第4回に迎えるのは、古賀大貴(スポ3=大分舞鶴)と安上昂志(スポ3=福岡・柳川)の3年生ペアだ。抜群のコンビネーションと、勝負どころでの勢いが武器の二人。昨年の全日本学生室内選手権(インカレインドア)では、強敵を次々と倒し2位に輝いた。しかし今年は注目される存在となり、昨年とは対照的に相手の勢いに苦しむことも。実力を得たからこそ直面しているカベを乗り越え、悲願のタイトル獲得へ。全日本学生選手権(インカレ)を目前に控えた今の心境を伺った。
※この取材は7月22日に行われたものです。
「向かってこられる立場になった」(古賀)
対談でも抜群のコンビネーションを見せた古賀(左)・安上組
――まずはインカレインドア以降の試合をダブルスから振り返っていただけますか
古賀 インカレインドアは持ち前の勢いで(笑)、決勝まで行けました。でもそこまでの大会で二人で「あとちょっとなのにね」っていう話をしてて、あとちょっとの部分がなんとなく克服できた大会だったっていうのが印象的ですね。インカレインドアで結果が出て春関(関東学生トーナメント)で4シード目に入って、どっちかっていうと向こうから僕らに向かってこられる立場になって。気持ちで受け身になっている部分は全然なかったんですけど、相手の勢いを止められる力がまだなかったっていうのがすごい反省材料であったので、そこをどんな相手にも勢いを抑えられる力をつけられるように、練習試合から今は意識してやっています。試行錯誤の中ではあるんですけど、いいかたちにはなってきているのかなとは僕は思っています。
安上 インカレインドアは予選からずっとタフな試合が続いたんですけど、競ってた中でも試合は楽しめてました。もちろんシードとか全然ついていなかったので、ノープレッシャーの中でやれるだけやってみようみたいな感じでいけてたのがすごいよくて、僕も勢いでいったなっていうのはすごい思います。そこで準優勝して、フューチャーズ(三菱電機・早稲田大学フューチャーズ国際トーナメント)も相手がプロだったから持ち前の元気の良さを前面に出せていたので、そこが僕らのダブルスの強みだっていうのはすごく感じている部分です。ただ春関だったり(その後の)一般大会だったり、ちょっと勝って周りにもちょっと警戒され始めたくらいの時期に、僕の中ではなかなか思い切りやれないのがあって。今まではもっとガンガンいけていたのが受け身になったり、向こうがびっくりするくらい思い切りくるので、そこが今までとは違った部分で最初はちょっと嫌だなっていうふうには感じていました。でももう一回インカレインドア前くらいの初心に帰るっていうか、勝ったっていう自信は持ちつつも、チャレンジャーの気持ちで臨めればいいのかなって気付きました。
――シングルスはそれぞれいかがですか
安上 インカレインドアはシングルスは予選決勝で負けちゃって、けどちょっとずつシングルスも勝てるようにはなってきてるなっていうのはすごい感じています。試合での頑張りどころだったり勝ち方っていうのをちょっとずつつかみかけてるかなっていう。春関もある程度は勝ててたし。ただもうちょっと勝ちたいなっていう気持ちは正直なところですね。もうちょっと技術を上げられないと、ずっとベスト16止まりなので、ベスト8のカベは壊せないなっていうのはここ半年ですごい思います。でも逆に言えばもうちょっとストロークで攻められればベスト8、ベスト4くらいまでいけるなっていうそのくらいの手応えはあるので、もうちょっとだとは思うんですけどね。
古賀 僕は冬まではうまくいかない時期がすごい続いて、春先のフューチャーズくらいでなんとなくつかみ出した感じです。春関も結果的には小林(雅哉、スポ3=千葉・東京学館浦安)には負けたんですけど、もうちょっとのところまでいけはしてたので。手応えはあることにはあるんですけど、アップダウンが激しい部分があるので、自分のいいところを大事な大会にもっていけるように今すごく意識をしています。自分のいい状態にあればもっといけるなっていう感じはあって、気持ちの部分での準備っていうのがすごい大事だなっていうのをここ半年すごく感じているので、そこをうまくいい状態にもっていけるようにしたいです。
――シングルスとダブルスでそれぞれ楽しいところや難しいところはありますか
安上 僕は、あくまで僕はですけど、100対0でダブルスの方が好きです(笑)。シングルスは一人じゃないですか。だから孤独ですね。一緒に盛り上がりたい。応援とかいるけどコートの中には一人しかいないからそこはちょっとしんどいなっていうところが。そういう面では僕はダブルスの方が好きですね。
古賀 楽しいのはやっぱダブルスですかね。ペアとどうやるかを考えるのはやっぱ楽しいです。シングルスは苦しいですけど、その分勝ったときのうれしさみたいなのはやっぱりあるので。まあどっちも楽しいですけどね(笑)。でもプレッシャーなく戦えてるのは僕は間違いなくダブルスなんですよ。
安上 何対何?
古賀 うーん、60対40くらいでダブルスかな。別に僕はダブルスっぽいダブルスをしているわけじゃなくて、ペアを生かすようなダブルスのプレースタイルなので、それも含めて60対40ってことでお願いします。
――1年生の時は学生大会の本戦まで進めることがなかなかなかったですが、去年1年間本戦で戦って得た自信や課題はありますか
古賀 なんだろう。でもやれるなっていう手応えは(1年の時から)なかった?
安上 うん。
古賀 練習とかしててもワセダの本戦に出てる選手に対していい試合ができたりしていたので、いけるんじゃないかみたいな手応えはどっかでずっとあって、ちょっとずつちょっとずつっていう感じで。
安上 逆に1年目なんであんなに勝てなかったのかが分からない。もうちょっといけるって思ってました、自分の中で。
古賀 でもやっぱみんなじゃない?それは。1年目は苦労するのはみんなある気がするので。まあよしとします(笑)。
――では1年と2年で大きく変わったというわけではないのでしょうか
古賀 でも間違いなく本戦での場数を踏むことでの自信というか、自分たちは本戦で戦えてるんだっていう部分での自信はついたと思います。
「お互い自分にないものがあるからいいなって思う」(安上)
長くペアを組み続けている古賀(左)・安上組
――では改めてお二人のペアについて伺いたいと思います。一年半ほどペアを組み続けていると思いますが、あまりないケースですよね
古賀 今ワセダで組んでいる中では一番長いですね。
――1年生の時はお互い別の選手と組んでいたと思いますが、組むようになったきっかけはありますか
安上 元々同じ地方だったので小さい頃から一緒にやってて。多分1年生同士だと組ませてくれないんですよ。で、新進(関東学生新進選手権)は4年生が出ないので希望が通って。でも別に新進も勝ってないけどね、なんでやろうね。でも徐々に上げていってるから続いてるってことじゃないですかね。
――お互いのことはいつ頃から知っていますか
安上 10歳の時に初めて試合しましたね。
古賀 もう人生の半分ですね(笑)。
――長く組んでいるからこそ分かる、お互いのこういうところが他のペアにはないというところはありますか
古賀 やっぱ安上の飛び付きですかね。
安上 (笑)。
古賀 僕は気持ちを上げていきたいタイプなんで、安上はそれに乗っかってくれるのでいいですね。僕が落ちてるときも上げてくれますし、そういうところが他のペアにはないというか、だからこそ僕らは勢いが出せているんじゃないかなと思います。
安上 大貴はそうですね。一番は、ファイター。
一同 (笑)。
安上 練習でも気合入ってるんですけど、試合になるともう一段階上のファイターになるんですよ。
古賀 そんな上がる?(笑)
安上 いや本当に(笑)。はたから見たら顔は怖いんですよ、気合入ってるから。でもお互いがうまくいかないときに支え合えるからそこがすごいいいな。一緒に落ち込んじゃうペアもあれば絡まっちゃうペアもあるけど、そこがいい具合にお互い元気出せるし。あとはプレーだとリターンがめっちゃいいですね。申し訳ないくらい僕が下手くそなので・・・(笑)。お互い自分にないものがあるからいいなって思う。こう言ったら失礼かもしれないけど、僕もペアよりはボレーができると思ってるので、そこはうまく調和しているっていうんですかね。そういう面ではいいかなって思います。
――どちらかが引っ張るというよりは一緒にという感じでしょうか
古賀 二人で引っ張り合うっていう感じですね。
――シングルスもお互いの試合は気になりますか
安上 勝ってくれた方がダブルスもいきやすいから、「頑張れー」と思って見てます。でも僕に関してはシングルスで負けてもメインはダブルスだと思ってるから、そんなに気にしないですけどね。
古賀 僕は(安上の)勝ち負けはあまり気にならないですけど、ストロークの調子がどうかなっていうのは正直(笑)。
安上 (笑)。
古賀 内容は見てる(笑)。「おっ、今日ストローク調子いいじゃん」みたいな。昂志の調子が良かったら今日はちょっと任せようかなと(笑)。
――そこは調子によって変えているのですか
古賀 だいたいそこら辺の判断は僕なので、声掛けてやるようにはしてますね。
安上 でも後ろの守備範囲はだいたい彼ですね。僕が前で。
――二人でやってきた中で特に印象に残っている試合はありますか
安上 一番うれしかったのはインカレインドアの準決勝で島袋(将、スポ3=三重・四日市工)・髙村(佑樹、スポ3=千葉・東京学館浦安)に勝ったこと。
――それはどうしてですか
安上 同期だったから(笑)。でも周りから見ても名前的にも島袋・髙村の方が有名だし強いし、その中で接戦をものにできたのはめちゃくちゃうれしかったですね。それかなあ、僕は。
古賀 いい印象じゃなくてもいいかな。俺は早慶戦かなあ、やっぱ。早慶戦ですね。
安上 (小声で)それはもう俺忘れたもん。
古賀 (笑)。こんなにもうまくいかないのかって思ったのが早慶戦でしたね。でも逆にあそこまでのプレッシャーを体感できたからこそ、今の気持ちの作り方みたいなのも少し生きている部分があるので、そこが僕の中では印象に残ってますね。あのプレッシャーの中でもプレーできる力が欲しいなっていうのはやっぱりあるので、もしリベンジできたらしたいなと思います。
――早慶戦のプレッシャーは他の試合とは違いますか
安上 5セットマッチだし、リーグとかじゃなくて、早慶戦っていうそのためだけの試合じゃないですか。・・・めっちゃ緊張しますよ(笑)。
古賀 しかも相手も僕らのことを研究してきてる感じがすごくて。いろいろやってきたし、僕らもいろいろやらなきゃいけないしで、切羽詰まって混乱してた部分もありましたね。だからそういう部分でのプレッシャーもありました。
――先ほどもおっしゃっていたように、研究されたり、相手の方が向かってくるという感覚は最近になってのことだと思いますが、試合での気持ちの部分はやはり違いますか
安上 なんか・・・しんどいです。なんかねえ、しんどいっすよ(笑)。
古賀 いやでもしんどそうですよ(笑)。僕がどうしようって言っても安上の問題ってところもあるので、そこは見てるこっちも苦しいなっていう部分もありますね。まあでも確かにすごいくるしね。
安上 なんでそんなグイグイくるん?みたいな(笑)。こっちからいけばいいのに、先に来られちゃうから乗り遅れる。でも今まで自分たちはそうやって勝ってきたんだなっていうのは、逆の立場になってから分かりました。
――そのつらさを超えるために、どうしていくか考えていることはありますか
安上 強く来られてもあまり気にしないで自分たちが楽しくやれれば多分いいかたちになるし、自分たちのいいかたちにどうやって持っていけるかだと思ったので。自分たちがミスしても相手に決められても、考えすぎずっていうか。最終的には思い切りの良さ、元気の良さっていうところにたどり着ければいいのかなって思いました。
古賀 僕もそんな感じです(笑)。
――試合前のウェアの色はどうやって決めていますか
安上 僕はあまり何色がいいって言えないんですよ。シングルスはちゃんと自分で決めるんですけど、ダブルスは結構決めてほしい派です。
古賀 でも僕も決められない。
安上 何色にするって聞いたら「何色でもいいよ」って言われて俺も「何色でもいいよ」っていう(笑)。
古賀 結果お互い余ってそうな色っていう(笑)。
――印象としてうまくいっている色などはありますか
古賀 あんまりないですかね。でもインカレインドアの時は黄緑だったね。あ、あと大会の最初に勝ったウェアはそのまま着ない?
安上 あー確かに。
古賀 フューチャーズとか黒青で勝ったから次もそれでいこうみたいな。そんな感じです。
――お二人はやはり接戦、スーパータイブレークに強いと思うのですが、その要因は何だと思いますか
安上 やっぱ勢いじゃないですかね(笑)。最終的には。気持ちを出していくからちょっとは前にいけるじゃないですか。そこが相手よりちょっと上回るんじゃないですかね。
――では少しテニスから離れて、改めてお互いのことを教えていただきたいのですが、二人はお互い似ている部分はありますか
安上 どうなんやろう。好きな女の子のタイプは違います(笑)。
古賀 真逆だね。
安上 まじで真逆です。僕はかわいい系が好きなんですよ。でも大貴はキレイ系が好きなので。お互い「あの子かわいくない?」って聞いたら「いやあ」って(笑)。絶対かみ合わないです。
――性格面ではどうですか
安上 まじめです、彼は。
古賀 まじめかなあ。
安上 結構自分にも他人にも厳しい。僕はゆるいんで、自分にも、特に自分には(笑)。
一同 (笑)。
安上 だからしっかりしてるなと思いますね。
古賀 でも昂志もさ、やるとこはやるよね?「やらない、やらない、やらない」じゃなくて、「やらない、やらない、やる、やらない」。
一同 (笑)。
古賀 要所要所を締める。
安上 まあうまくね、やってます(笑)。
――先ほど地元が一緒とおっしゃっていましたが、大学に入る前から仲良しでしたか
古賀 そうですね。試合会場で会ったり、海外遠征も日本代表として一緒に行ったりもしていたので、本当にずっと一緒でしたね。
安上 ライバルですよ、ライバル。
――お互いの試合結果は意識していましたか
安上 僕、インターハイにシングルスで出たことないんですよ。いつも県大会で負けちゃって。(古賀は)インターハイでベスト8に入ってたので、わあすごいなあって思いました。
古賀 いやでも、自分も連覇されてるんですよ、九州で。県で勝たないと全国大会には出られないんですけど九州大会には出られて、そこで決勝で安上に負けちゃったので。
安上 (ガッツポーズ)
一同 (笑)。
古賀 なんやかんや意識してたのかなあ。
安上 結果は見てましたね。
――大学で一緒になると聞いたときはどうでしたか
古賀 でもお互い大学に行くならワセダじゃない?っていう雰囲気はあったので、やっぱワセダかみたいな感じでしたね。
――他の部員さんからもいつも一緒にいるという話を聞きますが
古賀 全く一緒だよね、授業。
安上 教職を取ってるんですけど、僕らの代はここ二人だけなんですよね。コースも一緒で、教職の授業も一緒で、ゼミも一緒で。
古賀 週に授業が合わないのが金曜だけなんですよ。ずっと一緒ですね。
――3年生はどんな学年ですか
古賀 みんな仲良いですね。
安上 バカばっかです。
古賀 どこかが固まってるみたいなのがないです。誰かと誰かがどこか行くから俺も行こうみたいな。派閥がないですね。
――他の学年で仲の良い部員はいますか
安上 特にはいないかなあ。結構僕はみんなに喋るタイプなので、みんなと仲良いと思います。でもやっぱり同じ高校だった先輩、後輩は試合も勝ってほしいし、一緒に頑張りたいなっていうのは強いですね。
古賀 僕はやっぱり千頭くん(昇平、スポ2=愛知・誉)ですかね。なんだろう、じゃれ合ってんのかなあ(笑)。
安上 じゃれ合ってるね(笑)。
古賀 なんかかまちょなんですよ向こうが。僕の部屋にすぐ来て、鍵開けてると入ってくるんで、閉めてます(笑)。でも寮でも結局みんな一緒にいるよね。
――流行にあやかっての質問なのですが、この人半端ない!という部員はいますか
古賀 僕はやっぱ千頭ですかね。普通の人とちょっと感覚がずれてるっていうかぶっ飛んでる部分があるんですけど、それは多分あいつが勝つために必要なことなんですよね。他人と違う感性を多分あいつは持ってるんですよ。僕らと違うことをやっていても、みんな言うのは「結局あいつは勝つよな」っていう。そういう部分では半端ないですね。
安上 僕は颯大(藤井、スポ2=京都・同志社国際)がぶっ飛んでると思うんですよね。
古賀 あー、颯大ね。
安上 あれは半端ない。あれこそぶっ飛んでるっていうか、他人と違う。育ったのがアメリカっていうのもあると思うけど、何においてもやっぱりちょっと僕とは違う感じ(笑)。なんて言えばいいのかな、ぶっ飛んでる。
古賀 半端ない。
安上 半端ない(笑)。
一同 (笑)。
古賀 言わせたがりっすね(笑)。
目指すは優勝のみ
インカレへの意気込みを語る古賀
――では改めてインカレに向けてのことを伺いたいのですが、昨年のインカレは覚えていますか
安上 覚えてます。
古賀 結局去年の一年間は逸崎(凱人)・畠山(成冴、ともに慶大)に負けて終わったよね。
安上 チャンスはあったんですよ。今でも覚えてるんですけど、逸崎・畠山の時に、3-3でブレークした後の僕のサーブですぐブレークバックされたんですよ。そっから4-6、2-6で負けて、僕のサーブがキープできないなと思って・・・(だんだん小声に)。
古賀 (笑)。
安上 あと4-3の15-15で。
古賀 あっ!覚えてる。
安上 どっちが取るか迷ってどっちも取れなかったのがあって。それだけが本当に・・・。取れたやん!って思ったのでそれはめっちゃ覚えています。しかもそこが決勝まで行ったから、勝ってたら結構いいところまで行けてたかなって思うし。
古賀 僕もあの試合は結構覚えてますね。でも一枚上手にいる感じがしなかった?自分たちよりもいろんな部分で上にいかれているなっていうのを試合を通してすごく感じました。
――それはどういった部分ですか
古賀 勝負どころで簡単なミスを絶対しないんですよ。リターンをちゃんと通してきて、サーブはファースト入れてきて、そういう要所を締めてくる感じ。僕らはポイントとるだけでアップアップだったんですけど。
安上 余裕があったよね。
古賀 うん。それを試合しながらすごい感じてました。でも逆に言えばその辺の余裕は今の僕らにもある。大事なところで「よし、ここ取ろう」って感じで、二人で話してポイントに入ったりするので、そういう部分での成長は間違いなくしていると思います。
――岐阜のコートの印象や相性はいかがですか
安上 僕はあのコート苦手なんですよ。(球が)弾むし遅いので。
古賀 僕は逆に合わせやすいところもあります。あと日陰がないよね、あそこ。暑いし。すごい疲れるというか、ポイント間も常に日向にいるので、そういう部分での体力勝負はあります。
安上 あと僕シングルス1回も勝ったことないんですよ、あそこのコートで。1年目も予選1回戦で負けて、去年も本戦1回戦で負けて。
古賀 じゃあ今年初勝利だね。
安上 今年初勝利目指して(笑)。本当に、なんでかなあ。ちょっと動きづらくない?
古賀 慣れるまでに時間かかるね。
安上 ちょっと苦手意識ありますね。
――今の調子やインカレに向けて重点的に練習しているところはありますか
古賀 部全体としてダブルスの取り組みには力を入れています。春関、早慶戦で出た課題が明確だったので、そこをみんなで取り組んでいます。
安上 ダブルス練習が増えましたね。普段の練習とは別にプラスアルファでみんなで練習するようになったので、僕らがっていうよりは部として重点的にやってますかね。
――先ほど逸崎・畠山組の名前が出ましたが、意識する選手は誰でしょうか
古賀 やっぱり逸崎・畠山と小見山(僚)・楠原(勇介、ともに法大)ですかね。
安上 あと坂井(勇仁主将、スポ4=大阪・清風)・田中(優之介、スポ2=埼玉・秀明英光)。
古賀 今はその3つが強いと思うので。でもそこを倒したら優勝のチャンスは絶対あるので、そこですかね。
安上 まあそこ以外にも強いのはありますけど・・・。そこには勝ちたい。そこに勝ちたいって思いが強いですね。やっぱ(その3組は)みんなそれぞれ何かしらタイトルとってるから。僕らまだとってないので、とりたいです。
――やはり目標は優勝ですか
古賀 優勝です。優勝ですね。
安上 優勝してえ~~。
古賀 優勝したいね。
安上 優勝したいっす。優勝しかない。まだJOPとかでも優勝してないんですよ。優勝したいなあ。でも優勝するって難しいなって大学に入って思いました。高校生の時は県大会だったとか、単純に大学生は強いっていうのもあるかもしれないけど、調子良くても勝てない相手に当たるし、調子が悪くなっちゃうこともあるし。最後まで勝ち続けるのは難しいです。
古賀 みんな強いですもん、まじで。春関もチャンスだったけどね。
安上 春関も僕らが負けたのはスーパータイブレークが15-17とかで、マッチポイント握られても取り返して。なんだかんだいけるんじゃないかなって思ってたけど・・・。
古賀 最後やられたね、勢いに。
――その試合も含めてあと一歩のことが多かったと思いますが、優勝するために必要になってくることは何だと思いますか
安上 僕は最終的には思い切りの良さかなって。どちらが最後まで引かずに攻め続けられるか。あとは調子がいい時はそりゃ思い切りいけるじゃないですか。でも劣勢だったりちょっと調子悪いってなった時に、今までポーチに出てたところが出れなくなったりとか、ラケット振れてた部分が振れなくなったりとか、そういうのが僕は結構ある。うまい人って調子が悪くても自分のショットに自信を持ってある程度やってくるけど、僕は調子が悪いと、これやろう、あれやろうってすぐコロコロ変えちゃうから。そこをもう何やるって決めてやろうかなって思ってます。ペアには迷惑かけるかもしれないですけど、そこはしっかりうまく調子を上げていければいいなって。
古賀 僕はいつも通りってとこですかね。緊迫した場面、競った場面でもいつも通りにできれば絶対いけると思ってるので、変に力まずいつも通りっていうことを心掛けていきたいなって思います。
――では最後にインカレへの意気込みをお願いします
安上 シングルスは、まずは初勝利。そこから、めざせベスト8。ベスト8ならワンチャンある気がする。
古賀 いけるいける。
安上 ダブルスは優勝ですね。
古賀 僕もシングルスは(ベスト)8で、ダブルスは優勝ですかね。ダブルス優勝したい。
安上 優勝したいね。
古賀 優勝したいです。
安上 優勝して、またインタビューしてください!
――ありがとうございました!
(取材・編集 吉田優)
クールポコポーズでパシャリ
◆古賀大貴(こが・だいき)(※写真左)
1998(平10)年3月16日生まれ。身長173センチ、体重65キロ。佐賀県出身。大分舞鶴高出身。スポーツ科学部3年。昨季の主な戦績は、全日本学生室内選手権男子ダブルス準優勝。今季の主な戦績は、関東学生トーナメント男子シングルスベスト16、男子ダブルスベスト8。全日本学生ランキング男子シングルス24位、男子ダブルス13位(2018年6月付)。「動物に例えるならオランウータン」(安上)。
◆安上昂志(やすがみ・たかし)(※写真右)
1998(平10)年3月9日生まれ。身長171センチ、体重63キロ。福岡県出身。福岡・柳川高出身。スポーツ科学部3年。昨季の主な戦績は、全日本学生室内選手権男子ダブルス準優勝。今季の主な戦績は、関東学生トーナメント男子シングルスベスト32、男子ダブルスベスト8。全日本学生ランキング男子シングルス37位、男子ダブルス13位(2018年6月付)。「動物に例えるならキタキツネ」(古賀)。
これまでの取材でも、試合の度に優勝への思いを話してくださったお二人。今回の対談ではいつにも増して「優勝したい」という言葉が両者ともから飛び出しました。勝負どころでの勢いも、そんな強い思いから生まれるのかもしれません。二人で力を合わせ、悲願の初タイトルを狙います!