【連載】令和2年度庭球部不定期連載特集『決意』/全日本学生選手権前対談 第5回 白石光×安藤優希

庭球男子

 小学校の頃から腐れ縁である安藤優希(スポ2=東京・日出)、白石光(スポ2=埼玉・秀明八千代)の2選手が登場。それぞれ団体戦ではレギュラーメンバーとして活躍をしており、早大には欠かせない戦力である。三菱全日本選手権では4年連続の初戦敗退と悔しい思いをした白石であるが、続く一般大会ではトッププロ相手に連戦連勝。勢いに乗っている。安藤はシングルスでインカレ出場を逃すまさかの結果に。ダブルスで借りを返したいところだ!

※この取材は11月14日に行われたものです。

※白石選手には、後日安藤選手の回答を参照しながら取材致しました

「でも同期としては、トッププロに勝って勝ち進んでいるのでそこは誇らしい」(安藤)

 

白石選手が快進撃を見せたことで、一人で対談に応じてくださった安藤選手。後日快く質問に答えてくださった白石選手もありがとうございました!

――今回は白石選手が一般大会を勝ち進み、一人での対談となりましたが

安藤 いてほしくない時に部室にいるんですけど。こういう風にいてほしい時にいないのは、さすがだなと思います(笑)。でも同期としては、トッププロに勝って勝ち進んでいるのでそこは誇らしいです。

――お二人は、小さい頃からの仲だとお聞きしましたが

安藤 東京でずっと一緒で。小学校の頃から大会に行ったら白石がいるみたいな感じでした。今は仲がいいですけど、ムカつくことも言ってくるのであまり好きではないです(笑)。まあ冗談なんですけど!(笑)

白石 はい。小さい頃からスクールの系列が同じで何度も遠征一緒に行きました。こうやって同じ大学にいるのは不思議な感じですね(笑)

――2年生代は個性豊かな代だと思うのですが、どのような代ですか

安藤 皆、本当に性格が良く。男子も女子も明るい子ばかりです。男女で仲がいい学年だと思います。テニスへの向き合い方としても意識が高いです。オフコートで遊ぶ時は遊ぶし、やる時はしっかりやる選手たちが多いので、私もいい同期に恵まれたなと思います。

白石 一言で仲がいい!ですね!いろいろな個性を持ってる人がいて、毎日が楽しいです(笑)はやく同期旅行とか行きたい!!!!

――主将対談の時に松本(妃那、スポ3=福岡・柳川)さんが安藤さんのことをメリハリがあって見習わないとなと、話していましたが

安藤 いや〜。うれしい。めちゃくちゃうれしいです。ジュニアの頃から妃那さんとは仲良くさせてもらっていて、本当に小学生からの付き合いなのですが。大学の先輩になり、結構妃那さんと遊びに行ったりしているのですが、コートの上になるとオーラがあって。いい意味で怖い選手なので、すごいかっこいいなと思っています。

――オン、オフの切り替えは意識する部分なのでしょうか

安藤 意識していなくても、昔からコートに立ったら、しっかりやろうと思っています。気持ちが乗らない日もあるのですが、コートに立っていたらしっかりやらないと。時間も無駄だし、けがもしてしまうし。そういうのは習慣としてあります。

――コロナ期間はどのように過ごしてきましたか

安藤 私は実家が東京で。コートはどこも使えないですし、近くの公園にある壁打ちも閉鎖されてしまい。家の近くでもクラスターが起きてしまったらしく、日中外に出るのは控えるように言われていました。家の中でできるトレーニングをして、夜の10時半とか本当に人が少なくなってからランニングとかを習慣としていました。生活リズム的には寝るのが遅くなって。自分なりにトレーニングをすることをできていました。かなり運動量が落ちていて、自分の意識でやる範囲には限度はありました。復帰したての頃は体力が落ちているのを感じました。

白石 コロナ期間はずっと寝てました(笑)。本当に夜更かしして、朝ゆっくり起きて…。ニートみたいな日々でした。東京にいたので、テニスする場所もなかった。とりあえず暇潰しを探してましたね(笑)

――今まではテニス漬けの毎日だったと思うのですが、自粛期間はどのように切り替えていましたか

安藤 家族といる時間がすごい多かったので、それは楽しかったです。テニスを5歳くらいから始め、小学生から試合ばかりで休みの日があまりなかったので、すごいいい時間でした。やはりテニスが長い間できないと寂しい気持ちはありました。毎日テニスをしているとしんどく感じる時もあるのですが、できないと自分ってテニスが好きなんだなと感じました。

白石 そうですね。逆にここまでテニスをしなくていい日々は珍しいので。テニスができなくて焦ることなく、ゆっくりしてました!自分がけがでできないとかじゃなくて、みんな平等にできていないので。ノンプレッシャーって感じでした。

――自粛期間中に、インスタに二女の動画が上がりましたが

安藤 何をやるかですごい話し合いましたね。卓球ボールを入れるんですが、めちゃくちゃ時間かかりました。最初は難易度高いのを考えてはいたのですが、まじで入らなかったので簡単になりました。あーいうのがあったことで話す話題も増えたし、会えなくても皆と連絡を取れたので、結構楽しかったです。

――それをご覧になり、白石選手は

白石 あれめっちゃ凄かったですね(笑)。自分もやってみたかったです!

――自粛が解けてから、久しぶりに部員と会えるようになった時は

安藤 めちゃくちゃうれしかったです。毎日当たり前に会っていた友達と久しぶりに会って、すごく懐かしい感じはしました。練習が当たり前にできていたのが、当たり前じゃなくなった時に、そして日常が戻ってきた時に、すごい当たり前の生活がありがたいなと感じました。

白石 いや〜楽しかったし、うれしかったですね!ほんとに半年くらい会ってない人もいたんで、「あれ、太った?」って思う人も多々いましたけど、内密に。(笑)

「単複優勝できるように頑張ります!」(白石)

白石は一般大会でトッププロを破るなど、今勢いに乗っている(写真は全日本選手権時のもの)

――大会の再開が決まった時に、どのような心境でしたか

安藤 正直今年は試合ができないのではと思っていました。練習が久しぶりにできてうれしかったので頑張れていたのですが。正直試合が延期されていたし、できるとも思っていなくて練習をしていた時期がすごく長く。本当に早慶戦(早慶対抗試合)や春関(関東学生トーナメント)ができそうとなった時は、最初驚きました。試合が一番楽しいので、久しぶりの試合がうれしかったです。

白石 うれしい気持ちの反面、今年のモチベーション的に試合がないと思っていたので、切り替えるのが少し難しかったです。でもまあ、うれしい気持ちのがやっぱり大きいですね。練習ばっかしててもつまらないし(笑)。やっとできる!っていう思いでした。

――早慶戦に出場されましたが、振り返ると

安藤 すごく緊張しました。個人戦は負けても勝っても自分だけの話なのですが、自分の一勝がチームの勝敗に関わると責任は重く。自分がオーダーに入っても入ってなくてもチームが勝てるように準備していました。そういうのは、試合に出て、緊張した場面でもイメージして試合に入ることができました。セカンドセットで勝ちが見えた時に、プレーが良くなくなったので、そこは悪かったなと思いました。

――レギュラーとして定着しつつある現状を、どのように捉えていますか

安藤 正直足りないことだらけです。代表で出してもらってるのはありがたく、サポートしてる子たちを見ながら感謝の気持ちしかないです。もっと実力を上げないといけないなと。堂々と胸を張れるほど自分に実力があるとは感じていなく、レギュラーとしてチームに携わっているので、もっと強くならないと申し訳ない気持ちはあります。

――団体戦を終えて、代が変わりましたが

安藤 例年はリーグ、王座があって4年生が引退をするのですが、今年は新チームですぐにあるはずの試合が最後だったので、今でもまだ実感が湧いてない部分はあります。新しいチームで自分が上級生になることに、まだ実感がないです。新4年生がいろいろと考えてくるのは伝わってくるので、自分も上級生になるのでしっかりサポートできるように頑張りたいと思います。

――上級生になることに関しては

安藤 本当に早いというのは感じます。もう大学も折り返しなのは実感も湧かないです。今までは先輩に付いていく立場だったのですが、これからは後輩を引っ張っていく立場になるので、自分の行動が本当に大事になってくると思います。言わないといけないことはもっと厳しく言わないといけないですし、言うためには自分も厳しくやらないといけないので、もっと責任を持って過ごしていきたいと思います。

白石 もう上級生??っていう感覚です。まぁ正直自分は後輩に怒る事もないし、下から敬語を使われる事も少ないので今までと変わりはないと思いますけど(笑)。今までと変わらずテニス頑張るだけです(笑)

――王座を未だに経験できてない部分について

安藤 私が入るまで13連覇していて、正直早稲田に入れば王座を取れると思っていた部分がありました。王座(全日本大学対抗王座決定試合)で戦う経験をしないまま上級生になるとは思っていなくて。他大学も力を付けているので焦りはすごくあります。勝って当たり前というよりも、負けていることでチャレンジャーとして挑めることは。次のリーグ(関東大学リーグ)があるのであれば、新チームで力を付けて、王座で優勝したいです。チーム皆で頑張っていきたいと思います。

――春関はどのような意気込みで臨まれた大会でしたか

安藤 早慶戦があったので試合勘はあったのですが。早慶戦に向けてずっと頑張っていたので、早慶戦が終わった後に一安心した部分がありました。それが良くなかった部分はありました。もっと春関に向けて切り替えないといけなかったのですが、早慶戦が一区切りついたことによってホッとしすぎた部分がありました。

――春関について振り返ると

安藤 本当にしんどい大会でした。自分の良い部分を全く出せないままシングルスは負けてしまい。今でも切り替えられない部分はあります。練習コートに立つと、あの時の悔しさをまだ思い出してしまいます。いいプレーしないと勝てないので、それを再確認しました。勝ちに相応したプレーをした選手が勝つのであり、勝つには強い気持ちを持ってプレーをすべきだったなと思います。まだ切り替えることはできていないのですが、今回の負けはいい経験になったと思います。

――全日本学生選手権(インカレ)ではどのようなプレーしたいですか

安藤 勝ち負けに関しては試合中考えない。勝ちに一番近いプレー、自分の最高のテニスをするのを、毎ポイント毎ポイント集中してプレーする。勝利を待とうとするのではなく、自分から取りに行く気持ちで。そういうプレーを自分からポイントを取りに行くプレーをしたいです。

白石 インカレは最初から優勝目指して、負けられないという思いでやろうと思います。もちろん遠慮せずに。

――去年は夏に岐阜でインカレが行われましたが、今回は秋に四日市で試合が行われることになりましたが

安藤 私は夏の試合が好きなので、その時期に試合がなかったのは正直残念です…。ちょっと寒いかもしれないのですが。インカレは夏にやるイメージだったので。秋でもできることはありがたいので、試合があることに感謝し。気持ちでいきたいと思います。

白石 僕は結構暑い中で試合するのは苦手なので、そんなに嫌じゃないですね!!しかもインハイ(高校総体)優勝の地なので、良いイメージはあります!

――ドローが決まりましたが

安藤 一試合一試合頑張っていきたいなと。相手がいるスポーツなので相手も大事なのですが、どんなに相手が強くても自分たちがいいプレーをすれば勝つこともできると思います。相手が勝てるはずと思った相手でもいいプレーをしないと負けるので、自分たちのプレーができればなと思います。

白石 正直そこまで悪いドローではないと思いますが、ベスト8までファイナル10ポイントということで一戦一戦気を抜かずにいきたいと思います。

――最後にインカレへの意気込みをお願いします

安藤 勝ちにいきたいと思います。勝ち負けを試合の中で考えすぎるのではなく、1ポイント1ポイントしっかりと相手を振って、強い気持ちでプレーしたいなと思います。

白石 はい!単複優勝できるように頑張ります!

――ありがとうございました!

(取材・編集 大島悠希)

◆白石光(しらいし・ひかる)

2000(平12)年5月22日生まれのO型。千葉・秀明八千代高出身。スポーツ科学部2年。

◆安藤優希(あんどう・ゆうき)

2000(平12)年7月2日生まれのO型。東京・日出高出身。スポーツ科学部2年