法大戦で勝利を挙げ、全日本大学対抗王座決定試合(王座)進出を決めた早大。関東大学リーグ(リーグ)最終戦の相手は宿敵・慶大。春の早慶戦では6−3で快勝を収めたが、慶大も全日本学生選手権(インカレ)優勝の今村昌倫や全日本学生ランキング1位の羽澤慎治を擁する強敵だ。早大、慶大共にここまで全勝を保っており、189回目を数える伝統の早慶対抗試合(早慶戦)はリーグ優勝を懸けた一戦となった。
ダブルス1で起用された島袋将副将(スポ4=三重・四日市工)・千頭昇平(スポ3=愛知・誉)組は強敵の福田真大・今村組と対戦。試合を重ねるにつれてペアの連携を高めている島袋・千頭組は圧巻だった。サービスゲームを手堅くキープしペースをつかむと、島袋のリターンも冴え、立て続けにブレークに成功。試合開始から5ゲームを連取し、ファーストセットを6−1で奪った。セカンドセットは先にブレークを許したものの、「僕が少し(調子が)落ちてしまったんですけど、パートナーの千頭がしっかりと僕を引っ張ってくれた」と千頭の球際の強さも光り、相手に主導権を渡さない。その後も拮抗(きっこう)した展開が続いたが、両者持ち前のストロークでプレッシャーを掛け続けると、カウント5−5からブレークに成功。強敵をストレートで下し、早大に大きく流れを引き寄せた。
ダブルス3で全勝を続けている古賀大貴副将(スポ4=大分舞鶴)・安上昂志(スポ4=福岡・柳川)組はこの日も磨き上げられたコンビプレーを披露。古賀のストロークや安上のパッシングでポイントを積み重ね、一度もブレークを許さずに6−3、6−2で完勝。「絶対に取らなければいけないポジションで、しっかり一本を取るという期待通りの結果を出すことができた」(安上)。ラストイヤーを迎えた4年生ペアは、リーグ5戦全勝とその役割を果たしてみせた。
ダブルス2の木元風哉(社3=埼玉・早大本庄)・田中優之介(スポ3=埼玉・秀明英光)こそ要所でのミスが響き、ファーストセット、セカンドセットともにワンブレークダウンのストレート負けを喫したが、早大はダブルスを勝ち越してシングルスへと臨んだ。
リーグ5戦全勝で終えた古賀・安上組。ダブルス3としての役割を完璧に果たした
シングルスで1勝目を持ち帰ったのはダブルスでも活躍を見せたシングルス3の千頭。苦しみながらもファーストセットを取り切ると、セカンドセットは持ち前のキレのあるストロークを左右に振り分け相手を翻弄(ほんろう)。6−4、6−1のストレートで快勝を収め、早大の3勝目を挙げた。しかし、シングルス4の小林雅哉(スポ4=千葉・東京学館浦安)はファーストセットを奪いながらも、セカンドセット以降は相手の積極的なプレーに押され逆転負け。シングルス6の藤井颯大(スポ3=京都・同志社国際)もファーストセットを先取しながらセカンドセットを落とす苦しい展開を強いられていた。
藤井颯が落とせば勝敗数をタイに戻され、強敵との試合を控えるシングルス上位にプレッシャーが掛かる。「絶対に藤井颯の試合は取らないといけないと思っていました。その中で全員の応援に応えて、藤井颯が本来のプレーを取り戻してくれた」(髙村佑樹主将、スポ4=千葉・東京学館浦安)。マッチポイントを握られる展開もありながらもここをしのぐと、持ち込んだタイブレークを制し、藤井颯は早大の勝利を手繰り寄せる大きな勝利を挙げた。勝負を決めたのはシングルス5での起用となった田中優。全日本学生選手権で完勝を収めていた福田に対し、強烈なストロークに加え、幅を利かせた多彩なプレーでこの日も圧倒。ストレート勝ちで5勝目を挙げ、この瞬間、早大のリーグ優勝が決まった。シングルス2の白石光(スポ1=千葉・秀明八千代)、シングルス1の島袋ともにそれぞれ羽澤、今村との接戦を制し、勝敗数7−2で慶大に完勝。宿敵との最終戦を白星で飾り、リーグ全勝で関東第一代表の座をつかんだ。
タイブレークの接戦を制し、早大にとって大きな勝利を挙げた藤井颯
王者・早稲田の真価を発揮したリーグと言っていいだろう。「どんどんみんながレベルアップしていって、サポートとの一体感もどんどん出てきたリーグだった」(髙村主将)。開幕戦の亜大戦こそチームとしての危うさが散見されたが、試合を重ねるにつれて完成度を高めていった。「男子は全員が実力を出せれば優勝できる」、「早稲田が優勝するだろう」というプレッシャーもはねのけ、山場の法大戦、そしてこの日の慶大戦も勝ち切り全勝でのリーグ優勝を達成。「僕たち全員でつくり上げてきたこのチームで優勝したっていう事実が本当にうれしい」。髙村主将は喜びと安堵から声を震わせながら優勝を噛み締めた。だが、まだ戦いが終わったわけではない。「最後は全員が笑って終わりたい」(髙村主将)。リーグでの勝利を自信に、さらにチーム力を高め、早大は集大成となる王座で前人未到の15連覇へと挑む。
(記事、写真 林大貴)
★チーム一丸でつかんだエースの勝利。島袋はシングルス全勝を達成!
今村からポイントを奪い、雄たけびを上げる島袋
「ラストイヤーにかける思いを誰よりも強く持って、本当にリーグは全勝したい」。自身最後となるリーグの開幕前、島袋は静かに闘志を燃やしていた。その言葉通り、シングルス1として並み居る強敵を打ち倒し、4連勝で迎えたこの日の早慶戦。リーグ最後の試合はインカレ優勝の今村昌倫との対戦となった。全日本学生室内選手権ではストレートで勝利を挙げていた相手だが、この日は試合中盤までは完全に今村のペースだった。好プレーを連発する今村に対し、「何もできない状況だった」と島袋。軸とするサーブも正確なリターンで返され3つのブレークを許すなど、ファーストセットを5−7で奪われる。セカンドセットも状況は変わらず、0−3と窮地に追い込まれた。
しかし、ここから島袋は一気にパフォーマンスを上げ巻き返していく。原動力は『応援』だった。「応援の力でカムバックできた。本当に応援に助けられました」(島袋)。ここまで引き気味だったプレーも強気に転じ、武器であるフォアハンドも精彩を放った。ハイレベルなラリー戦を制すたび、島袋はチームメートに向かって吠え続け、声援に応えた。6−4でセカンドセットを取り返すと、一進一退の展開となったファイナルセットもタイブレークの末に制し、逆転勝利。島袋は最後のリーグで目標であったシングルス全勝を達成した。「全員が『応援で引っ張ってやるぞ』という気持ちになったと思います。勝敗が決まった中でのシングルス1の試合でここまで『勝ってほしい、どうやったら勝たせてあげられるのだろう』と思いながらみんなで応援できたっていうのは初めてだった」(髙村主将)。チーム全員でつかんだエースの白星だった。
★白熱のシングルス2。ルーキー白石が金星を挙げた!
死闘の末、羽澤を下した白石
この日、シングルス2で起用されたルーキーの白石。相手は慶大が誇るダブルエースの一角、羽澤慎治となった。ファーストセット序盤は正確なプレーで相手のミスを誘った白石が優勢を保った。その後は羽澤も順応を見せタイブレークに持ち込まれたが、ここを制し白石がファーストセットをものにした。
セカンドセットに入ると互いに多彩なプレーを織り交ぜたハイレベルな駆け引きが展開されたが、ここぞの場面での精度で上回った白石が4ー1とリード。試合の大勢は決定づけられたかと思われた。だが、ここから羽澤も意地を見せる。「急に慎治が良くなった。応援とともにギアを上げてきました」(白石)と積極的なプレーに転じた羽澤に一気に5ゲームを奪われ、セットカウントをイーブンに戻された。
勝負のファイナルセットも2ー4と追い込まれたが、「ゾーンに近い状態にいた。集中を超えることができた」(白石)とここから一気にゲームを連取。迎えたマッチポイントでは「あそこしか抜けない」(白石)というパッシングショットで見事勝利を決めた。「一番の大金星は白石なのかなと思います。1年生でシングルス2の羽澤くんに勝つということは、本当にすごいですし、タフな精神を持っている」と髙村主将。ルーキーの金星は王座に臨む早大にとって大きな光明となった。
結果
◯早大 7−2 慶大
▽男子シングルス
S1 ◯島袋将 [5-7、6-4、7-6(2)] 今村昌倫
S2 ◯白石光 [7-6(4)、4-6、6-4] 羽澤慎治
S3 ◯千頭昇平 [6-4、6-1] 成燿韓
S4 ●小林雅哉 [6-2、3-6、4-6] 伊藤竹秋
S5 ◯田中優之介 [6-3、6-2] 福田真大
S6 ◯藤井颯大 [6-3、2-6、7-6(3)] 甲斐直登
▽男子ダブルス
D1 ◯島袋将・千頭昇平 [6-1、7-5] 福田真大・今村昌倫
D2 ●木元風哉・田中優之介 [4-6、3-6] 羽澤慎治・川島颯
D3 ◯古賀大貴・安上昂志 [6-3、6-2] 佐々木健吾・田中隆輔
▽最終結果
早大 優勝
コメント
髙村佑樹主将(スポ4=千葉・東京学館浦安)
――全勝でのリーグ優勝、そして早慶戦勝利おめでとうございます
ありがとうございます。
――率直な心境としては
本当に嬉しいですね。うれしいですし、よかったなという。難しい言葉ではなくて、本当にうれしいしよかったなという気持ちしか今は出てこないですね。
――主将として、ここまでプレッシャーもありましたか
ありましたね。僕もそうですし、出ている選手もみんな感じていたと思います。コーチ陣の方々から「男子は全員が実力を出せれば優勝できる」と言われていて。その中でプレッシャーもあったと思いますし、僕自身も上の方々からのプレッシャーだったり、他大から見た「早稲田が優勝するだろう」というプレッシャーは受けていました。
――そのプレッシャーもあって、心境としては「素直にうれしい」ということですか
そうですね。本当に素直にうれしいです。やっぱり僕たち全員でつくり上げてきたこのチームで優勝したっていう事実が本当にうれしくて。本当にみんなが大好きなので、さらにうれしい。このチームで優勝したっていうことが本当に大事で、本当にうれしいですね。
――試合を重ねるにつれて、チームは強くなっていった印象を受けました
本当にその通りだと思います。どんどんみんながレベルアップしていって、サポートとの一体感もどんどん出てきたリーグだったと思います。最後は慶大との戦いで向こうもこっちも選手、サポート全員が全力を出して臨んで。応援も声が枯れるまで声を出して、本当に勝ちたいという思いで応援していたと思います。選手で見ても島袋だって、どんどん試合を追うごとに安定した、強気のプレーになっていったと思いますし、他の選手たちもリーグを通じてパワーアップしたんじゃないかなと思います。
――きょうの試合は7−2と完勝でしたが、振り返っていかがですか
相手も強いので、完璧っていうのは難しくて。今回も小林が落としましたし、インカレ優勝の木元・田中が落としたっていうことは反省点なのかなと思います。7−2というスコアですけど、まだ改善するべき場所はあると思います。
――試合を通じて、藤井颯選手がタイブレークを制したことは非常に大きかった
僕も最後ベンチコーチで入っていて、どうなるかわからない試合で。相手も強いのもわかっていたんですけど、藤井が落としていたらシングルスの1か2のどちらかが取らないといけないという状況で、絶対に藤井の試合は取らないといけないと思っていました。その中で全員の応援に応えて、藤井が本来のプレーを取り戻してくれたことは本当に大きな収穫だったと思います。
――白石選手は羽澤選手に見事勝利を収めました
1年生でシングルス2の羽澤くんに勝つということは、本当にすごいですし、タフな精神を持っているなと思います。一番の大金星は白石なのかなと。白石はシングルス2、3で出ていることもあって、勝率自体はあまり高くなくて、1年生をシングルス上位で出せばそうなることも想定はしているんですけど。その中でもきょう1年生ながらシングルス2で出て、きょねんのインカレ準優勝の選手に勝ったということは彼自身にも自信になったと思いますし、王座に向けても明るい材料になったと思います。
――島袋選手の試合を振り返って
ファーストセットを取られて、セカンドセットも0ー3だったんですよ。僕は横で応援していて、島袋は全然いいプレーをしているんですけど、今村選手のプレーが良すぎて全部落としてしまうという展開で。僕らができることはいいプレーをしていることを褒めて、島袋をのびのびプレーさせる、「島袋は悪くないから、そのプレーを続けよう」ということをミスした時でも言い続けて。島袋の気持ちが下がらないようにということを応援している側は徹底して、それが結果として一気に気持ちが乗ってきて(セカンドセットを)6ー4で取れたと思います。本当に応援と一体となった試合だと感じました。本来の島袋のプレーをすれば学生の中で負ける相手はいないと僕も思っていて。本当にすごいプレーをしているので、そのプレーをどう引き出すかっていうのはリーグを通しての課題でした。島袋も団体戦で、学生相手となると「勝たなきゃいけないっていうプレッシャーがすごく大きい」ということも話していて。どうやったら応援で盛り上げられるかなとずっと考えていて、ようやく早慶戦のあの試合で見つかったと思います。
――島袋選手も勝因は応援だとおっしゃっていました
言っていましたか(笑)。あんな応援は僕も初めてしました。ポイントを落としたとしても絶対に気持ちを下げさせない。全員が「応援で引っ張ってやるぞ」という気持ちになったと思います。あんな応援は今までなかったんじゃないかなと思います。しかも勝敗が決まった中でのシングルス1の試合でここまで「勝ってほしい、どうやったら勝たせてあげられるのだろう」と思いながらみんなで応援できたっていうのは初めてだったんじゃないかなと思います。
――最後に王座に向けて、意気込みをお願いします
やっぱり最後は全員が笑って終わりたいと思います。きょうは7−2で2本落としてしまったので、どうしても取って欲しかったというか、全員が笑って終わるためには全員が勝って。オーダーがどうなるかはわからないですけど、王座に向けて、小林のシングルス、木元・田中のダブルスも見直して。本当に9−0を目指せるチームだと思っているので、そこを目指して、全員が絶対自分が勝って帰るという気持ちを持って練習をして、王座に臨めればいいかなと思います。
島袋将副将(スポ4=三重・四日市工)
――きょうの試合、今村選手との対戦とりなした。タフな試合となりましたが、振り返っていかがですか
そうですね、ここまでシングルス全勝で来られて、あとは残る早慶戦で、今村選手との試合で。インカレも優勝している相手で、本当にタフな試合になることは試合前からわかっていて。セカンドセットの途中までは圧倒されてしまって、何もできない状況だったんですけど。応援の力でカムバックできたというのはあると思うので、応援してくれた人たちに感謝したいというのと、タイブレークで勝ち切れたというのは本当に自信にしたいですね。早慶戦で僕だいたい競ったら負けているので(笑)。勝ち切れたというのは本当に大きいですね。
――セカンドセット序盤まで劣勢となった要因というのは何かあげられますか
ちょっとフォアハンドのフィーリングというか調子が合っていなくて。それは今村選手の球の質が良かったというのもありますね。
――セカンドセット中盤以降巻き返せた要因はやはり応援の力ですか
そうですね。本当に応援に助けられましたね。
――試合後半は非常に楽しそうにプレーをしていました
逆に後がない状況だったので、あとは楽しむだけだと、勝手ながら思っていましたね(笑)。
――シングルスは目標としていた5戦全勝を果たしました
全勝というのが今までなかったので、目標を達成ができたことは良かったです。ただ、5試合あった中で、課題も多く見つかったので、王座までにはしっかりと改善して。この5戦全勝という自信と、戦い方というのを王座で生かしていきたいと思います。
――ダブルスは今村・福田組に快勝でしたが、振り返っていかがですか
ダブルスはファーストセットはお互いに良くて。セカンドセットは僕が少し落ちてしまったんですけど、パートナーの千頭がしっかりと僕を引っ張ってくれて、調子も良かったので、声も出しながら元気良くできました。今まで勝ったことのない相手にストレートで勝てて、いい流れをつくれたんじゃないかなと思います。
――島袋・千頭組は大会を通じて高パフォーマンスでしたね
そうですね。1回6−1、4ー1から負けちゃいましたけど(笑)、試合を重ねるにつれて良くなっていったと思います。
――最後に、王座へ向けての意気込みを一言お願いします
学生最後の大会なので、今までの思いをぶつけたいです。僕自身も全勝を目指して、男子の15連覇を達成できるように頑張りたいと思います。
古賀大貴副将(スポ4=大分舞鶴)・安上昂志(スポ4=福岡・柳川)
――まずはリーグ全勝優勝、早慶戦勝利おめでとうございます
古賀・安上 ありがとうございます。
――結果について率直にどう感じていますか
古賀 色々な連覇に対する重圧もある中で、しっかり優勝できたというのはすごい嬉しいし、ホッとした気持ちが強いです。
安上 最後の年になると今までと違う思いも生まれてきて。今までも勝ちたいと思っていたんですけど、さらにその思いが強くなって。きょうの早慶戦に関してはどういうスコアになっても勝ちたいという思いが強かったので、勝てて嬉しいですね。
――古賀・安上組はダブルス3で全試合に出場して全勝でした
古賀 きょねん負けていて、二人で全勝しようという話をしている中で、1回中大戦でファイナルセットまで行ったんですけど、そのほかは全部ストレートで勝てて。全勝できたこともそうなんですけど、チームにいい流れをもたらすことができたような勝ちが多かったことも、すごく成長できた部分かなと思います。
安上 きょねんの負けの印象がすごく強かったので、とても嬉しいですね。ダブルス3というポジションは言ってみれば絶対に取らなければいけないポジションで、しっかり一本を取るという期待通りの結果を出すことができたので、よかったかなと思います。
――きょうの試合を振り返っていかがですか
安上 思っていた相手とは違ったんですけど、いつも通りの自分たちのプレーをしようということで、序盤から焦ることなく自分たちのプレーができていましたし、先に主導権を握ることもできたので、気持ちの面でも内容的には競った場面もあったんですけど、終始のリードしてできていたので楽にプレーができましたね。
――古賀選手はシングルスの試合の際はベンチコーチとしてチームを盛り上げていましたね
古賀 すごい苦しい時間帯があって。ダブルス3勝で折り返した後のシングルス3本がすごく競っていて、どうなるかわからない中で、僕だけじゃなくてチーム全体がしっかり声を出して選手の気持ちを高めようとしていたので、この7ー2というスコアにつながったのかなと思います。
――最後に、王座に向けて一言意気込みをお願いします
古賀 連覇、とにかく連覇、何が何でも。そして僕らが出たら絶対に全勝して優勝します!
安上 もう出なくてもいいので、優勝したいです(笑)。欲を言えば出たいですけど、そのくらいの気持ちですね。とにかく優勝したい、ただそれだけです。優勝のために全力を尽くしたいと思います。
白石光(スポ1=千葉・秀明八千代)
――羽澤選手との対戦となりました。臨むにあたっての心境はいかがでしたか
正直今村選手が相手だと思っていたので、気持ちの準備不足というのはあって。オーダーを見たときに「あ、慎治か・・・」とは思ったんですけど(笑)。遠征も何度か一緒に行っていて仲もいいですし、プレースタイルもわかっていたので、少し気持ちのブレはありましたけど、プレー面で悩むことはなかったですね。
――ファーストセットを振り返っていかがですか
気持ちの準備不足だった割には序盤はついていけていたかなと思います。ただ最初ワンブレークアップから4−5にされて。僕の悪いところではあるんですけど、だいぶ慣れてきて、サービスゲームをブレークされることに(笑)。いいのか悪いのかわからないんですけど、最近はブレークされすぎて一々気にしないようにしました(笑)。そこで気持ち的に落ちなかったのでファーストセットを取れたと思います。
――セカンドセットは4−1から落とす展開となりました
セカンドセットは4ー1だったんですけど、そこから急に慎治が良くなったと思います。ほとんどミスもしないですし、(コートに)入れてきたし。慎治も賭けだったとは思うんですけど、あそこで入れてきたから乗ってきたというのもあったと思います。僕も悪くなかったんですけど、あそこで開き直ったプレーができて、入れてくる慎治がさすがだなと思いました。
――きょうは試合を通じて安定していた印象です
そうですね。プレーのミスの早さとかも変わりませんでしたし、セカンドセットを落としたことはそこまでダメージがなかったですね。
――ファイナルセットは2−4から4ゲームを連取しましたが、あの場面はどういった意識でプレーしていましたか
正直あんまり覚えていなくて、ゾーンに近い状態にいたのかなと思います。応援の声は聞こえていましたし、それですごくがファイト出来たというのもあるんですけど、コートに入り込んで相手しか見えていない状態だったと思います。集中を超えることができたのかなと思います。
――羽澤選手との対戦経験はこれまでありましたか
ありましたね。その時は勝っていたんですけど団体戦に強いというイメージがあったので。将さんとの早慶戦も見ていますし。なので、競った場面での怖さはありました。事実応援とともにギアを上げてきましたし。ファイナルも2−4まで追い込まれましたし、正直奇跡と言っていいぐらい最後はうまくいきましたね。
――試合を決めたパッシングショットについてはいかがですか
マッチポイントでも無心でしたね。最後はあそこしか抜けないと思っていましたし。ちょっと慎治がミス多かったですね。プレッシャーかかっているんだろうなと思って、少し気持ちは楽にプレーできました。
――このリーグ戦、1年生ながら4戦出場しましたが振り返っていかがですか
1年生から4戦出させていただいたということは嬉しいことですし、期待に応えなきゃいけないというプレッシャーもありました。シングルス3以上しか出られないこともあって、相手も強かったんですけど、3つ勝てたのはすごい嬉しいし、勝ち方も良かったと思います。賀川選手に負けて、向かって来られた時の怖さも知りました。個人戦だったら気持ちが落ちるところを応援が盛り上げて、ノンプレッシャーで乗って来られた時に止められなかったのはもちろん反省ですけど、団体戦の怖さは知れましたね。そういうのも含めていい経験だったと思います。きょうもこんな応援の中でできたっていうのは試合をしていてすごく楽しかったですし、こんな経験はなかなかできないだろうなと思います。なので、率直に楽しかったですね。
――初めて臨む王座に向けて、意気込みをお願いします
もう一回慎治と当たるかも知れないし、近大、関大も強くて、応援もすごいと思うので。またシングルスの上位で出ることになると思うんですけど、気持ちで負けないように。声を出してファイトしていきたいですね。