第3回はブログ・ホームページのチーフを務める樋口廣太郎(スポ2=福岡・柳川)と審判のチーフを担当する本多映好(社2=岩手)の同級生コンビが登場。縁の下から三菱電機・早稲田大学インターナショナルテニスオープン(早稲田オープン)の運営を支えるお二人に、それぞれの役職の難しさや人々を足を運んでもらうための工夫など、大会の裏側を存分に語っていただいた。
※この取材は3月3日に行われたものです。
「色々な工夫をしながら」(樋口)
ブログ・ホームページに加えSNSの更新も担当する樋口
――樋口選手が担当しているブログ・ホームページというのは具体的にはどういったお仕事をなさっているのですか
樋口 ホームページはその日のオーダーオブプレーとドローを載せて、選手にいつ試合があるのかと何時から始まるのかの情報を提供するのと、他のイベントや詳細な情報の掲示板みたいな部分を作成と更新を担当しています。ブログは例えば弥起(石井)コーチのレッスンといったその日のイベントの様子や選手のインタビューだったりをより面白くアレンジして、みんなにわかりやすく、広報じゃないですけど、ブログのアプリとTwitterとInstagramになるべく毎日更新しています。
――SNSの更新も樋口選手が行なっているのですか
樋口 そうですね。
――なかなか面白く伝えるというのは難しいと思いますが、自信のほどはいかがですか
樋口 あります!そういうのは女子がうまいので、僕は指示して、女子に書かせて最後にチェックしています。
――審判という役職は具体的にはどういった内容でしょうか
本多 主に試合の線審をするんですけど、実際のところはそれしかないですね(笑)。主審はJTA(日本テニス協会)の審判の方が務めてくれるので、線審を交代でやっていくという感じです。
――審判の担当は他大学の国際大会に審判として派遣されることもあるとお聞きしましたが、本多選手はありましたか
本多 僕は1回慶應チャレンジャーの方に行きました。慶大と亜大と早大はどこも審判が足りない状況なので、派遣しあって、付き合いながらという感じですね。
――慶應チャレンジャーは早稲田オープンと比べてレベルの高い試合ですが実際に行ってみていかがでしたか
本多 慶大に行ったときは審判かと思ったらボーラーだったので(笑)。ちょっとわからないんですけど、やっぱり緊迫した試合の中で、自分のジャッジが1ポイントを決めると考えるとちょっと荷が重いな、って思いますね(笑)。
――本多選手は審判の経験は多いのですか
本多 線審は1年生の団体戦の時に結構やっていました。
――やはりジャッジに対してクレームなどは来るのですか
本多 来ますね(笑)。そういうときは一度言ってしまったことは仕方がないので、申し訳ないですと。1回主審でめっちゃイモっちゃって、めちゃくちゃキレられました(笑)。大事な場面で。でもあれ本当に見えないですよ、速いですもん。
――今大会、早大ならではのポイントというのは何か挙げられますか
樋口 慶應チャレンジャーに比べるとちょっとゆるい雰囲気ですね。向こうはレベルが少し高いので、選手たちもピリピリしています。あと、慶應チャレンジャーは外国人の選手が多い分、早稲田の方は日本人の選手が多いので、そういった面では気を使いすぎることはないのかなと思います。
――今大会は名称が変更になりましたが、ブログ・ホームページや審判はあまり影響はありませんでしたか
本多 そうですね。審判は特にありませんでした。
樋口 ホームページも名前を変えたぐらいですね。あとは名前が変わったことを告知したぐらいですね。
――それぞれの役職で、例年と比べてなにか変えた点などはございますか
樋口 毎年役職の紹介を一人ずつ動画で上げていたんですけど、それを今年から無くしました。みんなふざけるんで。OBの方からクレームが来てしまうんですよ(笑)。「なんだこれは」と。
本多 去年までは学生から2人主審を出していたんですけど、主審はやめました。主審は本当に見えなくて、特に早大ってコートとコートの間が狭いので全然見えないんですよ。一応C級審判の資格を取りに行くんですけど、それを学生が取ったからといっていきなりできるものではないなと思って(笑)。そこはやめさせていただいて、ちゃんとしたJTAの審判にお願いしました。
――C級審判の資格があれば主審ができるということですか
本多 最低限それがないとできない感じですね。
――正式な国際大会で主審を務めるというのはやはり学生には荷が重い部分があると
本多 重いですね。しかも2番コートとか3番コートは線審がつかないので、全部そこも主審が見ないといけないので、はっきりいって無理があります(笑)。
――それでも去年までは学生が担当していたんですよね
本多 そうですね、去年までは本当によくやっていたなと思います。
――今大会、力を入れている部分というのはありますか
樋口 ブログは本当に毎日夜遅くまで色々な工夫をしながら書いているのでぜひ見ていただきたいです。ホームページも誰でも見てわかるように工夫しているので、その点は困らないかなと思います。
――ホームページは一からつくっているのですか
樋口 ホームページは一からつくっています。毎年やってくれる方がいて、その人と連絡を取ってやっています。ホームページのタグとかをいじる時もあるんですけど、正直ちょっとわからないです(笑)。更新するときはインデックスをコピーしてピュッてやれば勝手に更新されます(笑)。
――何か会場に足を運んでもらうための工夫をしていたりはしていますか
本多 前よりもインスタとかあげるようになったんじゃない?
樋口 そうですね、SNSは活発にしていっています。ブログは1日1件なので、SNSは試合の途中経過だったりを動画付きで載せて、結構見てくれるので。見に来られない人にもわかりますし。
――新一年生が審判のお手伝いをするということをお聞きしたのですが、今年はいかがですか
本多 一応メンバーには入っているんですけど、いつ来られるのかとかまだちょっと分かっていなくて。僕は大会期間は絶対来るのかなって思っていたんですけど、意外と来られない人が多くて、審判の人数が足りなくなっているので、なんとか調整したいです。
――審判の担当だと新一年生との交流も図れるのではないですか
本多 僕は去年は違ったんですけど、審判の担当をしていた人は大会期間中に話す機会が多いので、新一年生との仲が結構深まったという話を聞きますね。そういった面では仲良くしていきたいなと思っていますね。
――ここまでブログ・ホームページの担当をしてきて苦労した点などはございますか
樋口 ブログをこうやって音声で拾って文字に起こすのが意外と大変だなと思いましたね。意外と時間がかかりますし、面白くするにも時間がかかりますし、やっぱりできるだけ早い時間に上げなければいけないので、その時間までに編集するのも大変ですね。
本多 面白くするというか、盛る、だよね(笑)。
――結構盛るんですか
樋口 盛ります盛ります(笑)。結構大変ですね。コメント起こしは。あれ、今なんて言ったんだろう、声小さいなとか。
本多 じゃあ今回も大きい声で喋ったほうがいいんですね(笑)。
――審判の担当で大変なことはやはりミスジャッジなどですか
本多 審判はミスジャッジとかもそうですけど、ずっと気を張っていなければいけませんし、試合が始まってからその日の試合が終わるまでずっと交代で繰り返すので、体がキツいですね。テニスとは違う疲れなんですけど、ずっと立っているのが辛くて、テニスよりも疲れるかもしれませんね。
――審判でここまでの準備期間は何か取り組んでいたりしていますか
本多 審判練習とかはちょっとやったり、やらなかったり(笑)。やらないといけないので、これからはもっとやっていきたいなと思います。
「国際交流も目的の一つ」(本多)
慣れないことも多い大会の運営。苦労話は盛り上がりを見せた
――今大会の運営をしていて、良かったなと思うことはありましたか
樋口 1年の時は先輩がよく喋る機会を設けてくれて、部活に早く打ち解けられたっていう部分ですかね。でも、役職によるね。
本多 そうですね。僕去年会計をやっていたんですけど、会計はお金の管理とか、ずっと部屋にこもっている時間が多いんですけど、賞金とかで外国人の選手が結構来て、ちょっと自分の知っている英単語で会話をしてみたりしていたので、それは楽しかったですね。それも1つの目的だと思うので、それは良かったなと思います。
――国際交流という部分で意識的に取り組んでいることはありますか
樋口 外国人にインタビューをしてブログに載せたりはしています。
――インタビューは英語でしているのですか
樋口 はい、藤井颯大くん(スポ2=京都・同志社国際)が(笑)。
――審判は外国人選手から何か言われる機会もあるのではないですか
本多 言われるんですかね?僕も初めてなので。やっぱりミスジャッジをしたら英語で色々と言われるかもしれません。そうなった場合は謝るしかないですね(笑)。ただ迷惑をかけないようにやっていきたいと思います。
――お互いの仕事ぶりを見ていていかがですか
樋口 ここまでは正直あまり見ていないので・・・。大会期間中は早稲田の選手だからと言って贔屓なジャッジをしないように(笑)。クリーンなジャッジを期待したいですね。
本多 僕は毎日ブログを見るので、面白い記事をしっかりと書いてもらいたいと思います。
――ここまで運営全体の動きとしてはいかがですか
樋口 うまく言っているなと思います。統括の二人はすごく大変そうですけど、よく頑張ってくれていると思います。
――大会1週間前ですが、現在の心境や、大会に向けた抱負はありますか
樋口 例年以上に見てもらえるように、面白い記事を書きたいです。
本多 僕は早稲田の前に亜大の大会の審判に行くので、そこでしっかりと目を慣らして、早稲田の試合に向けてコンディションを上げていきたいと思います(笑)。クリーンなジャッジができるように。
――統括の二人は『歴史に残る大会にしたい』とおっしゃっていましたが、今大会はどういった大会にしていきたいですか
樋口 あいつら口だけだなぁ(笑)。じゃあ歴史に残る大会で、第1回なので。悪い方向で歴史に残らないように、やらかしがないようにしていきたいです。
本多 同じですね、統括が言うならば、そのとおりです(笑)。
――例年と比べて何かグレードアップした点はありますか
樋口 僕の立場から言えば、始まった当時よりもSNSが発展してきているので、そういった部分の発信というのはグレードアップしていると思います。
本多 審判も含めて例年やることは一緒だと思うので、それを引き継いで、どんどん改善していければいいかなと思います。毎年問題はどこかしらにあるので、それを少しずついいものにしていければいいですね。
――今大会の見どころはどこでしょうか
樋口 僕らテニス部のエースの島袋さん(将、スポ3=三重・四日市工)がきっと優勝してくれるので、そこが見どころです(笑)。
本多 僕も早稲田でやるからには早稲田の選手に活躍して欲しいので、出る選手には優勝を目指して頑張って欲しいです。同期としては千頭くん(昇平、スポ2=愛知・誉)だったり、田中優之介くん(スポ2=埼玉・秀明英光)にも注目していますが、やっぱり世界のショウ・シマブクロさんが優勝してくれるよね。全日本室内(島津全日本室内選手権)取って勢い付いているので。
樋口 やっぱり練習してても強いですもん。あとは全日本室内で島袋さんと組んでいたOBの片山翔さん(平24スポ卒=現伊予銀行)も、めちゃめちゃ綺麗なテニスをするので注目ですね。
――今大会はどういった方に足を運んでもらいたいですか
樋口 テニスファンだけでなく、近所の方々にも地域交流の一環としてきて欲しいですね。イベントとかも参加してもらいたいと思っています。
――最後に、この記事を読んでいる方にメッセージをお願いします
樋口 ぜひブログを。開くだけでもいいので(笑)。開くだけでもワンカウントなので、最後まで見なくてもいいので(笑)、開いて欲しいです。目に付くように工夫するので、ぜひ見て欲しいです。
本多 ぜひ審判を、って言いたいところなんですけど、素晴らしい試合がたくさんあるので、足を運んで試合を見にきてもらいたいですね。
――ありがとうございました!
(取材・編集 石﨑開、林大貴)
仲の良さがうかがえる同期対談でした!
◆樋口廣太郎(ひぐち・こうたろう)(※写真右)
1999(平11)年1月28日生まれ。福岡・柳川高出身。スポーツ科学部2年。ブログの運営で大変なことにインタビューのコメント起こしを上げた樋口選手。「意外と時間がかかりますし、面白くするにも時間がかかりますし、やっぱりできるだけ早い時間に上げなければいけないので、その時間までに編集するのも大変です」。非常に共感できる言葉でした。
◆本多映好(ほんだ・えいす)(※写真左)
1998(平10)年6月24日生まれ。岩手高出身。社会科学部2年。審判を務める上での苦労話や失敗談を存分に語ってくださった本多選手。大会期間中はプレッシャーに負けず、『クリーンジャッジ』に努めます!