下地・吉岡組が同士討ちを制す。男子ダブルスは好プレーを見せるも惜敗、ベスト8が最高位に

庭球男子

 関東学生トーナメント(春関)もいよいよ大詰めに。この日は男女のダブルス準々決勝、インカレ決めコンソレーションの準決勝と決勝が行われた。女子ダブルス準々決勝では、倉持美穂(商4=東京・早実)・松田望愛(文構2=東京・早実)組と下地奈緒(社4=沖縄尚学)・吉岡希紗(スポ2=三重・四日市商)組の同士討ちが行われるなど好カードが複数見られた。

畠山・増田(写真)組は善戦虚しく敗れた

 男子はまず、畠山尚主将(スポ3=神奈川・湘南工大付)・増田健吾(社2=東京・早実)組が準々決勝に臨んだ。相手は佐野有佑・高清水研人組。団体戦のレギュラーに名を連ねる強敵だ。ファーストセットは、サービスゲームをしっかりキープしてリターンで思いきり行くという得意の形に持ち込む。並行カウントのままタイブレークに突入、8ポイント目でついにミニブレークに成功、セットを獲得した。セカンドセットは中盤からミスが増えてしまい、試合はファイナルセットに突入する。互いにいいプレーを見せ、ボレーボレーのラリーが続く緊迫した展開となる中、「相手のプレーが上回った」(畠山)というように、あと1歩及ばなかった。中盤以降にリードを許し、8―10で接戦を落とした。池田朋弥(スポ1=愛知・誉)・高畑里玖(社1=兵庫・相生学院)組はインカレ決めコンソレーションに登場。準決勝で勝利し、インカレ出場をかけて決勝に挑んだ。ファーストセットは最初、0―2とリードされるもそこから4ゲームを連取。セカンドセットも同じような展開となり、2―2に追い付く。しかし池田のファーストサーブが決まらずブレークを許し、ファイナルセットを迎えた。畠山・増田組同様こちらも緊迫した展開となり、シーソーゲームとなる。その中でしっかりと相手のストロークをボレーでさばき、14ポイント目でこのセット2度目のミニブレークに成功。そのままマッチポイントを迎えた。しかし、「気持ちが弱いところが出てしまった」(池田)と相手の強気のプレーに押されて追いつかれてしまい、逆転負けを喫した。インカレ出場まであと1ポイントというところまで迫っただけに悔しい結果となってしまった。

 女子ダブルスの同士討ちで先に主導権を握ったのは倉持・松田望組であった。次々と繰り出されるコースを突いたショットに、下地・吉岡組は勢いに飲まれるかと思われた。しかし、「相手がリスクを負ったプレーをしてきていたのですが、それはあまり長くは続かないかなと思った」(下地)と語るように、徐々に試合最初の勢いがなくなっていく。ミスが増えていくと、次第に下地・吉岡組が持ち味を発揮。終わってみれば、6-3、6-3の完勝だった。倉持・松田望組も序盤に見せ場をつくるなど、全日本学生選手権(インカレ)での活躍に期待が持てる内容であった。石川琴美(社2=東京・白鵬女子)、神鳥舞(スポ1=東京・早実)組は早慶対抗試合(早慶戦)で対戦したペアとの再戦に。早慶戦では息の合ったプレーで圧倒した相手であったが、この日はなかなかプレーが噛み合わず。試合を通して、石川、神鳥双方のミスが目立っていた。試合前の「チャンスがない相手ではない」との分析が示す通り、本来の自分たちらしいプレーを貫くことができていたら、勝利することも決して難しくなかったはずだ。終盤には良いプレーも見られただけに非常にもったいない試合となった。インカレ決めコンソレーションには、安藤優希(スポ2=東京・日出)・押川千夏(社2=福井・仁愛女子)組が出場。準決勝を4−1、4−2で勝利し、臨んだ決勝。試合序盤から表情に固さは見られたが、いきなりブレークをする幸先のいいスタート。ファーストセットを難なく獲得した。しかしセカンドセットは思い切りプレーをしてきた相手に対し、安藤・押川組は勝利を意識しすぎてしまった。3連続でゲームを奪われるなど流れを持っていかれる。その後は開き直り、第4、5ゲームを連取。第6ゲームもリードする展開まで流れを引き戻したが、相手の好プレーを前にセカンドセット獲得とはならなかった。「出だしから集中しよう」(押川)と臨んだファイナルセット。先にリードを奪ったが、相手も粘りを見せて6-6と追い付かれてしまう。「6-6からは強気のプレーができた」(安藤)と振り返るようにリードを再び奪うと、そのまま相手を押し切ってインカレ出場を決めた。

試合終了後、安堵からか喜びの表情を見せた安藤・押川組

 男子ダブルスは最高位がベスト8と、目に見えた結果を残すことができず終わった。畠山・増田組、池田・高畑組とシード勢の選手たちが結果を残せなかったことは、今後を見据えると非常に痛い。昨年までの団体戦ではダブルスを勝ち越してシングルスへ折り返すことが大半で、シングルスに出場するプレーヤーにとっては大きな安心感となっていた。これまでダブルスの中軸を担ってきた4年生の代わりをどこまで務めることができるか。彼らの頑張りに期待していきたい。

(記事 大島悠希、山床啓太 写真 渡邉彩織)

結果

男子ダブルス
▽男子ダブルス 準々決勝
●畠山尚・増田健吾 [7-6(3)、4-6、8-10] 佐野有佑・高清水研人(法大)
▽男子ダブルス インカレ決めコンソレーション準決勝
○池田朋弥・高畑里玖 [4−1、4−2] 矢島淳揮・村田雄飛(法大)
▽男子ダブルス インカレ決めコンソレーション決勝
●池田朋弥・高畑里玖 [4−2、2−4、10-12] 田中隆輔・白藤成(慶大)
女子ダブルス
▽女子ダブルス 準々決勝
○下地奈緒・吉岡希紗 [6-3、6-3] ●倉持美穂・松田望愛
●石川琴実・神鳥舞 [4-6、4-6] 大村千乃・望月菜々子(慶大)
▽女子ダブルス インカレ決めコンソレーション準決勝
○安藤優希・押川千夏 [4-1、4-0] 小林彩夕里・木村薫(立大)
▽女子ダブルス インカレ決めコンソレーション決勝
○安藤優希・押川千夏 [4-1、2-4、10-7] 田中陽子・谷井涼香(駒大)

コメント

畠山尚(スポ3=神奈川・湘南工大付)・増田健吾(社2=東京・早実)

――第1セットは互いにサービスゲームをキープし合う展開となりましたが、振り返っていかがですか

畠山 僕たちの試合の傾向はサービスゲームをキープしてリターンゲームで思いきりやるという感じなんですけど、今日の試合もファーストセットはタイブレークに行く流れだったのでそこでしっかりタイブレークを取り切れたというのは強みで良かった点かなと思います。

――タイブレークについては具体的にいかがでしょうか

畠山 タイブレークも2ポイントずつサービスポイントを取り合っている中で、先にこちらがミニブレークできました。僕たちはそういう展開が多いのでいつも通りだったかなと思います。

――第2セットはブレークされた後、すぐにブレークバックして、またブレークされてしまいましたが、その点については

畠山 ブレークされて特に気落ちすることもなく、次のゲームですぐにブレークバックできたんですけど、そこでテンションが上がりすぎたのか、冷静でなくなって。勢いで乗れれば良かったんですけど、プレーでも気持ちでもメンタルコントロールがうまくできませんでした。そこは反省点です。

――その後ミスが増えたように見えましたが、そういうところに原因があるのでしょうか

畠山 特に何か意識したわけではないんですけど、やはり技術面がそこで一気に出てしまったと思います。

増田 ブレークバックしたその次のゲームが畠山さんのサーブだったんですけど、あまり作戦とかを考える間もなく勢いで行こうという感じになって、相手に良いリターンを通されて取られてしまいました。もう少しそこで頭を一捻りできたら良かったなと思います。

――ファイナルセットも先にミニブレークした後、すぐにブレークバックされてしまいましたがその点については

畠山 お互いに良いプレーができていたので、取られたものは仕方がないというところはありました。それでも僕らのプレースタイル上、接戦になることが多い中で今日は相手のプレーが上回ったというか、こちらの技術不足が浮き彫りになりました。課題が見えたかなと思います。

――技術面の話で、今日の試合はボレーの打ち合いが多かったと思いますがその点については

畠山 普段はあのような相手とやることがないので、単純に経験不足でした。今日みたいな相手に勝てるように練習していかないといけなくて、ボレーで勝負していきたいと思っているのでボレー力も上げたいなと思います。

増田 ボレーボレーの展開が多くて、そこで相手の方が一歩上だったかなと感じたので、インカレ(全日本学生選手権)前にはそこを潰して自分たちの強みにしていきたいなと思います。

――インカレに向けて意気込みをお願いします

畠山 昨年はベスト16という結果だったんですけど、今年は優勝を目指して2人でもう1週間練習して頑張りたいと思います。

増田 インカレに行けるペアが早稲田から決まっているのが2組で池田・高畑がどうなるかわからないんですけど、その中で僕たちが勝たなければいけないという責任感はあります。それを感じつつも、思い切って優勝を目指して頑張りたいと思います。

池田朋弥(スポ1=愛知・誉)・高畑里玖(社1=兵庫・相生学院)

――今の率直な気持ちをお聞かせください

高畑 とりあえず悔しいです。チャンスがあっただけに。向こうの方が経験なのか分からないですけど最後強気に出てきて。自分たちも強気で行くつもりだったんですけど、自分は特にボロが出てしまったので、そういう競った場面でいかに強気で行けるかというところが、勝敗を分けてくるのかなと今の試合を通して思いました。なので切り替えて次の大会に向けてダブルス練習を多めに取り入れていきたいなと思います。

池田 僕はシングルスで負けてしまっていて、ダブルスで絶対に行こうと思っていたんですけど、最後自分もボレーとかが弱気で。強くボレーしないといけないところで、気持ちが弱いところが出てしまったので、次の大会までに勝ち切れるように練習したいと思います。

――第1セットは最初に2ゲームをリードされた後、逆転して取りましたがその点については

高畑 僕が取ったというよりは朋弥がいい動きをして本当に1人でやってくれたようなものなので、そこはすごく助かりました。

池田 0―2だし、2人で試合前から楽しもうと話していたので、2人で楽しく思いきりやった結果、0―2から4―2にできたと思います。

――第2セットも2ゲームを取られた後、2―2にするまでは同じ展開でしたがその後取られてしまいました。その点の違いなどはいかがでしょうか

高畑 別に僕らが悪かったというよりは、向こうがそこで一気にギアを上げた感じでした。そこで何かをするにはメンタルの強さが必要だと思うんですけど、仕掛けてきたので、そこで僕たちが仕掛けていかないといけなかったのかなと思います。

池田 1―2でブレークして2―2になって、僕のサービスでファーストサーブが入らなくなって、相手がどんどん前に入ってきて押されていた感じがしました。大事なところでもファーストサーブをきっちり入れられるメンタルと技術をつくっていかないとだめだなと思いました。

――関東学生トーナメント(春関)のダブルスの試合全体を振り返っていかがですか

池田 これが2人で組んだ最初の大会で、これからあと3年ありますし、練習不足だったと思うのでもっと2人で練習して来年は優勝できるように頑張りたいです。

高畑 自粛とか早慶戦とかがあってペアリングができない中でいきなり試合に挑む形になってしまいました。その中では本選で負けた反省を生かしてコンソレーションに行ったんですけど、そのコンソレーションでの戦いは別に悪くはなく。このまま練習し続けたら来年にはもっと完成したダブルスになるのかなと思うので、しっかりめげずに今回の結果と向き合って、来年上位進出できるように頑張りたいと思います。

――今後の大会に向けて改めて意気込みをお願いします

高畑 僕たちは高校の時にいろいろな試合に出て、いろいろな経験をしてきているので、しっかりそれを生かしつつ。今回大学のレベルの高さを感じることができたと思うので、来年は春関までに自分たちの絶対に取れるというポイントパターンを見つけてインカレで優勝します。

池田 まだ先になるんですけど夏関(関東学生選手権)とか来年の春関とか、これで終わりではないのでどんどん一般の大会にも高畑と組んでいろいろ出て、それでしっかり自分たちの形をつくって来年は優勝したいです。

石川琴美(社2=神奈川・白鵬女子)

――早慶戦の再戦となりましたが、どのようなプランを立てて臨みましたか

早慶戦は2セットで勝てたのですが、個人戦ですし風もなかったので、この間と同じようにいかないのは分かっていました。その部分は神鳥(舞、スポ1=東京・早実)とも話していました。チャンスがない相手ではないと分かっていたので、しっかりと自分たちのプレーをいつも通りにしようと試合前に話していました。

――ファーストセットは序盤からリズムに乗ることができませんでしたが

最初の4ゲームをブレークしあい、その後に4-2でリードして自分たちの流れになってきたところで。そこまでは良かったのですが、リードしてから自分たちのミスが続いてしまいました。取るべきところで取れなく、結果的にファーストセットを落としてしまいました。相手を勢いに乗せてしまったのではないかと思います。

――ミスが続いてしまった場面では、どのような心境だったのですか

気持ち的に引いてしまった部分があり、勝たなきゃいけない勝たなきゃいけないとプレーだけに集中することができませんでした。

――感情が少し表れているようにも感じたのですが

そういうのは出してはいけないと思うのですが。シングルスをやっていても不安そうだとコーチ陣から言われているので。やばいと思っていても、プレーに全然影響しないくらい自信を持ってやれるくらいにならないといけないなと感じました。

――自信を積み上げていくためにはどのようなことをしていきたいですか

器用なタイプではないので、自信が付くまで練習をする。試合でこれくらい練習したから怖くないと思えるくらいまで。インカレ(全日本学生選手権)まで期間は短いですがやり込んでいきたいと思います。

――インカレまでにどのような部分を詰めていきたいですか

ストロークがあっていない部分があったので、しっかりと修正できる部分を一つ一つ丁寧に修正していきたいと思います。大きくプレーが変わることはないと思うので、しっかりと強くいく部分や、勝ちに貪欲にプレーしていけるように、メンタル面も技術面もつくっていきたいです。

――インカレの意気込みをお願いします

単複ともに去年の成績を超えられるように。今日の試合は悔いが残ってしまったので、悔いのないように自分の力を出し切れるように頑張りたいと思います。

下地奈緒(社4=沖縄尚学)・吉岡希紗(スポ2=三重・四日市商)

――今日のプレーを振り返っていかがですか

吉岡 同士討ちということで、相手の苦手なところとか得意なところとかがお互いに分かっている状態だったのでやりにくい部分もあったのですが、分かっいる分、苦手なところを考えてプレーできたかなと思います。

下地 あんまり同士討ちということを意識せずに、自分たちのテニスをやろうと思っていたので、ちょっと均衡した場面もありましたが、そこでも落ち着いて強気で自分たちからポイントを取りに行けたかなと思います。

――前日までと比べ気温が低かったですが、体はしっかりと動かすことができましたか

下地 すごく寒くて、あんまりアップでもあたたまらなかったのですが、無駄に動くというかボールに慣れるよりかは体をわざとたくさん動くということを意識していました。

――ファーストセット序盤は相手ペアの方が勢いに乗っているように見えましたが振り返ってみて

下地 相手のショットがコートのぎりぎりのところに入ってきて、相手に流れが行きそうだったのですが、自分たちはそういうプレーに付き合うのではなくて焦らずに、コートをうまく使うようにこころがけました。相手がリスクを負ったプレーをしてきていたのですが、それはあまり長くは続かないかなと思ったので、そこは落ち着いて自分たちのうまくつくるというテニスができたかなと思います。

吉岡 最初、向こうはチャレンジャー精神で来ていたと思うのですが、こっちも引くことなく。取られても向こうが無理してのいいボールだったので、そこは私たちも我慢して行けるところでしっかりと自分たちから行くということを徹底的にやって、流れはしっかり止められたかなと思います。

――セカンドセットを振り返ってみて

下地 ファーストは落ち着いてできたので、セカンドも絶対にチャンスはあると思って、自分たちのサーブは絶対にキープしつつ、相手のサービスゲームのブレイクできるところをしっかりとということを意識しました。サーブがキープできていたので、リターンは思いっきりいけて6-3でしっかりまとめられたかなと思います。

吉岡 ファーストを取ることができたので、気持ち的に余裕ができたというわけではないですが、取っているという事実があったのでセカンドも思いきりいくところは思いきり、声を出すところは声を出して。昨日までは締めるところで締められなかったという課題があったので、今回はゲームで締め切れたので良かったかなと思います。

――今日のゲームでの収穫は

下地 相手にリードされたときに落ち着いてできたということで、自分たちが余裕を持ってできていると思うので調子は悪くないかなという自信がつきました。

吉岡 奈緒さんも言っているように勝たなければいけないとは言われているのですが、リードされたときに焦らず冷静にプレーができたので。次もしリードされたときも落ち着いてやればポイントは取れると思うので、リードされたとしても焦らずにできたらいいかなと思います。

――次戦への意気込みを

下地 春関で(ベスト)4に入ったのが初めてで、ちょっとドキドキするのですが。さっきも言ったように自信はしっかりと持ってできているし、吉岡と二人で自分たちのプレーをすればそんなに怖くないので思い切ってやりたいです。ラッキーなことでホームですることができるので、そこは味方につけて頑張りたいです。

吉岡 今回春関の手応えとしても不安な部分がそんなにないのと、私たちがしっかりとできれば負ける相手はいないとコーチにも言われているので、自信を持って思いっきりやりたいなと思います。

安藤優希(スポ2=東京・日出)、押川千夏(社2=福井・仁愛女子)

――インカレを決めた率直な気持ちをお願いします

押川 まずはちょっとほっとしています。コンソレで3つ勝たないといけないという厳しい条件。ショートセットの中で最後苦しかったのですが。2人で三重に行きたい気持ちがあったので、最後勝てて本当にうれしいです。

安藤 私もすごくほっとしました。話がずれてしまうかもしれないですが、今大会本当にしんどくて。シングルスは、自分はシードで1回勝てばインカレが決まる中で進むことができず、ダブルスも本戦でチャンスはあったのに行けず。大会期間も長く、精神的に本当にキツかった大会でした。自信もなくなっていたのですが、テニスの状態は良くなかったのですが。最後の10ポイントマッチでは空回りしてでも元気を出して勝つことができたので、すごく安心しました。

――準決勝は接戦とはならず勝つことができましたが

押川スコア的には楽に勝ったように見えるかもしれないですが、実際はショートセットという緊張する中での試合でした。本戦のダブルスで負けた要因が弱気であったり、受け身だったことなので、自分の中で勝ちにいこうと思い、強気でいくことを意識しました。

安藤 相手の選手もダブルスがうまい選手で接戦になるのかなと思ったのですが、要所要所で取ることができたのが勝因でした。ショートセットであったことが逆に良くて、もっとセットが長かったらどこかで流れが相手にいっていたのかもしれないですが、短かったのでグッと集中することができました。その結果、相手が勝てるビジョンが見えなくなってきたのではないかと思います。

――コンソレ決勝ではいつもに比べると表情が固かったですが、緊張などはありましたか

押川 緊張はありました。特にセカンドセットに入って出だしが良くなくて、私もそこで前向きにプレーすることができなくなってしまいました。そこは安藤に引っ張ってもらいながらも元気を出して、ファイナルセットにつなげることができました。

安藤 私は緊張よりも不安の方が大きく。今大会いいイメージがなく、接戦や勝負どころで取れるイメージがなかったです。また同じ展開かと気持ち的に。勝負どころを取っていると自信になるし、自信がある人が勝負どころに強いのですが。自信がなかったので、緊張より不安が大きかったです。

――ファーストセットを取った後のセカンドセットでは、相手が思い切ってプレーをしていましたが

安藤 向こうが思い切ってプレーするよりも、こっちが引いてしまった感じがしました。1セットを取ってこっちは余裕があるのですが、向こうは余裕がなかったので。相手より勝ちが近かったので、思い切りプレーしないといけないのですが、勝ちを意識しすぎていいプレーができない。やるべきことができてなかったです。

押川 私も同じ感じです。勝っているからこそ慎重にいかなくてはという気持ちが大きくなりました。思い切って出だしからいくことができなかったです。でも0-3になってからの流れは、うまくファイナルセットにつなげるものだったかなと思います。

――0-3から巻き返した部分のプレーを振り返ると

安藤 1セット目のようなプレーができるようになってきた。0-1もサービスゲームを落としてと良くなかったのですが、0-3になってからは吹っ切ることができました。スコアを気にせずプレーだけに集中したら、1セット目と同じような感覚でテニスをすることができました。

――ファイナルセットに向け、どのように気持ちを切り替えましたか

押川 10ポイントは技術だけでなく運や勢いもあるので、流れが大事になってくるので出だしから集中しようということは意識しました。

安藤 1ポイントが重いので簡単なミスをしないようにすること。本戦の10ポイントタイブレークではミスはしなかったけど相手にこられていたので、ミスをするなら強気のミスをしようとずっと考えていました。

――ファイナルセットを振り返ると

押川 6-3から初戦で負けた流れと同じ感じになってしまい、6-6まで追い付かれ、少し敗戦がよぎった部分はありました。しかしそこで1本取れたことで、悪い流れを断ちきれたのではないかなと思います。

安藤 10ポイントあるので普通のタイブレークよりも何があるか分からないので、逆に気を付けすぎて、またスコアが気になったりしていました。6-6からは強気のプレーができたので、良かったです。

――最後のプレーを振り返ると

安藤とりあえずミスをしないでラケットを振り切ろうと。シンプルなことを考えてプレーしました。

――試合数をこなしたことで良くなった部分は

押川 最初の方は噛み合ってない部分があったのですが、試合を重ねていく中で少しずつプレーが良くなってきたと思います。せっかく三重に行ける機会をもらえたので、本番のインカレで結果を残せるように練習していきたいと思います。

安藤 試合数はかなりできていて、いろいろな相手ともできています。押川とのペアリングも試合を重ねるにつれて良くなっているし、勝ちも負けも経験することができました。押川の特徴や、自分のよく分からなかった特徴と分かるようになってきたので。分かった部分が大きかったので、インカレの本番で絶対に生かしたいと思います。

――インカレでの具体的な成績の目標はありますか

押川 去年インカレでプレーすることができなかったので、単複両方の目の前の一戦一戦をしっかり戦っていきたいと思います。

安藤 私も同じで。ダブルスはシングルス以上に誰にでもチャンスがある種目だと思うので、いいプレーをした方が勝つと思うので、一試合でも多く戦うことが目標です。