小林雅はベスト4で敗退。ダブルス決勝戦は同士打ちが決定!

庭球男子

 関東学生選手権(夏関)は本戦5日目。この日は各種目で準決勝が行われた。男子シングルスでは小林雅哉(スポ3=千葉・東京学館浦安)が登場。1年時の全日本学生選手権(インカレ)以来、久々のタイトル獲得に期待がかかったが、終始ミスが先行してしまい、準決勝で姿を消した。男子ダブルスでは古賀大貴(スポ3=大分舞鶴)・安上昂志(スポ3=福岡・柳川)組、木元風哉(社2=埼玉・早大本庄)・田中優之介(スポ2=埼玉・秀明英光)組の2ペアがこの日も揃って完勝。優勝を懸けた同士打ちが決定した。

 「自分のミスが多かった」。小林雅は試合後、何度もこの言葉を口にした。この日は熊坂拓哉(亜大2年)のしつこくラリーをつないでくるプレースタイルに苦戦を強いられる。先にブレークを許しながらも、粘って5-4まで持っていったファーストセット。サービスゲームをキープすればセットを奪える状況だったが、ミスが続き、3ゲームを連取される。「もう少し丁寧にできればファーストセットは取れたんじゃないか」。悔いの残ったプレーからの修正を図りたかったが、セカンドセットも悪い流れを引きずってしまった。ファーストサーブの確率が悪く、なかなかリズムをつかめない。第2ゲームではダブルフォルト2本でブレークを許すなどもったいないミスが相次ぎ、最後まで立て直すことはできなかった。今季の個人戦での戦いを「大事な場面でも強気なプレーができればよかった」と振り返った小林雅。この日もそのような課題が見える試合展開となってしまった。来週からは団体戦がスタート。個人戦で見つかった課題を修正し、早大に貴重な一勝を持ち帰ることはできるだろうか。

小林雅は相手のしつこいプレーに対応できなかった

 ダブルスでは勝ち残った2組が、連日素晴らしい戦いぶりを見せている。今大会で快勝が続いている理由として両ペアが共通して挙げたのが、サーブやリターンの正確さだ。この日の試合でも、両ペア共にそれが顕著に表れた。前日の相手ペアの試合からブレークは難しいと踏んでいた古賀・安上組。しかし、リターンが効果的に決まり、2ブレークでスタートを切る。サービスゲームでは古賀、安上共に鋭いサーブで攻め、早い段階でポイントを奪った。「ファースト(セット)もセカンドも自分たちが欲しいゲームで集中して質の高いリターンがお互い通っていた」(古賀)。要所を締め、6-2、6-2で完勝した。木元・田中優組もサーブとリターンから流れをつかんだ。こちらも第1ゲームからブレークに成功。1ポイントも落とさずにキープ、ブレークするゲームも多く、相手ペアを全く寄せ付けない。インカレから連戦が続き疲労の色も見えた相手を前に、集中力を切らすことなく攻め続けた。「しっかりサーブとかリターンを集中してできている」(木元)。基本に忠実にプレーを重ね、決勝まで駒を進めた。

サーブで攻める基本的なかたちがハマっている木元(左)・田中優組

 インカレから休みのないまま始まった夏関もついに最終日を迎える。シングルスは決勝を前に全選手が敗退し、今季の個人戦はタイトルを獲得できずに終わりを遂げることとなった。団体戦に向けて各選手共に勝負強さを増し、出場した暁にはどん欲に勝利を狙っていきたい。一方、ダブルスは早大勢による同士打ちでの決勝が決定。「先輩の意地を見せて優勝したい」(古賀)、「しっかり練習通り、お互いにいいプレーをしていきたい」(木元)。3年生ペアと2年生ペアの対決は、どちらに軍配が上がるだろうか。

(記事 吉田優、写真 松澤勇人)

結果

▽男子シングルス準決勝

●小林雅哉5-7、2-6熊坂拓哉(亜大)


▽男子ダブルス準決勝

〇古賀大貴・安上昂志6-2、6-2加藤拓巳・田形諒平(筑波大)

〇木元風哉・田中優之介6-1、6-0岡垣光祐・賀川稜太(法大)


コメント

小林雅哉(スポ3=千葉・東京学館浦安)

――今日の試合を率直に振り返っていかがですか

相手もしつこい相手っていうのは分かっていたので、自分もしつこくやってチャンスが来たらしっかり打ってネットプレーにつなげていければいいかなっていう感じでやっていました。でも自分の方がミスが多かったので、ポイントにはあまり生きてなかったかなというのがあります。0-3スタートになってしまったんですけど、ファーストセットは何とか5-4にまで戻せて自分のサービスゲームまではいけました。でもそこから凡ミスがまた出てそこからミスが続いてしまって5-7までいってしまって、そこでもう少し丁寧にできればファーストセットは取れたんじゃないかなっていう感じはしました。

――ファーストセットは悔いが残ってしまったラスト3ゲームでしたでしょうか

そうですね。ほぼ自分のミスでポイントを落としてしまった感じだったので、もったいないなっていうふうに思います。

――セカンドセットではサーブに苦戦していたように見えました

サービスも今日はファーストサーブの確率が低かったですし、リターンミスも多くて、とにかく自分のミスが多かったです。基本的な部分が今日はダメだったのかなって感じはします。

――3年目の個人戦はこの大会で終わりになりますが、全体的に振り返ってみていかがでしたか

新しいことにいろいろと挑戦してみてそれを個人戦で出せたのかというと微妙です。春関(関東学生トーナメント)ではうまく試合を組み立てて勝ててよかったんですけど、インカレ(全日本学生選手権)だと地方の選手の分析データがあまりないですし、そんな中でももっと自信を持ってできればよかったのかなって全体を通して思いましたね。

――新しいことに挑戦してというのは具体的にどんなことを取り入れていましたか

自分からもっと打てるボールは打っていけたらいいのかなっていう感じのことをいろいろ挑戦していました。あとはネットプレーにも出られるときはしっかり出てプレッシャーをかけていくこともやってきていたとは思います。でも大事な場面のポイントとかになるとどうしても縮こまったプレーになって結局後ろでずっとラリーする展開になってしまっていたので、そういった大事な場面でも強気なプレーができればよかったかなとは思っています。

――これからは団体戦シーズンに突入します。そこに向けての意気込みはいかがでしょうか

団体戦のメンバーになれるかは本当に分からないんですけど、もし出られるとなったらもうやるしかないので、気合で乗り切れればいいかなと思います。

古賀大貴(スポ3=大分舞鶴)・安上昂志(スポ3=福岡・柳川)

――今日の試合にはどういった作戦で臨もうと思っていましたか

古賀 昨日の試合を見ていて何でもきっちりこなしてくるペアだなっていうのが印象にありました。僕らはサーブリターンとかをしっかり集中してやっていこうっていう感じで試合には入っていきました。

――ファーストセットはお二人のブレークから始まりました

安上 片方は左利きだし、田形くん(諒平、筑波大1年)はサーブがいい選手だったので、なかなかブレークできないかなと思っていました。その中でいきなり2ブレークできた感じだったので、気持ち的にはいけるなっていう、すごい楽な気持ちでいけました。

古賀 安上も言ったように波に乗れたので最初の2ブレークはすごくよかったです。

――セカンドセットも同じようにリードした展開が続きました

古賀 ファーストもセカンドも自分たちが欲しいゲームで集中して質の高いリターンがお互い通っていたんですけど、それをずっと持続できたことがセカンドセットはよかったかなと思います。

――今大会は好調に見受けられますがどういったところがうまくいっていますか

安上 正直相手に助けられているところは大きいです。サーブやリターンとか自分たちができることをしっかりやっているだけなので。明日はやっぱり自分たちのいいところをしっかり出せないと勝てない相手だと思います。ただ調子は悪くはないです。調子がいいかどうかは、明日で決まります(笑)。

古賀 全体的にはすごくまとまっている感じはします。ただ昨日も弥起コーチ(石井弥起ヘッドコーチ)にも言われたんですけど、もっとよくなる部分はあるので、そこを明日の試合でも成長していけるように意識してやりたいなと思います。

――明日は木元・田中優組との決勝戦です。意気込みをお願いします

古賀 お互いに手の内を知っているだけにどういう戦いになるのかは正直予想が付かないんですけど、やっぱり先輩の意地を見せて優勝したいです!!!

安上 やっぱり優勝したいですね。なかなか決勝に来れる機会はないと思うので、しっかり楽しんでできればいいなと思います。優勝します!!!!

木元風哉(社2=埼玉・早大本庄)

――今日の相手のペアにはどのような印象を持っていましたか

片方の岡垣(光祐、法大2年)がインカレで準優勝していたので、少しプレッシャーというか強いんだなっていうふうに思って試合に入りました。

――実際に試合をしてみてどうでしたか

序盤先にブレークできたのはよかったです。あと岡垣はインカレからも試合が続いていて夏関も単複で残っていて結構疲労が見えたので、序盤から集中してしっかりやっていけたのかなと思います。

――田中優之介選手とのペアリングの点では今大会を通していかがですか

練習では正直そんなにペアリングは出来ていなかったんですけど、今大会を通して1回戦から試合を追うごとに慣れてきて、結構組みやすいなっていうのはお互いに話していますね。

――どの試合も相手を圧倒するケースが多いですが、どういった部分がうまくいっていますか

今までの試合はほとんど風が強くてなかなかいつも通りのプレーができない中で、しっかりサーブとかリターンを集中してできているっていうのが大きいかなと思っています。

――あすの決勝の相手は古賀・安上組になります。どういった部分から相手を崩していきたいですか

よく練習や練習試合でもやっているので、お互いに誰のどういうところがいいとか作戦のパターンは分かっていると思います。しっかり練習通り、いいプレーをお互いに出していけたらいいなと思います。