いよいよ明日、早大は全日本大学対抗王座決定試合(王座)初戦を迎える。9月に行われた関東大学リーグ(リーグ)を全勝で制し、関東第一代表として2回戦から登場する早大。前人未到の14連覇へあと3勝、このチームで迎える最後の戦いはどんな結末を迎えるのか。初めて愛媛で行われる最終決戦を展望する。
坂井・田中優組はエースペアの実力を見せることはできるか
団体戦においてカギとなるのがダブルス。今季も全国トップクラスを3本そろえる早大ダブルスだが、リーグでは慶大に1-2と負け越すなど未だ完成形には至っていないのが現状だ。全日本学生選手権(インカレ)をオールストレートで制した坂井勇仁主将(スポ4=大阪・清風)・田中優之介(スポ2=埼玉・秀明英光)組はダブルス1としての起用が濃厚。今夏で唯一の黒星をつけられた慶大のダブルス1逸﨑凱人(4年)・羽澤慎治(1年)組といった各大学のエースペアを相手に、学生ナンバーワンダブルスの実力を見せつけたい。島袋将(スポ3=三重・四日市工)はアジア競技大会ダブルス銅メダルの勢いそのままに、今季はダブルスでも存在感を高めた。木元風哉(社3=埼玉・早大本庄)も田中優とのペアで関東学生選手権(夏関)を制し、リーグでもダブルスで全勝と好調を維持している。他にも2年連続王座決勝で勝利を挙げている齋藤聖真(スポ4-神奈川・湘南工大付)、髙村佑樹(スポ3=千葉・東京学館浦安)と充実のメンバーを誇るダブルス2、3も実力は十分。どんなペアリングで、どんなプレーを見せてくれるのか。豪華なメンバーが並ぶ盤石の布陣で、王座ではダブルス全勝を狙う。とはいえ、5月の早慶対抗試合、9月のリーグと2戦連続でダブルス負け越しの屈辱を味わっている慶大、2年連続王座準決勝ダブルスで1-2とリードを奪われている関大など、ライバル校も強力なペアを擁しており、気を抜ける試合は一つもないだろう。ダブルスで確実にリードを奪い、いいかたちでシングルスにつなげたいところだ。
団体戦の「番人」・古田
早大の最大の武器は層の厚さ。今季もシングルスにおいてその武器を存分に発揮してきた。リーグ全試合にシングルス4で出場した古田伊蕗副将(スポ4=静岡・浜松市立)がその中心だ。フットワークと安定したストロークを武器に、確実にチームに1勝を持ち帰ってくれるに違いない。他にはリーグ3戦全勝の藤井颯大(スポ2=京都・同志社国際)、王座通算6勝0敗の小林雅哉(スポ3=千葉・東京学館浦安)らがシングルス下位での起用が濃厚。「シングルス下位で勝利を決めるのが理想的なかたち」(坂井)。圧倒的な選手層を見せつけ、早い段階でチームの勝利を確実にしたい。それでも、王座は独特緊張感もある全国大会。勝敗がシングルス上位までもつれることもあるだろう。そこで各大学の主力選手たちを迎え撃つのが千頭昇平(スポ2=愛知・誉)、田中優らエース級の選手たちだ。慶大の羽澤慎治(1年)、今村昌倫(2年)といった強敵を打ち破り、王者の威厳を示したい。島袋は羽澤相手に連敗中であり、「王座では圧倒して借りを返したい」とリベンジに燃えている。全国トップクラスが集うシングルス上位陣の戦いにも注目だ。
応援からチームを盛り上げたい
リーグの中大戦、慶大戦では最後の一戦に勝敗が懸かった状況で島袋、千頭が接戦を制し辛くも勝利したが、坂井主将は、「ああなる前に勝ち切らないといけない」とあくまでシングルス下位での勝利を強調した。そのために必要なのは、「全員が目の前の一戦をどん欲に勝ちに行く』という意識。サポート・応援と一体となり、大舞台で実力を120パーセント発揮することはできるか。選手たちの実力、そして王座での経験値は抜きん出ているだけに、あとはチームの意識を一つにするだけ。その先に、王座14連覇の栄光が見えてくるはずだ。
(記事、写真 松澤勇人)
日程
▽2回戦
10月13日vs松山大
▽準決勝
10月14日vs関大
▽決勝
10月15日