関東学生トーナメント(春関)から1週間、2日間をかけて春の早慶対抗試合(早慶戦)が行われた。今回で184回を数える伝統の一戦で、男子は慶大を8-1と圧倒。「次の1ページが刻めた」(渡邉隼ヘッドコーチ、平19スポ卒=静岡・庵原)――大正13年から歴史を重ね、通算101回目の優勝を飾った。
1日目のダブルスは、雨天の影響でインドアコートでの試合となった。ダブルス3の齋藤聖真(スポ3=神奈川・湘南工大付)・髙村佑樹(スポ2=千葉・東京学館浦安)組は韓成民・山﨑瑛二組と対戦。早慶戦特有の緊張感から第2セットを落としたものの、安定感のあるペアが手堅い1勝を挙げる。手に汗握る熱戦が見られたのはダブルス2だ。全国の頂点にも立っている逸崎凱人・畠山成冴組に対し、この日は「春関の勢いを見た」(小倉孝介主将、スポ4=神奈川・湘南工大付)と田中優之介(スポ1=埼玉・秀明英光)、坂井勇仁(スポ3=大阪・清風)のペアリングに。第1セットでは「こちらも少し固くなっていた」(坂井)と先制を許したが、2、3セット目は競った場面でも攻め切り奪い返す。「4セット目で取り切りたかったが、そんなにうまくいくとは思っていなかったのでファイナルにいく準備はできていた」(坂井)。予想通り最終セットまでもつれた試合は、逸崎のサービスを2ブレークしてわずかな隙をものにした坂井・田中組が制した。ダブルス1に据えられたのは小林雅哉(スポ2=千葉・東京学館浦安)・島袋将(スポ2=三重・四日市工)組だ。ペースをつかめず終わった第1セットから修正を見せ2セットを奪い返したものの、団体戦初のダブルス出場に「すごく緊張してあまり周りが見られなかった」と小林雅。しっかり立て直してきた慶大ペアにフルセットの末敗北し、2勝1敗で翌日のシングルスに折り返した。
公式戦初のペアリングながら大接戦を制した坂井(右)・田中組
2日目のシングルスでは層の厚さを見せつけた。この日の1勝目を挙げたのは、シングルス6で起用された田中。タイブレークもきっちりと取り、春関に続き畠山を打ち破る。5を務めた齋藤はこの日がシングルスの団体戦デビュー。「責任を持って臨んだ」(齋藤)としながらも、緊張にのまれることなくストロークで攻めてゆく。慶大の注目ルーキー今村昌倫をストレートで下し、早慶戦勝利まであと1勝とした。シングルス4を務めたのは、最上級生でただ1人出場した三好健太副将(スポ4=埼玉・秀明英光)だ。第1セット序盤こそ思うようなプレーができずにいたものの、「落ち着いて大事なところでペースを上げることを意識した」とスライスを混ぜつつコースに打ち、徐々に持ち直す。「4年生の中で1人だけの出場。絶対にチームに1勝を持ってくる気持ちで戦った」(三好)。言葉通り、気迫あふれるプレーでチームの優勝を決めた。その後も小林雅、古田伊蕗(スポ3=静岡・浜松市立)と続けて3セットで勝利。シングルス1の島袋将(スポ2=三重・四日市工)は逸崎を相手に第1セットを落としたものの、チーム全員の声援を味方に力強く戦い抜き、最後はサービスエースでゲームセット。シングルス全勝で慶大に引導を渡した。
三好は最上級生の意地を見せ優勝を決めた
シングルスでは初出場者から上級生まで全員が白星を挙げて戦力の充実ぶりを見せた一方、ダブルスではどちらに転ぶか分からない試合が目立った。秋の団体戦シーズンを戦い抜くためには、確実にリードできる力をつけたいところだ。「チームとしてはまだ完璧ではない。まずはインカレ(全日本学生選手権)でタイトルを取れるよう、全員でやっていきたい」(小倉主将)。夏以降の重要な戦いへ向けて、鍛練の時期が始まる。
(記事 熊木玲佳、写真 田中佑茉、橋本望)
結果
○早大8-1慶大
ダブルス1
●小林雅哉・島袋将1-6、6-4、6-1、4-6、4-6今村・福田
ダブルス2
○坂井勇仁・田中優之介3-6、7-5、7-6(9)、3-6、6-1逸崎・畠山
ダブルス3
○齋藤聖真・髙村佑樹6-3、2-6、6-1、6-1韓・山崎
シングルス1
○島袋4-6、6-3、6-4、6-4逸崎
シングルス2
○古田伊蕗6-3、6-4、6-3韓
シングルス3
○小林雅7-5、6-2、6-4甲斐
シングルス4
○三好健太6-3、6-3、6-4本玉
シングルス5
○齋藤6-3、6-4、6-3今村
シングルス6
○田中6-2、7-6(3)、6-0畠山
※通算成績=101勝83敗、37連勝(新記録)
コメント
1日目終了時
小倉孝介主将(スポ4=神奈川・湘南工大付)
――きょうの早慶対抗試合(早慶戦)を前にチームの皆さんにはどのようなお話をしていましたか
早慶戦はリーグ(関東大学リーグ)や王座(全日本大学対抗王座決定試合)とはまた違った雰囲気の中でやるのと、特に5セットマッチは最後までどちらが勝つか分からないということ。1年生は初めてなのでそれをしっかり伝えて、早慶戦の怖さ、5セットマッチの怖さと、サポートがいかに大事か、選手とサポートのコミュニケーションがいかに大事かということを伝えて、全員で3-0で勝ちにいこうという話をしていました。
――河野優平副将(スポ4=福岡・柳川)が外れて田中優之介選手(スポ1=埼玉・秀明英光)が入り、小林雅哉(スポ2=千葉・東京学館浦安)・島袋将(スポ2=三重・四日市工)組がダブルス1になるといったオーダーになりました。慶大のオーダーも含めていかがですか
慶大のオーダーは予想通りではありました。それに対して相性を考えた上で、春関(関東学生トーナメント)を見て勢いもあるので田中と、ストローク力のある坂井(勇仁、スポ3=大阪・清風)を。左利きというだけでダブルスもかなり有利になると思うのでその二人を組ませて、河野は今回ダブルスに出られないかたちにはなるのですが、チームの副将としてしっかり役目を果たしてもらって、と。小林・島袋は去年のリーグ、王座、早慶戦を戦っていて、ダブルスでは出ていないのですが経験はかなり豊富なので、その二人で勝負をさせようということになりました。
――途中でベンチコーチにも入っていましたが、3試合をどうご覧になっていましたか
1試合目の齋藤(聖真、スポ3=神奈川・湘南工大付)・髙村佑樹(スポ2=千葉・東京学館浦安)の相手の1人は山﨑(瑛二、慶大)で、リーグ、王座には今まで出てこなかった選手なのですが非常にダブルスのうまい選手で、情報が少ない中で二人が試合中修正してうまくやれたかなと思います。齋藤・髙村のコンビネーションはすごくいいのでどこで出しても通用するとは思っています。それでも1セット落としてしまうのがやはり早慶戦の怖さでもあると。坂井と田中はよく勝ってくれたなと思います。狙い通りではあったのですが、フルセットできつい中1年生がよく戦ってくれました。あそこがないと1-2になってしまっていたので、チームに貢献してくれたなと。小林・島袋は、二人のスキルからしてもっとできたんじゃないかなと思います。気持ちで引いてしまうというのは個人戦とはまた別なので、いくら個人戦で結果を出しても団体戦になればその人の弱さが出たりして・・・。そこを計算してオーダーを入れるのはとても大変なのですが、負けてしまったのは仕方ないので、あすのシングルスに出場すれば頑張ってほしいなと思います。
――試合後のミーティングではどのようなことを話しましたか
危機感を持ってほしいと。1年生も実際に感じて慶大の怖さも分かっただろうし、自分たちの反省材料も、ないのが一番いいのですが課題も見つかったので、あすに向けて修正するのと、選手はまだまだ甘さがあるというところがいっぱいあったのでそれを伝えて。特に出だしに甘さがあったので、あすは出だしからということと、準備の面で不足していた部分があってそれがもちろん出だしにもつながっていたので、サポート選手と同様怠らないでやっていこうという話をしました。
――あすに向けて
相手もかなり強い選手がそろっているので、気が抜けない試合になると思います。どちらが勝ってもおかしくない試合で、常に緊張した場面があると思うのですが、いかにサポート・応援がその緊張を和らげていいプレーをさせるか、その応援に選手がどれだけ応えられるかがカギになると思います。僕も主将として全体を見てうまく引っ張れるように頑張っていきたいです。
坂井勇仁(スポ3=大阪・清風)
――何度も対戦したことのある相手だったと思いますが、分析などはできていましたか
僕は大学に入ってあのペアとやるのが8回目なのですが、いつも勝ったり負けたりで、絶対勝てるというような試合はありませんでした。今回は全員で相手の分析をして、すごくいろいろな情報が自分の頭の中にあったので、あとはもう優之介(田中)と思い切ってプレーするだけだなと思ってプレーしました。
――田中選手とは練習できていましたか
いや、たまに組む程度でした。でも早慶戦のために練習していたのは、春関終わってからという感じですね。
――きょう実際に田中選手と試合に出てみていかがでしたか
彼自身が本当に勢いのある選手だと思います。僕も1年生の時に出させてもらって、ちょうどその時も逸崎・畠山でファイナルで勝ったのですが、その時のことをちょっと思い出しながら、きょうは思い切ってできたのでよかったかなと思います。
――それぞれのセットを振り返っていかがですか
ファーストセットは少しこっちも固くなってて、相手も実力があるのでしっかりワンブレークで逃げ切られてしまったのですが、セカンドセットとサードセットで競った場面でしっかり攻めて取り切れたというのは相手にプレッシャーがかかったと思います。そこでプレッシャーをかけて4セット目で取り切りたかったんですけど、そんなにうまくいくとは思っていなかったので、ファイナルにいく準備も僕の中ではしっかりできていて、最後は勝ち切れてよかったなと思います。
――あすのシングルスに向けて意気込みをお願いします
シングルスはまだオーダーが決まっていなくて、僕自身もそうですし誰が出るかまだ分からないので、もし出たらそこで絶対1本取って帰ってきて、最後まであきらめずに戦い抜きたいなと思います。
小林雅哉(スポ2=千葉・東京学館浦安)
――ダブルスで団体戦に出場するのは初めてだと思いますが、シングルスの時と緊張感や雰囲気に違いはありましたか
やはり初めのダブルスが後のシングルスのカギになると思うのですごく緊張していて。島袋が緊張していたかは分からないのですが、正直自分はすごく緊張していました。周りの応援もあまり聞こえていなかったというか、あまり周りが見られていなかったかなというのがひとつあります。やはりシングルスと違うのかなって。単複出ている坂井さんであったりとかは慣れていると思うのであまり気にしていないとは思うのですが、自分はダブルスがそんなにうまいわけではないのに出させていただいて負けてしまって。もう少し最後まで思い切ってできていれば良かったかなと。
――今村昌倫・福田真大組(慶大)とは春関で齋藤・髙村組が当たったばかりでしたが、話などは聞いていましたか
そうですね。福田も今村もジュニアの頃から知っている選手ですし、齋藤・髙村組にも聞いたりだとか、他にもいろいろやった選手や見ていた人にも聞いたりはしていました。ただ今村選手はストロークがすごくうまいので、そこを軸に福田選手がしっかり前で動いてくるプレーがあって。正直それに対して自分は今村とラリーするのは良かったのですが、打ち負けていたこともあったし、ずっと同じ場所を打っていたのかなというところはあります。第1セットに比べたら2、3セット目はしっかりラリーを続けたりだとかロブを打ったりだとか、相手を振り回して動かすことができて取り返すことができたのですが、(第3セット終了後の)休憩の時間で慶大も考えてきて、自分たちももっと考えてできれば良かったかなと思います。
――足のケガは大分良くなったのでしょうか
足は完璧に治っていますが、サポーターをしてやる予定ではあります。心配はないです。
――あすに向けて
正直出られるかは分からないのですが・・・。出られるという選手がたくさんいる中、自分もケガしていて春関でも結果を残せていないので出られるか分からないのですが、出られた場合は自分の持ち場でしっかり勝てればいいかなと思います。
2日目終了時
渡邉隼ヘッドコーチ(平19スポ卒=静岡・庵原)
――早慶戦を終えた今の率直な感想をお聞かせください
(男子が通算)101勝目なんですよ。次の1ページが刻めたなという感じですね。あまり意識はしていなかったので終わって気付きましたが、男子が101というのが印象強くて。女子はおととし負けちゃっているのですが(関東大学リーグ●2-5)、慶大との対戦はいつも疲れるので、うれしいですね。
――毎年慶大は早慶戦でかなり力を出してくる印象があります
それはもちろん毎年変わらないですよね。どんなかたちであれ最後までやり切ろうというのはチームとして変わらないはずなので、きのうが終わった時点で我々がリードはしていたのですが、最後までどうなるか分からないですし。2年前に(早大)女子はこのコートで0-3から4-3にして勝っていて、相手にもそういうチャンスがあるのは事実なので、自分たちができることをしっかり準備しようと。男子はエースの上杉くん(海斗、慶大)がいなくて、自分たちが一つ一つ勝っていくことで自分たちが準備してきたものをしっかり証明するために戦い抜こうと決めて、みんなに話してやっていました。
――オーダーや試合内容を振り返っていかがでしたか
1年生は清水(映里、スポ1=埼玉・山村学園)、田中が春関での活躍の勢いのまま自分たちの力を出してくれました。新しい力が加わったことによってチームにすごく刺激が与えられたので、上級生は今の力に甘んじることなくレベルアップをしていくことと、きょう出られなかった選手たちは自分たちが新しい力になれるようにやってほしいという思いはあります。オーダーを決める時はもちろん勝ち星も計算しますが、誰が成長していくのかといったイメージも持ってやるので、今回はたまたまですが的中した部分があるかなと。
――男女それぞれの結果はどのように受け止めていますか
男子はやはりダブルスをもう少し強化したいというところがあります。小林と島袋はきょうもシングルスで活躍してくれたのですが、ダブルスになるとまだまだ甘いところがたくさんあって。シングルスは層が厚いので、団体戦で勝ちたいのであればダブルスを強化しないといけないですね。女子のシングルスは春関でトップの方にいけませんでしたが、ダブルスではきょう久しぶりに組ませた上(唯希、スポ3=兵庫・園田学園)・大矢(希、スポ3=愛知・名古屋経大高蔵)が冬場に全日本室内(島津全日本室内選手権)とかでも活躍した勢いを途絶えさせることなく力を出してくれましたし、(ダブルス2も)細沼(千紗女子主将、スポ4=東京・富士見丘)を中心に、春関で結果を残した清水が自分の力を出してくれたので充実していました。シングルスは誰がエースになってもおかしくない状況なので、逆に全員が「自分がエースになってやる」と思ってレベルアップしてほしいなとは思いますね。
――ここ2週間で個人戦、団体戦が続きましたが、全体として収穫や課題はありましたか
小倉がすごく体力があるんですよ。体力づくりでは小倉を基準値に持ってきていたので、男子は体力でかなり優位に立てていたんじゃないかなときょうのシングルスで感じていますね。女子に関しても体は強くなってきているのかなと。春関が終わってすぐ早慶戦を戦わなくてはいけないことは決まっていたので、この2週間、前半戦のヤマ場を戦い抜くためにどういう風に体をつくるのかということをチーム全体として小倉、細沼を中心にやってきた結果がここにつながったと思います。なのでこの2週間に不安はなかったのですが、直前に小林がケガしちゃって。トレーナーの方が必死に治療してくださってコートに立たせてくれましたが、向こうの上杉くんがいなかったのも大きかったものの、小林がいなくてもうちの選手層は、男子は特に厚いので、そうなったらそうなったで戦う準備ができていたなと思います。
――夏以降は大事な試合が個人、団体共に続きますが、どのように取り組んでいきますか
夏に勝ちたいのであればあと2、3カ月の準備が勝負になります。今も小倉と細沼たちと予定をつくっているのですが、みんな「うっ」って顔をしていましたね(笑)。
――ハードな日程になるということでしょうか
1回ちゃんと休みを取るんですよ。1週間くらい取りますが、これが終わったら一気にいくよと言ってあります。みんな負けたいか勝ちたいかで言えば勝ちたいと思うので、その覚悟を持ってやっていきたいなと思います。勝つ準備をする、ということですね。
小倉孝介主将(スポ4=神奈川・湘南工大付)
――8勝1敗で勝利という結果になりましたが、どう受け止めていますか
慶大も力を上げている中8-1で勝てたのは全体としては良かったかなと思います。ダブルスは、日本一の早大の1としてとして勝たなければいけないところで落としてしまったので、そこは課題かなと。まだチームとして完璧ではないということでさらに気が引き締まったので、それはある意味良かったのではないかなと思います。
――シングルスに関してはオーダーも含め全体的に振り返っていかがですか
当てたい相手は予想通りいった部分もあって、田中は1年生らしくあちらの主戦力をしっかり潰して、逆にあちらの勢いのある1年生に、シングルスで出るのは初めてだったのですが齋藤がしっかり勝ち切って、シングルスでも戦えることが分かったのは良かったのではないかなと思います。全体として6-0は本当に良かったと。ほぼセットも取られずにいけたのは自信にもなりますが、それでもそれぞれ課題はあったので・・・。島袋もまだ雑な部分もありましたし、これで油断せずリーグに向けてまた頑張っていきたいなと思います。
――ここ2週間で春関、早慶戦が続きましたが、チームとして見つかった課題や収穫はありますか
やはりダブルスは春関でもタイトルが取れず今回も1つ落として、というところがあったので、ペアリングもありますが練習を積み重ねていかないといけないなと感じました。シングルスは海外遠征を入れたり対外試合も多く出場させたりしている分結果がしっかり出たかなというところだったので、そこは継続して、ダブルスの強化に努めたいなと思います。
――夏以降には重要な試合が続きます。どう過ごしていきますか
夏場には暑さだとかまた違った勝負もあると思うのですが、ここで落とさず上げていけるように引っ張っていきたいなということと、まずはインカレ(全日本学生選手権)でタイトルを取れるように全員でやっていきたいなと。僕個人としても試合に出て引っ張るということがまだできていなくて、それができたら主将として一番いいと思うので、インカレで結果を出してより良いチームをつくれるように頑張っていきたいなと思います。
三好健太副将(スポ4=埼玉・秀明英光)
――最後の早慶戦にはどのような思いで臨みましたか
最後の早慶戦だったので勝ちにいくのは当たり前だったのですが、シングルス、ダブルス共に誰が出るか分からないという状況で、きのうのダブルスは河野が出られなくて僕が4年生の中で一人だけの出場となって、絶対にチームに1勝を持ってくるという気持ちで戦いました。
――きょうのシングルスを振り返ってはいかがですか
シングルスは序盤相手がよくて、僕も緊張していてあまりボールが飛ばなかったのですが、相手がペースを上げていたので、僕は落ち着いて大事なところでペースを上げるということを意識していて、セカンド、サードセット共にそれだけを考えていました。
――8勝1敗での勝利はどう捉えていますか
ダブルスはペアリングがうまくいっていなかったり、試合前にペアが変わったりということがあったのですが、ダブルスをもっと強化して、3-0つけられるチームにしていかないといけないと思います。
――春関、早慶戦を通して見つかった課題と収穫は何ですか
春関はダブルスでタイトルを取れなかったことが一番大きな課題で、ベスト4にも1ペアしか残れませんでした。逆にシングルスではベスト4に3人残って、シングルスの面ではみんなレベルアップしていると思います。シングルスだけでなくダブルスの練習をもっと取り入れて、シングルスでももっと隙のないチームをつくっていきたいです。
――夏に向けて強化したい部分はどこですか
ここからインカレまで時間が空くのですが、この期間が僕の中では勝負だと思っています。ここで頑張れるかどうかがインカレ優勝やリーグ、王座でタイトルを獲れるかのカギになるので、オフシーズンと思わずに自分を追い込んで練習に取り組んでいきたいです。
齋藤聖真(スポ3=神奈川・湘南工大付)
――早慶戦にはどのような気持ちで臨んでいましたか
ダブルスは正規ペアが僕のところと小林・島袋で、小林がケガで春関を棄権していたのでそこが出るか分からないということで、(ダブルス)2か3で出る覚悟を決めて練習もしていました。それと共にことしはシングルスもチャンスがあるかなと思っていて、単複共に出て勝利を挙げられたらいいかなという最初は少し軽い気持ちだったのですが、近くなるにつれて自分が今の立ち位置の中でことしの早慶戦に臨む気持ちの大きさがだんだん膨らんできたので、その中では責任を持って臨めた早慶戦だったかなと思います。
――きのうのダブルスを振り返って
僕の調子が結構良かったので、珍しく髙村(佑樹、スポ2=千葉・東京学館浦安)を僕が引っ張るかたちになったかなと。僕もずっと良かったわけではないのですが、その時に髙村が頑張ってくれたので、お互いバランス良くできました。「ダブルスは絶対取る」と思っていたので。1セット取られたのですが、そこは早慶戦での緊張感とか、インドアでやったのは初めてだったのでその差とかが普段の対抗戦との違いだったのかなと思いました。
――シングルスでの出場は初めてでしたが、いつもの緊張感との違いはありましたか
すごく緊張するかなと思ったのですが、思ったよりしなくて。固くなって動けなくなるのが一番怖かったので、足はすごく動かすように意識して。自分の中で、きのうの夜考えていた「最低限これくらいはできてほしい」というパフォーマンスを上回るものが出せました。特にフォアハンドがすごく振れていたのでそれは自分的にもすごく助かって、緊張して振れなくなるという場面がなくて。後は3セットしっかり取り切るまで自分のメンタルがもつかという勝負だったという感じです。
――この2週間で見つけた課題、収穫は
ずっとファーストサーブ強化に取り組んできていて、その成果があった2週間だったと共に、次はセカンドサーブでどれだけ攻撃的に相手を崩せるか、またはリスクを犯さずに相手にリスクを負わなければいけないレシーブを打たせることができるかということをこれから課題としてやっていかなくてはいけないかなと思います。体力面に関してはテニスを始めてからずっとなので、大学生活があと1年半くらいありますが、その間に課題がなくなるように(笑)、頑張っていきたいと思います。
――最後に、夏に向けて意気込みを聞かせてください
去年の夏関(関東学生選手権)からシングルスでも勝ち始めて3大会連続でシード以上の結果は残せているのですが、結局ベスト8なので。まずは4以上に入れるようにやっていくということと、後はダブルスでのタイトルがないので、そこを意識してやっていきたいと思います。