズン当初は大会が中止になっている現状をどのように受け止めていましたか
畠山 春先はテニスの調子も良く、大会でもある程度結果を残せていたので、大会がなくなった時は残念でしたが自分の時間が増えたと思ってプラスに捉えるようにしていました。
増田 今まで小学生の頃からほぼ毎日テニス漬けだったので、大会に追われることがない生活がとても新鮮でした。
武藤 目標にしていた大会がなくなったことで、次の目標をどこに置くべきかという点が難しかったので、モチベーションを維持することが大変でした。
丹下 終わりの見えない不安でモチベーション維持が難しかったですが、周りの選手と差をつけるチャンスだとプラスに考えることができました。
――大会が中止になる前まで、今年一年間どのような目標を達成したいと思っていたのか
畠山 まずは春関でインカレ本戦を決めてインカレで上位進出を目指す。リーグ(関東大学リーグ)、王座(全日本大学対抗王座決定試合)にダブルスで出場するという目標を立てていました。
増田 団体戦のメンバーとして活躍することです。
武藤 今年はインカレで活躍したいと思っていたので、まずは春関で単複インカレに出場するということを目標にしていました。
丹下 春関、インカレで優勝を目標にしていました。
――4選手とも新進に出場されていましたが、個人的にどの程度満足のいく大会となりましたか
畠山 初めて関東大会でシードも付き。増田と2人で優勝を目指していましたが、ベスト4という結果に終わりました。しかし昨年よりかなりランキングも上がり自分の立ち位置が見えた大会だったので満足していました。
増田 優勝を狙っていたので、とても悔しかったです。
武藤 新進ではベストなプレーが1回戦からできていて、とてもテニスの内容は満足のいく大会だったのですが、最終的にけがで終わってしまったので、フィジカル面では課題が見つかりました。
丹下 一年目の春関、インカレ、夏関と思うように戦績を残せなかったので優勝という結果が残せてかなり満足しています。
――自粛期間はどのようなトレーニングをされていたのですか
畠山 テニスコートが使えなかったので、軽くランニングをしたり長倉(謙伸、スポ4=静岡)さんと寮で毎日筋トレしてました(笑)
増田 自宅に卓球台を買って、反射神経を鍛えていました。
武藤 自粛期間は家で猫と走り回っていました。食べる量が減り、痩せてしまったので食事と筋力トレーニングにも励んでいました。
丹下 近くの公園でランニングをしてリフティングをしました。自重での筋トレも行いました。
――どのようなことが自粛期間の息抜きとなっていましたか
畠山 そうですね〜(笑)。普段テニスでしか関わっていないので長倉さんとゲームをしたりお菓子を食べたりダラダラする事が息抜きでした(笑)。
増田 ウクレレの弾き語りに挑戦していたことです。
武藤 主に猫に息抜きを手伝ってもらっていました。
丹下 リフティングやダンスなど今までやったことないことにチャレンジしたことが息抜きにつながりました。
『木元・田中組のダブルス』
畠山(左)・増田組はダブルスのレギュラーメンバーとして今後は期待される
――早慶戦(早慶交流試合)春関の開催が決まった際の心境について
畠山 この状況の中で開催できると思っていなかったので、4年生にとっても僕らにとっても開催することは、とてもうれしい事でした。
増田 4年生の引退試合となる大会が行えることにうれしさを感じていました。
武藤 急に開催されることが決まり、準備する期間が足りないという焦りを感じましたが、試合ができる喜びの方が大きかったです。
丹下 正直今年中に試合はもうないと思っていたので驚きました。連戦を戦い抜くためのテニスの状態まで上げきれていなかったので焦りました。
――早慶戦(早慶交流試合)に向けて、どのような練習をしたのか
畠山 僕は早慶戦のメンバーに初めて選ばれて1、2年生の時はサポートだったので試合に出られるように練習試合から本気で勝ちにいくことを意識してました。主にダブルスの練習を多く行っていました。
増田 試合に出場することはできなかったのですが、ペアの畠山さんと一緒に個々のスキルを上げることを意識していました。
丹下 試合勘が鈍っていたので積極的に練習試合を行いました。それに加え、不安に感じる各ショットで球出しを行い、球数を打つことで不安要素を取り除きました。
――早慶戦で印象に残った試合について
畠山 全部の試合印象に残っているのですが、木元(風哉前主将、社4=埼玉・早大本庄)さんの試合が特に印象に残っています。主将で最後チームの勝ちを決めたシーンはとても感動しましたし、自分もそんな主将になりたいと思いました。
増田 木元・田中(優之介、スポ4=埼玉・秀明英光)組のダブルスです。試合にかける情熱を強く感じることができ、感動しました。あの試合で勢いづいたと思います。
丹下 木元・田中組のダブルスです。2人とも最高学年で最後の早慶戦ということで2人のプレーからかなり勝ちたいという気持ちがヒシヒシと伝わってきました。早慶戦優勝のターニングマッチだと感じました。
――4年生が引退となり、4選手とも責任がより一層重くなりましたが、今どのように受け止めていますか
畠山 いつまでも自分のことばかり考えていてはいけないので、チームのこともしっかり考えて行動できる人になりたいと思います。自分自身まだまだ未熟ですが、テニス面でも誰よりも努力する姿勢をみせて言葉ではなく行動で示していきたいと思います。
増田 今までよりも遥かに責任を感じています。そのため、今大会ではチームに信頼してもらえるような結果を出したいと思っています。
武藤 今よりもさらにレベルアップしなければならないと感じていて、最上級生という立場とともにテニスでもチームを引っ張りたいと思っています。
丹下 4年生が抜けた今、責任や重圧がより一層重くなったことは十分承知しています。しかし、選手として4年生とともに早慶戦を経験できたことでチームを牽引する準備はできたと自負しています。次は自分たちの番だと覚悟を決めて頑張ります。
――春関での自身のテニスを振り返ると
畠山 シングルスは一度も本戦に上がった事がなかったので、シングルスではインカレにはいけませんでしたが来年につながる良い試合だったと思います。ダブルスでは優勝を目指していましたがベスト8で終わってしまいとても悔しかったです。自分たちの課題が浮き彫りになったので今必死に増田と練習してます。
増田 全体に課題が多く見つかりました。強くなるためにやるべきことは多いですが、その分伸び代があるとプラスに捉えています。
丹下 まず初めてシングルスでインカレ出場を決めることができ、うれしいです。テニスの技術的な面ではかなり良かったと思います。しかし、気持ちの弱さが顕著になった大会でした。
――春関で納得できなかった部分とは
畠山 今年はインカレ予選が無いこともあり他大との実力差がはっきり分かりました。男子はインカレに行くだろうという人が負けることが多かったので納得できない部分というか。危機感が強く残り、練習内容など見直すきっかけになったと思います。
増田 優勝を目標にしていたので、それを達成できなかったことです。
武藤 コートサーフェスに合わせる時間がとても長くかかってしまったことが今大会で一番悔いが残りました。
丹下 準々決勝、準決勝とリードしたところから逆転を許すことがありました。試合を決めきる力、相手を仕留める力が欠けていることが浮き彫りになりました。リードした時の思考の仕方を考え直す必要があると感じました。
「今大会では結果を出したい」(武藤)
上位進出を目指して武藤も戦っていく
――インカレまで日が短いですが、どのようなことを意識して調整していますか
畠山 毎日増田と練習する様にして、全てのショットの精度をあげることを意識しています。特にボレー、サーブ、リターンに重点をおき、不安要素を取り除く様にしています。
増田 ペアの畠山さんとコミュニケーションを多く取って、思いや考えを共有しています。
武藤 ショットの調子を確認しつつ、コートサーフェスに合わせることを意識しています。
丹下 まず春関で明確になった気持ちの弱さを克服するために逆転されてしまった試合の時の自分の心境を整理しました。テニスの状態は良いので、けがに注意して調整しています。
――対戦カードが決まった際の率直な印象について
畠山 シードに入った事を知った時は少しうれしかったです(笑)。まぁ、それで浮かれる事なくしっかりやっていこうと増田と話しました。
増田 新進で負けた相手と3回戦であたるので、リベンジしようと思いました。
武藤 勝ち進んだ場合、関西の優勝者と対戦することになるので。普段戦う機会があまりない相手なので楽しみです。
丹下 1回戦から強敵が続く印象でした。一戦一戦、自分の全力を出して戦いたいと思います。
――負けたくない相手はいますか
畠山 上のシードに春関優勝で新進でも対戦した熊坂拓哉・堀内竜輔組がいるのでそこには絶対に負けたくないですね(笑)。チャレンジャー精神で一つ一つ勝ち上がっていきたいと思います。1番の敵は自分たちだと思うので、相手もそうですが自分たちに勝ちたいと思います!
増田 決勝で白石(光、スポ2=千葉・秀明八千代)・丹下組と当たって勝てたら最高です。
丹下 全員に負けたくないですね(笑)。
――インカレで、これまで出場されてきた大会を振り返ると
畠山 昨年が初出場で予選を勝ち上がってベスト16でした。インカレに出場したことはうれしかったのですが勝ち上がって筑波の川橋勇太・加藤拓巳ペアに勝てたのもとても思い出に残っています。
増田 去年は予選からだったため、チャレンジャー精神で挑めました。今年はある程度のプレッシャーを抱えて挑むことになりますが、縮こまることなく思い切ってプレーしたいです。
武藤 これまでの大会では良い戦績を残せていないので、今大会では結果を出したいと思います。
丹下 去年のインカレはシングルスで本戦に上がることができなく、悔しい思いをしたので一つでも多く勝てるように頑張ります。
――今年は会場が岐阜から四日市に移りますが、その点についてどのように感じますか
畠山 僕は会場でプレーした事がないんですけど、ペアの増田はインターハイ(高校総体)をそこで経験していて、どうやら増田が覚醒するコートらしいので期待してみていたいと思います(笑)。
増田 高校3年生のインターハイが四日市でした。この会場には良い思い出があるので楽しみです。
武藤 岐阜のコートはプレーしやすかったので残念です。四日市のコートでプレーすることは初めてなので、コートへの対応を早めに行えるようにしたいです。
丹下 今回開催される四日市会場は、僕が高校3年生の時に出場したインターハイ会場と同じ会場になっています。かなり相性は良いと思うので楽しみです。
――四日市での楽しみなどはありますか
畠山 試合が1番楽しみです!試合以外だと初めて行くのでご飯とか観光とか…(笑)。まずは試合に集中したいと思います(笑)
増田 美味しいものを食べたいです。
武藤 四日市の名物のトンテキを食べることが楽しみです。
丹下 トンテキが美味しそうなので食べたいです(笑)。
――インカレではどのようなプレーをしたいですか
畠山 昨年と違って結果を求められる立場になったので良い時も悪い時も2人で話し合ってどうしたら勝てるのかを模索しいきたいと思います。ツーアップすれば自分たちの形に持ち込めると思うので前を意識してプレーします!
増田 堅実かつ大胆にプレーしたいです。
武藤 内容よりも結果にこだわって、勝ちに行くプレーをしたいです。
丹下 一戦一戦集中して戦いたいです。覇気を出して戦います。
――最後に具体的な目標をお願いします
畠山 優勝します!
増田 優勝です。
武藤 1日ごとに、その日勝つことを目標にして頑張りたいと思います。
丹下 単複優勝です!!
――ありがとうございました!
(取材・編集 大島悠希)
◆畠山尚(はたけやま・なお)
1999(平11)年4月2日生まれのA型。神奈川・湘南工大付高出身。スポーツ科学部3年。
◆武藤洸希(むとう・こうき)
1999(平11)年8月12日生まれのO型。東京・大成高出身。スポーツ科学部3年
◆丹下将太(たんげ・しょうた)
2000(平12)年8月10日生まれのA型。東京・早実高出身。教育学部2年
◆増田健吾(ますだ・けんご)
2000(平12)年11月13日生まれのA型。東京・早実高出身。社会科学部2年