第2回には三菱電機・早稲田大学フューチャーズ国際トーナメント(早稲田フューチャーズ)運営の中心となる2年生が登場。統括の剱持梓(社2=東京・早実)、広報・トレーナー担当の大河真由(スポ2=千葉・秀明八千代)、ボーラー担当の今村南(社2=大阪・城南学園)の3人だ。それぞれ毎日の練習の合間を縫って、時には練習時間を割いてまで、大会の成功のために準備を進めてきた彼女たちに、早稲田フューチャーズにかける思いを伺った。
※この取材は2月25日に行われたものです。
「みんなに楽しんでやってもらいたい」(剱持)
統括として運営全体をまとめる剱持
――まずは皆さんの役職はどんなお仕事なのか教えてください
大河 私は二つ役職に就いているんですけど、まず広報の仕事は、東伏見近辺の飲食店だとかいろんなお店に早稲田フューチャーズの協賛金をお願いしに行くというのが一番大きい仕事で、それに加えてポスターを張ってもらったりだとか、大会の広報活動をやっているという感じです。トレーナーは、大会期間中に選手にケガがあった場合などにそのケアをする役割ですね。
今村 私は昨年に続きボーラーを担当させていただいていて、主に東京都の中高生に声をかけて試合のボールボーイをしていただくのですが、そのまとめ役というか、保証人みたいな感じです。
――ボーラーの指導は学校まで教えに行くのですか
今村 そうですね。学校に教えに行って、当日しっかり試合を円滑に進められるように、私が先導して指導していくという感じです。
――中高生と仲良くなれそうですね。
今村 そうなんですよ!去年は仲良くなっちゃいました(笑)。
――剱持さんはいかがでしょうか
剱持 統括という名前ではあるんですけど、あんまりガチガチに先頭に立って引っ張るっていうのもあまり得意じゃないので、というよりは各役職に気を使いながら、個別に話したりして状況を把握するった感じでしたね。あとは協賛企業へのあいさつは代表として私と佐藤(祥次、スポ2=大分舞鶴)で行って、それが初めての経験だったのでめちゃくちゃ緊張したんですけど、一種の社会勉強みたいな感じでしたね。あとこれまでは毎年、国際交流とか学生運営とか同じような目標でやっていたと私は感じていて。運営している学生の楽しみが少ないかなあ、と。学生が楽しめないのはどうなんだろうなと思ったので、統括なのでまとめ役なんですけど、私としてはみんなに楽しんでやってもらいたいというのがあって、各役職でやることは違うのですが、楽しみながら成長できる期間になればいいかなと思いますね。
――同じ統括の佐藤さんとの連携はいかがでしたか
剱持 うーん・・・うまくいってたかな?
大河 うん
今村 うまくいってるとおもうよ。
剱持 最初佐藤とやるってなったとき、佐藤は同期の中でもそんなに仲がいい方ではなかったので、「まずコミュニケーション取らなきゃな」みたいな感じだったんですけど、もう今は・・・マブダチですね(笑)。でもこれがなかったらこんなに仲良くなってないと思います(笑)。
――それぞれの役職で昨年からの反省を生かしていることはなにかありますか
剱持 みんな去年から引き継いでるね。
今村 ボーラーは正直去年でやり切ったという思いが強くて、私が走ったわけではないのですが、毎日全力出せたし、ボーラーの子たちも出してくれたので、あまりやり残したことや反省点は特になかったです。その分去年と同じだったら、さっき剱持が言ってたように自分が楽しめるのかっていうのがあるので、ことしは継続プラスチャレンジして、きょねんより充実してたなと思える大会期間にできればいいかなと思っています。
大河 ことし広報で大きく変えた点としては、東伏見近辺のお店にはパンフレットに広告を載せるというかたちで協賛金をいただいているんですけど、そのデザインを去年までと変えたというのが一番大きなところです。やはりお金を頂いているということで、それなりの価値のあるものを提供したいということになって、そのデザインを一新しました。あとは毎年いただいているところもあるので、来年以降にも続いていくように、それから大会の質を高めることにもつながるように、協賛してくださった企業にできることを考えているところです。
剱持 ディレクターが変わったというのもあるんですけど、だいぶ統括メインでもろもろのこと決めさせてもらって、今年の方が学生主体感が強い・・・かな?
今村 そうだね
大河 大会の顔ですね、統括は
剱持 ある意味で自由。
大河 その分大変なことも多いですけど。
「『会いに行けるアイドル』みたいな、『気軽に行ける国際大会』!」(大河)
『大変だったことトーク』は盛り上がりを見せた
――ここからは『大変だったことトーク』と題しまして、それぞれみなさんの苦労話をお聞かせください
大河 統括は大変だよね・・・
今村 去年までは統括の忙しさがあんまりよくわかってなかったんですけど、実際に同期が時間割いて仕事してるのを見ると、統括大変だなって
大河 いろんな仕事があって、なんか問題があると一回統括に回るんですよ。そこがすごく大変そうでした。
――とても労われていますが剱持さんはどうですか
剱持 えー泣ける(笑)。まあ、まだ終わってないから。てか始まってもないから(笑)。
剱持 私たちは来年就活とかでほとんど参加できないので、ある意味ことしで最後だなということで、やれることはやろうと思ってやってます。私たちは、アシックスさんとか三菱電機さんとか協賛企業との関わりを大切にするのはもちろんなんですけど、私たちがこんだけ頑張ってるというのを知ってもらうのをメインにしたくて。庭球部は知ってても、フューチャーズってなに?っていう人が多いと思うし、実際私も入るまで知らなかったので、そこも広く浅くでもいいから知ってもらえれば、それだけで自分たちとしてはうれしいんです。そこはSNSを使って宣伝したりとかは、慶応とか筑波とか、いろんな他大の大会を見て、いいところは盗んでいくというのは力入れてやってるかな。
大河 早スポさんもよろしくです!
――分かりました!続いて大河さんはいかがでしょうか
大河 広報っていうと周知活動とか、そういうのを想像すると思うんですけど、全然そうじゃなくて、そういうのはブログ・ホームページチームがやるので、私はシンプルに営業なんですよ。お金をもらうのはシンプルに大変でしたね。
剱持 大河は強く押したりできなそうなタイプだしね。
大河 やってみないと大変さとか、達成感も味わえなかったと思いますし、このおかげでフューチャーズへの思いも強くなったと思うので、今となってはやってよかったなと思ってます。
剱持 あ、あと大河マップ作りめっちゃ頑張ってたね。
大河 そう!マップね!
今村 まだ見てないや・・・
剱持 パンフレットに載ってるマップ、大河の力作なんで、ぜひチェックしてください!
――今村さんはなにか大変だったことはありますか
今村 うーん・・・私はこれからですかね。まだ学校の先生とお話してるだけの段階なので。去年思ったのは、ただ、「ボーラー行ってきて!」っていうのは誰でもできると思うんですよ。やっぱりこちらはボーラーをやりに来ていただいてる身ですし、でもしっかりやってもらわないと選手も運営側としてもいい気がしないので、どうやったらみんなにボーラーをきっちりやってもらえるかなって考えたときに、怒って指導するというよりは、とにかく感謝を伝えることを心掛けてます。とにかく褒めて褒めてという感じです。
大河 よいしょー!って感じだね(笑)。
今村 そう!よいしょよいしょって(笑)。とにかく怒ることだけは絶対にしないようにしようと思って、なにか言いたいことがあるときは、伝えて、「ここはすごくよかったから次もそれで行ってね!」みたいな感じで。でも全然苦じゃないですよ。中高生みんないい子ですし。
剱持 今村適任だと思います。
大河 寒いし、時間も長いし、ボーラーも大変だよね・・・
――ボーラーに来るのは昨年と同じ学校の生徒なのですか
今村 そうですね。去年は5校にお願いして、今年は去年来てくださった学校の先生のつてで、新たに1校から「うちもお願いしたい」と言ってくださったので、今年はプラス1校の全6校で行います。
――ことしのフューチャーズはこれまでとここが違う!という点があれば教えてください
今村 とにかく学生主体!
剱持 いい意味で決定権が学生にあって、その分責任も生まれるんで・・・
大河 ほんとに気軽にきてほしい!
今村 学生が充実してれば、絶対観客も選手も充実してくれると思うので。
剱持 うまく仲良くやってるし、いい雰囲気の大会にしたいですね。あとはフューチャーズから新1年生が初めてワセダの一員として活動するので、彼らも部員の一人としてそれぞれのカラーを出せるような大会にしたいなと思いますね。あともうちょいラフな大会にしたいよね。気軽に部員に話しかけてくれたらすごくうれしいです!
大河 アットホームな大会になったらいいね。
――他大のフューチャーズとは違う、早稲田フューチャーズならではのアピールポイントはありますか
剱持 うーん・・・女の子が可愛い!!
一同 (笑)
大河 これは来るぞ!!
剱持 ていうのは冗談で(笑)。部員みんな仲いいです。めちゃめちゃ強い選手でも、すごく普通というか。ほんと部員には気軽に話しかけてください!
今村 きのう慶應チャレンジャーの審判に行って思たのは、まあチャレンジャーは一段階格が違うんで資金とかの面で負けてしまう部分は多少あるんですけど、早稲田にはそれに負けない学生の知恵がある!
剱持 そう!ある意味で手作り感!いいよね!あっちはコレで(手で輪をつくってお金のポーズ)っていうのがあるんで。
今村 こっちはアナログで攻めます!
大河 国際大会なんだけど、手の届くというか。『会いに行けるアイドル』みたいな、『気軽に行ける国際大会』!ってことで。
一同 (笑)
「運営してる部員たちが頑張ってる姿もぜひ見てほしい」(今村)
早稲田フューチャーズへの思いを語る今村
――本番まであと2週間に迫っていますが、現在の進行状況はいかがですか
剱持 正直カツカツかな、というところです。日程が去年までと違って新進(関東学生新進選手権)がこないだまであって、ちょっと忙しくはなったんですけど、私たち締め切りはしっかり守るんで、今のところは問題なく進んでいます。ただ広報活動はまだ足りないというか、もっとやっていきたいなとは思います。
大河 役職によって忙しい時期が違うので、ボーラーなんかはこれから本番だもんね。広報は一段落したので、他を手伝っていきたいと思います。
――ずばりことしの早稲田フューチャーズの見どころは
剱持 1年生男子。インカレインドア(全日本学生室内選手権)でも大活躍でしたし、早稲田の顔としてどこまで頑張ってくれるかは見どころじゃないですかね。
今村 ことしの早稲田フューチャーズはトップの選手が結構出る予定で、世界ランク600とか。大学フューチャーズの中ではよりレベルの高い試合が見れるんじゃないかなと思います。
大河 やっぱり世界のプロを生で見れる機会は限られてくると思うので、テニスファン必見!私たちも楽しみ!
――早稲田フューチャーズにはどんな人に来てもらいたいですか
剱持 テニスファン以外でも、知識の浅い人でも来てほしい!
大河 ほんとにすごいもんね。
剱持 初心者とかでもめっちゃ来てほしいです。「わーすごーい」くらいでもいいんで、来てくれて、そこからテニスに興味を持つようになったり、早稲田のことを知ったりしてほしいですね。
大河 私は近くの人かな。広報活動が生きるかもしれないですし。時間ちょっとあるから覗いてみよっかなくらいでも全然うれしいです。あとせっかく早稲田フューチャーズって名前なので、早稲田の学生にも来てほしいです。テニス部ってあんまり知られてないので・・・こういう機会にぜひ見に来て、知ってほしいです。
今村 せっかくワセクラもやってるので、小さい子たちにはぜひ見に来てもらいたいですね。それが早稲田の学生に触れる機会にもつながってくると思うので、今回のイベントとかも来てもらって、そこからテニスに興味を持ってもらって、かつワセダに興味を持ってもらうのが一番かなと思います。
剱持 私は親がテニスやってたわけでもなくて、たまたま見に行ったテニススクールですごく強い人を見て、「あーこんな風なりたいなー」って思ったので、そういうシンプルなきっかけにもなればいいなあと思いますね。
――最後に、この記事を読んでいる方々へメッセージをお願いします
大河 最後まで読んじゃったね!はい!来ちゃお!
剱持 そうだよ、読んだからにはね、来ちゃうしかないね。
今村 来てくれた方には絶対満足して頂けるように頑張りますし、出ている選手もボーラーも観客もみんなが満足できる大会にするんで!
剱持 この大会は早稲田大学が125周年の記念に始まって、当時早稲田に杉田祐一さん(三菱電機)が入学のを広めるという意味を込めて企画したと聞いてるんですけど、そういう風に学生が将来世界のトップにいく可能性もありますし、期待の若手選手たちを見るチャンスですし、試合も面白いと思うんで!迷ったらとりあえず見に来てほしいです。
今村 せっかくこうやって運営側の取材をしていただいたので、選手のプレーを見つつ、運営してる部員たちが頑張ってる姿もぜひ見てほしいなと思います。より身近に感じられるんじゃないかなと思うんで。
剱持 庭球部の1年に一回のイベントなんで、ぜひ見に来てください!
――ありがとうございました!
(取材・編集 松澤勇人、吉田優)
同期ならではのテンポの良いトークに華が咲きました
◆剱持梓(けんもち・あずさ)(※写真右)
1998(平10)年1月26日生まれ。東京・早実高出身。社会科学部2年。
◆今村南(いまむら・みなみ)(※写真左)
1998(平10)年1月23日生まれ。大阪・城南学園高出身。社会科学部2年。
◆大河真由(おおかわ・まゆ)(※写真中央)
1997(平9)年8月6日生まれ。千葉・秀明八千代高出身。スポーツ科学部2年。