【連載】王座直前特集『挑戦』 第4回 齋藤聖真×坂井勇仁×古田伊蕗

庭球男子

 第4回に迎えるのは、関東大学リーグ(リーグ)にて3人で最大4本をもぎ取ってきた3年生トリオだ。1年時から単複で団体戦に出場し、個人戦でもコンスタントに結果を残してきた坂井勇仁(スポ3=大阪・清風)。昨年はダブルスで堅い1本を持ち帰り、今季はシングルスでも出場を果たした齋藤聖真(スポ3=神奈川・湘南工大付)。徐々に戦績を上げ、今やチームに欠かせない存在となっている古田伊蕗(スポ3=静岡・浜松市立)。3年目のシーズンを戦っている彼らが、今季の団体戦に臨む心境について語ってくれた。

※この取材は9月26日に行われたものです。

「シングルスを後押しできるようなダブルスがまだできていない」(齋藤)

自身も今季2敗を喫した齋藤

――まずここまでの振り返りからお願いしたいと思います。直近ではインカレ、夏関がありましたが、どう捉えていますか

坂井 ダブルスで河野さん(優平副将、スポ4=福岡・柳川)の最後のインカレ(全日本学生選手権)で優勝することができて本当にうれしく思いました。シングルスは伊蕗とやった後千頭(昇平、スポ1=愛知・誉)にボコボコにされてしまったのですが(●1-6、2-6)、1年目に勢いでベスト8に入っていたので、(今回)しっかりベスト8に入れたのは良かったと思います。夏関(関東学生選手権)ではシングルスは途中で力尽きてしまって、ダブルスは決勝でちょっと力尽きてしまって。インカレが終わってすぐ試合があった中で、去年よりはいい夏関になったのではないかなと思います。シングルスは大きな結果はないものの、コンスタントに結果を残せているような気がしているのでそろそろ上位進出をしたいなと思うのですが、層も厚いのでチャレンジャーの気持ちで頑張っていきたいと思います。

齋藤 インカレ、夏関は夏関のダブルス優勝以外あまりいい結果ではなかったので・・・。インカレでは単複共に満足できない結果だったのですが、1、2年よりはまずシングルスが勝てて、でもペアの髙村(佑樹、スポ2=千葉・東京学館浦安)に負けた(●6-3、3-6、3-6)のは結構悔しかったです。それもあって夏関のシングルスでは、去年8までいったのでそこまでいこうと思っていたのですが、なかなか(インカレから)中1週間でモチベーションを保って上位に進出するということは難しかったなと。ただその分千頭と組んだダブルスで優勝できたことはすごく自信になりましたし、結果に差が出た2大会だったのですが、来年は全てのカテゴリーでもっと勝てるようにしていかなくてはいけないなと思いました。

古田 インカレではシングルスで坂井とやって、すごくいい試合をできたとは思うのですが負けてしまって、悔しい思いがありました。その次に勝ってくれるだろうなと思ったのですが、ちょっと思った以上にスコられて(大差で負けて)いて・・・(笑)。

坂井 お前のせいや。

古田 僕が思った以上に削っていました。夏関はその後すぐ始まったのですが、シングルスでは準優勝してダブルスも(ベスト)8に入れたので、初めて個人戦で賞状をもらえたというか・・・。

坂井 初めて「かみ」をもらえたんやな。

古田 ・・・うん、そうだね。賞状をもらえたのでそれは良かったのですが、決勝という舞台で自分の力が発揮できた部分もあった一方通用しない部分もあったので、ラスト1年はもう少し自分のプレーを磨いてことしよりも勝てるようにしていきたいと思います。

――ことしはリーグの前に夏関がありましたが、やりにくさはありましたか

坂井 いや、やりにくくはないですね・・・。

齋藤 僕は個人戦が続くのは結構やりづらかったと思います。全国大会の後に関東があって、全国で結果を残したのに夏関で負けちゃうと・・・。分かりやすく言うと島袋(将、スポ2=三重・四日市工)が(インカレで)優勝して疲れがあったのが1年生に負けちゃったじゃないですか(●1-6、3-6岡垣光祐、法大)、そういうのが3週間のうちに2大会あるというのは僕は結構きつかったですね。

古田 僕はあんまり考えていなかったです。

坂井 僕もあんまり考えていなかったです。

齋藤 お前らすげえな(笑)。俺は結構きつかった。

坂井 でも単複あったのですが、・・・あんまり考えていなかったです。

一同 (笑)

――皆さんは選手として出場する2、3年目のリーグでしたが、団体戦に臨む上で気持ちに変化はありますか

坂井 気持ちに変化というよりは、去年、一昨年よりも層が厚いので、出られるか分からない状態が続く中でも楽しんで試合ができたのではないかなと思います。ダブルスは苦しい場面が何度かあったのですが、ペアの田中くん(優之介、スポ1=埼玉・秀明英光)と共に乗り越えて頑張ることができたので良かったと思います。

古田 ことしは上級生なので去年よりもしっかりチームをまとめていかなくてはいけない立場で、しっかりその中で選手として出たのは最初の3戦だけだったのですが、自分なりに頑張って試合、応援ができたのではないのかなと思います。

齋藤 上級生という去年とは違う環境だったので、特にチーム戦でいうとダブルスに多く関わる立場なのかなと思っていて。去年より層が厚いと坂井さんもおっしゃっていましたが、それもあって一つの負けが原因で出られない試合もありました。僕と髙村で出た試合は1試合だけで、(明大戦に)出られないという悔しさはあったのですが、僕と髙村が交代するのではなくて僕だけ替えられたことに対して結構悔しさがあって。それはやっぱりコーチ陣や4年生の判断で、僕のプレーに良くない点があったのかなと反省しています。残り2週間ちょっとで直せる部分もたくさんあると思うので、変わっていかなくてはいけないかなとは感じました。

――リーグでのご自身の試合内容を振り返って

坂井 初めの亜大戦のシングルス以外は全部出て、早慶戦で最後島袋と僕の2試合が残ってほぼ(勝敗が)懸かった状態になったのですが、そこでみんながどよめくほどの応援をしてくれたので、緊張しながらも楽しくプレーができたのかなと思います。

――坂井選手はリーグを通して好調を維持していましたが、単に調子が良かったのでしょうか、それとも団体戦が好きだという要因があるのでしょうか

坂井 団体戦は結構好きな方だとは思います。みんなが疲れている中、自分の中でしっかり気持ちをリフレッシュさせて団体戦に臨めたのが良かったと思います。

――他のお二人はご自身の試合をどう振り返りますか

古田 亜大戦以外は中大、法大と負けてしまったのですが(●6-3、4-6、3-6正林知大、中大、●2-6、6-7岡垣)、負けた相手というのが夏関で直前に勝っていた相手で(○7-5、6-1正林、2-6、6-2、6-1岡垣)、その緊張した場面で相手の調が子いいとか自分の調子があまり良くないとか関係なく、チームの代表として出て負けてしまったのはとても悔しく思いました。その後の2戦は違うメンバーが出て自分は選手として出ることはできなくて、勝てないと層が厚い以上すぐ控えのメンバーがいるので、残りの2週間は自分が出られるか分からないのですが、危機感を持っていけたらなと思います。

齋藤 ダブルスで初めての負けを経験して、その時も(取材で)言ったと思うのですが、結構悔しくて。調子が悪いとか全くなくて、相手のいいプレーに対して押し返すことができなくて。でも調子が悪くないのに負けるということは確実に実力の差がある、相手の方が上手だという部分があると思います。負けた2戦(法大戦、慶大戦)の中では慶大がまだ王座(全日本大学対抗王座決定試合)で当たる可能性があって、負けた試合をどう生かすかということが大事になってくるので。あまりネガティブにならないようにしたいんですけど、・・・たまになります。

――リーグを通してチームの戦いぶりはどう振り返りますか

坂井 ほとんどのチームに個人戦の実力では勝っていると思ったのですが、ぽろっと落としてしまう試合もありました。全員が調子がいいということはあるわけないので全員がカバーでしていければいいのではないかとは思うのですが、早慶戦ではダブルスで先にリードされてしまったので、それは一番避けなければいけない状況だったのかなと思います。

古田 今回は層が厚いということでダブルスもシングルスも初めて起用される選手が多くいたのですが、リーグの雰囲気にのまれて早慶戦で田中がすごく簡単に負けてしまったりして(●1-6、1-6今村昌倫)。そういう中で上級生が、特に早慶戦では三好さん(健太副将、スポ4=埼玉・秀明英光)とか坂井さんが上級生としてしっかり役目を果たしてくれたのはすごく良かったとは思います。なので王座でもしっかり3、4年が中心になって戦っていけるようにやっていきたいと思います。

齋藤 ことしのチームはすごくシングルスがすごくいいのでダブルスも強いかなと思ったのですが、現に自分が負けたりとか、ダブルス1も正規ペアではないのですが僕は勝てるかなと思ったところに負けてしまったりとか。もう少しかなというのは思います。シングルスを後押しできるようなダブルスがまだできていないというのがあって、それさえできれば完璧に近いと思うので。そういう意味で「惜しい」という感じですね。その原因の一つに僕も入ってしまっているのですが、それに気づいて直していくことが大事かなと思うので、あと2週間で完成できるかどうか、今後に期待ですね。

――ダブルスで全勝できれば勝てるチームだという自信はあるということですね

齋藤 そうですね、確実に。3-0つけて負けるチームじゃないですね。

――チーム全体の課題としては一番にダブルスを挙げますか

齋藤 ダブルスじゃないですか。それだけですね。シングルスに関しては問題ないと思うので。少し問題があったとしてもそれはダブルスでリードできなかったのが原因で、シングルスだけに負けた原因があるとは思わないです。あと2週間で強化するというのは難しいことなのですが、きのう、きょうで結構ダブルスをメインでやっていたりするので、誰が出てもいいような準備は確実にできてきていると思います。今のところダブルスの強化以外は思いつかないです。

古田 僕も同じになってしまうのですが、まずダブルスの強化は僕自身関わっていないのですが必要だと思います。あとはどの選手が出るか、いつ自分が出るか分からないので、自分が出るんだという準備を日頃からしっかり行っていくことが大事だと思います。

坂井 僕もダブルスの強化が大事だと思います。

――お話にもありましたが、層が厚いからこそ準備が大変な面もあると思います

古田 今回はいろいろなアクシデントもあったのですが、そういった中での準備はとても難しかったです。

坂井 実際は結構オーダーがくるまでは全然分からないので、ガットを張ったり服を準備したりだとか、そういう準備は出る出ないかかわらずしっかりして、いつ誰がケガをしても大丈夫なように準備だけはしていきたいなと思います。

齋藤 一緒ですね。

――収穫や良かった点はありますか

坂井 いろいろな人が出られたことが一番の収穫ではないかなと思います。いつもなら超固定されたメンバーで戦っている感じがあったのですが、今回のリーグは最後(明大戦)島袋が出なくてもしっかり戦えるようなメンバーがそろっているので、経験できる人が例年より多かったのは良かったのではないかなと。

古田 みんなが出られて良かったと思います。

齋藤 千頭のシングルスがすごく強いということが分かりました。それまで千頭がシングルスに出ていなくて、千頭のシングルスの試合を見てこいつはシングルスで出さなきゃいけないからダブルスに出てる場合じゃねえなと思いました。ペアが変わったりしたのですが、千頭が出なくてもいいようにしないとシングルスの方にも負担がかかってしまうので・・・。坂井・田中が(単複で)出てますけど、極論はシングルスに出るんだったら(ダブルスに)出なくてもいいんだったら出ない。(単複)どちらかにした方が体力は温存できるので、千頭のケガのこともありますし、シングルスの方がいいと分かったのならシングルスに専念させて、ダブルスを(他の人に)任せられるようなチームづくりをしなくてはいけないなと思いました。全部ダブルス強化につながっちゃいますけど。

――個人としての課題、収穫は

坂井 連戦、連戦で明大戦のシングルスのファーストセットなんかは足が止まって無理やりいってしまう場面が出てきていたので、去年よりは戦い方も良くなったとは思うのですが、もう少し自分の力を知った上で試合をしていかないといけないなと思いました。

古田 個人としては中大、法大で負けてしまって、反省になってしまうのですがしっかり準備ができていなかったなと感じました。準備が必要です。これからは常に備えたいと思います。

齋藤 髙村以外と団体戦に出たのは初めてで、千頭だと2つ下になるので余計に引っ張らないといけなかったのですが、できていなかったので反省しか出てこないですね、収穫というよりかは。なんか・・・なんかうまくできないんですよね。

坂井 相談してきた(笑)。

齋藤 (笑)

名前の由来は・・・

同期ならではの掛け合いを見せた仲良しトリオ

――齋藤選手と古田選手は一緒に対談をするのは初めてですが、お互いの印象をお聞きしてもいいですか

古田 本当に初めて会ったのは12歳以下の全日本(全日本ジュニア選手権)で、(試合で)当たって。審判ともめたんだよ、こいつ。

齋藤 それ覚えてねえ。

坂井 12歳で?

古田 「◎$▼&□¥♪△~!!」って。

坂井 まじで?狂人やな。

古田 俺はのほほーんと、「何かしてる~」って。

齋藤 最初の印象だと、こいつすごいフォア強かったんですよ。僕は今ほど打つ感じじゃなかったんですけど、こいつのフォアがすごくて、どうしようか今よりもめっちゃ考えて。ファースト落としてセカンド取ってファイナル取られたという感じだったのですが・・・。「こいつすごいバコい」というか「攻撃的なやつだな」って思っていたのが、上がるにつれてだんだんなくなっていって今はこういう粘り強いテニスになっていて。最初の印象とテニスに関しては全然違うんですよ。

――いつごろからプレースタイルが変わってきましたか

古田 大学で気付いたんですけど、正直僕の球じゃいくら打っても決まらないんですよ。頑張って拾おうと思ったら「あれ、なんか勝った」っていう感じだったので・・・。

――齋藤選手の印象はいかがですか

古田 最初見た印象は「アホそうだな」っていう(笑)。

齋藤 (笑)

古田 僕も人のこと言えないんですけどぼーっとしてるんで。

坂井 でも確かに、聖真のちっちゃい頃の写真見たらかわいいねんけど「アホ」。

古田 「アホ」っていう言葉がすごい似合う子でした。

坂井 こんな顔して(口をぽかんと開ける)歩いてた、靱(靱テニスセンター)。

齋藤 暑いからね。

――北海道に比べると大阪はちょっと暑いなという感じでしたか

齋藤 いや、ちょっとどころじゃないですよ(笑)。

――3年間密に関わってきた今、印象はどう変化しましたか

古田 たぶん二人とも同じ意見なんですけど、めんどくさいんですよね。

坂井 (笑)

古田 結構けんかするんですよ、口げんかというか。お互い気になるポイントが違うんですよ。僕の部屋にいるのは全然いいんですけど、例えば食べ物とかをばーっとやるのはやめてほしいなっていう。食ってゴミ箱に入れるならいいんですけど、そのままフォンって。

坂井 弁当の殻を人の部屋に置いて帰る。

齋藤 食べ終わった瞬間片付けろ派なの?

古田 むしろ俺が「ゴミ箱入れて」って言ってる。

齋藤 言われて「ああオッケー」っていう。

古田 下手したら坂井より一緒にいる時間は長いので。

齋藤 でも僕が伊蕗に対して思っていることとしては、苦手な部分はあるけど結構好きっていう。

坂井 大胆に出たね。

齋藤 そんな感じでしょ?

古田 まあそうですね、何だかんだ好きだから・・・。

坂井 (爆笑)

古田 結局好きなんです、お互いに。

坂井 みんな大好きなんです。

――皆さんの共通点として、漢字も含めてよくある名前ではないところが挙げられると思いますが・・・

齋藤・坂井・古田 あー。

齋藤 でも俺二人の字最初読めなかった。

坂井 アホやろそれ。

古田 まじか。

坂井 伊蕗はでも・・・何て読んでたっけな。

齋藤 絶対読めてないでしょ(笑)。

古田 絶対「いろ」とかでしょ。

坂井 いろ。ふるたいろ。

齋藤 俺は「い」しか読めなかった。

古田 読みにいかない(笑)。

齋藤 だって12歳以下の時だから。「い・・・何て読むんだろう?」って感じだった(笑)。

坂井 俺齋藤せいしん、せいま・・・って感じだった。

齋藤 だろ?俺「ゆうじん」だったもん。

坂井 僕今自分の名前ケータイの変換「ゆうじん」です。

齋藤 でも慣れてきたら出てこない?たぶん俺今「ゆうと」で出てくるよ。

坂井 ケータイが俺の名前に慣れてない。

――名前の由来を教えていただけますか

坂井 俺知ってる。お母さんに聞いたもん、ちゃんと。この日のために。

古田 おお、王座っぽい(笑)。

坂井 「勇」は勇ましいという意味があるんですよ。それはよくあるんですけど、「仁」は「やさしい」とも読めるらしくて、勇ましく優しい人に育ってほしいという愛を込めて「勇仁」になりました。「坂井」は知らないです。

齋藤 それはもうしょうがねえだろ(笑)。

坂井 優しいっしょ。どう、俺ちゃんとそういう風に育ってる?

齋藤 いや、でも「勇ましい」は分かる。

古田 「勇ましい」は分かるけど、1年目は優しさはゼロだった。

――古田選手はご自分の名前の由来をご存知ですか

古田 由来は分からないのですが、とりあえず「いぶき」という名前は決まっていて。画数あるじゃないですか、その中で一番良かったのがフキノトウの蕗ですね。地面の中で頑張って育って地道にコツコツという意味が。気に入ってはいますけど、小さい頃とか受付のお姉さんとかに「これ何て読むの?」って聞かれて、「いぶきです」「あっ名前はかっこいいね」ってよく言われて。名前に負けているのでそれはちょっと嫌です。あと春関(のドローやOOP)とかはよく名前が違いますね。

――齋藤選手は由来を知っていますか

齋藤 ちょっと分かんないですね(笑)。あ、でも「しょうま」がはやってたっていう。同じ漢字は嫌だからちょっと変えたっていうのは聞きました。僕は結構気に入ってます。

――夏休みは何かできましたか

坂井 幸せのパンケーキにいきました、ここ(の3人)プラス田中で。「あの店員さんかわいいな」ってなって、アンケート用紙に「きょう良かった店員さん、だれだれ」って書いて、僕が伊蕗の名前書いて置いておいたんですよ。伊蕗が気づいて「おいそれ持って帰れよ」って言ってたんですけど。

齋藤 先にこいつが会計に行ったので、僕が「あっ」と思って広げて出てきました。

――その後店員さんからFacebookなどで連絡はきませんでしたか

齋藤 あ、きたの?きた?

古田 くるわけないじゃん。

坂井 3秒でゴミ箱ですね。

――ことしのスローガンは『挑戦』ですが、皆さんが挑戦したこと、したいことはありますか

古田 テニスは王座で頑張るということと、あとは全日本(三菱全日本選手権)もあるので(東日本大会で優勝し本戦WC獲得)。

坂井 ベスト8。

齋藤 ベスト8だね。

坂井 ベスト4・・・決勝いこう。

齋藤 優勝だね。

古田 ・・・昨年より1回でも多く勝てるように頑張りたいと思います。

坂井 去年はあと2ポイント、2ポイントでベスト8やからな。

古田 うるせえな、負けは負けだよ。

齋藤 5-2?

古田 タイブレ5-2。

齋藤 6-0?

古田 だから5-2だって。

坂井 7-2?

古田 勝ってんじゃねえかよ。

齋藤 え、(ベスト)8?

古田 8は入ってねえよ。

一同 (笑)

古田 私生活では夏っぽいことができなかったので冬ぽいことを。

坂井 伊蕗はフリーの時間にもっと行動した方がいいよ。布団にこもってケータイのゲームばっかして・・・。

齋藤 オフは掃除して満足してるんですよ。別にオフじゃなくてもよくないですか?

坂井 掃除したところで結局意味ないんですよ。すぐ汚くなるから。

――齋藤選手が汚すのですか

齋藤 いや、えっと(笑)・・・まあそうですね。

――齋藤選手の挑戦は

齋藤 テニスで言うとサーブアンドボレーを始めたんですよ。僕の中で挑戦だったんですけど。結構うまくなってるという自覚はありますね。キープにつながるかは微妙なのですが・・・。でも自信はついてきています。

「来年は最上級生になるので、4年生の背中をしっかり見て頑張りたい」(坂井)

坂井はリーグで単複出場し、全勝の活躍を見せた

――ことしのチームが発足してからここまでの戦いぶりを対抗戦も含めどう振り返りますか

坂井 ことしに入って対抗戦と団体戦ではまだ負けていないのですが、王座はまた別にやってくるので。3年生最初で最後の王座なので、今の4年生と一緒に楽しみたいと思います。

古田 坂井も言っていたようにことしはまだ負けていないので、自分たちの力が発揮できれば王座でもしっかり勝てると思います。まずはダブルスの強化と、シングルスも層が厚いといっても相手チームも強いので、しっかりみんなで力を合わせて頑張っていきたいと思います。

齋藤 僕が勝って1本持って帰るくらいの気持ちで頑張ります。また僕が頑張れば古田くんや坂井さんも頑張ってくれると思うし、いろいろな人が刺激を受けて全員が頑張れば優勝できるので、そういうチームになれればいいかなと思います。

――改めて、ことしのチームはどのようなチームですか

坂井 ことしのチームはいいチームです。みんな楽しめているというか、超ストレスを感じて本当に追い詰められているという感じの人が例年より減っているのではないかなと思います。去年、一昨年、その前なんかはやっぱり雑用がすごく多くて、本当に何しにきてるんだろうという時もありました。今の1年生も別に減っているから楽だとかいうわけではないのですが、1年生は環境も変わってストレスを感じやすいとは思いますし、僕らが4年になった時にもっと減らしていければよりいいチームづくりにつながるのではないかなと思います。上下関係をそんなにきつくする必要はないと思いますが、崩壊しない程度に縦の軸を一本しっかりと入れて、締めるところは締めてやっていければいいんじゃないかなと。

古田 みんな仲良くて、去年、一昨年に比べたらみんな楽しそうにやっているので、風通しがよくていいチームだと思います。

齋藤 楽しいチームです。4年生を含め僕らもそういう雰囲気が好きですし、僕がいたこの3年の中で一番盛り上がれるチームだと思うので、そういうところが強みのチームです。

――風通しがよい、楽しいというチームカラーは何に起因しているのでしょうか

坂井 基本的には4年生が優しくチームをつくってくれているというのが大きいのではないかなと思います。

――今のチームの状態、雰囲気はどうご覧になりますか

坂井 ダブルスに対してみんながこれだけ危機感を持って練習に臨めているのはいいとは思うのですが、もうちょっといけるなという。そこを突き詰めてやっていければいいんじゃないかと思いました。

古田 リーグ戦で慶大に対して5-4だったので、危機感を感じながら、しっかり緊張感を保ちながらみんなで王座に向けて練習ができていると思います。この先国体もあって全員で練習できる機会は少ないのですが、その中で個人個人が自分の役割を把握してやっていけたらなと思います。

齋藤 きのう50本ダッシュが終わってチームとしてのまとまりが出ているので、今のいい関係性であったり盛り上がりであったりという部分で、その良さを生かせるとてもいい状態であるということは間違いないと思います。

――王座では近大、関大、慶大などが強敵になってきますが、他大の印象は

坂井 近大、関大は関西の友だちがいっぱいいるので王座は久々に試合会場で会えるいい機会なのですが、その中でも勝たないといけないので頑張りたいと思います。慶大はリーグでも早慶戦(春の早慶対抗試合)でもやりましたが、やはり清風の先輩の上杉さん(海斗)とか逸崎(凱人)・畠山(成冴)を軸にやってくると思うので、そこをしっかりこちらがつぶして、なおかつ下のシングルスやダブルスでリードして。まず決勝まではいかなくてはいけないので決勝まで頑張っていって、勝てるように準備をしたいと思います。

古田 どの大学も各地域の予選を勝ち抜いてきた強豪なので、慶大はもちろんですけど関大とかは去年早関戦で負けている相手でもあるし近大も強いので、その中でしっかり一戦一戦集中して自分たちの力を出して優勝までいけたらいいと思います。

齋藤 特に関西の2校だったり慶大がすごく強くて、毎年準決勝や決勝で苦しめられていて。それでも去年のワセダの1回戦でダブルスですごく競った試合があったりだとか、その3校以外にもチームの雰囲気が崩れてしまうような試合をさせられる相手もいるので、しっかり初戦からということは気をつけなくてはいけないかなと思います。さっき言っていた3つの大学以外にもやることは同じだということは僕は常に考えています。

――ことしの王座は3年目になりますが、皆さんの中ではどのように位置づけていますか

坂井 1つ上の先輩たちは僕たちが一番濃い関わりを持っているはずなので、一緒に戦う最後の団体戦であり、自分たちも来年最上級生になるので、チームをまとめ上げられるような存在になれるように4年生の背中をしっかり見て頑張りたいと思います。

古田 4年生との最後の王座になるので、いいかたちで4年生を送り出したいというのもあります。これで優勝すれば13連覇になるので、僕たちが4年になった時も優勝できるように、まずはいいかたちで4年生と最後の王座で優勝して楽しく終われたらいいなという気持ちです。

齋藤 1つ上の先輩と関われる最後の大会ですし、そういう気持ちを忘れずに最後までやりにいこうと。坂井さんも言っていたように王座が終わると同時に最上級生になるので、その後自分たちが最上級生としてやっていくという気持ちも忘れずにやって、いい大会になればいいかなと思います。

――4年生にはどのような思いがありますか

坂井 小倉キャプテン(孝介、スポ4=神奈川・湘南工大付)を日本一のチームのキャプテンにしてあげられるように頑張りたいと思います。あと副キャプテンも日本一のチームの副キャプテンにしてあげられるように頑張りたいと思います。あと他の4年生も、みんな日本一のチームの4年生にしてあげられるように頑張りたいと思います。

古田 坂井と一緒です。

齋藤 間違いないね。

――その中で王座に向けて自分の役割は

坂井 やはり試合に出たら絶対に勝って帰ってこられる選手になることと、出なくても出ないなりにできることを最後までやるということを心に決めて臨みたいと思います。

古田 シングルスは層が厚いので誰が出るか分からないのですが、出ても出なくてもその中でしっかり自分のできることをして王座に臨みたいと思います。

齋藤 出ない可能性もまだあるので、出なかったとしても応援というかたちで選手の力になれるようなサポートをして。選手として出たら試合に勝つことが最大の役割だと思うので、そこだけですね。

――優勝に向けキーになるポイントはどこだと思いますか

坂井 エース島袋将の存在感を出せるかどうかがキーポイントだと思います。あとはダブルスでリードして、4、5、6で決めるというのがキーポイントです。

古田 この中では坂井さんが単複両方出ているので。インカレも優勝してるしエースは島袋なんですけど、僕らの中でのエースは坂井さんなので。

坂井 絶対思ってない。

古田 王座でもリーグ同様に2本取って帰ってきてほしいです。

齋藤 坂井さんと言いたいのですが、田中も大事なので。坂井、田中の単複ある組が頑張れば・・・。島袋も大事なのですが、堅いダブルスがどれだけ勝てるか、優勢に進められるかで他の試合に影響を与えられると思うので、リーグでいうところのダブルス2ですね。

――王座でのご自身のアピールポイントはどこですか

古田 僕は横の動きで。

齋藤 ボレー。

坂井 じゃあ僕もボレーで。

――最後に、改めて王座に向けて意気込みをお聞かせください

坂井 3年生最初で最後の王座なので、楽しみながら試合をすることと、なおかつ勝てるようにいい準備をして臨みたいと思います。

古田 最高の準備をして、最高の仲間たちと最高の優勝を経験できるように頑張りたいと思います。

齋藤 最高の準備をして、全員で最高の瞬間を味わえるよう頑張りたいと思います。

――ありがとうございました!

(取材・編集 熊木玲佳)

仲良しトリオの対談でした!

◆齋藤聖真(さいとう・しょうま)(※写真左)

1996年(平8)12月14日生まれ。身長177センチ、体重64キロ。神奈川・湘南工大付高出身。スポーツ科学部3年。今季の主な成績は、関東学生トーナメントシングルスベスト8、ダブルスベスト4、全日本学生選手権シングルス・ダブルスベスト16、関東学生選手権ダブルス優勝。全日本学生ランキングシングルス12位、ダブルス4位(2017年9月付)。廣川真由さん(社3=埼玉・浦和学院)のお誕生日を祝った際に昼からお酒を飲めて最高だったと話してくれた齋藤選手。王座で優勝し、部の皆さんと祝杯をあげてほしいですね

◆坂井勇仁(さかい・ゆうと)(※写真右)

1996年(平8)8月12日生まれ。身長175センチ、体重65キロ。大阪・清風高出身。スポーツ科学部3年。今季の主な成績は、関東学生トーナメントシングルスベスト16、全日本学生選手権シングルスベスト8、ダブルス優勝、関東学生選手権シングルスベストベスト8、ダブルス2位。全日本学生ランキングシングルス8位、ダブルス1位(2017年9月付)。スキーではパラレルターンができず、ハの字で少しずつ進むという坂井選手。コケ方はうまいとのことで、スキーの上手な齋藤選手に「ケガしないね」と感心されていました。王座ではコケずに頑張ってほしいです!

◆古田伊蕗(ふるた・いぶき)(※写真中央)

1996年(平8)4月25日生まれ。身長172センチ、体重67キロ。静岡・浜松市立高出身。スポーツ科学部3年。今季の主な成績は、関東学生トーナメントシングルスベスト8、全日本学生選手権シングルスベスト16、関東学生選手権シングルス2位、ダブルスベスト8。全日本学生ランキングシングルス6位(2017年9月付)。夏関決勝にお姉さんが応援にきたものの、ファイナルセットの0-5から4ポイント分しか見てもらえなかったとのこと。王座ではしっかり勝利を収める姿をいろいろな人に見てほしいですね