全日本学生選手権(インカレ)も本戦3日目を迎え、シングルス2回戦の試合が行われた。出場した17人中14人が3回戦に進出。予選から勝ち上がった町田亮(スポ3=福岡・柳川)が望月勇希(中大)を破るなど、シード撃破も見られた。
今季フューチャーズでタイトルを獲得し波に乗る望月との対戦に、「(予選で負けた昨年の)リベンジができるいい機会」と前向きに臨んだ町田。相手が想定外に攻めてこない焦りからミスが続き第1セットを落とすが、第2セットでは「ポジションを下げて後ろから攻めようとした」と町田。ラリーでのポイントも増え、6-2で奪った。最終セットでは5-6で何度もマッチポイントをにぎられたが、「シンプルにいこうと意識した。応援も勇気になった」としのぐ。突入したタイブレークでも攻撃の姿勢を忘れなかった町田が、第1シードを撃破した。
仲間の応援に応える町田
第4シード竹元佑亮(関大)を破ったのは、町田と同じく予選を突破してきた千頭昇平(スポ1=愛知・誉)だ。ケガの影響で長らくプレーできていなかった千頭だったが、東海中日選手権で優勝を果たすなど復活の兆しを見せているだけに注目の一戦となった。ラリー戦の中でもボレーやドロップショットなど多彩なプレーを見せ、第1セットを6-2で奪う。しかし、第2セットでは「(相手の)セカンドサーブで前に入ってプレッシャーをかけていくように心掛けた」としながらも自らのサービスキープにも苦しんだ。竹元の好プレーもあり相手のセットポイントまで追い込まれる。最終セットにもつれるかと思われたが、気迫で追い上げた千頭がそのままの勢いでタイブレークを制して3回戦へ駒を進めた。
勝利を決めた瞬間の千頭
この他にも佐藤祥次(スポ2=大分舞鶴)が関大の柴野晃輔を相手に食らい付くなど、2回戦ながら白熱した試合が目立った。層の厚さを見せているだけに、3回戦では早大勢の同士打ちも複数見られる。他大を圧倒し、時には仲間に打ち勝ちながら、学生の頂点を目指す。
(記事 熊木玲佳、写真 松澤勇人、熊木玲佳)
結果
▽男子
シングルス2回戦
○岩崎歩7-6(4)、6-2服部未蘭(青学大)
○河野優平6-4、6-3東川将大(甲南大)
○三好健太6-2、6-3前崎直哉(法大)
●森山颯太1-6、4-6今村昌倫(慶大)
○齋藤聖真6-4、6-2伊藤隆(日体大)
○坂井勇仁6-2、6-2田村迅(駒大)
○古田伊蕗6-3、6-2本間春樹(関学大)
○町田亮3-6、6-2、7-6(4)望月勇希(中大)
○小林雅哉6-2、6-4本城和貴(明大)
○古賀大貴7-6(3)、6-0矢ノ川歩(近大)
●佐藤祥次3-6、4-6柴野晃輔(関大)
○島袋将6-1、6-4小倉孝介
○髙村佑樹6-1、4-6、6-4岡垣光祐(法大)
○田中優之介7-5、6-1大西航介(南山大)
○千頭昇平6-2、7-6(3)竹元佑亮(関大)
○藤井颯大6-4、6-4林大貴(関大)
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コメント
小倉孝介主将(スポ4=神奈川・湘南工大付)
――同門対決となりましたが、試合前に考えていたことはありましたか
僕は個人戦ではこれが最後なので絶対に負けたくないなというのはありました。あと、やはり相手はフューチャーズでも活躍している後輩だったので自分は先輩でありながらチャレンジャーということを忘れずに挑もうと思っていました。
――ファーストセットを振り返っていかがですか
出だしはよかったのですが、島袋(将、スポ2=三重・四日市工)のペースに途中からどんどんなってしまったというのは・・・。なるべく長く自分のペースでいたかったのですが、そこが彼の強さなので仕方ないかなと思います。
――セカンドセットは粘っている姿もありましたが、振り返っていかがですか
最初にブレークされてそこからキープがずっと続いたのですが、自分のテニスが通用しているなという反面、まだまだ未熟な部分がはっきり分かりました。
――最後のインカレでしたが、これまでを振り返っていかがですか
結果としては1年生から学年が上がるにつれてレベルは上がってきてはいたのでそういう面では成長したなというのはプラスに捉えていきたいなと思います。
――今大会、早大の各選手の戦いぶりについてはいかがですか
きょうは町田亮(スポ3=福岡・柳川)が第1シードの望月(勇希、中大)にしっかり勝って、リーグ(関東大学リーグ)も控えているので周りの学校に対してプレッシャーをかけられたんじゃないかなと思います。あと、古賀(大貴、スポ2=大分舞鶴)もラッキールーザーを生かして勝ち上がりましたし、順調に勝ち上がっていて良い出だしかなと思います。
――インカレが終われば秋には団体戦シーズンが開幕です
このインカレでタイトルを取ること、上位進出者を出すことは他大にプレッシャーをかけることになると思うので、リーグ戦については置いておいて、まずはこのインカレで勝ち進んでほしいなと思います。
森山颯太(商4=埼玉・川越東)
――ファーストセットから振り返っていかがですか
自分のやれることをしっかりやろうと思っていたのですが、相手のプレーがすごく良くて、ポイントも全然取らせてくれなくて、ファーストセットは簡単に取られてしまったというかたちですね。そこでトイレットブレークを取ってしっかり整理してセカンドセットは戦うことができました。
――セカンドセットについてはいかがですか
ミスが本当に早かったのでまずはミスを減らして相手のミスを誘えるようなプレーをしていこうと思って、どんなボールでもしつこく1つでも多く返そうと戦いました。
――惜しくも負けてしまいましたが具体的な敗因はありますか
自分のボールが浅くなってしまって中に入って打ったボールに対してのミスが多かったですね。そこで深いボールを混ぜて浅いボールも使っていけたらなと。浅いボールがすごく多くなってしまってたたかれるということが多かったですね。
――関東学生選手権をはさみ、秋には団体戦が始まります
リーグ戦、王座(全日本大学対抗王座決定試合)に向けて自分のできる役割をしっかり果たしていきたいなと思います。
町田亮(スポ3=福岡・柳川)
――素晴らしい試合でした。勝った瞬間はどんな気持ちでしたか
うれしかったのですが、ずっと集中していたので、その集中が途切れて力が抜けて、「あー疲れたなー」って感じでしたね(笑)。
――今大会は予選からでしたが、どのような目標で臨みましたか
予選からだったので、とりあえず予選は突破して、本戦でどこまでいこうとかは考えていなかったので、一戦一戦やっていこうと思っていました。でもドロー番号2番で(笑)、ちょっと厳しいかなと思ったんですけど、(望月選手は)去年(予選で)負けた相手だったので、リベンジできるいい機会だとポジティブに考えて試合に入れました。
――インカレに臨むにあたって調子はいかがでしたか
夏関の予選で慶大の1年生の今村くん(昌倫)と当たったんですけど、僕はチャレンジャーの気持ちで臨んで、気持ちを出して勝つことができて、そこで調子どうこうではなく気持ちを全面に出せば勝つことができるんだと自信につながりました。自信を持ってインカレに臨めたと思います。
――きょうの相手は望月勇希(中大)選手でしたが、対策やプランなどはありましたか
あんまり考えてなかったですね。相手どうこうよりも、自分から攻める、武器であるサーブを中心に常に攻めていって、多少のミスは気にしないようにしました。
――厳しい暑さの中での試合が予想されていたと思いますが
あんまり体力がある方ではないので、暑さは得意ではないのですが、少し夕方になってからの試合で良かったです。ラッキーでした。
――第1セットを振り返って
望月くんが予想以上に攻めてこなくて、それに焦った僕がミスをしてしまいましたね。完全に自滅で落としてしまったと思います。
――第2セットにかけてどのように切り替えましたか
そこで守りに入るという考えはなかったので、少しポジションを下げて後ろから攻めようと思いました。そうしたら思ったよりラリーでポイントが取れたので、感触は良かったです。焦らずにプレーできたのが良かったと思います。
――ファイナルセットは先にブレークする展開となりましたが、勝ちを意識したときはありましたか
3-2とか4-3のときは少しいけるかなと思ってしまって、それが逆にブレークされるのにつながってしまったと思います。できるだけまだまだ続くと思ってプレーするようにしました。
――相手のマッチポイントを何度もしのぎましたが、意識していたことはありますか
シンプルにいこうと意識しました。ラリーになったら無理に攻めずに強い球を打って、浅くなったらボレーに出るというのをとにかくシンプルに実行しようと思ってプレーできたと思います。
――チームの応援も力になりましたか
そうですね。終盤は本当にしんどくて、声が出なくなっていたんですけど、代わりに声を出してくれるような応援だったので、とても勇気になりました。
――きょうの試合を通して改めて感じた自身の武器は何でしょうか
ショットというよりは、攻め続ける気持ち、勝負所でも攻め続けられる力が自分にはあるんだと感じました。
――第1シードを倒しての3回戦進出です。この結果をどう受け止めますか
あまり考えないようにしています(笑)。
――最後に、単複共に次戦への意気込みをお願いします
誰に勝ったとかは関係なく次の試合は始まるので、また一から朝から気持ちをつくって、やれることをやるだけですね。ダブルスではペアの木元(風哉、社1=埼玉・早大本庄)がきっと良いプレーをしてくれると思うので、僕もそれに負けないようにして、ダブルスも勝ち上がれるように頑張ります。
佐藤祥次(スポ2=大分舞鶴)
――今大会具体的な目標はありましたか
予選を勝ち上がって本戦に初めて出場して、まずは初戦突破。シードも関西の大学で、チャンスがあればいけるかなと思っていたのですが、そのチャンスを自分自身で逃してしまって悔いが残るというか、悔しい気持ちが強いです。
――シングルスは予選からのスタートとなりましたが、体に疲れはありましたか
予選はなるべく無駄なポイントを減らしてケアもしっかり受けていたので、体の状態としては万全でした。
――第1セットは関大の柴野晃輔選手相手に競れていました
3-1でリードしていて、そこから全部ジュースがあって僕にもチャンスがあって相手にもチャンスがあってという繰り返しだったのですがそこでも取り切れなくて。これをやればポイントを取れるというところが見えてこなかったのですが、そういうものがあれば取られるにしてももう少し接戦になったかなと思います。
――第2セットはいかがでしたか
0-1の時点で相手がつって、そこから4-1までいったのですが、相手が開き直ってきて、向こうも時間を稼いできてできることを精一杯いやってきて。僕もときどき審判に時間を計っているのか聞いていたのですが、もっと自分に厳しくではないですが、詰めの甘さが出たかなと思います。
――柴野選手を相手にきょうの試合をしたことは成長と捉えていますか、それとも悔しさが大きいですか
両方ありますね。ディフェンスが自分の持ち味なのですが、ミスをなくしていけたというところは成長でもありますし、今後は自分に厳しくする、普段の練習から目的意識を持って練習することが大切かなというところが課題かなと思います。
――ダブルスがまだ残っています
ダブルスも関西で去年の王座(全日本大学対抗王座決定試合)でも苦しめられたペアですが、元気を出して思い切ってやるだけです。頑張ります。
千頭昇平(スポ1=愛知・誉)
――まず、今回のインカレに向けて具体的な目標はありましたか
目標がどうこうというよりは、ケガをしていてずっとテニスができなかったことを考えると楽しむことが今は一番大事かなと思います。
――単複予選スタートでしたが、疲れなどはたまっていますか
そんなに感じないですね。疲れを感じないくらい楽しんでいると思います。
――竹元佑亮選手(関大)との対決になりました。試合前にプランなどはありましたか
前に見て相手のセカンドサーブがあまり良くないと思ったので、自分からセカンドサーブで前に入ってプレッシャーをかけていくように心掛けていました。
――それぞれのセットを振り返っていかがですか
どちらのセットももう少しサービスゲームをキープすることができたらすんなり勝つことができていたと思うのですが、きょうはあまりサービスゲームをキープできなくてもつれてしまうことが多かったですね。全体的には悪くはなかったので否定的には捉えていなくて。あすも試合があるので、プラスに考えます。
――あす以降に向けて意気込みをお聞かせください
1年生なので緊張も何もないので、自分ができることを全部やり切るだけです。